中国ではなく台湾と提携すべき時代-日本にも参考になる米国学者の提言
2020/06/06/Sat
ブログランキング参加中
台湾支持運動拡大のため、よければクリックをお願いします。→
モバイルはこちら→http://blog.with2.net/link.phplink.php
****************************************************************
台湾の中央通訊社が6月4日、米国の学者が「台湾は不沈空母。ワシントンはこれと提携して中国に抵抗を」と訴える論文を書いたと報じたので、それを読んでみた。法律学者のジョン・ユー、ロバート・デラハンティの二人がスタンフォード大学のシンクタンク、フーバー研究所のサイトで発表した「台湾」というタイトルの論説だ。
米政府に台湾政策の見直し、つまり対中国戦略の転換を促す内容で、台湾メディアが注目しただけはある。日本にとっても参考になりそうなので、ここでその一部を紹介してみたい。
―――米国と中国と対立が強まるつれ、台湾は極めて重要な位置を占めていくことだろう。
―――この島国は世界で21番目に大きい経済を誇る繁栄した自由民主主義国家になっている。だが中国共産党(CCP)は、台湾は中国の不可分の一部との考えで、2049年までに台湾を組み込むと公言している。
―――(米国は)カーター政権の時代、CCPを中国本土の政府として承認し、その一環として、米国は「一つの中国」政策を採用し、統一の条件は中国、台湾自身の決定に委ねた。
―――中国の台湾に対する圧力に屈服するよりも、米国はその島との軍事的、政治的関係の再構築を検討する必要がある。
―――ダグラス・マッカーサー将軍がかつて「不沈空母」と呼んだ台湾は、この地域における極めて重要な戦略的要衝だ。その位置は中国本土からわずか100マイル。フィリピンからも200マイルで、日本からは700マイル、ベトナムからは900マイルだ。「第一列島線」(日本、琉球諸島、フィリピン、マレーシア、インドネシア、オーストラリアと結ぶ)のフォワードポジションに位置し、太平洋へ深く進出しようとする中国海軍を閉じ込めることでる。
―――逆に、CCPに台湾領有を許せば、米国は深刻な戦略的打撃を受けることになるだろう。北京は先進的な経済や数千発もの弾道ミサイルの基地、そして米国の同盟への投射能力を有する深水港を獲得することとなる。世界の海運の3分の1が通うシーレーンを容易に制御すること可能となり、第7艦隊の能力を脅かし、日本、韓国、ベトナムへの軍事支援を困難にすることだろう。
―――進行中のCOVID-19パンデミックは、台湾の民主主義と中国共産党の権威主義の違いを浮き彫りにさせるだけだ。
―――CCPではなく台湾は、世界的パンデミックや北朝鮮の核兵器といった世界で最も致命的な問題を前にした国際協力での信頼できる透明なパートナーであることを自ら実証している
―――ワシントンは、独立した台湾を、擡頭する中国に対する自由主義国家の共同防衛体制への回帰を歓迎すべきかを再考しなければならない。
つまりこの論説は、「一つの中国」政策の見直しを米政府に求めているのだ。
米国のこの「一つの中国」政策とは別に、台湾は中華人民共和国の領土の一部だと強調する「一つの中国」原則を受け入れるものではない。台湾の中華民国政府ではなく中華人民共和国政府を中国の合法政府と認め、そしてその上で「一つの中国」原則には反対や批判はせず、あたかも認めているかのような曖昧な姿勢でCCPを満足させ、米中の友好関係を維持するといった政策である。しかしすでにCCPが米国に覇権争いを挑みつつある今日、もはやそうした政策に固執するのは間違いであり、それよりも米中必争の要衝にして米国と価値観を共有する台湾の同盟強化に乗り出すべきだと、この論説は主張しているのである。
中国の軍事的脅威は昔日の比にあらず。いつまでもあの国との対立を避けて台湾との交流を遠慮していると、逆に米国の安全が脅かされかねないという現況を見れば、こうした訴えは的を得たものと言えるはずだ。そしてそうした政策の転換は米国にだけでなく日本にも求められているはずだ。なにしろ中国への遠慮で台湾に冷淡であり続けてきたという点では日本は米国以上である。
ところで論説には、次のようなことも書かれていた。
―――もし自由で民主的な政権が(中国の)本土を支配するなら、それは中国の人々だけでなく世界の他の国々のためにもなるだろう。
―――米国は、CCPではなく台湾を、中国文明4000年の真の継承者であるとの認識を持ってもいい。
どうも「中華人民共和国ではなく中華民国を中国の合法政権として認めてはどうか」と提言しているようだ。ただこの論説も含め、多くの米国人が誤解しているのだが、台湾は国際法上、中国領土の一部ではなく、台湾にとり中国は「本土」ではない。それから台湾の政府が中国を「支配」するのは世界にとっても好いことだとするが、台湾の国民はそのようなことを目指してなどいない。ほとんどの人は中国との「統一」を望んでいないのだ。
もっとも台湾政府がいまだ「中華民国」の国名を捨てずにいる以上(それを行えば中国が武力行使に出る可能性が大きいからでもあるが)、米国人から「もう一つの中国政府」と誤解されるのは仕方ないのかも知れないが、ここでは現実を見てみたい。今日存在しているのは「一つの中国」ではなく、そしてもはや「二つの中国」(中華人民共和国と中華民国がそれぞれ中国の合法政権と自称する状態)でもなく、「一つの台湾、一つの中国」なのである。この現実さえしっかりと認識しさえすれば、米国の「一つの中国」政策なるものが如何に時代錯誤のものであるかが、米国人もよりよく理解されると思う。
そしてそれもまた、日本人に対しても言えることである。
【ご登録を】 メルマガ「台湾は日本の生命線!」を創刊
このほど、無料メルマガ「台湾は日本の生命線!」を「まぐまぐ!」にて創刊しました。
これまで「メルマ!」で配信していましたが、サービスが停止されたため、配信元を切り替えた次第です。「メルマ!」で登録されている方は、ご面倒ですがこちらへご移行ください。
本ブログの記事のほか、台湾支持運動などの情報もお届けしますので、ぜひご登録のほどお願いいたします。
ブログランキング参加中
台湾支持運動拡大のため、よければクリックをお願いします。→
台湾支持運動拡大のため、よければクリックをお願いします。→
モバイルはこちら→http://blog.with2.net/link.phplink.php
****************************************************************
台湾の中央通訊社が6月4日、米国の学者が「台湾は不沈空母。ワシントンはこれと提携して中国に抵抗を」と訴える論文を書いたと報じたので、それを読んでみた。法律学者のジョン・ユー、ロバート・デラハンティの二人がスタンフォード大学のシンクタンク、フーバー研究所のサイトで発表した「台湾」というタイトルの論説だ。
米政府に台湾政策の見直し、つまり対中国戦略の転換を促す内容で、台湾メディアが注目しただけはある。日本にとっても参考になりそうなので、ここでその一部を紹介してみたい。
―――米国と中国と対立が強まるつれ、台湾は極めて重要な位置を占めていくことだろう。
―――この島国は世界で21番目に大きい経済を誇る繁栄した自由民主主義国家になっている。だが中国共産党(CCP)は、台湾は中国の不可分の一部との考えで、2049年までに台湾を組み込むと公言している。
―――(米国は)カーター政権の時代、CCPを中国本土の政府として承認し、その一環として、米国は「一つの中国」政策を採用し、統一の条件は中国、台湾自身の決定に委ねた。
―――中国の台湾に対する圧力に屈服するよりも、米国はその島との軍事的、政治的関係の再構築を検討する必要がある。
―――ダグラス・マッカーサー将軍がかつて「不沈空母」と呼んだ台湾は、この地域における極めて重要な戦略的要衝だ。その位置は中国本土からわずか100マイル。フィリピンからも200マイルで、日本からは700マイル、ベトナムからは900マイルだ。「第一列島線」(日本、琉球諸島、フィリピン、マレーシア、インドネシア、オーストラリアと結ぶ)のフォワードポジションに位置し、太平洋へ深く進出しようとする中国海軍を閉じ込めることでる。
―――逆に、CCPに台湾領有を許せば、米国は深刻な戦略的打撃を受けることになるだろう。北京は先進的な経済や数千発もの弾道ミサイルの基地、そして米国の同盟への投射能力を有する深水港を獲得することとなる。世界の海運の3分の1が通うシーレーンを容易に制御すること可能となり、第7艦隊の能力を脅かし、日本、韓国、ベトナムへの軍事支援を困難にすることだろう。
―――進行中のCOVID-19パンデミックは、台湾の民主主義と中国共産党の権威主義の違いを浮き彫りにさせるだけだ。
―――CCPではなく台湾は、世界的パンデミックや北朝鮮の核兵器といった世界で最も致命的な問題を前にした国際協力での信頼できる透明なパートナーであることを自ら実証している
―――ワシントンは、独立した台湾を、擡頭する中国に対する自由主義国家の共同防衛体制への回帰を歓迎すべきかを再考しなければならない。
つまりこの論説は、「一つの中国」政策の見直しを米政府に求めているのだ。
米国のこの「一つの中国」政策とは別に、台湾は中華人民共和国の領土の一部だと強調する「一つの中国」原則を受け入れるものではない。台湾の中華民国政府ではなく中華人民共和国政府を中国の合法政府と認め、そしてその上で「一つの中国」原則には反対や批判はせず、あたかも認めているかのような曖昧な姿勢でCCPを満足させ、米中の友好関係を維持するといった政策である。しかしすでにCCPが米国に覇権争いを挑みつつある今日、もはやそうした政策に固執するのは間違いであり、それよりも米中必争の要衝にして米国と価値観を共有する台湾の同盟強化に乗り出すべきだと、この論説は主張しているのである。
中国の軍事的脅威は昔日の比にあらず。いつまでもあの国との対立を避けて台湾との交流を遠慮していると、逆に米国の安全が脅かされかねないという現況を見れば、こうした訴えは的を得たものと言えるはずだ。そしてそうした政策の転換は米国にだけでなく日本にも求められているはずだ。なにしろ中国への遠慮で台湾に冷淡であり続けてきたという点では日本は米国以上である。
ところで論説には、次のようなことも書かれていた。
―――もし自由で民主的な政権が(中国の)本土を支配するなら、それは中国の人々だけでなく世界の他の国々のためにもなるだろう。
―――米国は、CCPではなく台湾を、中国文明4000年の真の継承者であるとの認識を持ってもいい。
どうも「中華人民共和国ではなく中華民国を中国の合法政権として認めてはどうか」と提言しているようだ。ただこの論説も含め、多くの米国人が誤解しているのだが、台湾は国際法上、中国領土の一部ではなく、台湾にとり中国は「本土」ではない。それから台湾の政府が中国を「支配」するのは世界にとっても好いことだとするが、台湾の国民はそのようなことを目指してなどいない。ほとんどの人は中国との「統一」を望んでいないのだ。
もっとも台湾政府がいまだ「中華民国」の国名を捨てずにいる以上(それを行えば中国が武力行使に出る可能性が大きいからでもあるが)、米国人から「もう一つの中国政府」と誤解されるのは仕方ないのかも知れないが、ここでは現実を見てみたい。今日存在しているのは「一つの中国」ではなく、そしてもはや「二つの中国」(中華人民共和国と中華民国がそれぞれ中国の合法政権と自称する状態)でもなく、「一つの台湾、一つの中国」なのである。この現実さえしっかりと認識しさえすれば、米国の「一つの中国」政策なるものが如何に時代錯誤のものであるかが、米国人もよりよく理解されると思う。
そしてそれもまた、日本人に対しても言えることである。
【ご登録を】 メルマガ「台湾は日本の生命線!」を創刊
このほど、無料メルマガ「台湾は日本の生命線!」を「まぐまぐ!」にて創刊しました。
これまで「メルマ!」で配信していましたが、サービスが停止されたため、配信元を切り替えた次第です。「メルマ!」で登録されている方は、ご面倒ですがこちらへご移行ください。
本ブログの記事のほか、台湾支持運動などの情報もお届けしますので、ぜひご登録のほどお願いいたします。
ブログランキング参加中
台湾支持運動拡大のため、よければクリックをお願いします。→