日本が「親台反中」で民主主義陣営の先頭に立つべき理由―欧州の目覚めを見習え
2020/09/11/Fri
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産経新聞の9月8日の「正論」欄に載った加藤良三元駐米大使の「直視すべき 台湾・朝鮮半島情勢」と題する論説は、台湾の安全維持は日本の安全にとって極めて重要であると指摘した上で、「法治国家たる日本は日中間の国際約束を順守すべきだが、台湾への抑制過剰な対応を以て中国への免罪符心得る行動や発想は見識あるものとはいえない」と書いている。
つまり、日本政府は1972年の日中共同声明での「中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する」(台湾の中華民国政府を中国政府とは認めない)との「国際約束」は約束として守るべきだが、その中華人民共和国の逆鱗に触れまいと、台湾をその領土とまでは承認していないにもかかわらず、あたかも承認しているかのように振舞って、過剰なまでに台湾との交流、関わり合いを避けてきた、これまでの政府は不見識である、と批判しているのだろう。
政府のそうした「不見識」の最近の事例としては、防衛省の防衛白書が挙げられよう。台湾に関する解説を「中国」の項目で行っている。先日私が「なぜそのようなことを」と同省の白書作成事務室に尋ねると、「台湾は中国領土というような認識ではない。便宜上、中国の項目に掲載させてもらった」(同室室長)とのことだ。
つまり事実ではないと認識しながら、中国への配慮で台湾を中国領土扱いし、そうした捏造情報を国民に押し付けているのである。防衛省が中国拡張主義に迎合するのだから、これはもはや不見識の極みだ。
さて、そうした「不見識」な日本政府と姿勢的に対極をなすのが、「チェコは独立している。中国の指図は受ける義務はない」としてこのほど台湾を公式訪問したチェコのビストルチル上院議長、及びそれに声援を送った欧州の各国政府だろう。
台湾を公式訪問し、中国を激怒させたチェコのビストルチル上院議長の堂々たる姿勢は、台湾はもとより欧州各国の人々
の胸をも打った
中国政府はもちろんビストルチル氏の台湾との交流に激怒した。同国の王毅外相などは滞在先の欧州で、「重い代価を払わせる」等々とビストルチル氏を恫喝したのだが、それに反撥する声が各国から次々と上がったのだ。
ドイツのマース外相などは「欧州は中国などの強権の傀儡にはならない。EUでは国際的パートナーを尊重することになっているので、威嚇はふさわしくない」と王毅氏を窘めたことは、本ブログの前回記事でも書いたとおりだが、さらに同じくドイツではドイツ連邦議会(下院)で外交委員長を務めるレットゲン議員もこう論じている。
ビストルチル氏を公然と恫喝する中国の王毅外相(左)に、ドイツのマース外相(右)は反論
に出た
独連邦議会のレットゲン外交委員長も中国の横暴さを批判。日本人も傾聴に値する正論を
展開した
「EU加盟国やその議員を恫喝するなど、外交ルール違反であり、民主主義への冒瀆だ。EU各国は『一つの中国』政策(中華人民共和国政府を中国唯一の合法政府と承認する政策)を採用しているが、台湾を訪問することはあり得る。なぜなら台湾は世界地図上、空白地帯ではないからだ」と。そしてその上で「EUは団結して中国の報復から加盟国を守ろう」と訴えたのである。
日本だけにとどまらず欧州各国をも含め、中国と国交を結ぶ国はこれまで、「台湾への抑制過剰な対応」を行い、台湾問題に関する中国の言動は黙認するのが習わしだったため、王毅氏にとっても中国政府にとっても、ビストルチル擁護の声がここまで上がるなど、おそらく予想外のことだったはず。きっといまごろ、「恫喝外交」の挫折感を味わっているのではないだろうか。
以上のような欧州で見られた見識、気迫こそ、日本の政府、更には政治家、マスメディア、そして一般国民には必要なのだ。
中国とは「軟土深掘」(軟弱な相手を選んで攻める)、「得寸進尺」(1寸奪えば次は1尺を取ろうと要求を止めない)の国家であり民族だ。こちらが毅然としなければ増長するだけにつき、あの国の前における要諦は、とにかく毅然とすることである。
そもそも民主主義陣営で反中親台の気運が高まりつつある中、その先頭に立つべきなのが日本なのだ。それは、台湾とは一蓮托生の間がらであるからに他ならない。
【過去の関連記事】
中国に脅迫され死んだチェコ上院議長-強い信念を持つが故に 20/04/30
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-3484.html
影響大!日本人も学べ!チェコ上院議長の勇気ある台湾訪問 20/09/09
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-3560.html
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つまり、日本政府は1972年の日中共同声明での「中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する」(台湾の中華民国政府を中国政府とは認めない)との「国際約束」は約束として守るべきだが、その中華人民共和国の逆鱗に触れまいと、台湾をその領土とまでは承認していないにもかかわらず、あたかも承認しているかのように振舞って、過剰なまでに台湾との交流、関わり合いを避けてきた、これまでの政府は不見識である、と批判しているのだろう。
政府のそうした「不見識」の最近の事例としては、防衛省の防衛白書が挙げられよう。台湾に関する解説を「中国」の項目で行っている。先日私が「なぜそのようなことを」と同省の白書作成事務室に尋ねると、「台湾は中国領土というような認識ではない。便宜上、中国の項目に掲載させてもらった」(同室室長)とのことだ。
つまり事実ではないと認識しながら、中国への配慮で台湾を中国領土扱いし、そうした捏造情報を国民に押し付けているのである。防衛省が中国拡張主義に迎合するのだから、これはもはや不見識の極みだ。
さて、そうした「不見識」な日本政府と姿勢的に対極をなすのが、「チェコは独立している。中国の指図は受ける義務はない」としてこのほど台湾を公式訪問したチェコのビストルチル上院議長、及びそれに声援を送った欧州の各国政府だろう。
台湾を公式訪問し、中国を激怒させたチェコのビストルチル上院議長の堂々たる姿勢は、台湾はもとより欧州各国の人々
の胸をも打った
中国政府はもちろんビストルチル氏の台湾との交流に激怒した。同国の王毅外相などは滞在先の欧州で、「重い代価を払わせる」等々とビストルチル氏を恫喝したのだが、それに反撥する声が各国から次々と上がったのだ。
ドイツのマース外相などは「欧州は中国などの強権の傀儡にはならない。EUでは国際的パートナーを尊重することになっているので、威嚇はふさわしくない」と王毅氏を窘めたことは、本ブログの前回記事でも書いたとおりだが、さらに同じくドイツではドイツ連邦議会(下院)で外交委員長を務めるレットゲン議員もこう論じている。
ビストルチル氏を公然と恫喝する中国の王毅外相(左)に、ドイツのマース外相(右)は反論
に出た
独連邦議会のレットゲン外交委員長も中国の横暴さを批判。日本人も傾聴に値する正論を
展開した
「EU加盟国やその議員を恫喝するなど、外交ルール違反であり、民主主義への冒瀆だ。EU各国は『一つの中国』政策(中華人民共和国政府を中国唯一の合法政府と承認する政策)を採用しているが、台湾を訪問することはあり得る。なぜなら台湾は世界地図上、空白地帯ではないからだ」と。そしてその上で「EUは団結して中国の報復から加盟国を守ろう」と訴えたのである。
日本だけにとどまらず欧州各国をも含め、中国と国交を結ぶ国はこれまで、「台湾への抑制過剰な対応」を行い、台湾問題に関する中国の言動は黙認するのが習わしだったため、王毅氏にとっても中国政府にとっても、ビストルチル擁護の声がここまで上がるなど、おそらく予想外のことだったはず。きっといまごろ、「恫喝外交」の挫折感を味わっているのではないだろうか。
以上のような欧州で見られた見識、気迫こそ、日本の政府、更には政治家、マスメディア、そして一般国民には必要なのだ。
中国とは「軟土深掘」(軟弱な相手を選んで攻める)、「得寸進尺」(1寸奪えば次は1尺を取ろうと要求を止めない)の国家であり民族だ。こちらが毅然としなければ増長するだけにつき、あの国の前における要諦は、とにかく毅然とすることである。
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