CCTV(中国中央テレビ)の石原都知事への「罵倒」に表れた対日警戒心
2012/05/02/Wed
石原慎太郎東京都知事が尖閣諸島購入計画を明らかにしたことを受け、中国国営CCTV(中国中央テレビ)のニュース解説番組「ニュース1+1」は四月三十日、「釣魚島購入:狂言!滑稽劇!」と題する報道を行ったが、「狂言!滑稽劇!」との感情的な罵倒表現の裏に見て取れるのは、領土主権を強く主張し始めた日本に対する中国の警戒心(恐怖心)だ。
それではいったい日本の何を警戒しているのか。以下に番組の内容を検証したい。
■中国に利用される日本メディアの反石原論調
番組はまず、ヤフージャパンが四月十七日から二十七日にかけて実施したネット投票の結果、東京都による尖閣諸島の購入に「賛成」の回答が九二%にも達し、それに中国のネットユーザーたちが憤っていることを伝える一方で、日本国内には購入に反対の声があることも強調しようと試みる。
日本国民の圧倒的多数が尖閣購入に賛成したのは衝撃だったようだ
かくしてスタジオのキャスターが中継で呼び出したのが、CCTV駐日特派員の張浩宇氏だ。
画面に登場した張氏の背後には新宿の高層ビル群が。おそらく日本支局を置くNHK放送センター内にいるのだろう。
日本の公共放送局の施設を使用し、張氏は一体いかなる解説をしたかと言えば、まず「日本の主要メディアの大部分は否定的な態度だ。明確に賛成を表明するのは産経だけ」とした上で、「朝日は石原氏が外交に干渉するのは無責任と指摘し、毎日、読売、日経は領土問題は国家が解決すべきと論評。東京新聞は都税は民政方面で用いるべきと主張した」と伝えた。
日本の主権を脅かす国に、ここまで宣伝で利用される日本のメディアの愚かさ、有害さを思わずにいられない。
■石原氏を孤立へと追いやりたい中国の策略
高氏はさらに「釣魚島は日本の政界では有効なカード。石原氏はそれで保守派を団結させ、新たな政治勢力を形成しようとも考えている。そうした目的は達成されており、今月の野田内閣の支持率は一〇%下がり、石原新党への期待値は六%を上がった。よって石原は中国に対する日本右翼分子というより、自己利益のためなら手段を選ばない投機者と言った方がよい」と断じた。
そして石原氏が二十七日の野田佳彦首相との会談では購入計画についての話はなかったと説明したことを挙げ、「野田氏は購入構想に乗り気なわけではない」と分析。
これを受けてキャスターは「主流メディアも政府も石原氏の言論にはあまり支持していないことがわかった」と結論付けた。
中国政府は目下、国内の反日世論の激化を懸念し、購入計画は石原氏など一部の右翼勢力の企みだとする印象操作を行っているが、このように石原氏の孤立化を図ろうとする策略が、ここでもはっきりと反映されていた。
■石原氏を悪玉に仕立て上げる悪意の印象操作
「それでは石原氏はなぜあのような言論を行ったのか。そして石原氏とはいかなる人物なのか」と続けるキャスター。いよいよ石原氏を悪玉に仕立て上げる宣伝工作の開始である。
石原氏のニュース映像とともに、次のようなナレーションが続く。
―――「私は反米ではなく嫌米。反中でもなく嫌中」。これは十一年十月に石原氏が中国メディアに取材に対して見せた態度だ。その石原氏の言動が再び震撼をもたらしている。この狂人の狂気は一体どこから来るのか。
石原氏のこれまでの反中言動を詳細に紹介
―――「なぜ私を右翼と呼ぶのか。多くの人が誤解している」(石原氏)。これは石原氏の弁解だ。しかしこのような「誤解」はまさに長年の極端な言行に起因している。
―――七三年、つまり中日国交正常化の翌年、自民党の右翼議員たちは反国交回復の青嵐会を結成し、石原氏は幹事長を務めた。七八年、石原氏は青嵐会メンバーを率いて釣魚島に所謂灯台を設置。九〇年には米誌の取材に対し、「南京大虐殺は虚構」と発言。都知事に就任後も侵略時代の中国への別称「支那」を用いている。〇〇年四月には独メディアに「中国はいくつかの小国に分裂すべき」と語り、〇三年に都知事に再選されると、都内の公立学校の入学、卒業式などで軍国主義的色彩を持つ国歌君が代を歌うよう強制。二百四十三人の教員が拒絶して処罰を受けた。〇五年五月には争議の的である沖之鳥礁(沖ノ鳥島のこと)公然と上陸した。
ちなみに「国歌強制」云々のくだりでは、観閲式で行進する自衛官と、それを観閲する石原氏の姿が映し出すなど、石原氏が軍国主義者であるかのような、巧妙な印象操作を行っている。
自衛隊観閲式での石原氏。国歌「強制」を軍国主義に結び付け
もしCCTVと協力関係にあるNHKがこうした映像を提供しているのなら、東京都知事に対する悪意に満ちた政治宣伝に利用されていることを直視し、「協力」を見直すべきだろう。
■日本国民の尖閣購入資金の寄付を恐れる中国
さて、ここまで石原氏を扱き下ろしたのち、キャスターが「石原氏は日本の右翼勢力の代表的人物。いつも狂言を繰り返している」と総括。
そして著名な日本専門の御用学者である中国社会科学院日本研究所の高洪副所長を中継で呼び出して、「石原氏は島を購入したがるのは人気集めのためとしか思えないが、本気で購入する気なのだろうか」と聞く。
これに対して高氏は次のような見方を示した。
―――政治ショーの要素が相当ある。中国を挑発して政治的影響力を高めようとしている。これは彼の極端な民族主義の立場に符合しているだけでなく、そこには内政、外交上の複雑な政治的な企みが含まれているようだ。石原新党のためでもあるだろう。
―――ショーだというのは、現在政府は二千四百五十万円で島を借りているが、彼が今のところ集めている寄付金は数十万円で、一カ月の賃貸料にも足りない。
―――だが危険なのは、彼がこの手の手法(寄付金募集)中国を敵視する民族感情を煽り、右翼集団の社会運動を形成し、日本の政治的発展の方向を改変することだ。これは最も危険なことだ。
これを聞けば明らかなはずだ。中国は日本国民が中国を恐れることなく、領土防衛の意識を高めるのを確実に懸念しているのである。
そもそもあの国の覇権主義の拡張政策は、まずは周辺諸国への恫喝から。それが効かないとなれば、にっちもさっちも行も行かなくなる仕組みなのだ。
■中国には衝撃となった日本と米国の牽制
次いで番組が取り上げたのは、購入計画に当惑する一方で、一度は島の国有化の可能性に言及した日本政府の態度についてだ。
次のようなナレーションが流れた。
―――日本政府の釣魚島購入問題に対する態度は見分けがつかないが、その一方で争議を呼びかねない姑息な動きも絶えず見せている。産経によれば自衛隊は米軍と共同でフィリピンの軍事基地を使用する考えだ。
―――目下、東海(東支那海)と南海(南支那海)での情勢が緊張する中、日本のこうした動きは、どさくさに紛れて中国を牽制し、釣魚島問題で有利に事を運ばせようと企んでいるものと一般には見られている。
そして再び高氏が登場、「日本政府は石原氏の言論を特に支持はしていないが、歴史や日本の長期的発展の態勢を見る限り、長期的な方向では石原氏と大差はないのではないか」とのキャスターの質問に対し、こう答えた。
―――日本の政府、首相、外務省は釣魚島の盗取、占有の問題に関しては、石原氏と立場は一致している。ただ目標は同じでも手段、手順は異なる。政府から見れば釣魚島を巡る争いは中日関係のすべてではない。やはり両国関係の大局を配慮し、今年が国交正常化四十周年であることも考慮し、すでに中国と国民交流友好年の活動を行うことでも合意している。そのため政府は右翼の政治家とは異なり、狂言を弄して摩擦を激化させるようなことはしない。
ASEAN諸国を恫喝し、南支那海での支配を強化を進める中国の前に立ちはだかり始めた米国の「アジア回帰」と、それに励まされるフィリピン、ベトナムなどの抵抗姿勢に加え、日本が米国とともに中国の海洋進出への牽制に乗り出したことは、中国にとっては大きな衝撃となっているわけだ。
■恐れてはならない中国との摩擦
そうしたなかで日本政府が、一度は石原氏の尖閣諸島の実効支配強化の動きに歩調を合わせるかのように、同諸島の国有化の意向を仄めかした。
そしてわずかそれだけで中国は、やがて石原氏や、それを支持する世論の影響を受け、再び強国への道へと進み、中国の拡張政策に対抗するのではないかと警戒しているのである。
番組の最後でキャスターは、日本に対してこう訴えた。「日本では一般的に温和な政治家の政権は長く続かず、それに対して一部の極端な政治家は往往として民意の支持を受けている。今年は中日国交正常化四十周年。私たちは中日が不惑の年齢を迎えたなか、疑惑の声が上がらないよう希望する」と。
傲慢なものだ。日本の政府も国民も、中国の海洋への勢力伸長を大人しく受け入れ、摩擦、対立を回避するべきだと呼び掛けているのだ。
実際に日本の政府もメディアもこれまで中国の恫喝に屈服し、そのようにしてきたわけだ。
国民世論の力で「日本の政治的発展の方向を改変」させよう。それをしなければ中国の拡張に対し、何の抑止効果も生まないのである。
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中共に利用された「朝日」社説の石原批判 04/19
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石原都知事支持の国民世論を警戒する民主党「媚中」政権 04/23
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石原都知事に呼応を!国民の税金で尖閣上陸を拒否する政府を許すな! 04/24
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NHKが「尖閣購入」妨害報道―中国の対日取り込み工作への加担 04/30
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台湾研究フォーラム主催/黄文雄氏・3時間特別セミナー
「中華文明は劣っている―アジア諸民族の前で“野蛮化”する中国」
進化論に従えば、人は文明化へと向かう存在でありながら、二十一世紀においてもなお野蛮化へと進むのが中国だ。侵略と恐怖政治で南モンゴル、チベット、ウイグルを制圧したのち、いまや台湾だけでなく、日本を含むアジア・太平洋へと向け、拡張主義の矛先を向けているが、それが「中華の禍」というものである。あの民族の野蛮性の本質を文明史の観点から探求し、それに対する日本の対処の在り方を考えるため、この問題の第一人者である評論家の黄文雄氏を講師にお招きし、中国の前での「思想武装」を目指す特別セミナーを開催する。
【日時】5月4日(祝/金)午後1時~4時半
【場所】文京区民センター2A会議室 (文京区本郷4-15-14 TEL 03-3814-6731)
交通:都営三田線・大江戸線「春日駅」下車、徒歩1分
東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」下車、徒歩5分
JR「水道橋駅」徒歩15分
【講師】黄文雄氏(評論家)
【演題】 「中華文明は劣っている-アジア諸民族の前で“野蛮化”する中国」
【討論会登壇者】連根藤氏(台生報発行人)、三輪和雄氏(日本世論の会会長)、イリハム・マ
ハムティ氏(日本ウイグル協会会長)、[司会]永山英樹氏(台湾研究フォーラム会長)
【会費】会員500円、一般1000円
【懇親会】閉会後、付近の居酒屋で。会費3000円
【主催】台湾研究フォーラム
【問合せ・参加申込み】090-4138-6397 [email protected]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
講演内容
野蛮化する中国~文明から野蛮へ逆進化する中国先祖返の実態を探る
① 西洋人から見たアジアの野蛮人
●マカートニー「半野蛮人」
●J・F・デビス「半文明中国」
●J・レッグ「野蛮への回帰」
●H・N・レイ「アジアの野蛮人」
●マルクス「生きた化石」
② 空海の「十住心論」から見た中国思想のランク
●儒・道思想の評価
③ 中国文化・思想の世界的レベルは
●目的方法論的「百家争鳴・百花斉放」
●やっと認識論的段階に到達した理・気の学
④「道徳最低 欲望最高」という現代中国人の自画像を鑑賞
●王力雄から?小平、陳雲、朱鎔基、曽慶紅に至る文化・道徳観
⑤ なぜ中国人が「没良心」なのか
●アーサ・スミス牧師の発見と私の数十年来の流源探索
●なぜ道徳教育は独善者と偽善者しか生まなかったのか
⑥ 文化・宗教と道徳
●なぜ新渡戸稲造は「武士道」を書いたのか
●マックス・ウェバーの価値論
●道徳教育の復活は必要か
⑦ 善悪を越える日本文化を探る
●漢意唐心と和魂和心
●伊達政宗の家訓から陸奥宗光の義即利の発見まで
●仏教の因果、縁、宿業、空
●福田恒存「美や和歌は善を越える」
●山本常朝 なぜ武士道は善悪を越えるのか
●武士の美学「善と思う悪し、悪と思う悪し、善悪とも悪し、思わざるところ善し」
⑧ なぜ中国の民主化が絶対不可能なのか
●独裁専制はなぜ進化するのか
●中国人は奴隷になりたがる
⑨「天下第一奇書 中国食人史」が語る食人文化の進歩発展
●1008回の「人、相食む」の歴史記述からの共食い文化論的解折
●天文・言語・医学・食人倫理から人民共和国の食人階級論争に至るまで
⑩ 文明も野蛮も進化する
⑪ 私の比較文明論から 文明と野蛮を見る眼
●戦争
●文字
●宗教
●共生と寄生
●魅力と暴力
⑫ 漢族VS非漢族の二つの対立軸
●同VS和
●世俗VS宗教
●「三武一宗」から洗回、義和団、人民のアヘンまで
⑭ 文明の自殺
●文明の内的衝突と文化摩擦の行方
●改革開放の宿命
⑮ 魅力VS暴力の力学的分析と生存の法則
●三つの力学世界
●中国人の発想 和漢のちがい
●日本の魅力としてのソフトウエアーとは何かを問う
それではいったい日本の何を警戒しているのか。以下に番組の内容を検証したい。
■中国に利用される日本メディアの反石原論調
番組はまず、ヤフージャパンが四月十七日から二十七日にかけて実施したネット投票の結果、東京都による尖閣諸島の購入に「賛成」の回答が九二%にも達し、それに中国のネットユーザーたちが憤っていることを伝える一方で、日本国内には購入に反対の声があることも強調しようと試みる。
日本国民の圧倒的多数が尖閣購入に賛成したのは衝撃だったようだ
かくしてスタジオのキャスターが中継で呼び出したのが、CCTV駐日特派員の張浩宇氏だ。
画面に登場した張氏の背後には新宿の高層ビル群が。おそらく日本支局を置くNHK放送センター内にいるのだろう。
日本の公共放送局の施設を使用し、張氏は一体いかなる解説をしたかと言えば、まず「日本の主要メディアの大部分は否定的な態度だ。明確に賛成を表明するのは産経だけ」とした上で、「朝日は石原氏が外交に干渉するのは無責任と指摘し、毎日、読売、日経は領土問題は国家が解決すべきと論評。東京新聞は都税は民政方面で用いるべきと主張した」と伝えた。
日本の主権を脅かす国に、ここまで宣伝で利用される日本のメディアの愚かさ、有害さを思わずにいられない。
■石原氏を孤立へと追いやりたい中国の策略
高氏はさらに「釣魚島は日本の政界では有効なカード。石原氏はそれで保守派を団結させ、新たな政治勢力を形成しようとも考えている。そうした目的は達成されており、今月の野田内閣の支持率は一〇%下がり、石原新党への期待値は六%を上がった。よって石原は中国に対する日本右翼分子というより、自己利益のためなら手段を選ばない投機者と言った方がよい」と断じた。
そして石原氏が二十七日の野田佳彦首相との会談では購入計画についての話はなかったと説明したことを挙げ、「野田氏は購入構想に乗り気なわけではない」と分析。
これを受けてキャスターは「主流メディアも政府も石原氏の言論にはあまり支持していないことがわかった」と結論付けた。
中国政府は目下、国内の反日世論の激化を懸念し、購入計画は石原氏など一部の右翼勢力の企みだとする印象操作を行っているが、このように石原氏の孤立化を図ろうとする策略が、ここでもはっきりと反映されていた。
■石原氏を悪玉に仕立て上げる悪意の印象操作
「それでは石原氏はなぜあのような言論を行ったのか。そして石原氏とはいかなる人物なのか」と続けるキャスター。いよいよ石原氏を悪玉に仕立て上げる宣伝工作の開始である。
石原氏のニュース映像とともに、次のようなナレーションが続く。
―――「私は反米ではなく嫌米。反中でもなく嫌中」。これは十一年十月に石原氏が中国メディアに取材に対して見せた態度だ。その石原氏の言動が再び震撼をもたらしている。この狂人の狂気は一体どこから来るのか。
石原氏のこれまでの反中言動を詳細に紹介
―――「なぜ私を右翼と呼ぶのか。多くの人が誤解している」(石原氏)。これは石原氏の弁解だ。しかしこのような「誤解」はまさに長年の極端な言行に起因している。
―――七三年、つまり中日国交正常化の翌年、自民党の右翼議員たちは反国交回復の青嵐会を結成し、石原氏は幹事長を務めた。七八年、石原氏は青嵐会メンバーを率いて釣魚島に所謂灯台を設置。九〇年には米誌の取材に対し、「南京大虐殺は虚構」と発言。都知事に就任後も侵略時代の中国への別称「支那」を用いている。〇〇年四月には独メディアに「中国はいくつかの小国に分裂すべき」と語り、〇三年に都知事に再選されると、都内の公立学校の入学、卒業式などで軍国主義的色彩を持つ国歌君が代を歌うよう強制。二百四十三人の教員が拒絶して処罰を受けた。〇五年五月には争議の的である沖之鳥礁(沖ノ鳥島のこと)公然と上陸した。
ちなみに「国歌強制」云々のくだりでは、観閲式で行進する自衛官と、それを観閲する石原氏の姿が映し出すなど、石原氏が軍国主義者であるかのような、巧妙な印象操作を行っている。
自衛隊観閲式での石原氏。国歌「強制」を軍国主義に結び付け
もしCCTVと協力関係にあるNHKがこうした映像を提供しているのなら、東京都知事に対する悪意に満ちた政治宣伝に利用されていることを直視し、「協力」を見直すべきだろう。
■日本国民の尖閣購入資金の寄付を恐れる中国
さて、ここまで石原氏を扱き下ろしたのち、キャスターが「石原氏は日本の右翼勢力の代表的人物。いつも狂言を繰り返している」と総括。
そして著名な日本専門の御用学者である中国社会科学院日本研究所の高洪副所長を中継で呼び出して、「石原氏は島を購入したがるのは人気集めのためとしか思えないが、本気で購入する気なのだろうか」と聞く。
これに対して高氏は次のような見方を示した。
―――政治ショーの要素が相当ある。中国を挑発して政治的影響力を高めようとしている。これは彼の極端な民族主義の立場に符合しているだけでなく、そこには内政、外交上の複雑な政治的な企みが含まれているようだ。石原新党のためでもあるだろう。
―――ショーだというのは、現在政府は二千四百五十万円で島を借りているが、彼が今のところ集めている寄付金は数十万円で、一カ月の賃貸料にも足りない。
―――だが危険なのは、彼がこの手の手法(寄付金募集)中国を敵視する民族感情を煽り、右翼集団の社会運動を形成し、日本の政治的発展の方向を改変することだ。これは最も危険なことだ。
これを聞けば明らかなはずだ。中国は日本国民が中国を恐れることなく、領土防衛の意識を高めるのを確実に懸念しているのである。
そもそもあの国の覇権主義の拡張政策は、まずは周辺諸国への恫喝から。それが効かないとなれば、にっちもさっちも行も行かなくなる仕組みなのだ。
■中国には衝撃となった日本と米国の牽制
次いで番組が取り上げたのは、購入計画に当惑する一方で、一度は島の国有化の可能性に言及した日本政府の態度についてだ。
次のようなナレーションが流れた。
―――日本政府の釣魚島購入問題に対する態度は見分けがつかないが、その一方で争議を呼びかねない姑息な動きも絶えず見せている。産経によれば自衛隊は米軍と共同でフィリピンの軍事基地を使用する考えだ。
―――目下、東海(東支那海)と南海(南支那海)での情勢が緊張する中、日本のこうした動きは、どさくさに紛れて中国を牽制し、釣魚島問題で有利に事を運ばせようと企んでいるものと一般には見られている。
そして再び高氏が登場、「日本政府は石原氏の言論を特に支持はしていないが、歴史や日本の長期的発展の態勢を見る限り、長期的な方向では石原氏と大差はないのではないか」とのキャスターの質問に対し、こう答えた。
―――日本の政府、首相、外務省は釣魚島の盗取、占有の問題に関しては、石原氏と立場は一致している。ただ目標は同じでも手段、手順は異なる。政府から見れば釣魚島を巡る争いは中日関係のすべてではない。やはり両国関係の大局を配慮し、今年が国交正常化四十周年であることも考慮し、すでに中国と国民交流友好年の活動を行うことでも合意している。そのため政府は右翼の政治家とは異なり、狂言を弄して摩擦を激化させるようなことはしない。
ASEAN諸国を恫喝し、南支那海での支配を強化を進める中国の前に立ちはだかり始めた米国の「アジア回帰」と、それに励まされるフィリピン、ベトナムなどの抵抗姿勢に加え、日本が米国とともに中国の海洋進出への牽制に乗り出したことは、中国にとっては大きな衝撃となっているわけだ。
■恐れてはならない中国との摩擦
そうしたなかで日本政府が、一度は石原氏の尖閣諸島の実効支配強化の動きに歩調を合わせるかのように、同諸島の国有化の意向を仄めかした。
そしてわずかそれだけで中国は、やがて石原氏や、それを支持する世論の影響を受け、再び強国への道へと進み、中国の拡張政策に対抗するのではないかと警戒しているのである。
番組の最後でキャスターは、日本に対してこう訴えた。「日本では一般的に温和な政治家の政権は長く続かず、それに対して一部の極端な政治家は往往として民意の支持を受けている。今年は中日国交正常化四十周年。私たちは中日が不惑の年齢を迎えたなか、疑惑の声が上がらないよう希望する」と。
傲慢なものだ。日本の政府も国民も、中国の海洋への勢力伸長を大人しく受け入れ、摩擦、対立を回避するべきだと呼び掛けているのだ。
実際に日本の政府もメディアもこれまで中国の恫喝に屈服し、そのようにしてきたわけだ。
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河野洋平、公明党など媚中勢力―「尖閣買上げ」問題で中国に呼応 04/26
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「中華文明は劣っている―アジア諸民族の前で“野蛮化”する中国」
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【日時】5月4日(祝/金)午後1時~4時半
【場所】文京区民センター2A会議室 (文京区本郷4-15-14 TEL 03-3814-6731)
交通:都営三田線・大江戸線「春日駅」下車、徒歩1分
東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」下車、徒歩5分
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【演題】 「中華文明は劣っている-アジア諸民族の前で“野蛮化”する中国」
【討論会登壇者】連根藤氏(台生報発行人)、三輪和雄氏(日本世論の会会長)、イリハム・マ
ハムティ氏(日本ウイグル協会会長)、[司会]永山英樹氏(台湾研究フォーラム会長)
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講演内容
野蛮化する中国~文明から野蛮へ逆進化する中国先祖返の実態を探る
① 西洋人から見たアジアの野蛮人
●マカートニー「半野蛮人」
●J・F・デビス「半文明中国」
●J・レッグ「野蛮への回帰」
●H・N・レイ「アジアの野蛮人」
●マルクス「生きた化石」
② 空海の「十住心論」から見た中国思想のランク
●儒・道思想の評価
③ 中国文化・思想の世界的レベルは
●目的方法論的「百家争鳴・百花斉放」
●やっと認識論的段階に到達した理・気の学
④「道徳最低 欲望最高」という現代中国人の自画像を鑑賞
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⑩ 文明も野蛮も進化する
⑪ 私の比較文明論から 文明と野蛮を見る眼
●戦争
●文字
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●共生と寄生
●魅力と暴力
⑫ 漢族VS非漢族の二つの対立軸
●同VS和
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⑭ 文明の自殺
●文明の内的衝突と文化摩擦の行方
●改革開放の宿命
⑮ 魅力VS暴力の力学的分析と生存の法則
●三つの力学世界
●中国人の発想 和漢のちがい
●日本の魅力としてのソフトウエアーとは何かを問う