親台湾派は「蒋介石」を尊敬するな!ー中国の独裁者を「台湾の象徴」と誤解する愚(附:台湾チャンネル関連報道動画)
2015/03/30/Mon
■新潟県の台湾映画祭で「蒋介石」?
「台湾映画祭in高田世界館」が、新潟県上越市の映画館「高田世界館」で四月下旬に開かれる。
毎日新聞によると「地方で台湾映画祭が開かれるのは珍しく、台湾政府も特別後援する」とか。それはそれで結構なことだが、気になるのは今回の開催が「蒋介石が旧陸軍高田連隊の将校として、上越市に滞在していた縁」も踏まえてのものであることだ。
たしかに清国の軍事留学生として日本で学んだ蒋介石は、高田の第十九連隊に入隊したことがある。これ以降、蒋介石は日本の民族性、軍隊、国家を中国近代化のモデルとしている。
ところで、この中国人と台湾といかなる関係があると言えば、それは彼が戦後、台湾のリーダーになったからだ。国共内戦で敗れ、当時中華民国が占領していた台湾へ亡命したわけで、日本でも毛沢東が中国のシンボルなら、蒋介石が台湾の代名詞となった。
戦後の日本社会で左翼勢力などが中国を支持すると、それに対抗して自民党保守派や右翼勢力はなどの反共陣営は蒋介石の「以徳報怨」を強調し、その神格化を図ったものだ。
殺した自国民数で蒋介石は世界ランキング第四位
ちなみに「以徳報怨」とは、蒋介石の終戦後における日本への寛大政策のことで、具体的には日本軍民の早期引揚の支援、天皇制維持の主張、日本分割統治の反対、そして賠償金請求の放棄などが挙げられるが、実際そこには多くのウソがある。その真相については他日述べるとして、ただここでは蒋介石こそが支那事変を惹き起し、嫌がる日本を戦争に巻き込んだ張本人であるとだけ強調しよう。
いくら敗戦国だとは言え、敵の大将を怨まないどころか、逆に感謝する保守派、右翼の心理は、毛沢東、中共崇拝者のそれに通じるものがある。中国人の取込み工作にすっかり載せられた人間が多いところまで共通している。
ところでその蒋介石だが、今でも台湾で尊敬を受けていると勘違いする日本人は少なくない。
■台湾人は独裁者蒋介石を怨んでいる
たしかに台北観光に行けば、ツアーはたいてい彼を祀る中正記念堂(蒋介石保ホール)に立ち寄る。だからそう誤解してもやむを得ない面もあるが、実際には九〇年代の民主化以降、特に二〇〇〇年の民進党政権発足以降、この人物に対する批判の声は高まる一方だ。
蒋介石を祀る中正記念堂。日本人観光客もたいていは訪れる名所だが・・・
なぜなら一党独裁の恐怖政治で、長期間にわたり罪なき台湾の民衆を逮捕投獄し、処刑し、抑圧し、あるいは洗脳教育を加えて来たからだ。「米国は日本には原爆を落としたが、台湾には蒋介石を落とした」とまで怨まれた。
蒋介石を神格化したのが国民党なら、それを公然と否定したのが民進党だ。
彼が一九四七年の二・二八虐殺事件の元凶であることを実証するとともに、各地に立つ蒋介石の銅像を撤去し、また中正記念堂の名を「民主記念館」に改めた。
国民党は隠しているが、二二八事件で台湾住民の無差別虐殺を命令したのが蒋介石だ
ところが二〇〇八年に国民党が政権を奪還すると、直ちに中正記念堂の名称を復活させたように、「中国人支配体制」の再構築を進め出した。
かつて蒋介石とは不倶戴天の敵だった中共も、国民党のそうした政策には大賛成だ。こちらも民進党など台湾人勢力が台頭し、台湾を中国から切り離そうとするのを「台湾独立」の動きと呼び、最大限の警戒を続けている。
近年押し寄せる中国人観光客も、蒋介石を台湾独立に反対した中華民族の偉人と聞かされ、必ず中正記念堂には立ち寄っている。中共にとって蒋介石を評価することは、国民党を統一に応じさせるための重要なツールだ。
■蒋介石否定で立ち上がった台湾の若者たち
そうした国民党政権の反民主政策に反撥するのが、民主化時代に生まれ育った青年層である。
昨年、国会議場を占拠した「太陽花(ひまわり)学生運動」は彼らの怒りの発露だった。学生らの決起は、独裁時代に骨抜きにされた大人たちをも励まし、覚醒させている。また運動の余波として、今年の二・二八事件記念日を前に続発したのが、各大学に残る蒋介石の銅像への落書きなどだ。そこには「殺人鬼をなぜ記念する」といった、台湾人の心の叫びが殴り書きされていた。
各大学で学生たちが蒋介石の銅像の撤去を要求
中正記念堂でも民衆が蒋介石像に卵などを投げつけた
そして事件記念日当日、民進党籍の頼清徳・台南市長が市内の小中学校にある蒋介石の銅像の撤去を宣言。三月に入り、それを実行した。
台南市の小中学校から撤去された蒋介石の銅像
嘉義市でも同じく涂醒哲市長が同様の宣言を行ったが、いまだそれが着手されないのは、国民党の反撥が強いからだ。
かつての加害者である国民党はこういった場合、決まって被害者の顔をして「民進党は対立を煽っている」と批判し、国内分裂を仄めかすため、台湾人の多くは何も言えなくなるのだ。
■台湾人の戦後の苦難を見ようとしない「親台湾派」
かつて一千万人以上の自国民を殺した蒋介石。世界史ランキングではスターリン、毛沢東、ヒトラーに次いで第四位とされるが、殺しの数では金日成、金正日を凌ぐこ独裁者が、台湾という民主国家でなお全面否定されないのは、国民党への恐怖心がいまだ拭い去られていないからだ。
一方日本では、国民党の宣伝に洗脳され、いまだ蒋介石を讃える老世代の親台湾派がいかに多いことか。
この人々にしばしば見られる特徴は、蒋介石が台湾人に対して何をしたかを直視しようとしないことだ。若い世代の親台湾派の中にも、国民党政権に媚びたいがため、蒋介石批判をしたがらない者はいくらでもいる。
国民党に媚びる日本人は台湾人の心の痛みを理解できない
しかし台湾人が国民党のために味わってきた苦難を無視するなど、それで親台湾派と言えるだろうか。私は何度かそうした人々に「目を覚ませ」と呼びかけたが、良心が足りないため、覚まさない。媚中勢力がチベット、南モンゴル、ウイグルの人々の悲しみを無視するのと同じだ
今回の映画祭で、さらに親台湾派が生まれることが期待される。また東日本大震災以降、台湾からの巨額の義捐金に感動した新しい親台湾派の人々も大勢そこへ出かけるのだろうを訪れるのだろう。それであるのに、いまどき「蒋介石」か。
再びこの殺人鬼が台湾の象徴と勘違いされるのなら、中共や国民党の中国人は喜んでも、台湾人は嬉しくない。
主催者にもこのあたりを理解してほしい
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台湾チャンネル関連報道 ※20分22秒から「台南市の蒋介石銅像撤去」問題
【台湾チャンネル】第74回、太陽花(ヒマワリ)学生運動1周年―若者が対中国抑止力!・他[桜H27/3/28]
https://youtu.be/C_2Ee0NLwzs
今回の話題は、①千葉県の台湾との交流を促進について。旗振り役は親台派で知られる森田¬健作知事。②台湾のヒマワリ学生運動から1周年。馬英九政権の中国傾斜政策に反対する¬ため国会占拠で始まったこの運動は、その後も政治、社会に大きな影響を及ぼした。その¬“救国”的な意義を考える。③台南市は市内の小中学校から蒋介石の銅像を撤去。国民党¬からの強い批判を恐れず、同党独裁時代における洗脳教育の遺物排除に乗り出した背景に¬は、ヒマワリ学生運動以降広がった青年層の政治的な覚醒もあった。
キャスター:永山英樹・謝恵芝
【日台交流頻道】第74集、太陽花學運1週年―年輕世代對中國的阻力/其他
本集報導:①親台派之千葉縣知事(曾是紅星的)森田健作積極推動台日交流活動。②讓傾¬中的馬政權亂了陣腳也扭轉了台灣命運的太陽花學運,同時帶給日本人的啟啓示及意義。 ③台南市呼應年輕世代對政治的覺醒,將象徵洗腦教育之蔣介石銅像移出校園。本節目期望¬部份對蔣有正面評價之日本人士之覺醒。
主播:永山英樹・謝惠芝
「台湾映画祭in高田世界館」が、新潟県上越市の映画館「高田世界館」で四月下旬に開かれる。
毎日新聞によると「地方で台湾映画祭が開かれるのは珍しく、台湾政府も特別後援する」とか。それはそれで結構なことだが、気になるのは今回の開催が「蒋介石が旧陸軍高田連隊の将校として、上越市に滞在していた縁」も踏まえてのものであることだ。
たしかに清国の軍事留学生として日本で学んだ蒋介石は、高田の第十九連隊に入隊したことがある。これ以降、蒋介石は日本の民族性、軍隊、国家を中国近代化のモデルとしている。
ところで、この中国人と台湾といかなる関係があると言えば、それは彼が戦後、台湾のリーダーになったからだ。国共内戦で敗れ、当時中華民国が占領していた台湾へ亡命したわけで、日本でも毛沢東が中国のシンボルなら、蒋介石が台湾の代名詞となった。
戦後の日本社会で左翼勢力などが中国を支持すると、それに対抗して自民党保守派や右翼勢力はなどの反共陣営は蒋介石の「以徳報怨」を強調し、その神格化を図ったものだ。
殺した自国民数で蒋介石は世界ランキング第四位
ちなみに「以徳報怨」とは、蒋介石の終戦後における日本への寛大政策のことで、具体的には日本軍民の早期引揚の支援、天皇制維持の主張、日本分割統治の反対、そして賠償金請求の放棄などが挙げられるが、実際そこには多くのウソがある。その真相については他日述べるとして、ただここでは蒋介石こそが支那事変を惹き起し、嫌がる日本を戦争に巻き込んだ張本人であるとだけ強調しよう。
いくら敗戦国だとは言え、敵の大将を怨まないどころか、逆に感謝する保守派、右翼の心理は、毛沢東、中共崇拝者のそれに通じるものがある。中国人の取込み工作にすっかり載せられた人間が多いところまで共通している。
ところでその蒋介石だが、今でも台湾で尊敬を受けていると勘違いする日本人は少なくない。
■台湾人は独裁者蒋介石を怨んでいる
たしかに台北観光に行けば、ツアーはたいてい彼を祀る中正記念堂(蒋介石保ホール)に立ち寄る。だからそう誤解してもやむを得ない面もあるが、実際には九〇年代の民主化以降、特に二〇〇〇年の民進党政権発足以降、この人物に対する批判の声は高まる一方だ。
蒋介石を祀る中正記念堂。日本人観光客もたいていは訪れる名所だが・・・
なぜなら一党独裁の恐怖政治で、長期間にわたり罪なき台湾の民衆を逮捕投獄し、処刑し、抑圧し、あるいは洗脳教育を加えて来たからだ。「米国は日本には原爆を落としたが、台湾には蒋介石を落とした」とまで怨まれた。
蒋介石を神格化したのが国民党なら、それを公然と否定したのが民進党だ。
彼が一九四七年の二・二八虐殺事件の元凶であることを実証するとともに、各地に立つ蒋介石の銅像を撤去し、また中正記念堂の名を「民主記念館」に改めた。
国民党は隠しているが、二二八事件で台湾住民の無差別虐殺を命令したのが蒋介石だ
ところが二〇〇八年に国民党が政権を奪還すると、直ちに中正記念堂の名称を復活させたように、「中国人支配体制」の再構築を進め出した。
かつて蒋介石とは不倶戴天の敵だった中共も、国民党のそうした政策には大賛成だ。こちらも民進党など台湾人勢力が台頭し、台湾を中国から切り離そうとするのを「台湾独立」の動きと呼び、最大限の警戒を続けている。
近年押し寄せる中国人観光客も、蒋介石を台湾独立に反対した中華民族の偉人と聞かされ、必ず中正記念堂には立ち寄っている。中共にとって蒋介石を評価することは、国民党を統一に応じさせるための重要なツールだ。
■蒋介石否定で立ち上がった台湾の若者たち
そうした国民党政権の反民主政策に反撥するのが、民主化時代に生まれ育った青年層である。
昨年、国会議場を占拠した「太陽花(ひまわり)学生運動」は彼らの怒りの発露だった。学生らの決起は、独裁時代に骨抜きにされた大人たちをも励まし、覚醒させている。また運動の余波として、今年の二・二八事件記念日を前に続発したのが、各大学に残る蒋介石の銅像への落書きなどだ。そこには「殺人鬼をなぜ記念する」といった、台湾人の心の叫びが殴り書きされていた。
各大学で学生たちが蒋介石の銅像の撤去を要求
中正記念堂でも民衆が蒋介石像に卵などを投げつけた
そして事件記念日当日、民進党籍の頼清徳・台南市長が市内の小中学校にある蒋介石の銅像の撤去を宣言。三月に入り、それを実行した。
台南市の小中学校から撤去された蒋介石の銅像
嘉義市でも同じく涂醒哲市長が同様の宣言を行ったが、いまだそれが着手されないのは、国民党の反撥が強いからだ。
かつての加害者である国民党はこういった場合、決まって被害者の顔をして「民進党は対立を煽っている」と批判し、国内分裂を仄めかすため、台湾人の多くは何も言えなくなるのだ。
■台湾人の戦後の苦難を見ようとしない「親台湾派」
かつて一千万人以上の自国民を殺した蒋介石。世界史ランキングではスターリン、毛沢東、ヒトラーに次いで第四位とされるが、殺しの数では金日成、金正日を凌ぐこ独裁者が、台湾という民主国家でなお全面否定されないのは、国民党への恐怖心がいまだ拭い去られていないからだ。
一方日本では、国民党の宣伝に洗脳され、いまだ蒋介石を讃える老世代の親台湾派がいかに多いことか。
この人々にしばしば見られる特徴は、蒋介石が台湾人に対して何をしたかを直視しようとしないことだ。若い世代の親台湾派の中にも、国民党政権に媚びたいがため、蒋介石批判をしたがらない者はいくらでもいる。
国民党に媚びる日本人は台湾人の心の痛みを理解できない
しかし台湾人が国民党のために味わってきた苦難を無視するなど、それで親台湾派と言えるだろうか。私は何度かそうした人々に「目を覚ませ」と呼びかけたが、良心が足りないため、覚まさない。媚中勢力がチベット、南モンゴル、ウイグルの人々の悲しみを無視するのと同じだ
今回の映画祭で、さらに親台湾派が生まれることが期待される。また東日本大震災以降、台湾からの巨額の義捐金に感動した新しい親台湾派の人々も大勢そこへ出かけるのだろうを訪れるのだろう。それであるのに、いまどき「蒋介石」か。
再びこの殺人鬼が台湾の象徴と勘違いされるのなら、中共や国民党の中国人は喜んでも、台湾人は嬉しくない。
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台湾チャンネル関連報道 ※20分22秒から「台南市の蒋介石銅像撤去」問題
【台湾チャンネル】第74回、太陽花(ヒマワリ)学生運動1周年―若者が対中国抑止力!・他[桜H27/3/28]
https://youtu.be/C_2Ee0NLwzs
今回の話題は、①千葉県の台湾との交流を促進について。旗振り役は親台派で知られる森田¬健作知事。②台湾のヒマワリ学生運動から1周年。馬英九政権の中国傾斜政策に反対する¬ため国会占拠で始まったこの運動は、その後も政治、社会に大きな影響を及ぼした。その¬“救国”的な意義を考える。③台南市は市内の小中学校から蒋介石の銅像を撤去。国民党¬からの強い批判を恐れず、同党独裁時代における洗脳教育の遺物排除に乗り出した背景に¬は、ヒマワリ学生運動以降広がった青年層の政治的な覚醒もあった。
キャスター:永山英樹・謝恵芝
【日台交流頻道】第74集、太陽花學運1週年―年輕世代對中國的阻力/其他
本集報導:①親台派之千葉縣知事(曾是紅星的)森田健作積極推動台日交流活動。②讓傾¬中的馬政權亂了陣腳也扭轉了台灣命運的太陽花學運,同時帶給日本人的啟啓示及意義。 ③台南市呼應年輕世代對政治的覺醒,將象徵洗腦教育之蔣介石銅像移出校園。本節目期望¬部份對蔣有正面評價之日本人士之覺醒。
主播:永山英樹・謝惠芝