獰悪な「孔子学院」の女総幹事―台湾併呑の野心剥き出し
2014/07/30/Wed
各国の中国研究者が所属する欧州漢学学会(EACS)の第二十回大会が七月二十二日、ポルトガルのミンオー大学で開幕した。
今回開催を担当したのは同大学の孔子学院。孔子学院とは中国政府が中国語や中国文化を普及させる目的で、世界各国の大学などに設置する教育機関で、日本でも十以上の大学に開設されているが、その実態は中国シンパを養成し、中国の新世界秩序建設を翼賛させるためのプロパガンダ機関だ。
この日は孔子学院の総本部である「国家漢語国際推広領導小組弁公室」(国立中国語国際普及指導グループ事務所)、すなわち「漢弁」の主任(副大臣級)にして、孔子学院総本部総幹事である許琳も出席したが、これが獰悪な女だった。
孔子学院総本部の許琳・総幹事。その「鶴の一声」は海外の中国研究者たちを動かすのだ
大会パンフレットに協賛団体である台湾の蒋経国国際学術交流基金会の二頁にわたる広告が掲載されているのを問題視し、開幕式での挨拶の中で、「この広告を切り捨てなければ、パンフの配布を許さない」と発言したのだ。
これを受け主催者は、慌ててその部分を切って捨てた。そして広告の裏ページに載っていた学会の活動紹介の記事だけは別途印刷して配り直している。同基金会は今回の大会に対し一万六千ユーロの賛助を行っていたが、それをはるかに上回る支援を、漢弁は行っているわけろう。
パンフから破り取られた蒋経国基金会の広告
かくして欧州の中国研究者たちは、この覇権国家の使者の言いなりになってしまっているわけだ。
EACS大会の参加者たち。中国研究のために中国に魂を売っているのか
こうした事態に関し、台湾紙自由時報は三十日の社説で次のように述べている。
―――中国の専制政権はマルクス主義、毛沢東思想を信奉し、伝統文化を封建主義のゴミと看做し、文革当時は「破四旧」を高々と叫んでいた。この二十数年来は経済面で資本主義路線を歩んではいるが、政治面ではなお民主、人権等の普遍的価値を敵視している。
―――しかしこの経右政左の結果、社会は価値観の危機に陥り、中共の統治者としての正統性が揺らぎ始めた。そこで中共は政権を守るため、伝統文化の旗を掲げ、イデオロギーの空白を埋めようとしている。
―――しかし中国の「国学ブーム」の重点は仁義礼智、王道を尊び覇道を否定するといった伝統的価値観にはない。政府が求めるのはそれを民族主義と連結させ、世界中の中国人を取り込むことだ。
―――かつては「孔家店(孔子)打倒」を叫びながら、今や各国に金を寄付して設置する孔子学院など、孔子の道とは無関係の単なる「文闘」の担い手であり、寄付を受けた大学の学問の自由を大きく損ねるものだ。
―――孔子学院が「文闘」をやり、人民解放軍が「武闘」をやる。これが中国の平和的台頭というものの馬鹿げた実態だ。
―――孔子学院は欧州漢学学会に金を出して大威張りだ。このようにして政治的な干渉を行い、いつもながらの国際社会における台湾の矮小化を、漢語、文化の領域でも開始したのである。
台湾政府は主催側に抗議を行い、EACSは謝罪している。一方中国に対しては「失望」の念を伝え、相互尊重を呼び掛けたが、あの国がそれを受け容れるはずがない。
漢弁はこれまで、孔子学院の解説を通じ、「世界各国と提携し、多元文化を発展させ、調和ある世界の建設に貢献する」などと強調してきたが、台湾併呑の野心剥き出しの許琳の如き横暴な振る舞いが貢献するのは、如何なる「世界の建設」なのか。
許琳は十七日の習近平主席によるブラジル訪問にも同行。同主席とルジマ・ルセフ大統領の見守る中、同国の三つの大学と孔子学院設置に関する合意書に調印している。
伯中元首が見守る前で孔子学院設置の合意書に署名する許琳。中国のソフトパワーはさらにブラジルに浸透していく
日本の孔子学院関係者は、許琳の台湾叩きの行為をどう見るのか。
おそらく何とも思わないのだろう。中国の影響下に陥るとはそういうことなのだ。今回の大会主催者のように、良心の呵責も感じられないのが、中国に取込まれたシンパたちの一大通弊といえるのである。
[過去の関連記事]
日本の大学の「孔子学院」は安全かー開設相次ぐ中国の対外宣伝工作機関 09/10/12
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-912.html
大学に「浸透」する中国の力―大阪産大「孔子学院」事件に思う 10/07/02
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1215.html
監視するべき各大学の「孔子学院」 11/06/01
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早大総長に公開質問状―学生を脅かす中国「孔子学院」問題で 13/04/08
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2089.html
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http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2126.html
米国で中国「孔子学院」排斥の動きー日本の大学も再考を 14/06/19
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2377.html
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今回開催を担当したのは同大学の孔子学院。孔子学院とは中国政府が中国語や中国文化を普及させる目的で、世界各国の大学などに設置する教育機関で、日本でも十以上の大学に開設されているが、その実態は中国シンパを養成し、中国の新世界秩序建設を翼賛させるためのプロパガンダ機関だ。
この日は孔子学院の総本部である「国家漢語国際推広領導小組弁公室」(国立中国語国際普及指導グループ事務所)、すなわち「漢弁」の主任(副大臣級)にして、孔子学院総本部総幹事である許琳も出席したが、これが獰悪な女だった。
孔子学院総本部の許琳・総幹事。その「鶴の一声」は海外の中国研究者たちを動かすのだ
大会パンフレットに協賛団体である台湾の蒋経国国際学術交流基金会の二頁にわたる広告が掲載されているのを問題視し、開幕式での挨拶の中で、「この広告を切り捨てなければ、パンフの配布を許さない」と発言したのだ。
これを受け主催者は、慌ててその部分を切って捨てた。そして広告の裏ページに載っていた学会の活動紹介の記事だけは別途印刷して配り直している。同基金会は今回の大会に対し一万六千ユーロの賛助を行っていたが、それをはるかに上回る支援を、漢弁は行っているわけろう。
パンフから破り取られた蒋経国基金会の広告
かくして欧州の中国研究者たちは、この覇権国家の使者の言いなりになってしまっているわけだ。
EACS大会の参加者たち。中国研究のために中国に魂を売っているのか
こうした事態に関し、台湾紙自由時報は三十日の社説で次のように述べている。
―――中国の専制政権はマルクス主義、毛沢東思想を信奉し、伝統文化を封建主義のゴミと看做し、文革当時は「破四旧」を高々と叫んでいた。この二十数年来は経済面で資本主義路線を歩んではいるが、政治面ではなお民主、人権等の普遍的価値を敵視している。
―――しかしこの経右政左の結果、社会は価値観の危機に陥り、中共の統治者としての正統性が揺らぎ始めた。そこで中共は政権を守るため、伝統文化の旗を掲げ、イデオロギーの空白を埋めようとしている。
―――しかし中国の「国学ブーム」の重点は仁義礼智、王道を尊び覇道を否定するといった伝統的価値観にはない。政府が求めるのはそれを民族主義と連結させ、世界中の中国人を取り込むことだ。
―――かつては「孔家店(孔子)打倒」を叫びながら、今や各国に金を寄付して設置する孔子学院など、孔子の道とは無関係の単なる「文闘」の担い手であり、寄付を受けた大学の学問の自由を大きく損ねるものだ。
―――孔子学院が「文闘」をやり、人民解放軍が「武闘」をやる。これが中国の平和的台頭というものの馬鹿げた実態だ。
―――孔子学院は欧州漢学学会に金を出して大威張りだ。このようにして政治的な干渉を行い、いつもながらの国際社会における台湾の矮小化を、漢語、文化の領域でも開始したのである。
台湾政府は主催側に抗議を行い、EACSは謝罪している。一方中国に対しては「失望」の念を伝え、相互尊重を呼び掛けたが、あの国がそれを受け容れるはずがない。
漢弁はこれまで、孔子学院の解説を通じ、「世界各国と提携し、多元文化を発展させ、調和ある世界の建設に貢献する」などと強調してきたが、台湾併呑の野心剥き出しの許琳の如き横暴な振る舞いが貢献するのは、如何なる「世界の建設」なのか。
許琳は十七日の習近平主席によるブラジル訪問にも同行。同主席とルジマ・ルセフ大統領の見守る中、同国の三つの大学と孔子学院設置に関する合意書に調印している。
伯中元首が見守る前で孔子学院設置の合意書に署名する許琳。中国のソフトパワーはさらにブラジルに浸透していく
日本の孔子学院関係者は、許琳の台湾叩きの行為をどう見るのか。
おそらく何とも思わないのだろう。中国の影響下に陥るとはそういうことなのだ。今回の大会主催者のように、良心の呵責も感じられないのが、中国に取込まれたシンパたちの一大通弊といえるのである。
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