台湾「元同胞」の正義の蹶起と虐殺―現代日本人が知るべき二・二八事件(1947)の悲劇
2013/02/28/Thu
■中国軍による六十六年前の台湾人三万人虐殺
中国人による日本人虐殺事件としては昭和十三年の通州事件などが知られているが、終戦後の昭和二十二年二月二十八日、台湾で発生し、全島住民を恐怖のどん底に叩き落した二・二八事件も忘れてはならない。当時この島はすでに中国(中華民国=蒋介石の国民党政権)に占領されてはいたが、法的にはなお日本の領土であり、住民も日本国民だったのである。
中国人による腐敗、横暴に満ちた残虐なる不条理な支配に対し、徒手空拳の若者や知識人が「日本人」ならではの正義感に駆られ、「法の支配」を求めて抗議に、あるいは抗戦に立ち上がった結果、本国から派遣された中国軍による無差別攻撃、逮捕の狂奔に曝され、二万八千人ともされる人々が虐殺を受けている。
写真は日本時代に軍事教練を受ける台湾人学徒。事件勃発当初、元日本兵や
これら学生らが勇敢に蜂起し、各地で中国兵を破ったのだが
蒋介石が増派した中国軍は、台湾上陸直後から手当たり次第に住民を射殺した
男たちを根こそぎ捕え、処刑した中国兵。針金で手を数珠繋ぎにして撃ち、海中に沈めるなど、その手
口は残虐さを極めた
これはまた、南モンゴル、チベット、東トルキスタンに先立つ、中国による周辺民族への大虐殺でもあったが、それら三民族に加えられた侵略の矛先が、今やふたたび台湾へ向けられようとしている。
中共が台湾を併呑すれば、住民による反抗は必至であり、それに対する鎮圧、粛清もまた必至なのだ。
今年二月二十八日で事件から六十六年が経つが、台湾紙自由時報はその前日の社説で、次のように論じている。
■「日本軍の来援」を期待した台湾人だが
――― 一九四五年、日本が降伏し、連合軍総司令官は蒋介石の軍隊を台湾へ派遣し、日本軍の降伏を受けさせた。蒋介石は陳儀に軍隊を率らせたが、それは軍事暫定管理のためであり、領土主権の譲渡を受けるためではなかった。しかし軍隊は腐敗して法律など眼中になく、民衆を圧迫した。そのため四七年二月二十八日、密輸タバコ取締事件(筆者註)をきっかけとした全台湾反抗行動が引き起こされた。
(註・前日に台北で取締官が闇タバコ売りの女性に暴行を加え、商品を没収した。しかし女性を不法行為へ追いやるのも、闇タバコを密輸して私腹を肥やすのも国民党当局だ。それを見て堪忍袋の緒が切れた群衆が取締官に取り囲むと、そのうち一人が射殺された。そこで翌日、大群衆が終結して当局に抗議を行うと、機銃掃射を浴びた。そのため民衆はラジオ局を占領し、全島に決起を呼びかけた)
2月28日に台北市内で抗議に立ち上がった群衆
―――すると陳儀は軍隊に民衆虐殺を命令。蒋介石も部隊を増派して清郷を行った。隠して瞬く間に民衆、ことに社会のエリート層が死傷すると言う惨状が現出した。これはまた後年の台湾亡命に先立つ、恐怖政治の幕開けでもあった。
蒋介石の指令の下、台湾人虐殺を恣にした軍高官たち
これほどの大事件であったわけだが、この悲劇を知らない日本人はとても多い。それは事件当時、日本が占領下で情報管制を受けており、その後も国民党政権が事件の緘口令を敷いたため、九〇年代の台湾民主化時代に入るまで、この元同胞の悲劇は知りようもなかったのだ。
虐殺の恐怖に曝されながら、「日本軍が助けに来てくれる」と固く信じていたともされる台湾の人々の心を思えば、何とも切ない話である。
■このままでは国民党は台湾を中共へ売り渡す
さて社説はそれに続き、話題を現代へと移す。
―――蒋介石政権の継承者である馬英九総統は二・二八事件に関し、今日まで「口頭謝罪」をするに留めている。そればかりか毎年、蒋介石の墓を詣で、この虐殺の元凶に敬意を捧げているのだ。
―――更に重要なのは馬英九が、二・二八事件は台湾に関する主権を擁さない政権による台湾人民虐殺だったことを認めたがらず、いまだに中華民国憲法に基づくと称して台湾を統治している。これは中華民国の殖民地と看做しているということだ。
事件犠牲者に謝罪する馬英九総統(上、12年3月)。しかしその一方で事件の
元凶である蒋介石の墓前でも額づいている(下、12年4月)
―――そして更に恐ろしいことに、馬英九は政権掌握後の五年近くにわたり、台湾人民が台湾の主になるという民主主義のプロセスを杜絶させ、勝手に門戸を開いて中国と言う狼を引き入れている。中国と経済、教育文化を連結させ、更には台湾の主権までも連結させている。
―――主権の面では昨年以来、呉伯雄(※国民党名誉主席)を通じて所謂「九二年コンセンサス」(※「一つの中国を認めるが、『中国』は各々が解釈する」との台中間の合意。実際には存在せず)を「一国二地区」へとレベルアップさせた。「中華民国」が永遠に台湾の民主を弾圧し続けるとは限らない。馬英九は明らかに「中華人民共和国」を引き入れ、台湾民主を根絶やしにしようとしている。
―――馬英九は二・二八の悲劇を再演しようとするだけでなく、殺傷力の高い爆弾を埋めようとしている。そのため台湾人が鏡とすべきは中国のチベット併呑後の状況だ。チベットは元来中国とは別の国で、主権、政府、領土、人民を擁していた。だが政治、経済、軍事で優勢な中国による占領で、チベット人の反抗と中国の鎮圧がチベット近代史の主軸となった。五十年以上たっても鎮圧、虐殺の悪夢は終わらない。
―――馬英九の融合路線で、最後に融けるのが台湾だが、問題は台湾が併呑されれば、大数の台湾人が中国への反抗を止めないということだ。そうなれば中国はチベットでのシナリオを台湾にも適用し、二・二八事件の現代版を迎えることだろう。
社説はこのように述べた上で、「安内攘外」(国内の敵を除いて外敵を防ぐ)を訴える。
―――危機に直面する台湾人は「安内」を行わなければ「攘外」に当たれない。「安内」とは馬英九の「融合」路線を阻止し、台湾の主権と自主を確保すること。つまり国境という二つの中国人勢力の台湾併呑の陰謀を拒絶することである。
実に緊迫感が伝わってくる社説である。
だが日本人の多くはやはり、こうした隣国の危機的状況をまだよく理解していない。それもまた国民党政権の中国との「融合」路線を「台中の和解」「台中関係の改善」と美化する同政権自身の宣伝によるところが大きいのである。
悪むべし国民党、そして中共。血に飢えた中国に、二度と台湾を渡してはならない。
日本人は日本軍の来援を確信しながらなぶり殺しにされた元同胞に思いを致しつつ、着実に進む国共両党の陰謀に反対の声を挙げなければならない。
そもそも台湾が併呑されれば、次に虐殺の悲劇に見舞われるのは、間違いなくこの日本である。
二・二八事件を忘れるな
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中国人による日本人虐殺事件としては昭和十三年の通州事件などが知られているが、終戦後の昭和二十二年二月二十八日、台湾で発生し、全島住民を恐怖のどん底に叩き落した二・二八事件も忘れてはならない。当時この島はすでに中国(中華民国=蒋介石の国民党政権)に占領されてはいたが、法的にはなお日本の領土であり、住民も日本国民だったのである。
中国人による腐敗、横暴に満ちた残虐なる不条理な支配に対し、徒手空拳の若者や知識人が「日本人」ならではの正義感に駆られ、「法の支配」を求めて抗議に、あるいは抗戦に立ち上がった結果、本国から派遣された中国軍による無差別攻撃、逮捕の狂奔に曝され、二万八千人ともされる人々が虐殺を受けている。
写真は日本時代に軍事教練を受ける台湾人学徒。事件勃発当初、元日本兵や
これら学生らが勇敢に蜂起し、各地で中国兵を破ったのだが
蒋介石が増派した中国軍は、台湾上陸直後から手当たり次第に住民を射殺した
男たちを根こそぎ捕え、処刑した中国兵。針金で手を数珠繋ぎにして撃ち、海中に沈めるなど、その手
口は残虐さを極めた
これはまた、南モンゴル、チベット、東トルキスタンに先立つ、中国による周辺民族への大虐殺でもあったが、それら三民族に加えられた侵略の矛先が、今やふたたび台湾へ向けられようとしている。
中共が台湾を併呑すれば、住民による反抗は必至であり、それに対する鎮圧、粛清もまた必至なのだ。
今年二月二十八日で事件から六十六年が経つが、台湾紙自由時報はその前日の社説で、次のように論じている。
■「日本軍の来援」を期待した台湾人だが
――― 一九四五年、日本が降伏し、連合軍総司令官は蒋介石の軍隊を台湾へ派遣し、日本軍の降伏を受けさせた。蒋介石は陳儀に軍隊を率らせたが、それは軍事暫定管理のためであり、領土主権の譲渡を受けるためではなかった。しかし軍隊は腐敗して法律など眼中になく、民衆を圧迫した。そのため四七年二月二十八日、密輸タバコ取締事件(筆者註)をきっかけとした全台湾反抗行動が引き起こされた。
(註・前日に台北で取締官が闇タバコ売りの女性に暴行を加え、商品を没収した。しかし女性を不法行為へ追いやるのも、闇タバコを密輸して私腹を肥やすのも国民党当局だ。それを見て堪忍袋の緒が切れた群衆が取締官に取り囲むと、そのうち一人が射殺された。そこで翌日、大群衆が終結して当局に抗議を行うと、機銃掃射を浴びた。そのため民衆はラジオ局を占領し、全島に決起を呼びかけた)
2月28日に台北市内で抗議に立ち上がった群衆
―――すると陳儀は軍隊に民衆虐殺を命令。蒋介石も部隊を増派して清郷を行った。隠して瞬く間に民衆、ことに社会のエリート層が死傷すると言う惨状が現出した。これはまた後年の台湾亡命に先立つ、恐怖政治の幕開けでもあった。
蒋介石の指令の下、台湾人虐殺を恣にした軍高官たち
これほどの大事件であったわけだが、この悲劇を知らない日本人はとても多い。それは事件当時、日本が占領下で情報管制を受けており、その後も国民党政権が事件の緘口令を敷いたため、九〇年代の台湾民主化時代に入るまで、この元同胞の悲劇は知りようもなかったのだ。
虐殺の恐怖に曝されながら、「日本軍が助けに来てくれる」と固く信じていたともされる台湾の人々の心を思えば、何とも切ない話である。
■このままでは国民党は台湾を中共へ売り渡す
さて社説はそれに続き、話題を現代へと移す。
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―――更に重要なのは馬英九が、二・二八事件は台湾に関する主権を擁さない政権による台湾人民虐殺だったことを認めたがらず、いまだに中華民国憲法に基づくと称して台湾を統治している。これは中華民国の殖民地と看做しているということだ。
事件犠牲者に謝罪する馬英九総統(上、12年3月)。しかしその一方で事件の
元凶である蒋介石の墓前でも額づいている(下、12年4月)
―――そして更に恐ろしいことに、馬英九は政権掌握後の五年近くにわたり、台湾人民が台湾の主になるという民主主義のプロセスを杜絶させ、勝手に門戸を開いて中国と言う狼を引き入れている。中国と経済、教育文化を連結させ、更には台湾の主権までも連結させている。
―――主権の面では昨年以来、呉伯雄(※国民党名誉主席)を通じて所謂「九二年コンセンサス」(※「一つの中国を認めるが、『中国』は各々が解釈する」との台中間の合意。実際には存在せず)を「一国二地区」へとレベルアップさせた。「中華民国」が永遠に台湾の民主を弾圧し続けるとは限らない。馬英九は明らかに「中華人民共和国」を引き入れ、台湾民主を根絶やしにしようとしている。
―――馬英九は二・二八の悲劇を再演しようとするだけでなく、殺傷力の高い爆弾を埋めようとしている。そのため台湾人が鏡とすべきは中国のチベット併呑後の状況だ。チベットは元来中国とは別の国で、主権、政府、領土、人民を擁していた。だが政治、経済、軍事で優勢な中国による占領で、チベット人の反抗と中国の鎮圧がチベット近代史の主軸となった。五十年以上たっても鎮圧、虐殺の悪夢は終わらない。
―――馬英九の融合路線で、最後に融けるのが台湾だが、問題は台湾が併呑されれば、大数の台湾人が中国への反抗を止めないということだ。そうなれば中国はチベットでのシナリオを台湾にも適用し、二・二八事件の現代版を迎えることだろう。
社説はこのように述べた上で、「安内攘外」(国内の敵を除いて外敵を防ぐ)を訴える。
―――危機に直面する台湾人は「安内」を行わなければ「攘外」に当たれない。「安内」とは馬英九の「融合」路線を阻止し、台湾の主権と自主を確保すること。つまり国境という二つの中国人勢力の台湾併呑の陰謀を拒絶することである。
実に緊迫感が伝わってくる社説である。
だが日本人の多くはやはり、こうした隣国の危機的状況をまだよく理解していない。それもまた国民党政権の中国との「融合」路線を「台中の和解」「台中関係の改善」と美化する同政権自身の宣伝によるところが大きいのである。
悪むべし国民党、そして中共。血に飢えた中国に、二度と台湾を渡してはならない。
日本人は日本軍の来援を確信しながらなぶり殺しにされた元同胞に思いを致しつつ、着実に進む国共両党の陰謀に反対の声を挙げなければならない。
そもそも台湾が併呑されれば、次に虐殺の悲劇に見舞われるのは、間違いなくこの日本である。
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