台湾二二八事件から七十年―元凶は蒋介石!注目される台北・中正記念堂の今後
2017/02/28/Tue
■本日、中正記念堂は急遽閉館
日本人観光ツアーが中正記念堂に立ち寄るのは、蒋介石の台湾人に対する犯罪行為に無関心だからだ
台北を訪れる日本人の観光ツアーがたいていは立ち寄る観光スポットに、蒋介石総統を記念する中正記(紀)念堂という広大、荘厳な施設がある。ここを訪れた日本人の少なからざるは、今もかつての独裁者、蔣介石は台湾の人々に尊敬されていると勘違いするだが、実は本二月二十八日は閉館である。昨三十日、鄭麗君・文化部長(文化相)が急遽そう発表したのだ。
なぜなら本日は、中国の蔣介石の国民党に約三万とも言われる台湾人が殺戮された二二八事件の発生からちょうど七十年。これまで蔣介石の神格化を続ける国民党の在台中国人勢力による真相隠蔽で、その虐殺事件の元凶としての責任がいまだ追及されていないことに憤っている台湾人が、館内の蒋介石の巨大な銅像の撤去を求めており、中国人勢力との衝突が懸念されているのだ。
日本人観光客もこうした状況を知れば、そのような場所に案内される馬鹿馬鹿しさに気付くのではないか。
中正記念堂は今後、蒋介石の惹起した228事件の記念日は閉館になる
■動き出した独裁者・蔣介石の責任追及
「移行期正義」という言葉がある。台湾の言葉では「転型正義」。要するに過去の時代の政府の人権蹂躙などの真相究明、責任追及、被害者補償などを通じて社会的正義を実現するという意味だ。
昨年五月に発足した民進党政権は、二二八事件や白色テロなど、蔣介石・経国父子の独裁政権時代の「移行期正義」の実現を公約として掲げており、鄭麗君氏はその政策の一環として、蔣介石の神格化施設である中正記念堂の「移行期正義計画」を始動したところなのだ。
中正記念堂の移行期正義計画に着手した鄭麗君文化相
今後の課題は「中正記念堂」の名称変更だ。二〇〇七年の民進党政権時代には一度「台湾民主記念館」と改称されたのだが、国民党政権発足後の〇九年、蔣家の忠臣、馬英九総統が元の名に戻している。
そうした国民党の反撥を警戒しながら、まずは敷地内の「中正演芸庁」「介石庁」といったフロア名から「中正」「介石」などの名を外し、蒋介石の賛歌(「蔣公紀念歌」。一般にはほとんど歌われていない)の開閉館時での放送を止めた。また土産物コーナーでの蔣介石の人形や文房具などの商品販売も停止された。
販売が中止となった蔣介石グッズ
■蒋介石の神格擁護に必死の国民党勢力
しかしその程度の措置に対しても、国民党は早速反撥した。同党所属の蔣万安立法委員は蒋介石の曾孫だが、こんなことを論じている。
「台湾社会はすでに民主化したのだから、政府はもっと理性を以って蒋介石の功罪を語るべき。主観的な意識で歴史の一部分だけを持ち出してはいけない」
「商品に何の罪がある。自由市場経済なら、売れなくなれば自ずと販売中止となる。こうしたやり方は更なる対立を呼ぶだけだ」
蒋介石の神格が否定されれば、国民党、そして中華民国体制の存在意義も問われかねないため、同党勢力は必死であるわけだ。
そしてこうした民進党政権の動きに懸念するもう一つが、中共である。
同党機関紙人民日報系の環球時報は、「台湾当局は中正記念堂の『脱蒋介石化』をやろうとしている」とした上で、ある作家の次のような見方を紹介する。
―――民進党は台湾独立路線の蔡英文の指導下で、移行期正義の旗を振りながら、一歩一歩「脱中国化」「脱蒋介石化」を実現し、先ずは初歩的な「文化台独」(文化面での台湾独立化)を達成し、続けて「法理台独」を行おうとしている。もしこのような多数の民意の無視を続けるなら、恐ろしい結果がもたらされるだろう。
■蔣介石否定は台湾独立の動きだと
このように中共は「脱蒋介石化」を「脱中国化」、つまり台湾独立の動きと捉え、警戒するのである。
ちなみに中共は現在、かつての不倶戴天の敵である蔣介石は、いまや「台湾独立を反対した」として高く評価している。今回販売停止になった蔣介石グッズも、そんなものをわざわざ買い求めるのは主に中国人観光客なのである。
鄭麗君氏は「私達の進める中正記念堂の移行期正義は、『脱蒋介石』ではなく、(中華民国という)国家のアイデンティティ問題とも無関係。歴史に向かい、傷の痛みを直視し、人権を尊重すること」だと説明するが、実際は「脱蒋介石化」以外の何物でもあるまい。
しかし国民党勢やその後の中共を刺激して問題を複雑化させたくないため、こうした婉曲な言い方を余儀なくされるのである。「台独の動きだ」「対立を煽っている」などとヒステリックに叫んで混乱を惹き起そうとする中国人勢力のまで、どうしても台湾人は慎重にならざるを得ないのだ。
なお中正記念堂は来年以降も二月二十八日は閉館になるので、観光客は注意が必要だ。もっともそれまでに名称変更あれば、その限りではないという。
228事件の犠牲者遺族の間からは、「もっと早く蔣介石の神格を剥奪すべきだった」との声が
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※ご本人が署名の際は印鑑不要。同姓家族の代筆は同一印鑑も可。
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日本人観光ツアーが中正記念堂に立ち寄るのは、蒋介石の台湾人に対する犯罪行為に無関心だからだ
台北を訪れる日本人の観光ツアーがたいていは立ち寄る観光スポットに、蒋介石総統を記念する中正記(紀)念堂という広大、荘厳な施設がある。ここを訪れた日本人の少なからざるは、今もかつての独裁者、蔣介石は台湾の人々に尊敬されていると勘違いするだが、実は本二月二十八日は閉館である。昨三十日、鄭麗君・文化部長(文化相)が急遽そう発表したのだ。
なぜなら本日は、中国の蔣介石の国民党に約三万とも言われる台湾人が殺戮された二二八事件の発生からちょうど七十年。これまで蔣介石の神格化を続ける国民党の在台中国人勢力による真相隠蔽で、その虐殺事件の元凶としての責任がいまだ追及されていないことに憤っている台湾人が、館内の蒋介石の巨大な銅像の撤去を求めており、中国人勢力との衝突が懸念されているのだ。
日本人観光客もこうした状況を知れば、そのような場所に案内される馬鹿馬鹿しさに気付くのではないか。
中正記念堂は今後、蒋介石の惹起した228事件の記念日は閉館になる
■動き出した独裁者・蔣介石の責任追及
「移行期正義」という言葉がある。台湾の言葉では「転型正義」。要するに過去の時代の政府の人権蹂躙などの真相究明、責任追及、被害者補償などを通じて社会的正義を実現するという意味だ。
昨年五月に発足した民進党政権は、二二八事件や白色テロなど、蔣介石・経国父子の独裁政権時代の「移行期正義」の実現を公約として掲げており、鄭麗君氏はその政策の一環として、蔣介石の神格化施設である中正記念堂の「移行期正義計画」を始動したところなのだ。
中正記念堂の移行期正義計画に着手した鄭麗君文化相
今後の課題は「中正記念堂」の名称変更だ。二〇〇七年の民進党政権時代には一度「台湾民主記念館」と改称されたのだが、国民党政権発足後の〇九年、蔣家の忠臣、馬英九総統が元の名に戻している。
そうした国民党の反撥を警戒しながら、まずは敷地内の「中正演芸庁」「介石庁」といったフロア名から「中正」「介石」などの名を外し、蒋介石の賛歌(「蔣公紀念歌」。一般にはほとんど歌われていない)の開閉館時での放送を止めた。また土産物コーナーでの蔣介石の人形や文房具などの商品販売も停止された。
販売が中止となった蔣介石グッズ
■蒋介石の神格擁護に必死の国民党勢力
しかしその程度の措置に対しても、国民党は早速反撥した。同党所属の蔣万安立法委員は蒋介石の曾孫だが、こんなことを論じている。
「台湾社会はすでに民主化したのだから、政府はもっと理性を以って蒋介石の功罪を語るべき。主観的な意識で歴史の一部分だけを持ち出してはいけない」
「商品に何の罪がある。自由市場経済なら、売れなくなれば自ずと販売中止となる。こうしたやり方は更なる対立を呼ぶだけだ」
蒋介石の神格が否定されれば、国民党、そして中華民国体制の存在意義も問われかねないため、同党勢力は必死であるわけだ。
そしてこうした民進党政権の動きに懸念するもう一つが、中共である。
同党機関紙人民日報系の環球時報は、「台湾当局は中正記念堂の『脱蒋介石化』をやろうとしている」とした上で、ある作家の次のような見方を紹介する。
―――民進党は台湾独立路線の蔡英文の指導下で、移行期正義の旗を振りながら、一歩一歩「脱中国化」「脱蒋介石化」を実現し、先ずは初歩的な「文化台独」(文化面での台湾独立化)を達成し、続けて「法理台独」を行おうとしている。もしこのような多数の民意の無視を続けるなら、恐ろしい結果がもたらされるだろう。
■蔣介石否定は台湾独立の動きだと
このように中共は「脱蒋介石化」を「脱中国化」、つまり台湾独立の動きと捉え、警戒するのである。
ちなみに中共は現在、かつての不倶戴天の敵である蔣介石は、いまや「台湾独立を反対した」として高く評価している。今回販売停止になった蔣介石グッズも、そんなものをわざわざ買い求めるのは主に中国人観光客なのである。
鄭麗君氏は「私達の進める中正記念堂の移行期正義は、『脱蒋介石』ではなく、(中華民国という)国家のアイデンティティ問題とも無関係。歴史に向かい、傷の痛みを直視し、人権を尊重すること」だと説明するが、実際は「脱蒋介石化」以外の何物でもあるまい。
しかし国民党勢やその後の中共を刺激して問題を複雑化させたくないため、こうした婉曲な言い方を余儀なくされるのである。「台独の動きだ」「対立を煽っている」などとヒステリックに叫んで混乱を惹き起そうとする中国人勢力のまで、どうしても台湾人は慎重にならざるを得ないのだ。
なお中正記念堂は来年以降も二月二十八日は閉館になるので、観光客は注意が必要だ。もっともそれまでに名称変更あれば、その限りではないという。
228事件の犠牲者遺族の間からは、「もっと早く蔣介石の神格を剥奪すべきだった」との声が
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