日本経済新聞に質問状―台湾を中国領土と認めるのか
2020/11/12/Thu
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■中国の指導を受け入れる日本のメディア
中国国営の新華社が発行する「新聞信息報導中の禁用詞と慎用詞」なる文書がある。報道での使用禁止用語などを規定する国内メディア向けの指導書だが、そうした中国政府の言論統制なら、日本のメディアも結構受け入れているのではないか。
例えばその文書には、次のようにある。
“「台湾」と「祖国大陸(あるいは『大陸』)」は対応概念である”
“台湾に言及しない時は中国を「大陸」とは自称せず、「中国大陸」という言葉も使用してはならない。台湾と相対させる時にだけ使用してよい”
つまりメディアが「中国と台湾」と言いたい時は必ず「中国大陸と台湾」と呼べという訳だ。
「一つの中国」(台湾は中国の一部)原則を掲げる中国政府は、メディアが「中国と台湾」と呼ぶことで、「一つの中国、一つの台湾」(中国と台湾は別個の存在)という事実が明らかになるのを恐れ、ここまで細かなルールを押し付けるのであるが、この「一つの中国」ルールにしばしば従う日本メディアが、日本経済新聞である。
日経が11月9日に配信した「台湾、10月の輸出額 新型iPhone効果で過去最高」と題する記事は、台湾の財政部(財政省)の発表を報じる内容だが、そこにも「輸出先をみると中国大陸(香港含む)が17%増の141億ドルで圧倒し…」とある。
なぜ「中国(香港含む)」ではなく、わざわざ「中国大陸(香港含む)」と書くのか。日経は台湾を中国の一部だと誤って認識しているのだろうか。それとも誤りと知りながら、中国への配慮で敢えてそう書いたのか。
■「一つの中国」報道は間違っている
実は台湾政府も、公文書では中国を「中国大陸」と呼称している。この記事が参考にしたと思われる財政部のプレスリリースにも、「中国大陸と香港への輸出額は141.9億ドルで…」とある。
もしや日経は台湾政府への配慮で、「中国大陸」をそのまま書き写したのだろうか。
参考までに書けば、台湾政府が中国を「中国大陸」と呼ぶのは、2011年に中国に迎合して「一つの中国」原則を掲げる当時の馬英九総統(国民党)が、「政府機関の文書では一律に『中国』とは呼ばず。『対岸』あるいは『大陸』と呼び、『二つの中国』という主権が混乱する状況を作り出さないようにせよ」との指示を出したためだ。
この「二つの中国」(中華人民共和国と中華民国は別個の存在)という状況も、中国政府は断じて容認しないものである。そのためこの指示に関し、国民党は「中国への善意だ」などと称賛したが、民進党は「台湾の主権の矮小化だ」として反撥した。ところが2016年、その民進党の蔡英文総統が就任すると、やはり「中国への善意」などと称して「大陸」の呼称を維持し、そのまま今日に至っている(時には国民の反中感情への配慮で、正しく「中国」と呼ぶという例外もあるが)。
ただ日経は、このような台湾政府への配慮で「一つの中国」用語を使用した訳ではあるまい。なぜなら中国政府は日本メディアに「一つの中国」原則の受け入れを求めるが、台湾政府はそのような圧力を掛けることはないからだ。それよりも台湾政府と同様に、中国に「善意」という名の媚びを示しているだけだと思う。
仮に台湾政府への配慮だとしても、許されることではない。日本メディアが「一つの中国」というフィクションに基づく報道を行うのは間違っているのである。
ちなみに日経はいつもそうなのだが、記事中「中国大陸」との呼称は一回だけで、後は「中国」と呼んでいる。要するに、一度だけその呼称を使っておけば、中国からは叱られずに済むということだろうか。
■「一つの中国」を虚構と認識するかと日経に質問
日本では一般国民にも、台湾と中国を並べて呼ぶ時、「台湾と大陸」や「台湾と本土」などと言う傾向があるが、それほど「一つの中国」のプロパガンダが社会に浸透しているのである。それではそのような宣伝が如何にして刷り込まれて行ったかというと、それはやはり中国政府による直接の宣伝というより、中国に迎合する国内メディアの「一つの中国」報道によるところが大なのであろう。
しかしそれでいいはずがない。「一つの中国」宣伝とは、台湾問題を中国の内政と位置づけ、台湾侵略を正当化するための謀略につき、それに日本メディアが加担するなど、断じてあるまじきことなのだ。
そこで我々台湾研究フォーラムは、「一つの中国」報道をこの日本から追放する台湾報道正常化運動を推し進めているところだ。
その一環として今回の日経の記事に関しては、11月11日に以下のような問い合わせメールを同紙に送ってみた。
件名:
11月9日に配信記事「台湾、10月の輸出額 新型iPhone効果で過去最高」につい
本文:
お尋ねいたします。記事には台湾の財政部の発表に関し、「輸出先をみると中国大陸(香港含む)が17%増の141億ドルで圧倒し…」とありますが、「中国」をわざわざ「中国大陸」と書くのはなぜですか。「一つの中国」を掲げる中国政府は、国内メディアが台湾と中国を並べて呼ぶ際、中国を大陸と呼称する指導していますが、それに従ったのでしょうか。それとも台湾政府もそのような中国の反撥を恐れ、公文書では中国を「大陸」と呼び、今回の財政部の発表も「中国大陸」とあったため、それに合わせたのでしょうか。国際法上、台湾は中国領土ではなく、「一つの中国」は明らかに虚構ですが、御社にはそういった認識はお持ちではないでしょうか。中国の虚構宣伝の用語の使用は台湾は中国に属さないとの事実を歪め、読者を惑わす恐れがありますが、今後は使用を停止するお考えはあるでしょうか。ぶしつけな質問になってしまい恐縮ですが、ご回答を頂戴できれば幸甚です。
以上のように日経には「一つの中国」を虚構と認識しているかどうかを尋ねたのだが、これへの回答は拒否される可能性が高い。なぜなら虚構を虚構と認めてしまえば、今後は虚構報道で中国に迎合できなくなるからだ。我々のこれまでの経験から言うと、日本の親中メディアとは大方そういうものなのである。
【過去の関連記事】
台湾人が抗議!日経の「媚中反台」報道にー台湾は中国の領土ではない! 15/07/07
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2602.html
台湾人が日経新聞に抗議メール運動を開始!日本人も加勢せよ 15/07/15
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2609.html
台湾で抗議を受ける日本経済新聞の中国迎合ー是正をするか? 回答は九月!15/08/19
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日経が台湾人の抗議封じー日本政府見解を歪めて「媚中反台」報道を正当化 15/12/07
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2707.html
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例えばその文書には、次のようにある。
“「台湾」と「祖国大陸(あるいは『大陸』)」は対応概念である”
“台湾に言及しない時は中国を「大陸」とは自称せず、「中国大陸」という言葉も使用してはならない。台湾と相対させる時にだけ使用してよい”
つまりメディアが「中国と台湾」と言いたい時は必ず「中国大陸と台湾」と呼べという訳だ。
「一つの中国」(台湾は中国の一部)原則を掲げる中国政府は、メディアが「中国と台湾」と呼ぶことで、「一つの中国、一つの台湾」(中国と台湾は別個の存在)という事実が明らかになるのを恐れ、ここまで細かなルールを押し付けるのであるが、この「一つの中国」ルールにしばしば従う日本メディアが、日本経済新聞である。
日経が11月9日に配信した「台湾、10月の輸出額 新型iPhone効果で過去最高」と題する記事は、台湾の財政部(財政省)の発表を報じる内容だが、そこにも「輸出先をみると中国大陸(香港含む)が17%増の141億ドルで圧倒し…」とある。
なぜ「中国(香港含む)」ではなく、わざわざ「中国大陸(香港含む)」と書くのか。日経は台湾を中国の一部だと誤って認識しているのだろうか。それとも誤りと知りながら、中国への配慮で敢えてそう書いたのか。
■「一つの中国」報道は間違っている
実は台湾政府も、公文書では中国を「中国大陸」と呼称している。この記事が参考にしたと思われる財政部のプレスリリースにも、「中国大陸と香港への輸出額は141.9億ドルで…」とある。
もしや日経は台湾政府への配慮で、「中国大陸」をそのまま書き写したのだろうか。
参考までに書けば、台湾政府が中国を「中国大陸」と呼ぶのは、2011年に中国に迎合して「一つの中国」原則を掲げる当時の馬英九総統(国民党)が、「政府機関の文書では一律に『中国』とは呼ばず。『対岸』あるいは『大陸』と呼び、『二つの中国』という主権が混乱する状況を作り出さないようにせよ」との指示を出したためだ。
この「二つの中国」(中華人民共和国と中華民国は別個の存在)という状況も、中国政府は断じて容認しないものである。そのためこの指示に関し、国民党は「中国への善意だ」などと称賛したが、民進党は「台湾の主権の矮小化だ」として反撥した。ところが2016年、その民進党の蔡英文総統が就任すると、やはり「中国への善意」などと称して「大陸」の呼称を維持し、そのまま今日に至っている(時には国民の反中感情への配慮で、正しく「中国」と呼ぶという例外もあるが)。
ただ日経は、このような台湾政府への配慮で「一つの中国」用語を使用した訳ではあるまい。なぜなら中国政府は日本メディアに「一つの中国」原則の受け入れを求めるが、台湾政府はそのような圧力を掛けることはないからだ。それよりも台湾政府と同様に、中国に「善意」という名の媚びを示しているだけだと思う。
仮に台湾政府への配慮だとしても、許されることではない。日本メディアが「一つの中国」というフィクションに基づく報道を行うのは間違っているのである。
ちなみに日経はいつもそうなのだが、記事中「中国大陸」との呼称は一回だけで、後は「中国」と呼んでいる。要するに、一度だけその呼称を使っておけば、中国からは叱られずに済むということだろうか。
■「一つの中国」を虚構と認識するかと日経に質問
日本では一般国民にも、台湾と中国を並べて呼ぶ時、「台湾と大陸」や「台湾と本土」などと言う傾向があるが、それほど「一つの中国」のプロパガンダが社会に浸透しているのである。それではそのような宣伝が如何にして刷り込まれて行ったかというと、それはやはり中国政府による直接の宣伝というより、中国に迎合する国内メディアの「一つの中国」報道によるところが大なのであろう。
しかしそれでいいはずがない。「一つの中国」宣伝とは、台湾問題を中国の内政と位置づけ、台湾侵略を正当化するための謀略につき、それに日本メディアが加担するなど、断じてあるまじきことなのだ。
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以上のように日経には「一つの中国」を虚構と認識しているかどうかを尋ねたのだが、これへの回答は拒否される可能性が高い。なぜなら虚構を虚構と認めてしまえば、今後は虚構報道で中国に迎合できなくなるからだ。我々のこれまでの経験から言うと、日本の親中メディアとは大方そういうものなのである。
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http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2707.html
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