国民党の「日本時代」批判は台湾人批判―総統選挙に向けた中華民族主義の狂奔
2015/06/23/Tue
■国民党が「親日派狩り」のネガティブキャンペーン
来年一月の台湾総統選挙で野党、民進党から出馬する同党の蔡英文主席だが、彼女にとってこの選挙は、中共と「一つの中国」で合意する国民党政権の中国化政策から台湾の主権、民主主義を守る戦いであるが、それはまた狂奔する国共両党の中華民族主義との戦いとも言える。
中華民族主義から民主主義を守る戦いに臨む民進党の総統候補、蔡英文
たとえば最近ネット上で見られた蔡英文のネガティブキャンペーンに「蔡英文の父親は漢奸、皇民だった」というのがある。つまり日本統治時代は「皇民」(日本国民)となった漢奸(断じて許し難い中華民族の裏切り者)だったという暴露である。
「満洲国で皇軍の戦闘機を修理していた」「日本人の中国人への攻撃に協力した」などの説まで流布されたが、しかし民進党は六月十八日、「事実ではない。蔡の父は若い時に民間機修理の経験があるが戦闘機を扱ったことはない」と反論する。
そう言えば柯文哲台北市長も、国民党候補と戦った昨年の市長選挙で、同党の連戦名誉主席から「柯文哲の祖父は日本の高官だった」「皇民化教育を受けたため、中華の文化、価値、歴史には否定的」と批判された。もっとも実際には「高官」ではなく学校の一教員だったわけだが、そうした悪質なデマ宣伝と今回のケースとはよく似ている。
中華民族主義者の手口は韓国における「親日派狩り」を彷彿とされるものがある。
■国民党勢力のなりふり構わぬ政敵への攻撃
「日本人とともに台湾人をいじめた」「皇軍の戦闘機を修理した」などとする蔡英文
の父親への誹謗。もはや国民党は政敵批判で形振り構わない
民進党スポークスマンは今回の誹謗について、「選挙のたびに言われなき『皇民』『漢奸』という悪意の批判言論が見られるが、それは族群対立を煽るもの。台湾人民からは唾棄されるだろう」とコメントした。
ここで言う「族群」とは、所謂「本省人」「外省人」と言った異なるエスニックグループのこと。「本省人」は、日本統治時代はみな「皇民」だったが、戦後「外省人」の中華民族主義は、当時彼らが文化、思想面で日本人化したことを皇民化教育の悪影響とし、それを憎悪、また警戒した経緯がある。
民進党は、今回の誹謗について警察に捜査を依頼する意向だ。日本の感覚では過剰反応にも見えるが、中華民族主義勢力の反台湾人への憎悪は、それほど激越だということなのだ。
蔡英文本人も十九日、こう批判する。
「最近のこうした誹謗は常軌を逸している。百年の歴史を持つ国民党にこうした手段しか残っていないと言うなら、自らのイメージを損なうばかりか、台湾の民主主義をも大きく損ねると忠告したい」
蔡英文の優勢が伝えられる中、あの勢力は政権防衛のため、もはや形振り構わない状況のようだ。
■民主主義とは相容れない国民党の中華民族主義
蔡英文はこの時、国民党公認候補に内定している洪秀柱・立法院副院長が、前日にラジオ番組で行った発言についても「民意に符合しない」と批判した。こちらも世論の反撥を恐れず、中華民族主義を剥き出しだ。
現在台湾では、国民党政権が学習指導要領(課綱)を改定し、高校用歴史教科書の内容を大幅に書き改めさせたことに批判が巻き起こっているが、これについて洪秀柱はこう言ってのけたのだ。
「李登輝、陳水扁時代に百八十度変えられた課綱内容を今回は軌道を元に戻しただけ」
「改定された内容を見たが、改定はまだまだ全然足りない」
歴史教科書のさらなる改定(実際には歴史捏造)を求めた国民党候補の洪秀柱。世論の
反撥も恐れず中華民族主義を剥き出しにした
台湾には、日本統治時代を含む、中国とは大きく異なる独自の歴史的歩みがあり、李登輝、陳水扁政権時代に導入された台湾史の教科書が史実重視の姿勢でそれを論述したのだが、これを「台湾独立教科書」などとしてヒステリックに非難したのが、台湾は古来中国の領土と宣伝したい馬英九総統をはじめとする中華民族主義者たちだ。
かくして「一つの中国」を規定する中華民国憲法に従うとの名目で、史実より「政治」を優先する課綱の改定が行われ、非難を浴びているところなのだが、それのさらなる改定を洪秀柱は公然と求めたのである。
だから「民意に符合しない」との蔡英文による批判は当たっていよう。
だが洪秀中は「民意に符合しないからなんだ」と思っているに違いない。以前も彼女は香港の中共御用メディアに対し、「台湾を引っ張って行くが、民意に引っ張られることはない。なぜなら民意は水のようなものだから」と話している。
これが在台中国人(外省人)の政治的な感覚なのだ。そもそも「民」を社会の主とする民主主義と、「中国人」を世界の主と思いたがる中華民族主義は相容れないものなのである。
教科書改訂による洗脳教育復活の動きに、高校生たちですら抗議の声を挙げていると
いうのに…
■日本時代批判で歴史捏造を正当化する中華民族主義
ところがこの蔡英文の洪秀柱への批判に対し、さっそく中華民族主義勢力が反撃に出た。
国民党系(そして中共寄り)の中国時報が二十三日に掲載した「中華民国は台独教科書を使用するのか?」と題する論説がそれである。
そこには中華民族主義者特有の反理性的な情念が溢れ出ているので、一部を抜粋して参考に供したい。
中国時報が掲載した蔡英文への反論。中華民族主義を前面に押し出し、歴史捏造
で教科書の歴史捏造を擁護している
―――百二十年近く前、日本軍が台湾に上陸し、征討を開始し、五十年間占領した。日本人自身も「台湾征討」「占領」と言う言葉を使っている。しかし李登輝、陳水扁派教科書で「日拠」を「日治」に書き改めさせた。
―――洪秀柱は課綱改定を支持しながらも、改定部分は少なすぎるとし、また中華民国憲法に符合させるべきだとしたが、蔡英文はこれを「台湾の大多数の民意に符合しない」と罵った。その反課綱のための批判にはほとんど真実がない。
今回の課綱改定が狙ったのは、様々な史実を中国に関連付け、台湾史を中国史の一環と位置付けることだ。しかしそうした措置は「脱台湾」との批判を受けるため、課綱改定を擁護する中華民族主義勢力は、巧妙に議論の対象を日本統治時代に関する記述に限定し(課綱は抗日史観の導入で、この時代への批判を強めさせている)、「脱台湾化ではなく脱日本化であり、むしろ台湾の主体性を強化した」として、自己の正当化を図っている。
この論説もまた、その線でのものである。
■歴史知識を持たない中華民族主義者の反日宣伝
しかし「真実がない」のは、蔡英文の言説ではなく、この論説の方である。
論説は日本統治時代を「日治」(下関条約に基づく合法的な日本統治)ではなく、「日拠」(不法な日本占拠=占領)に改めるという歴史捏造を許した改定課綱を擁護しているが、これなどは歴史捏造がさらなる歴史捏造を呼んだ典型的な事例である。
そもそも日本の「征討」「占領」は、下関条約で日本が台湾を割譲された後の話。「統治」を阻害する住民らの反抗を排除するため、武力で征討を行い、その拠点を占領したというのが史実なのだ。
だいいち日本軍が台湾に上陸したのは、「百二十年近く前」ではなく「百二十年前」の一八九五年。この程度の歴史知識も持たない論説が書かれ、掲載されたのだから驚くばかりだが、実際には史実より政治宣伝を優先する中華民族主義には、こんなことは日常茶飯事で大したことではない。
かの課綱改定自体、主導した人々の多くは歴史の専門家ではない。
彼らにとって重要なのは、あくまでも政敵を打倒するためのプロパガンダなのだ。
■蔡英文を「媚日」「殖民地美化」と批判するための罠
だから論説はさらに、改定課綱に関し次のような質問を蔡英文に突き付けるのだ。
「『慰安婦』の記述に『強制』を加えるようにしたが、なぜいけないのか」
「『日本統治時期』を『日本殖民統治時期』に改めるようにしたが、なぜいけないのか」
「なぜ日本の殖民時期を美化したいのか」
こうした問題に蔡英文は従来コメントしたことはないが、論説はこのような質問を公開することで、「殖民地美化」「媚日」「皇民の娘」との汚名を彼女に着せようとの魂胆だ。
そして更にはこんな質問まで。
「あなたは中華民国憲法に服従していないのか。なぜ台独教科書の使用にこだわるのか」
「中華民国憲法が民意の最大公約数。あなたが立候補するのは中華民国の総統か。台湾共和国の総統か」
これまでつねに「中華民国憲法に従う」と表明して来た蔡英文だが、実際には中共を刺激し、戦争を引き起こしかねない危険な台湾独立主義者であり、総統候補には相応しくないとの宣伝に他ならない。
しかしそこまでの宣伝を行いながら、中華民族主義者たちはなぜ一様に、中共の要人の前では「中華民国」の国号を口にするのを差し控えるのか。そしてなぜ中共から「中華民国」の存在を否定されながら、それに抗議しようとしないのか。
次の総統選挙が、こうした卑劣なる中華民族主義勢力の狂奔から台湾の主権、民主主義を守る戦いになるというのは、このような意味からだ。
【過去の関連記事】
2016台湾総統選挙―民進党と親中・国民党の「対中関係」定義の異なり 15/06/11
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2580.html
日経―中国の観点で報じる台湾総統選挙の動向 15/06/12
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2581.html
日経の台湾報道に警戒を!ここまで大胆な中国迎合、事実捏造! 15/06/14
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2583.html
民進党と国民党―日本が友とすべきは 15/06/18
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2586.html
台湾総統選の国民党候補に洪秀柱ー中共も期待の中華民族主義者 15/06/19
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2587.html
台湾の民主は中華文化と無関係ー2016総統選挙は「中華」脱却の戦い 15/06/20
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2588.html
中国が喜ぶ日本メディア「台湾総統選」関連の悪質偏向報道 15/06/22
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2589.html
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来年一月の台湾総統選挙で野党、民進党から出馬する同党の蔡英文主席だが、彼女にとってこの選挙は、中共と「一つの中国」で合意する国民党政権の中国化政策から台湾の主権、民主主義を守る戦いであるが、それはまた狂奔する国共両党の中華民族主義との戦いとも言える。
中華民族主義から民主主義を守る戦いに臨む民進党の総統候補、蔡英文
たとえば最近ネット上で見られた蔡英文のネガティブキャンペーンに「蔡英文の父親は漢奸、皇民だった」というのがある。つまり日本統治時代は「皇民」(日本国民)となった漢奸(断じて許し難い中華民族の裏切り者)だったという暴露である。
「満洲国で皇軍の戦闘機を修理していた」「日本人の中国人への攻撃に協力した」などの説まで流布されたが、しかし民進党は六月十八日、「事実ではない。蔡の父は若い時に民間機修理の経験があるが戦闘機を扱ったことはない」と反論する。
そう言えば柯文哲台北市長も、国民党候補と戦った昨年の市長選挙で、同党の連戦名誉主席から「柯文哲の祖父は日本の高官だった」「皇民化教育を受けたため、中華の文化、価値、歴史には否定的」と批判された。もっとも実際には「高官」ではなく学校の一教員だったわけだが、そうした悪質なデマ宣伝と今回のケースとはよく似ている。
中華民族主義者の手口は韓国における「親日派狩り」を彷彿とされるものがある。
■国民党勢力のなりふり構わぬ政敵への攻撃
「日本人とともに台湾人をいじめた」「皇軍の戦闘機を修理した」などとする蔡英文
の父親への誹謗。もはや国民党は政敵批判で形振り構わない
民進党スポークスマンは今回の誹謗について、「選挙のたびに言われなき『皇民』『漢奸』という悪意の批判言論が見られるが、それは族群対立を煽るもの。台湾人民からは唾棄されるだろう」とコメントした。
ここで言う「族群」とは、所謂「本省人」「外省人」と言った異なるエスニックグループのこと。「本省人」は、日本統治時代はみな「皇民」だったが、戦後「外省人」の中華民族主義は、当時彼らが文化、思想面で日本人化したことを皇民化教育の悪影響とし、それを憎悪、また警戒した経緯がある。
民進党は、今回の誹謗について警察に捜査を依頼する意向だ。日本の感覚では過剰反応にも見えるが、中華民族主義勢力の反台湾人への憎悪は、それほど激越だということなのだ。
蔡英文本人も十九日、こう批判する。
「最近のこうした誹謗は常軌を逸している。百年の歴史を持つ国民党にこうした手段しか残っていないと言うなら、自らのイメージを損なうばかりか、台湾の民主主義をも大きく損ねると忠告したい」
蔡英文の優勢が伝えられる中、あの勢力は政権防衛のため、もはや形振り構わない状況のようだ。
■民主主義とは相容れない国民党の中華民族主義
蔡英文はこの時、国民党公認候補に内定している洪秀柱・立法院副院長が、前日にラジオ番組で行った発言についても「民意に符合しない」と批判した。こちらも世論の反撥を恐れず、中華民族主義を剥き出しだ。
現在台湾では、国民党政権が学習指導要領(課綱)を改定し、高校用歴史教科書の内容を大幅に書き改めさせたことに批判が巻き起こっているが、これについて洪秀柱はこう言ってのけたのだ。
「李登輝、陳水扁時代に百八十度変えられた課綱内容を今回は軌道を元に戻しただけ」
「改定された内容を見たが、改定はまだまだ全然足りない」
歴史教科書のさらなる改定(実際には歴史捏造)を求めた国民党候補の洪秀柱。世論の
反撥も恐れず中華民族主義を剥き出しにした
台湾には、日本統治時代を含む、中国とは大きく異なる独自の歴史的歩みがあり、李登輝、陳水扁政権時代に導入された台湾史の教科書が史実重視の姿勢でそれを論述したのだが、これを「台湾独立教科書」などとしてヒステリックに非難したのが、台湾は古来中国の領土と宣伝したい馬英九総統をはじめとする中華民族主義者たちだ。
かくして「一つの中国」を規定する中華民国憲法に従うとの名目で、史実より「政治」を優先する課綱の改定が行われ、非難を浴びているところなのだが、それのさらなる改定を洪秀柱は公然と求めたのである。
だから「民意に符合しない」との蔡英文による批判は当たっていよう。
だが洪秀中は「民意に符合しないからなんだ」と思っているに違いない。以前も彼女は香港の中共御用メディアに対し、「台湾を引っ張って行くが、民意に引っ張られることはない。なぜなら民意は水のようなものだから」と話している。
これが在台中国人(外省人)の政治的な感覚なのだ。そもそも「民」を社会の主とする民主主義と、「中国人」を世界の主と思いたがる中華民族主義は相容れないものなのである。
教科書改訂による洗脳教育復活の動きに、高校生たちですら抗議の声を挙げていると
いうのに…
■日本時代批判で歴史捏造を正当化する中華民族主義
ところがこの蔡英文の洪秀柱への批判に対し、さっそく中華民族主義勢力が反撃に出た。
国民党系(そして中共寄り)の中国時報が二十三日に掲載した「中華民国は台独教科書を使用するのか?」と題する論説がそれである。
そこには中華民族主義者特有の反理性的な情念が溢れ出ているので、一部を抜粋して参考に供したい。
中国時報が掲載した蔡英文への反論。中華民族主義を前面に押し出し、歴史捏造
で教科書の歴史捏造を擁護している
―――百二十年近く前、日本軍が台湾に上陸し、征討を開始し、五十年間占領した。日本人自身も「台湾征討」「占領」と言う言葉を使っている。しかし李登輝、陳水扁派教科書で「日拠」を「日治」に書き改めさせた。
―――洪秀柱は課綱改定を支持しながらも、改定部分は少なすぎるとし、また中華民国憲法に符合させるべきだとしたが、蔡英文はこれを「台湾の大多数の民意に符合しない」と罵った。その反課綱のための批判にはほとんど真実がない。
今回の課綱改定が狙ったのは、様々な史実を中国に関連付け、台湾史を中国史の一環と位置付けることだ。しかしそうした措置は「脱台湾」との批判を受けるため、課綱改定を擁護する中華民族主義勢力は、巧妙に議論の対象を日本統治時代に関する記述に限定し(課綱は抗日史観の導入で、この時代への批判を強めさせている)、「脱台湾化ではなく脱日本化であり、むしろ台湾の主体性を強化した」として、自己の正当化を図っている。
この論説もまた、その線でのものである。
■歴史知識を持たない中華民族主義者の反日宣伝
しかし「真実がない」のは、蔡英文の言説ではなく、この論説の方である。
論説は日本統治時代を「日治」(下関条約に基づく合法的な日本統治)ではなく、「日拠」(不法な日本占拠=占領)に改めるという歴史捏造を許した改定課綱を擁護しているが、これなどは歴史捏造がさらなる歴史捏造を呼んだ典型的な事例である。
そもそも日本の「征討」「占領」は、下関条約で日本が台湾を割譲された後の話。「統治」を阻害する住民らの反抗を排除するため、武力で征討を行い、その拠点を占領したというのが史実なのだ。
だいいち日本軍が台湾に上陸したのは、「百二十年近く前」ではなく「百二十年前」の一八九五年。この程度の歴史知識も持たない論説が書かれ、掲載されたのだから驚くばかりだが、実際には史実より政治宣伝を優先する中華民族主義には、こんなことは日常茶飯事で大したことではない。
かの課綱改定自体、主導した人々の多くは歴史の専門家ではない。
彼らにとって重要なのは、あくまでも政敵を打倒するためのプロパガンダなのだ。
■蔡英文を「媚日」「殖民地美化」と批判するための罠
だから論説はさらに、改定課綱に関し次のような質問を蔡英文に突き付けるのだ。
「『慰安婦』の記述に『強制』を加えるようにしたが、なぜいけないのか」
「『日本統治時期』を『日本殖民統治時期』に改めるようにしたが、なぜいけないのか」
「なぜ日本の殖民時期を美化したいのか」
こうした問題に蔡英文は従来コメントしたことはないが、論説はこのような質問を公開することで、「殖民地美化」「媚日」「皇民の娘」との汚名を彼女に着せようとの魂胆だ。
そして更にはこんな質問まで。
「あなたは中華民国憲法に服従していないのか。なぜ台独教科書の使用にこだわるのか」
「中華民国憲法が民意の最大公約数。あなたが立候補するのは中華民国の総統か。台湾共和国の総統か」
これまでつねに「中華民国憲法に従う」と表明して来た蔡英文だが、実際には中共を刺激し、戦争を引き起こしかねない危険な台湾独立主義者であり、総統候補には相応しくないとの宣伝に他ならない。
しかしそこまでの宣伝を行いながら、中華民族主義者たちはなぜ一様に、中共の要人の前では「中華民国」の国号を口にするのを差し控えるのか。そしてなぜ中共から「中華民国」の存在を否定されながら、それに抗議しようとしないのか。
次の総統選挙が、こうした卑劣なる中華民族主義勢力の狂奔から台湾の主権、民主主義を守る戦いになるというのは、このような意味からだ。
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