キーワードは「反日」/国民党と中共の危険な接近
2014/06/30/Mon
中国の国務院台湾弁公室(対台湾工作機関)の張志軍主任。台湾の平和統一(併呑)の大障害である台湾国民の反中感情を緩和させるべく、六月二十五日から二十八日まで国民党政権の手引きで台湾各地を周り、「民衆の声を傾聴する」ことに務めたが、行く先々で彼を待っていたのは中国に抗議する群衆の声だった。
張志軍と言う中国の使者に対し、台湾の民衆は猛然と抗議した
台湾人籠絡のの任務が失敗に終わり、硬い表情で帰国の途に就く張志軍
そのため当初は笑顔で台湾の土を踏んだが、いくつもの訪問先を直前に取り消し、硬い表情で台湾を離れて行った。
あの表情を見て、中共への従属姿勢を強める国民党政権はさぞや狼狽したことだろう。あれは「国民党は民衆を束ねることもできないのか」との叱責のメッセージに見えた。
さて帰国した張志軍を中国・北京で待っていたのが、国民党のホープの一人で、ちょうど北京に滞在していた郝龍斌台北市長だった。両者が二十九日に会見した際、郝龍斌は群衆の抗議について、「あのような非礼な挙動は台湾の常態ではないし、圧倒的多数の意見を代表していない」と釈明した上で、張志軍の訪台を「政府間の交流の始まりとなった」と称えてみせた。
張志軍と会見した郝龍斌台北市長。国民党のホープだが・・・
そして郝龍斌が記者団に話したところによると、こうも論じたらしい。
「甲午戦争後に祖国は台湾を捨てた(日清戦争後に清朝は台湾を日本に割譲した)。それ以来、台湾の民衆には『捨てられた』という感覚がある。このことを理解してほしい」と。
郝龍斌は中国人意識に染まった外省二世。いかにも「祖国」の媚びた言論である。
この発言は直ちに台湾国内で轟々の批判に曝された。
何志偉・台北市議議は次のように非難した。
「台湾は移民社会。多くの漢人は祖国を捨てて台湾へ来たのであり、祖国に捨てられたのではない。郝龍斌の父親である郝柏村(元参謀総長、行政院長)もない戦で敗れて祖国を捨て、台湾へ来たはずだ」
「台湾は列強に割譲され、殖民を受け、そして多くの人々は中国を祖国が嫌いになった」
「卑屈だ。国家の尊厳と主権を傷つけた」
台北市政府は「歴史事実を述べただけだ」と擁護するが、どうだろう。
終戦の際、台湾の民衆の多くは「台湾は祖国に復帰する」との国民党の宣伝を受け、日本統治下以上に自分たちの社会的地位が向上すると信じ、歓喜した。しかし「祖国」の腐敗、残虐な官僚、軍隊の姿を目の当たりにし、強烈な反中感情を抱いた。その後、国民党政権による中国人化教育が施行されるも、今度は中国共産党が横暴にも台湾を圧迫したため、再び反中感情が高まり、それが張志軍への抗議行動に繋がったというのが、正確な史実と言うものだろう。
そしてこの史実は、郝龍斌ら外省人にとり、決して受け入れたくないものなのだ。
今年二月、張志軍は南京の南京大虐殺記念館を視察し、台湾に対し、次の如く訴えていた。
「南京大虐殺は中国人にとり、永遠の歴史の傷魏の当時我が民族は弱かったため、日本軍国主義の野蛮な侵略を受けたが、最後は団結し、抗日戦争で偉大な勝利を収め、日本の統治を五十年も受けた台湾も光復した。両岸(中国と台湾)同胞はともに中華民族で血肉分けた兄弟。ともに歴史を覆そうとする日本の危険な右翼にノーを突きつけよう。に両岸間にはなお意見の異なりがあるが、民族の根本的利益の前では同じ立場に立つべきだ。中華民族の偉大なる復興を遂げよう」
今年二月、南京大虐殺記念館で、台湾との反日提携を呼び掛けた張志軍
このように文化、価値観が異なる台湾と中国の共通点は中華民族栄光の抗日の歴史と強調し、双方が統一して日米同盟に対抗し、アジアの覇者たらんと言うのが中国側の台湾へのアピールなのだが、今回の郝龍斌の釈明も、キーワードは「日本」。日本の台湾統治の歴史に絡めるなど、中国の訴えに歩調を合わせたものとも受け取れる。
そのように見れば国共両党の接近が、日本にとっても如何に危険かがわかりそうだ。
【過去の関連記事】
進む台湾・中国交流とヒラリー・クリントンの懸念/日本も無視できない張志軍の台湾訪問(附:クリントン前国務長官のインタビュー動画) 14/06/25
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2383.html
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http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2384.html
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台湾人籠絡のの任務が失敗に終わり、硬い表情で帰国の途に就く張志軍
そのため当初は笑顔で台湾の土を踏んだが、いくつもの訪問先を直前に取り消し、硬い表情で台湾を離れて行った。
あの表情を見て、中共への従属姿勢を強める国民党政権はさぞや狼狽したことだろう。あれは「国民党は民衆を束ねることもできないのか」との叱責のメッセージに見えた。
さて帰国した張志軍を中国・北京で待っていたのが、国民党のホープの一人で、ちょうど北京に滞在していた郝龍斌台北市長だった。両者が二十九日に会見した際、郝龍斌は群衆の抗議について、「あのような非礼な挙動は台湾の常態ではないし、圧倒的多数の意見を代表していない」と釈明した上で、張志軍の訪台を「政府間の交流の始まりとなった」と称えてみせた。
張志軍と会見した郝龍斌台北市長。国民党のホープだが・・・
そして郝龍斌が記者団に話したところによると、こうも論じたらしい。
「甲午戦争後に祖国は台湾を捨てた(日清戦争後に清朝は台湾を日本に割譲した)。それ以来、台湾の民衆には『捨てられた』という感覚がある。このことを理解してほしい」と。
郝龍斌は中国人意識に染まった外省二世。いかにも「祖国」の媚びた言論である。
この発言は直ちに台湾国内で轟々の批判に曝された。
何志偉・台北市議議は次のように非難した。
「台湾は移民社会。多くの漢人は祖国を捨てて台湾へ来たのであり、祖国に捨てられたのではない。郝龍斌の父親である郝柏村(元参謀総長、行政院長)もない戦で敗れて祖国を捨て、台湾へ来たはずだ」
「台湾は列強に割譲され、殖民を受け、そして多くの人々は中国を祖国が嫌いになった」
「卑屈だ。国家の尊厳と主権を傷つけた」
台北市政府は「歴史事実を述べただけだ」と擁護するが、どうだろう。
終戦の際、台湾の民衆の多くは「台湾は祖国に復帰する」との国民党の宣伝を受け、日本統治下以上に自分たちの社会的地位が向上すると信じ、歓喜した。しかし「祖国」の腐敗、残虐な官僚、軍隊の姿を目の当たりにし、強烈な反中感情を抱いた。その後、国民党政権による中国人化教育が施行されるも、今度は中国共産党が横暴にも台湾を圧迫したため、再び反中感情が高まり、それが張志軍への抗議行動に繋がったというのが、正確な史実と言うものだろう。
そしてこの史実は、郝龍斌ら外省人にとり、決して受け入れたくないものなのだ。
今年二月、張志軍は南京の南京大虐殺記念館を視察し、台湾に対し、次の如く訴えていた。
「南京大虐殺は中国人にとり、永遠の歴史の傷魏の当時我が民族は弱かったため、日本軍国主義の野蛮な侵略を受けたが、最後は団結し、抗日戦争で偉大な勝利を収め、日本の統治を五十年も受けた台湾も光復した。両岸(中国と台湾)同胞はともに中華民族で血肉分けた兄弟。ともに歴史を覆そうとする日本の危険な右翼にノーを突きつけよう。に両岸間にはなお意見の異なりがあるが、民族の根本的利益の前では同じ立場に立つべきだ。中華民族の偉大なる復興を遂げよう」
今年二月、南京大虐殺記念館で、台湾との反日提携を呼び掛けた張志軍
このように文化、価値観が異なる台湾と中国の共通点は中華民族栄光の抗日の歴史と強調し、双方が統一して日米同盟に対抗し、アジアの覇者たらんと言うのが中国側の台湾へのアピールなのだが、今回の郝龍斌の釈明も、キーワードは「日本」。日本の台湾統治の歴史に絡めるなど、中国の訴えに歩調を合わせたものとも受け取れる。
そのように見れば国共両党の接近が、日本にとっても如何に危険かがわかりそうだ。
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