中国を恐れぬパラオは台湾との国交を維持できるか
2018/11/13/Tue
パラオは第二列島線上に位置する島嶼国で、人口約二万の小国。国土も屋久島とほぼ同じ四百八十八平方キロメートルだが、しかし排他的経済水域は五十万平方キロメートルを超えている。そこで第二列島線までの西太平洋を自国の生存圏に変えようと狙う中国にとっては、何としても影響下に置きたい戦略的要衝ということになる。
台湾との断交を迫る中国の要求を無視するパラオのレメンゲサウ大統領が11月12日、台湾を訪問。
しかし両国の国交は今後も維持されるのか
観光業がGDPの半部以上を占めるこの国に、中国の投資家、観光客が殺到してきたが、それとあの国の拡張戦略とは無関係であるはずがない。パラオを訪れた外国人観光客は、二〇一四年までは主に日本人と台湾人によって占められたが、二〇一五年以降は中国人が急増。パラオ観光業の中国依存が高まった。二〇一七年には全体数十二万二千人中、中国人は実に五万五千人にも上っている。
だがその年十一月、中国がパラオに露骨な嫌がらせに出る。自国民のパラオへの団体旅行禁止令を下したのだ。これに違反する旅行業者には罰金を科すとされた。
相手国に中国人観光客への依存を深めさせおいて、自国の要求を押し付ける際に行使するという、中国常套の揺さぶりの謀略だ。
それでは中国はパラオに何を求めたのだろうか。それは台湾との国交断絶である。
台湾から友好国を切り離すことに躍起となる中国は、このようにしてパラオを台湾との断交に追い込み、そして中国と国交を締結させ、この国に更なる影響力を及ぼしていこうと狙ったのだ。
しかしパラオ政府はその要求を受け入れず、トミー・レメンゲサウ大統領は再三にわたり、台湾との関係は不変だと強調。メディアにも「もちろん中国からの投資、観光客は歓迎するが、政府の立場や民主主義の価値観からすれば台湾を支持する。中国からの大量の観光客は環境に大きな影響を及ぼしている。そこで消費額の高い観光客にターゲットを絞っている」と語っている。
二〇一八年七月には、パラオ・パシフィック航空が香港との間の定期便運航を止めた。それは中国人客の減少で採算が取れなくなったためだが、しかし台湾の政府、世論はそれを同国の、中国の圧力を恐れぬ勇気ある姿勢の表れとして感動を以って受け止められた。台湾政府は国民にパラオ観光を奨励し、また夏季に限り中華航空のパラオへの定期便の増便を行った。
二〇一七年、パラオを訪れた台湾人観光客は九千人。二〇〇〇年以来、年平均二万人余で推移してきたが、この年は過去最低。そこで何とか再度パラオ観光を盛り上げて、両国関係を更に強化しようとしたのだ。
ただ観光業界の量より質を強調する大統領とは異なり、観光業界は対中関係の改善を求めている。次期大統領と目されるスランゲル・ウィップス・ジュニア上院議員も同様の考えだ。
十月には、一九九九年にパラオの代表として台湾との国交樹立コミュニケに署名したサビオ・アナスタシオ下院議長が、「コミュニケは過去のものだ。レメンゲサウ大統領は二〇二〇年までに中華人民共和国に鞍替えするのではないか」と語ったとも報じられている。
そのレメンゲサウ大統領だが、十一月十二日に台湾を訪問した。
台湾側はこれを大歓迎し、蔡英文総統は会見席上、政治的な圧力で観光業界が打撃を受けたに関わらず、妥協を見せないパラオの姿勢に感謝を伝えた上で、「パラオと台湾は最も良い友人同士だ。かつてはともにオーストロネシア文化を持ち、今日では民主、自由、といった価値観を共有している。こうした親密な感情を基に、ともに困難に立ち向かい、そしてともに支え合いたい」と訴えた。
果たしてパラオは今後、どこへ向かうのか。地図を広げてみれば、中国が狙う西太平洋を取り囲むようにパラオ、台湾、そして日本が位置しているのがわかる。台湾とパラオは密接な関係を維持してきたほか、両国はともに親日国として知られ、日本とも深い信頼で結ばれている。こうした三国の得難い絆の力を、中国覇権主義への対抗の上で発揮することはできないものかと思うのは、決して私一人ではないはずだ。
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台湾はChinese Taipeiではない!東京五輪「台湾正名」街宣署名活動
日時 11月18日(日)12時00分~15時00分(雨天中止)
場所 池袋駅東口
主催 台湾研究フォーラム、在日台湾同郷会、美麗島交流会
後援 2020東京五輪「台湾正名」推進協議会
■署名集めにご協力を!
http://www.ganbare-nippon.net/PDF/2020taiwanshomei
台湾との断交を迫る中国の要求を無視するパラオのレメンゲサウ大統領が11月12日、台湾を訪問。
しかし両国の国交は今後も維持されるのか
観光業がGDPの半部以上を占めるこの国に、中国の投資家、観光客が殺到してきたが、それとあの国の拡張戦略とは無関係であるはずがない。パラオを訪れた外国人観光客は、二〇一四年までは主に日本人と台湾人によって占められたが、二〇一五年以降は中国人が急増。パラオ観光業の中国依存が高まった。二〇一七年には全体数十二万二千人中、中国人は実に五万五千人にも上っている。
だがその年十一月、中国がパラオに露骨な嫌がらせに出る。自国民のパラオへの団体旅行禁止令を下したのだ。これに違反する旅行業者には罰金を科すとされた。
相手国に中国人観光客への依存を深めさせおいて、自国の要求を押し付ける際に行使するという、中国常套の揺さぶりの謀略だ。
それでは中国はパラオに何を求めたのだろうか。それは台湾との国交断絶である。
台湾から友好国を切り離すことに躍起となる中国は、このようにしてパラオを台湾との断交に追い込み、そして中国と国交を締結させ、この国に更なる影響力を及ぼしていこうと狙ったのだ。
しかしパラオ政府はその要求を受け入れず、トミー・レメンゲサウ大統領は再三にわたり、台湾との関係は不変だと強調。メディアにも「もちろん中国からの投資、観光客は歓迎するが、政府の立場や民主主義の価値観からすれば台湾を支持する。中国からの大量の観光客は環境に大きな影響を及ぼしている。そこで消費額の高い観光客にターゲットを絞っている」と語っている。
二〇一八年七月には、パラオ・パシフィック航空が香港との間の定期便運航を止めた。それは中国人客の減少で採算が取れなくなったためだが、しかし台湾の政府、世論はそれを同国の、中国の圧力を恐れぬ勇気ある姿勢の表れとして感動を以って受け止められた。台湾政府は国民にパラオ観光を奨励し、また夏季に限り中華航空のパラオへの定期便の増便を行った。
二〇一七年、パラオを訪れた台湾人観光客は九千人。二〇〇〇年以来、年平均二万人余で推移してきたが、この年は過去最低。そこで何とか再度パラオ観光を盛り上げて、両国関係を更に強化しようとしたのだ。
ただ観光業界の量より質を強調する大統領とは異なり、観光業界は対中関係の改善を求めている。次期大統領と目されるスランゲル・ウィップス・ジュニア上院議員も同様の考えだ。
十月には、一九九九年にパラオの代表として台湾との国交樹立コミュニケに署名したサビオ・アナスタシオ下院議長が、「コミュニケは過去のものだ。レメンゲサウ大統領は二〇二〇年までに中華人民共和国に鞍替えするのではないか」と語ったとも報じられている。
そのレメンゲサウ大統領だが、十一月十二日に台湾を訪問した。
台湾側はこれを大歓迎し、蔡英文総統は会見席上、政治的な圧力で観光業界が打撃を受けたに関わらず、妥協を見せないパラオの姿勢に感謝を伝えた上で、「パラオと台湾は最も良い友人同士だ。かつてはともにオーストロネシア文化を持ち、今日では民主、自由、といった価値観を共有している。こうした親密な感情を基に、ともに困難に立ち向かい、そしてともに支え合いたい」と訴えた。
果たしてパラオは今後、どこへ向かうのか。地図を広げてみれば、中国が狙う西太平洋を取り囲むようにパラオ、台湾、そして日本が位置しているのがわかる。台湾とパラオは密接な関係を維持してきたほか、両国はともに親日国として知られ、日本とも深い信頼で結ばれている。こうした三国の得難い絆の力を、中国覇権主義への対抗の上で発揮することはできないものかと思うのは、決して私一人ではないはずだ。
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場所 池袋駅東口
主催 台湾研究フォーラム、在日台湾同郷会、美麗島交流会
後援 2020東京五輪「台湾正名」推進協議会
■署名集めにご協力を!
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