台湾を「中国」と呼んだTBSが訂正、謝罪!―しかし中国への配慮はなかったか
2018/08/31/Fri
■アジア大会中継で台湾選手の国籍を「中国」と表記したTBS。民間の抗議を受け「チャイニーズ・タイペイ」と訂正したが、なぜ「台湾」と呼べないのか。中国を恐れず堂々と「台湾」と呼んでほしい。TBSにそう訴えよう。
https://cgi.tbs.co.jp/ppshw/pc/contact/4945/enquete.do
電話 03-3746-6666
八月二十九日、アジア大会陸上二百メートル決勝。大勢の在日台湾人が固唾を飲み、「台湾最速男」こと期待の楊俊瀚選手の姿を見守っていた時、彼の国名を示すテロップが「台湾」ではなく「中国」となっているのに驚いた。
試合結果は言うまでもなく小池祐貴が金メダル。楊俊瀚は小池とのデッドヒートの末、千分の二秒の差で敗れ、無念の銀メダル。しかしその後両者は抱き合って、互いの健闘を讃え、見る者に大きな感動を与えたのだが、その感想に水を差すかのようなマネをしたのがTBSだ。
まさに台湾侵略を目論む中国のプロパガンダそのままに、楊俊瀚の出身国「台湾」を「中国」と書き換えたのだ。そして問題は、その後訂正を行ったかどうか。
「米国」との誤記から「英国」に訂正するのは簡単でも、「中国」から「台湾」への訂正は、日本のマスメディアにはとてもできるものではないことを、長年、台湾を中国扱いする報道の是正運動に取り組んできた私は知っている。なぜならマスメディアは、「一つの中国」宣伝を振りかざし、「一つの中国・一つの台湾」との現状の否定に躍起となる中国がそれを許すはずがないと考えているからだ。
しかしそれでいいはずがない。私はその直後から訂正、謝罪をTBS視聴者センターに求めた。翌三十日には同じ思いの日本人や台湾人の大勢が、やはり電話やメールで同センターにそう要求した模様だ。
それに対するセンター側の態度は恐縮、横柄等々と職員によって様々だったが、「すでに訂正したのか」「これから訂正するのか」との問いには、一様に回答を拒否していたようだ。中継で国名を間違えること自体あり得ないことだが、誤りがあっても訂正しないまま放置するというのはもっと異常である。しかしその理由は、上で書いた通りだ。中国への配慮にためなら台湾の尊厳など踏み躙るのも厭わないという昔からの日本メディアの通弊が、そこには明確に表れていた。
そもそも「中国」への書き換え自体が、中国の歓心を買うための故意の誤記だと疑ったのは私だけではないはずである。
そこで各方面と大々的な抗議行動の計画などを立てていたところ、何とTBSは訂正と謝罪を行ったというのである。その日夜のアジア大会中継番組の冒頭、アナウンサーがそうしたとの目撃談が直ちに伝わってきたのだ。
そこで私が視聴者センターに電話で確認したところ、訂正したのを認めた。どのような訂正だったにか、または謝罪したのかどうかなどは、「まだ情報がなく、わからない」とのことだった。しかしいずれにせよ、これは抗議活動の成果と思われた。
台湾の扱いの正常化を求める運動の上で近年感じる大きな変化は、メディアに抗議する人の増加と、抗議される側が理性的な対応を見せるようになってきたことだ。たとえば中国の要求に屈して「台湾」表記を「中国台湾」に変えたJALとANAが民衆の抗議を受け、修正したのもその一例である。
そこでTBSもそのように正確、良心的な判断を下したのだと喜んだわけだが、その後まもなく、実は訂正とは「中国」から「台湾」にではなく、「チャイニーズ・タイペイ」(中国台北)への「訂正」だったとの情報に接した。
それが事実なら、「訂正」と言えるのか。そこで翌九月一日、再び視聴者センターに電話したところ、応対に出た職員は晴れ晴れとした声で「訂正をした」と教えてくれた。ではどのような訂正かと聞くと、番組開始の〇分〇秒後、〇〇〇〇アナウンサーが「二百メートル決勝の際、スーパーに一部誤りがあった」とした上で、「正しくはチャイニーズ・タイペイ代表でした」とし、「本当に申し訳ありませんでした」と謝罪したのだそうである。
やはりそうだったのだ。私はこれにJALとANAの対応に通じるものを感じた。あの時は、「中国台湾」との誤表記の訂正を要求された二社は、民衆にも中国にも批判されないよう、「中国台湾」も「台湾」も表記せず、「台北」「高雄」と言った都市表記に切り替えた。もともと空港の所在地を示すための表記だから、それはそれで間違いとは言えなかった。
それと同じようにTBSも、民衆からも中国からも叱られないよう、「中国」でもなく「台湾」でもなく、「チャイニーズ・タイペイ」としたわけだ。これもまた誤りとは言えない。不当な中国の政治的圧力の結果ではあるが、台湾はアジア大会には「チャイニーズ・タイペイ」に名で参加している。
しかしTBSはもともと、このような世界のどこにも存在しない地名を用いては、視聴者を混乱させることをしっている。そこでアナウンサーは中継中、台湾を「台湾」と呼称し続けた。時には「チャイニーズ・タイペイ」と読み上げても、誤解のないようすぐに「台湾」と付け加えた。この判断は正しく、良心的と言えた。
だから訂正するなら、中国に配慮などせず、「台湾」の名称の使用を貫けばいいのだ。私は視聴者センターに対し、そのように訴えた。
TBSはサイト上のアジア大会関連の資料でも、台湾は「台湾」と呼んでいる。訂正する際も、そう呼べばよかったのだ
「台湾と呼んでも誰も怒りはしない。そのように番組担当者に伝えてほしい」と求めると。「はい、伝えます」と言われた。しかしその職員は、「チャイニーズ・タイペイ」の呼称の何が悪いのか、あまりよくわかっていないようにも感じた。
台湾は中国ではないのだから、「チャイニーズ・タイペイ」との呼称はそもそも正しくない。たしかに台湾はIOCの取り決めに従い、この存在もしない地名の下での参加を余儀なくされ、アジア大会主催者もその名を用いるが、しかしメディアにまで、そのようなルールに従う義務はないのである。
TBSにはそう伝えようではないか。
二年後には東京五輪も控えているのだから、日本メディアにはそれまでに、台湾を堂々と「台湾」と呼ぶほどの勇気を持ってもらわないと。
【過去の関連記事】TBSに抗議を!アジア大会で台湾選手を「中国」扱い!訂正は拒否か18/08/30
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-3336.html
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参加を!9月2日(日)、▪️2020東京五輪台湾正名署名活動
~東京オリンピックに「台湾」の名称で参加を!
13時00分~16時00分(雨天中止)
場所 池袋駅東口
主催 台湾研究フォーラム(台湾研究論壇)
後援 2020東京五輪「台湾正名」推進協議会
連絡先 070-6484‐2624
https://cgi.tbs.co.jp/ppshw/pc/contact/4945/enquete.do
電話 03-3746-6666
八月二十九日、アジア大会陸上二百メートル決勝。大勢の在日台湾人が固唾を飲み、「台湾最速男」こと期待の楊俊瀚選手の姿を見守っていた時、彼の国名を示すテロップが「台湾」ではなく「中国」となっているのに驚いた。
試合結果は言うまでもなく小池祐貴が金メダル。楊俊瀚は小池とのデッドヒートの末、千分の二秒の差で敗れ、無念の銀メダル。しかしその後両者は抱き合って、互いの健闘を讃え、見る者に大きな感動を与えたのだが、その感想に水を差すかのようなマネをしたのがTBSだ。
まさに台湾侵略を目論む中国のプロパガンダそのままに、楊俊瀚の出身国「台湾」を「中国」と書き換えたのだ。そして問題は、その後訂正を行ったかどうか。
「米国」との誤記から「英国」に訂正するのは簡単でも、「中国」から「台湾」への訂正は、日本のマスメディアにはとてもできるものではないことを、長年、台湾を中国扱いする報道の是正運動に取り組んできた私は知っている。なぜならマスメディアは、「一つの中国」宣伝を振りかざし、「一つの中国・一つの台湾」との現状の否定に躍起となる中国がそれを許すはずがないと考えているからだ。
しかしそれでいいはずがない。私はその直後から訂正、謝罪をTBS視聴者センターに求めた。翌三十日には同じ思いの日本人や台湾人の大勢が、やはり電話やメールで同センターにそう要求した模様だ。
それに対するセンター側の態度は恐縮、横柄等々と職員によって様々だったが、「すでに訂正したのか」「これから訂正するのか」との問いには、一様に回答を拒否していたようだ。中継で国名を間違えること自体あり得ないことだが、誤りがあっても訂正しないまま放置するというのはもっと異常である。しかしその理由は、上で書いた通りだ。中国への配慮にためなら台湾の尊厳など踏み躙るのも厭わないという昔からの日本メディアの通弊が、そこには明確に表れていた。
そもそも「中国」への書き換え自体が、中国の歓心を買うための故意の誤記だと疑ったのは私だけではないはずである。
そこで各方面と大々的な抗議行動の計画などを立てていたところ、何とTBSは訂正と謝罪を行ったというのである。その日夜のアジア大会中継番組の冒頭、アナウンサーがそうしたとの目撃談が直ちに伝わってきたのだ。
そこで私が視聴者センターに電話で確認したところ、訂正したのを認めた。どのような訂正だったにか、または謝罪したのかどうかなどは、「まだ情報がなく、わからない」とのことだった。しかしいずれにせよ、これは抗議活動の成果と思われた。
台湾の扱いの正常化を求める運動の上で近年感じる大きな変化は、メディアに抗議する人の増加と、抗議される側が理性的な対応を見せるようになってきたことだ。たとえば中国の要求に屈して「台湾」表記を「中国台湾」に変えたJALとANAが民衆の抗議を受け、修正したのもその一例である。
そこでTBSもそのように正確、良心的な判断を下したのだと喜んだわけだが、その後まもなく、実は訂正とは「中国」から「台湾」にではなく、「チャイニーズ・タイペイ」(中国台北)への「訂正」だったとの情報に接した。
それが事実なら、「訂正」と言えるのか。そこで翌九月一日、再び視聴者センターに電話したところ、応対に出た職員は晴れ晴れとした声で「訂正をした」と教えてくれた。ではどのような訂正かと聞くと、番組開始の〇分〇秒後、〇〇〇〇アナウンサーが「二百メートル決勝の際、スーパーに一部誤りがあった」とした上で、「正しくはチャイニーズ・タイペイ代表でした」とし、「本当に申し訳ありませんでした」と謝罪したのだそうである。
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しかしTBSはもともと、このような世界のどこにも存在しない地名を用いては、視聴者を混乱させることをしっている。そこでアナウンサーは中継中、台湾を「台湾」と呼称し続けた。時には「チャイニーズ・タイペイ」と読み上げても、誤解のないようすぐに「台湾」と付け加えた。この判断は正しく、良心的と言えた。
だから訂正するなら、中国に配慮などせず、「台湾」の名称の使用を貫けばいいのだ。私は視聴者センターに対し、そのように訴えた。
TBSはサイト上のアジア大会関連の資料でも、台湾は「台湾」と呼んでいる。訂正する際も、そう呼べばよかったのだ
「台湾と呼んでも誰も怒りはしない。そのように番組担当者に伝えてほしい」と求めると。「はい、伝えます」と言われた。しかしその職員は、「チャイニーズ・タイペイ」の呼称の何が悪いのか、あまりよくわかっていないようにも感じた。
台湾は中国ではないのだから、「チャイニーズ・タイペイ」との呼称はそもそも正しくない。たしかに台湾はIOCの取り決めに従い、この存在もしない地名の下での参加を余儀なくされ、アジア大会主催者もその名を用いるが、しかしメディアにまで、そのようなルールに従う義務はないのである。
TBSにはそう伝えようではないか。
二年後には東京五輪も控えているのだから、日本メディアにはそれまでに、台湾を堂々と「台湾」と呼ぶほどの勇気を持ってもらわないと。
【過去の関連記事】TBSに抗議を!アジア大会で台湾選手を「中国」扱い!訂正は拒否か18/08/30
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