中国副主席、外相が日本に「台湾問題」での従属を要求―明らかに日中関係改善は日本の属国化
2019/10/31/Thu
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■日中関係改善の条件となる「歴史、台湾の約束」とは
産経新聞は十月二十六日、「中国の王外相『歴史と台湾、約束守れ』 関係改善へ日本に要求」と題する記事を配信。次のように報じた。
―――中国の王毅国務委員兼外相は26日、北京で開幕した日中有識者による「東京-北京フォーラム」の開幕式であいさつし、日中関係をめぐっては日本側が「歴史と台湾の問題について約束を守らなければならない」と強調した。
―――日中両政府は首脳往来を活発化させているが、本格的な関係改善に向けては日本側が台湾問題などで中国に配慮することが必要だとの立場を示した形だ。
「関係改善」のため「歴史と台湾、約束守れ」と言うが、いったいその「約束」とは何か。
中国外交部(外務省)のホームページによると、王毅氏はこの時、次のように述べたという。
「中日両国は更にハイレベルの政治的な相互信頼を確立する必要がある。習近平主席は何度も、中日関係の改善と発展で重要となるのは相互信頼だと強調している。相互信頼のためにはまず中日間の四つの政治文書で確立された各原則、特に歴史問題と台湾問題には正確に対応するとの約束を守らなくてはならない」
どうもその「日中間の四つの政治文書」において、何か「約束」が交わされたようだ。
中国の所謂「四つの政治文書」とは、一九七二年の日中共同声明、一九七九年の日中平和条約、一九九八年の日中共同宣言、そして二〇〇八年の日中共同声明のことである。
【参考】中国が警戒する安倍首相を支持すべき理由―中国が日本脅迫で使う「四つの政治文書」とは(17/07/11)
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-3170.html
■暴力団の罠に似る中国の対日工作
それらにおいて日本は、「歴史問題」に関しては、だいたい次のような表明をしている。
「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」(一九七二年の日中共同声明)
「(日中)双方は、過去を直視し歴史を正しく認識することが、日中関係を発展させる重要な基礎であると考える」(日中共同宣言)
要するに日本は過去を直視し、反省し、歴史を正しく認識するといった「約束」を繰り返した格好だが、中国がこうした「約束」を自らの利益のために利用しないわけがない。「日本は罪を認めると約束した以上、贖罪のために中国の前で平伏し、中共認定の歴史観に基づく思想統制を従い、それに反する言動は慎まなくてはならない」とばかりに、日本への圧力掛けに余念がないではないか。よく警察は「暴力団とは約束するな」と呼びかけるが、その暴力団の手口と中国の対日工作はよく似ている。
■「一つの中国」原則を守るとは「約束」していない
それでは「台湾問題」では、日本はいかなる「約束」をしたと言うのだろう。
「四つの文書」を見ると、日本は一九七二年の日中共同声明で、「中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する」としている。そして「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する」とするのに対し、「この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」と表明しているが、「約束」と言えばそういうことだろう。他の「文書」でも、それ以上に踏み込んだ表明は行っていない。
日本は「台湾の中華民国ではなく中華人民共和国を中国政府と承認する」、そして「台湾が中国の一部とする中国の立場を理解し尊重する」と「約束」したことになる。
もっとも日中共同声明の文言は、よく読まないと勘違いしやすいのだが、日本は「台湾が中国の一部」であると認めたわけではないので注意が必要だ。あくまで「台湾が中国の一部」と主張する中国の立場を理解し(そういうものだと憶えておく)、尊重する(一々異議は唱えない)と表明したに過ぎないのである。
ところが中国は、その誤解されやすさをいいことに、あたかも日本が「世界に中国は一つ。中国とは中華人民共和国。台湾は中国の不可分の領土」とする「一つの中国」原則を受け入れたとの事実捏造の印象操作を延々と繰り返し続けているのである。あたかも日本が「一つの中国」原則を守るとの「約束」をしたかのようにだ。そして今回もまた例外ではない。
■日本政府は「属国化」の要求になぜ抵抗しないか
従って今回、王毅氏の「歴史と台湾の問題について約束を守らなければならない」という日本への要求は、「敗戦した侵略国である日本は中国に歯向かってはならず、また台湾問題は日本の干渉を許さない中国の内政問題だと認め、米国などとともに台湾併呑を妨害してはならない」という意味に他ならないのである。
要するに日本は「歴史問題で贖罪意識を持ち、中国の精神的属国になれ」「台湾併呑によるアジアでの覇権確立を黙認し、中国の正真正銘の属国になれ」と願っているのだ。
しかもこれは王毅氏だけの考えではない。かねてから中国は「歴史問題と台湾問題は日中関係の政治的基礎」と何度も何度も繰り返してきた。つまりこれら二つの問題で妥協、従属させるのが、対日工作の目標になっているのである。
そして問題は、日本政府が中国から「四つの政治文書」における「約束」を守れと迫られても、それに唯々諾々としているように見えることだ。
少なくとも報道を見る限り、今まで反論などしていないようだ。「南京大虐殺は嘘だ」「首相の靖国神社参拝は中国の干渉を許さない国家主権の問題だ」「日本は台湾を中国領土とは認めていない」などとは口が裂けても言えずにいるではないか(もし反論をしていれば、中国は「日中関係の政治的基礎を根底から覆す気か」と激怒するはずだから、きっと報道はあることだろう)。
つまり日本政府は、中国からの属国化の要求に抵抗していないということだ。そう言った事勿れ主義が、ますますあの恫喝国家を増長させるのである。
■日中関係の改善の前に先ずは日本が覚醒を
中国国営新華社通信によると、先ごろ即位礼正殿の儀に参列のため来日した王岐山副主席も、安倍晋三首相との会談で次のように話したそうだ。
―――今年六月、習近平主席と安倍首相は新時代の要請に適った中日関係の構築推進についての一連の重要な合意に達したことで、両国関係は新たな発展のチャンスを迎えている。
―――双方は中日間の四つの政治文書で確立された諸原則を厳守し、歴史や台湾などの問題を確実に処理し、両国関係の平和と友好、協力という正確な軌道に沿った持続的な前進の確保が必要である。
来春の習近平氏の来日を「令和時代の新たな日中関係のスタートを告げる国賓訪問となることを期待」(安倍氏)する日本政府。しかし王岐山氏もまた、こうした日中関係改善の前提条件として、日本による「歴史や台湾などの問題の確実なる処理」を挙げているのだ。
日本が中国に従属するのが「関係改善」だとする中国。このような国のペースに易々と乗る日本政府には、すでに属国根性が蔓延していると言えそうだ。
いま日本に求められているのは、中国の歴史問題に関わる圧力に屈しない精神的な強靭さ、そして台湾との関係強化を進め、中国の脅威を牽制、抑止する勇気と知恵ではないだろうか。
「令和時代の新たな日中関係のスタート」は、日本が覚醒してからにしたい。
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■日中関係改善の条件となる「歴史、台湾の約束」とは
産経新聞は十月二十六日、「中国の王外相『歴史と台湾、約束守れ』 関係改善へ日本に要求」と題する記事を配信。次のように報じた。
―――中国の王毅国務委員兼外相は26日、北京で開幕した日中有識者による「東京-北京フォーラム」の開幕式であいさつし、日中関係をめぐっては日本側が「歴史と台湾の問題について約束を守らなければならない」と強調した。
―――日中両政府は首脳往来を活発化させているが、本格的な関係改善に向けては日本側が台湾問題などで中国に配慮することが必要だとの立場を示した形だ。
「関係改善」のため「歴史と台湾、約束守れ」と言うが、いったいその「約束」とは何か。
中国外交部(外務省)のホームページによると、王毅氏はこの時、次のように述べたという。
「中日両国は更にハイレベルの政治的な相互信頼を確立する必要がある。習近平主席は何度も、中日関係の改善と発展で重要となるのは相互信頼だと強調している。相互信頼のためにはまず中日間の四つの政治文書で確立された各原則、特に歴史問題と台湾問題には正確に対応するとの約束を守らなくてはならない」
どうもその「日中間の四つの政治文書」において、何か「約束」が交わされたようだ。
中国の所謂「四つの政治文書」とは、一九七二年の日中共同声明、一九七九年の日中平和条約、一九九八年の日中共同宣言、そして二〇〇八年の日中共同声明のことである。
【参考】中国が警戒する安倍首相を支持すべき理由―中国が日本脅迫で使う「四つの政治文書」とは(17/07/11)
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-3170.html
■暴力団の罠に似る中国の対日工作
それらにおいて日本は、「歴史問題」に関しては、だいたい次のような表明をしている。
「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」(一九七二年の日中共同声明)
「(日中)双方は、過去を直視し歴史を正しく認識することが、日中関係を発展させる重要な基礎であると考える」(日中共同宣言)
要するに日本は過去を直視し、反省し、歴史を正しく認識するといった「約束」を繰り返した格好だが、中国がこうした「約束」を自らの利益のために利用しないわけがない。「日本は罪を認めると約束した以上、贖罪のために中国の前で平伏し、中共認定の歴史観に基づく思想統制を従い、それに反する言動は慎まなくてはならない」とばかりに、日本への圧力掛けに余念がないではないか。よく警察は「暴力団とは約束するな」と呼びかけるが、その暴力団の手口と中国の対日工作はよく似ている。
■「一つの中国」原則を守るとは「約束」していない
それでは「台湾問題」では、日本はいかなる「約束」をしたと言うのだろう。
「四つの文書」を見ると、日本は一九七二年の日中共同声明で、「中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する」としている。そして「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する」とするのに対し、「この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」と表明しているが、「約束」と言えばそういうことだろう。他の「文書」でも、それ以上に踏み込んだ表明は行っていない。
日本は「台湾の中華民国ではなく中華人民共和国を中国政府と承認する」、そして「台湾が中国の一部とする中国の立場を理解し尊重する」と「約束」したことになる。
もっとも日中共同声明の文言は、よく読まないと勘違いしやすいのだが、日本は「台湾が中国の一部」であると認めたわけではないので注意が必要だ。あくまで「台湾が中国の一部」と主張する中国の立場を理解し(そういうものだと憶えておく)、尊重する(一々異議は唱えない)と表明したに過ぎないのである。
ところが中国は、その誤解されやすさをいいことに、あたかも日本が「世界に中国は一つ。中国とは中華人民共和国。台湾は中国の不可分の領土」とする「一つの中国」原則を受け入れたとの事実捏造の印象操作を延々と繰り返し続けているのである。あたかも日本が「一つの中国」原則を守るとの「約束」をしたかのようにだ。そして今回もまた例外ではない。
■日本政府は「属国化」の要求になぜ抵抗しないか
従って今回、王毅氏の「歴史と台湾の問題について約束を守らなければならない」という日本への要求は、「敗戦した侵略国である日本は中国に歯向かってはならず、また台湾問題は日本の干渉を許さない中国の内政問題だと認め、米国などとともに台湾併呑を妨害してはならない」という意味に他ならないのである。
要するに日本は「歴史問題で贖罪意識を持ち、中国の精神的属国になれ」「台湾併呑によるアジアでの覇権確立を黙認し、中国の正真正銘の属国になれ」と願っているのだ。
しかもこれは王毅氏だけの考えではない。かねてから中国は「歴史問題と台湾問題は日中関係の政治的基礎」と何度も何度も繰り返してきた。つまりこれら二つの問題で妥協、従属させるのが、対日工作の目標になっているのである。
そして問題は、日本政府が中国から「四つの政治文書」における「約束」を守れと迫られても、それに唯々諾々としているように見えることだ。
少なくとも報道を見る限り、今まで反論などしていないようだ。「南京大虐殺は嘘だ」「首相の靖国神社参拝は中国の干渉を許さない国家主権の問題だ」「日本は台湾を中国領土とは認めていない」などとは口が裂けても言えずにいるではないか(もし反論をしていれば、中国は「日中関係の政治的基礎を根底から覆す気か」と激怒するはずだから、きっと報道はあることだろう)。
つまり日本政府は、中国からの属国化の要求に抵抗していないということだ。そう言った事勿れ主義が、ますますあの恫喝国家を増長させるのである。
■日中関係の改善の前に先ずは日本が覚醒を
中国国営新華社通信によると、先ごろ即位礼正殿の儀に参列のため来日した王岐山副主席も、安倍晋三首相との会談で次のように話したそうだ。
―――今年六月、習近平主席と安倍首相は新時代の要請に適った中日関係の構築推進についての一連の重要な合意に達したことで、両国関係は新たな発展のチャンスを迎えている。
―――双方は中日間の四つの政治文書で確立された諸原則を厳守し、歴史や台湾などの問題を確実に処理し、両国関係の平和と友好、協力という正確な軌道に沿った持続的な前進の確保が必要である。
来春の習近平氏の来日を「令和時代の新たな日中関係のスタートを告げる国賓訪問となることを期待」(安倍氏)する日本政府。しかし王岐山氏もまた、こうした日中関係改善の前提条件として、日本による「歴史や台湾などの問題の確実なる処理」を挙げているのだ。
日本が中国に従属するのが「関係改善」だとする中国。このような国のペースに易々と乗る日本政府には、すでに属国根性が蔓延していると言えそうだ。
いま日本に求められているのは、中国の歴史問題に関わる圧力に屈しない精神的な強靭さ、そして台湾との関係強化を進め、中国の脅威を牽制、抑止する勇気と知恵ではないだろうか。
「令和時代の新たな日中関係のスタート」は、日本が覚醒してからにしたい。