侮れず!沖ノ鳥島を「岩」と呼ぶ中国の戦略的「情報操作」工作
2012/05/25/Fri
■承認された沖ノ鳥島北方の大陸棚
国連海洋法条約によれば、いかなる国も海岸線から二百海里までを排他的経済水域(EEZ)とて海上、海底、海底下の天然資源に関する主権的権利が認められている。またEEZの外側でも、同じく三百五十海里までの大陸棚では資源の調査、開発で主権を及ぼすことができる。
そこで日本政府は二〇〇八年十一月、国連の大陸棚限界委員会に対し、七つの海域における大陸棚の延伸を申請した。EEZ外の海底の地形が領土から自然に延びているとの承認を得ようとしたのだ。海底にレアメタルやメタンハイドレートなどの存在が確認されたためである。
そしてその結果として同委員会は今年四月二十七日、「四国海盆海域」「小笠原海台海域」「南硫黄島海域」「沖大東海嶺南方海域」の四海域での延伸を認める勧告を日本政府に対して行ったのだ。
なお、残りの「南鳥島海域」「茂木海山海域」については陸続きではないとの判断で却下され、「九州・パラオ海嶺南部海域」については勧告が行われず、先送りとなった。
日本の領海とEEZは合わせて約四百四十七万平方メートルで、世界で六番目の広さだが(国土面積は約三十八万平方米で世界第六十二位)、今回はそれに加えて計約三十一万平方メートルの四海域でも、海底資源に関する権利を得たわけだ。レアメタルやメタンハイドレートの採掘や石油、天然ガスの埋蔵の可能性にも期待が高まっている。
■日本の「資源大国への夢」を妨害する中国と韓国
このように勧告は日本に「資源大国化」への夢をもたらした。だがそうした「夢」を自国の「悪夢」と捉え、黙ってはいられないのが中国と韓国である。
この二カ国政府は二〇〇九年二月、大陸棚限界委員会に対して、四国海盆海域と九州・パラオ海嶺南部海域の起点とする沖ノ鳥島は「島」ではなく、EEZや大陸棚を設定し得ない「岩」であるとして、審査中止を要請する文書を送っている。
それでは実際に同島は「島」なのか、それとも「岩」なのか。
国連海洋法条約は、「島」を「自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、満潮時においても水面上にあるもの」と定義する。
沖ノ鳥島は六つの島からなるが、満潮時にはほとんど海面下に沈んでしまう。ただ北小島は十六センチの頂を残し、東小島は六センチを残す。したがって規定された「島」の条件は満たしている。
ただ同条約は「人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない」とも規定する。「人間の居住」の維持となれば沖ノ鳥島の上では困難だろう。
しかしここで言う「岩」とは何なのかが問題だ。同条約はそれについて明確な定義をしていない。そのため政府は「歴史的に島としての地位を確立してきた沖ノ鳥島は、国連海洋法条約に従って、排他的経済水域を有する」(岡田克也外相、二〇一〇年一月)との見解である。
そして中韓はそれに対し、執拗に異議を唱え続けるのである。
■中国拡張主義は沖ノ鳥島海域が「絶対必要」
その理由はなぜか。韓国紙朝鮮日報(日本語版)は五月十八日、次のように説明している。
「韓国政府は沖ノ鳥島問題と直接関係がないが、日本の海洋領土欲をけん制するため、強硬に対応している」
「日本の海洋領土欲」とは実に幼稚で馬鹿げている。そうした理由でこの国は反対騒動を引き起こしているのだ。すでに日本から竹島を奪取するなどしてきたため、「強国化」した日本の報復でも恐れているのだろうか。
そして「韓国よりも強く反発しているのは中国だ。中国は太平洋への進出に絶対的に必要な沖ノ鳥島周辺海域が日本の支配下に置かれることを強く警戒している」とも。
中国が沖ノ鳥島海域を、太平洋への進出戦略の上で「絶対的に必要」としているのは間違いない。
なぜなら米軍に対する「接近阻止・領域拒否」戦略のため、何としてでも確保したいのが第一列島線と第二列島線との間の海域だが、それのほぼ中心に位置するのが沖ノ鳥島なのだ。
沖ノ鳥島は第一列島線と第二列島線との中間に位置する
その周辺海域が日本の管轄下に置かれるのだけは防がなければならないとの戦略上の理由が、この拡張主義国家にはあるのである。
中国が沖ノ鳥島周辺のEEZ設定に異議を唱え始めたのは二〇〇三年十二月。ちょうどその海域で海洋調査を進めていた時期だ。
石原慎太郎東京都知事は二〇〇五年五月に沖ノ鳥島を視察のため上陸した直後、産経新聞連載エッセイ「日本よ」で次のように書いていた。
「(沖ノ鳥島)はアメリカの戦略基地であるグアムと、グアムを凌ぐ重要な基地沖縄を直線で結ぶ中間点に在る。原子力空母を含めてアメリカの艦船が何らかの目的で日本周辺に向かって西進する最短の航路の上に在る沖ノ鳥島周辺の海域は、アメリカに対抗し西太平洋の覇権を狙う中国にとっても戦略的に重要なものだ。中国の調査船がこの水域を日本に無断で調査しまくっていた所以は、深い海溝の在る海域の海底資源の調査などではなしに、いつかの将来、西太平洋の覇権を巡ってアメリカとの衝突も辞さない中国の、潜水艦を中心にした戦略展開のためのものに他ならない」(二〇〇五年六月六日、「沖ノ鳥島の戦略的意味」)
沖ノ鳥島に立つ石原都知事
その後中国はこの海域での海洋調査を完了させた模様。〇九年以降は中国海軍の艦隊が沖縄本島と宮古島の間を通過し、そのあたりで軍事演習を繰り返し、それを常態化させつつあるのは周知のとおりである。
2010年6月に行われた中国海軍の沖ノ鳥島付近での演習ルート
■中国の軍事演習にとって邪魔な日本のEEZ
ところで日本のEEZ内で中国は軍事演習を実施できるのだろうか。
国連海洋法条約には、他国のEEZ内での軍事行動に関する詳細な規定はないが、それには沿岸国の許可が必要だとの独自解釈を行っているのが、実は中国なのだ。
だから二〇一〇年十一月、黄海での米韓合同軍事演習に猛反撥した際も、「中国は許可を得ていない中国EEZ内でのいかなる軍事行動にも反対する」(洪磊・外交部スポークスマン)と強調していた。
したがってその解釈に従えば、中国は日本のEEZが広がる沖ノ鳥島周辺海域で演習を行う際、日本の許可を得なければならなくなる。だからこそ沖ノ鳥島を「岩」と呼び、それを起点とするEEZを否定するのだろう。
たとえば二〇一一年六月に中国海軍の艦艇十一隻が沖ノ鳥島周辺で演習を実施した際に中国メディアは、「沖之鳥礁周辺海域は公海であり、中国の軍艦には自由航行の権利があるとともに、実弾演習も国際法に完全に符合している」などと伝えていた。
この「沖之鳥礁」とは中国側が、沖ノ鳥島が島ではなく岩だと強調するためにわざわざ作り上げた名称だ。その海域は日本のEEZではないため、中国軍の演習は合法だと宣伝したわけだ。
島であることを否定するため「沖之鳥礁」と呼ぶ中国
■ただでは起きぬ中国―外交部が公然と事実捏造
そうしたなか、中国などの要請にもかかわらず、国連大陸棚限界委員会はこのほど、四国海盆海域での大陸棚の延伸を認めたのである。
これはすなわち沖ノ鳥島を「島」と認めていることをも意味した。
そしてまたこれは、中国の戦略的情報宣伝工作を挫折させるものでもあった(そしてメンツをも潰した)。
しかし中国はさすがに転んでもただは起きぬ国である。外交部の洪磊報道官は五月十六日の記者会見で、何と大陸棚委員会の判断を褒め称えるコメントを見せたのだ。中国側の「勝利」をでっち上げるために公然と。
内外の記者の前で公然と事実捏造を行った洪磊報道官
「大陸棚限界委員会は日本の大陸棚に関する意見を出した。日本の沖之鳥礁を起点とする大陸棚の主張は委員会の承認を得られなかった。日本は沖之鳥礁が島と認定されたと言っているが(勧告を歓迎した外務省報道官の四月二十八日の談話)、全く根拠のないことだ」
「実際に日本側が審査を求めた沖ノ鳥礁を基点とする九州・パラオ海嶺南部海域二十四万平方メートルは認可されなかった」
「認可された沖之鳥礁以北の四国海盆海域は、その他の日本の陸地を起点としているというのが事実で、それと沖之鳥礁とは無関係だ」
「日本の申請後、中国と韓国は何度も国連事務総長に対し、国際法に従い、人の居住に適さない冲之鳥礁にEEZと大陸棚を持たせてはならないと強調し、委員会には認可をするなと要求してきた。多くの国も日本の不法な主張に異議を示していた」
「委員会の沖之鳥礁問題の処理の仕方は、公正で合理的、そして国際法に符合し、国際社会全体の利益を守った。中国側はこれに歓迎の意を表する」
もちろん、すべてが事実捏造の情報操作である。「歓迎の意を表する」との言葉は、同委員会に対する威圧とも受け取れる。
■侮れない中国の宣伝力―国民は沖ノ鳥島に関心を
これを受け日本では、外務省の横井裕報道官が十八日の記者会見で次のように述べた。
「沖ノ鳥島を基点とする四国海盆海域の大陸棚の延長が認められているというのは、これはまさに事実であり、この部分を我々としても非常に高く評価している」「確かに(九州・パラオ海嶺南部海域については)勧告が先送りされたのは事実だが、我々としては、日本の立場が認知を得たと考えている」
「勧告の先送りを以って関連の国々(中国と韓国)の立場が受け入れられたということではない」
「九州・パラオ海嶺南部海域について勧告が行われなかったのは大変残念であるが、大陸棚限界委員会がこの海域の大陸棚延長を否定しているというわけではない」
九州・パラオ海嶺南部海域についても「早期に勧告が行われるよう、今後も継続して努力して行く」との意欲を示した横井報道官だが、勧告の先送りは中韓への配慮と見られ、「周辺国との兼ね合いもあり、今後の勧告の取り扱いは高度な政治判断になる」(政府関係者)との予測もある。
中国の宣伝力も侮れない。かの事実捏造、印象操作を狙ったコメントは、中国、韓国のメディアによって世界に拡散されているだけではない。相変わらず中国に配慮する日本のメディアによっても無批判に垂れ流されており、このままでは日本国民の間でも、沖ノ鳥島が「島」であるとの判断に迷いが生じかねない。
日本の生命線とも言える西太平洋の資源、そして安全の確保のため、全国国民がこの問題への関心を高めるべきである。
*******************************************
ブログランキング参加中
運動を拡大したいので、
よろしければクリックをお願いします。
↓↓
モバイルはこちら → http://blog.with2.net/link.php
link.php
国連海洋法条約によれば、いかなる国も海岸線から二百海里までを排他的経済水域(EEZ)とて海上、海底、海底下の天然資源に関する主権的権利が認められている。またEEZの外側でも、同じく三百五十海里までの大陸棚では資源の調査、開発で主権を及ぼすことができる。
そこで日本政府は二〇〇八年十一月、国連の大陸棚限界委員会に対し、七つの海域における大陸棚の延伸を申請した。EEZ外の海底の地形が領土から自然に延びているとの承認を得ようとしたのだ。海底にレアメタルやメタンハイドレートなどの存在が確認されたためである。
そしてその結果として同委員会は今年四月二十七日、「四国海盆海域」「小笠原海台海域」「南硫黄島海域」「沖大東海嶺南方海域」の四海域での延伸を認める勧告を日本政府に対して行ったのだ。
なお、残りの「南鳥島海域」「茂木海山海域」については陸続きではないとの判断で却下され、「九州・パラオ海嶺南部海域」については勧告が行われず、先送りとなった。
日本の領海とEEZは合わせて約四百四十七万平方メートルで、世界で六番目の広さだが(国土面積は約三十八万平方米で世界第六十二位)、今回はそれに加えて計約三十一万平方メートルの四海域でも、海底資源に関する権利を得たわけだ。レアメタルやメタンハイドレートの採掘や石油、天然ガスの埋蔵の可能性にも期待が高まっている。
■日本の「資源大国への夢」を妨害する中国と韓国
このように勧告は日本に「資源大国化」への夢をもたらした。だがそうした「夢」を自国の「悪夢」と捉え、黙ってはいられないのが中国と韓国である。
この二カ国政府は二〇〇九年二月、大陸棚限界委員会に対して、四国海盆海域と九州・パラオ海嶺南部海域の起点とする沖ノ鳥島は「島」ではなく、EEZや大陸棚を設定し得ない「岩」であるとして、審査中止を要請する文書を送っている。
それでは実際に同島は「島」なのか、それとも「岩」なのか。
国連海洋法条約は、「島」を「自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、満潮時においても水面上にあるもの」と定義する。
沖ノ鳥島は六つの島からなるが、満潮時にはほとんど海面下に沈んでしまう。ただ北小島は十六センチの頂を残し、東小島は六センチを残す。したがって規定された「島」の条件は満たしている。
ただ同条約は「人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない」とも規定する。「人間の居住」の維持となれば沖ノ鳥島の上では困難だろう。
しかしここで言う「岩」とは何なのかが問題だ。同条約はそれについて明確な定義をしていない。そのため政府は「歴史的に島としての地位を確立してきた沖ノ鳥島は、国連海洋法条約に従って、排他的経済水域を有する」(岡田克也外相、二〇一〇年一月)との見解である。
そして中韓はそれに対し、執拗に異議を唱え続けるのである。
■中国拡張主義は沖ノ鳥島海域が「絶対必要」
その理由はなぜか。韓国紙朝鮮日報(日本語版)は五月十八日、次のように説明している。
「韓国政府は沖ノ鳥島問題と直接関係がないが、日本の海洋領土欲をけん制するため、強硬に対応している」
「日本の海洋領土欲」とは実に幼稚で馬鹿げている。そうした理由でこの国は反対騒動を引き起こしているのだ。すでに日本から竹島を奪取するなどしてきたため、「強国化」した日本の報復でも恐れているのだろうか。
そして「韓国よりも強く反発しているのは中国だ。中国は太平洋への進出に絶対的に必要な沖ノ鳥島周辺海域が日本の支配下に置かれることを強く警戒している」とも。
中国が沖ノ鳥島海域を、太平洋への進出戦略の上で「絶対的に必要」としているのは間違いない。
なぜなら米軍に対する「接近阻止・領域拒否」戦略のため、何としてでも確保したいのが第一列島線と第二列島線との間の海域だが、それのほぼ中心に位置するのが沖ノ鳥島なのだ。
沖ノ鳥島は第一列島線と第二列島線との中間に位置する
その周辺海域が日本の管轄下に置かれるのだけは防がなければならないとの戦略上の理由が、この拡張主義国家にはあるのである。
中国が沖ノ鳥島周辺のEEZ設定に異議を唱え始めたのは二〇〇三年十二月。ちょうどその海域で海洋調査を進めていた時期だ。
石原慎太郎東京都知事は二〇〇五年五月に沖ノ鳥島を視察のため上陸した直後、産経新聞連載エッセイ「日本よ」で次のように書いていた。
「(沖ノ鳥島)はアメリカの戦略基地であるグアムと、グアムを凌ぐ重要な基地沖縄を直線で結ぶ中間点に在る。原子力空母を含めてアメリカの艦船が何らかの目的で日本周辺に向かって西進する最短の航路の上に在る沖ノ鳥島周辺の海域は、アメリカに対抗し西太平洋の覇権を狙う中国にとっても戦略的に重要なものだ。中国の調査船がこの水域を日本に無断で調査しまくっていた所以は、深い海溝の在る海域の海底資源の調査などではなしに、いつかの将来、西太平洋の覇権を巡ってアメリカとの衝突も辞さない中国の、潜水艦を中心にした戦略展開のためのものに他ならない」(二〇〇五年六月六日、「沖ノ鳥島の戦略的意味」)
沖ノ鳥島に立つ石原都知事
その後中国はこの海域での海洋調査を完了させた模様。〇九年以降は中国海軍の艦隊が沖縄本島と宮古島の間を通過し、そのあたりで軍事演習を繰り返し、それを常態化させつつあるのは周知のとおりである。
2010年6月に行われた中国海軍の沖ノ鳥島付近での演習ルート
■中国の軍事演習にとって邪魔な日本のEEZ
ところで日本のEEZ内で中国は軍事演習を実施できるのだろうか。
国連海洋法条約には、他国のEEZ内での軍事行動に関する詳細な規定はないが、それには沿岸国の許可が必要だとの独自解釈を行っているのが、実は中国なのだ。
だから二〇一〇年十一月、黄海での米韓合同軍事演習に猛反撥した際も、「中国は許可を得ていない中国EEZ内でのいかなる軍事行動にも反対する」(洪磊・外交部スポークスマン)と強調していた。
したがってその解釈に従えば、中国は日本のEEZが広がる沖ノ鳥島周辺海域で演習を行う際、日本の許可を得なければならなくなる。だからこそ沖ノ鳥島を「岩」と呼び、それを起点とするEEZを否定するのだろう。
たとえば二〇一一年六月に中国海軍の艦艇十一隻が沖ノ鳥島周辺で演習を実施した際に中国メディアは、「沖之鳥礁周辺海域は公海であり、中国の軍艦には自由航行の権利があるとともに、実弾演習も国際法に完全に符合している」などと伝えていた。
この「沖之鳥礁」とは中国側が、沖ノ鳥島が島ではなく岩だと強調するためにわざわざ作り上げた名称だ。その海域は日本のEEZではないため、中国軍の演習は合法だと宣伝したわけだ。
島であることを否定するため「沖之鳥礁」と呼ぶ中国
■ただでは起きぬ中国―外交部が公然と事実捏造
そうしたなか、中国などの要請にもかかわらず、国連大陸棚限界委員会はこのほど、四国海盆海域での大陸棚の延伸を認めたのである。
これはすなわち沖ノ鳥島を「島」と認めていることをも意味した。
そしてまたこれは、中国の戦略的情報宣伝工作を挫折させるものでもあった(そしてメンツをも潰した)。
しかし中国はさすがに転んでもただは起きぬ国である。外交部の洪磊報道官は五月十六日の記者会見で、何と大陸棚委員会の判断を褒め称えるコメントを見せたのだ。中国側の「勝利」をでっち上げるために公然と。
内外の記者の前で公然と事実捏造を行った洪磊報道官
「大陸棚限界委員会は日本の大陸棚に関する意見を出した。日本の沖之鳥礁を起点とする大陸棚の主張は委員会の承認を得られなかった。日本は沖之鳥礁が島と認定されたと言っているが(勧告を歓迎した外務省報道官の四月二十八日の談話)、全く根拠のないことだ」
「実際に日本側が審査を求めた沖ノ鳥礁を基点とする九州・パラオ海嶺南部海域二十四万平方メートルは認可されなかった」
「認可された沖之鳥礁以北の四国海盆海域は、その他の日本の陸地を起点としているというのが事実で、それと沖之鳥礁とは無関係だ」
「日本の申請後、中国と韓国は何度も国連事務総長に対し、国際法に従い、人の居住に適さない冲之鳥礁にEEZと大陸棚を持たせてはならないと強調し、委員会には認可をするなと要求してきた。多くの国も日本の不法な主張に異議を示していた」
「委員会の沖之鳥礁問題の処理の仕方は、公正で合理的、そして国際法に符合し、国際社会全体の利益を守った。中国側はこれに歓迎の意を表する」
もちろん、すべてが事実捏造の情報操作である。「歓迎の意を表する」との言葉は、同委員会に対する威圧とも受け取れる。
■侮れない中国の宣伝力―国民は沖ノ鳥島に関心を
これを受け日本では、外務省の横井裕報道官が十八日の記者会見で次のように述べた。
「沖ノ鳥島を基点とする四国海盆海域の大陸棚の延長が認められているというのは、これはまさに事実であり、この部分を我々としても非常に高く評価している」「確かに(九州・パラオ海嶺南部海域については)勧告が先送りされたのは事実だが、我々としては、日本の立場が認知を得たと考えている」
「勧告の先送りを以って関連の国々(中国と韓国)の立場が受け入れられたということではない」
「九州・パラオ海嶺南部海域について勧告が行われなかったのは大変残念であるが、大陸棚限界委員会がこの海域の大陸棚延長を否定しているというわけではない」
九州・パラオ海嶺南部海域についても「早期に勧告が行われるよう、今後も継続して努力して行く」との意欲を示した横井報道官だが、勧告の先送りは中韓への配慮と見られ、「周辺国との兼ね合いもあり、今後の勧告の取り扱いは高度な政治判断になる」(政府関係者)との予測もある。
中国の宣伝力も侮れない。かの事実捏造、印象操作を狙ったコメントは、中国、韓国のメディアによって世界に拡散されているだけではない。相変わらず中国に配慮する日本のメディアによっても無批判に垂れ流されており、このままでは日本国民の間でも、沖ノ鳥島が「島」であるとの判断に迷いが生じかねない。
日本の生命線とも言える西太平洋の資源、そして安全の確保のため、全国国民がこの問題への関心を高めるべきである。
*******************************************
ブログランキング参加中
運動を拡大したいので、
よろしければクリックをお願いします。
↓↓
モバイルはこちら → http://blog.with2.net/link.php
link.php