東京新聞の「反中」社説を改竄した人民日報の手口
2007/12/31/Mon
福田康夫首相が十二月二十七日から中国を訪問したが、それに先立ち日本のマスコミは、台湾の台湾名義での国連加盟の是非を問う国民投票を阻止することに必死の中国側が、福田首相に「国民投票反対」表明と言う内政干渉への協力を迫るものと予測していた。そういした中、十二月二十六日付の東京新聞(中日新聞)の社説「福田首相訪中 実のある議論で友好を」は実に立派な主張を行った。
「台湾の陳水扁政権が来年三月の総統選挙と同時に行うという『台湾名義での国連加盟の是非を問う』住民投票に、中国は武力干渉の可能性をほのめかし身構えている」「米国は台湾海峡の紛争への危機感を強め、『挑発的な政策だ』(ライス国務長官)と台湾に圧力を強めている。しかし、台湾は住民投票を望む二百万人以上の署名などを理由に米中の要求に応じる気配はない」
台湾に対し恫喝する中国と、それに歩調をあわせて圧力をかける米国。しかし東京新聞は福田首相に対し、米国のマネをして台湾に圧力をかけるな、中国の側に自制を求めろ、と訴えたのだ。
そして次のようにも言う。
「福田首相は東アジアの平和と安定を脅かす台湾海峡の緊張回避に向け、中国に自制を訴える必要がある。また、日台の歴史的関係を踏まえ、台湾に露骨な圧力とは異なる、独自の働き掛けを行う意義を説明し、理解を得るべきだ」
同日付の産経新聞社説も、以下のように福田首相に警告している。
「福田首相が住民投票に反対する姿勢を示せば、台湾住民は日本も中国の要求に屈したとみなし、対日不信を強めるだろう。日台関係にも悪影響を及ぼす。台湾海峡の緊張を高める結果にもつながりかねない。日本は台湾有事を誘発しないためにも、中台緊張緩和の橋渡し役となるべきだ」
この二つの訴えは、中国が何と言おうとも、親密な日台の関係を損なってはいけないと言うもので、中国としては最も聞きたくないものだ。これだけを見ても、中国の怒りを恐れない日本メディアの良識ある主張と言うことが出来るだろう。これらの社説は、台湾メディアでも取り上げられている。
そこで中国の所謂「日中関係の政治的基礎を根底から覆しかねない」ほどのこの東京新聞社説に中国はどう反応するかが見物となるが、人民日報のネット版「人民網日本語版」は二十七日、中国国際放送日本語ニュースを引用する形で、何と「日本の『東京新聞』、福田首相の中国訪問を高く評価」と題する報道を行ったのだ。
ここで「(福田康夫首相は中国で)東シナ海の資源開発や台湾など意見が異なる問題も、しっかり論議し友好の実を固めてほしい」で書き出される東京新聞社説の内容を説明しよう。
その前半部分(三百三十一字)では「アジアを重視する首相の初訪中を中国は歓迎している」「福田首相もこれに応え、国会日程が立て込む中でも、…孔子の故郷の山東省・曲阜を訪れる。地方訪問は中国の国民感情を和らげるのに役立つだろう」と、日中関係進展への期待を述べているが、これは淡々と書き流した、言わば型どおりのものである。重要なのはよ後半(六百九十二字)だ。
そこでは「しかし、懸案を封印し、友好のエール交換に終始するのは野党党首に許されても、一国の首相には認められない。日中間には東シナ海の資源開発や台湾など難しい問題がある」等々、情緒的な友好気分に流されるなと言った厳しい注文をつけている。そして最後は「中国が要求している台湾問題への態度表明と、東シナ海問題の進展など日本側の要求を、てんびんに掛けるのは外交では禁じ手である」「率直な意見交換を通じ、立場は異なっても、お互いへの理解を深めることが真の友好に道を開くのではないか」と結ぶのだ。要するにこの社説は、軟弱な対中姿勢を強く戒めているものなのだ。
ところが人民日報は、まず社説の結びの部分の「警告」を次のように、あたかも「期待表明」のように書き換えている。
「日本の『東京新聞』は…まもなく始まる福田首相の中国訪問を積極的に評価し、『双方が理解を深めることにより、真の友好を実現するための道切り開かれるだろう』との見解を述べています」
そして前半の「期待」部分だけを書き連ね、あたかもこれが反中ではなく、親中の社説であるかのように取り扱うのだ。
人民日報日本語版の任務はもちろん中国政府の代弁だ。日本人を恫喝し、あるいは日中友好気運の盛り上げて、安心させ、油断させ、籠絡すると言った「洗脳工作」を行う媒体なのだ。だから言うまでもなく事実の歪曲は常套手段であるが、こうしたものが散布する情報がいとも簡単に日本人に「入脳」していると言う状況に注意するべきだ。これの脅威は中国産有害食品に勝るとも劣らないとの認識と警戒心を。
東京新聞社説 福田首相訪中 実のある議論で友好を
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007122602075159.html
人民網日本語版 日本の「東京新聞」、福田首相の中国訪問を高く評価
http://www.people.ne.jp/a/6db47867de63425ba58d87a3671d8d87
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台湾に対し恫喝する中国と、それに歩調をあわせて圧力をかける米国。しかし東京新聞は福田首相に対し、米国のマネをして台湾に圧力をかけるな、中国の側に自制を求めろ、と訴えたのだ。
そして次のようにも言う。
「福田首相は東アジアの平和と安定を脅かす台湾海峡の緊張回避に向け、中国に自制を訴える必要がある。また、日台の歴史的関係を踏まえ、台湾に露骨な圧力とは異なる、独自の働き掛けを行う意義を説明し、理解を得るべきだ」
同日付の産経新聞社説も、以下のように福田首相に警告している。
「福田首相が住民投票に反対する姿勢を示せば、台湾住民は日本も中国の要求に屈したとみなし、対日不信を強めるだろう。日台関係にも悪影響を及ぼす。台湾海峡の緊張を高める結果にもつながりかねない。日本は台湾有事を誘発しないためにも、中台緊張緩和の橋渡し役となるべきだ」
この二つの訴えは、中国が何と言おうとも、親密な日台の関係を損なってはいけないと言うもので、中国としては最も聞きたくないものだ。これだけを見ても、中国の怒りを恐れない日本メディアの良識ある主張と言うことが出来るだろう。これらの社説は、台湾メディアでも取り上げられている。
そこで中国の所謂「日中関係の政治的基礎を根底から覆しかねない」ほどのこの東京新聞社説に中国はどう反応するかが見物となるが、人民日報のネット版「人民網日本語版」は二十七日、中国国際放送日本語ニュースを引用する形で、何と「日本の『東京新聞』、福田首相の中国訪問を高く評価」と題する報道を行ったのだ。
ここで「(福田康夫首相は中国で)東シナ海の資源開発や台湾など意見が異なる問題も、しっかり論議し友好の実を固めてほしい」で書き出される東京新聞社説の内容を説明しよう。
その前半部分(三百三十一字)では「アジアを重視する首相の初訪中を中国は歓迎している」「福田首相もこれに応え、国会日程が立て込む中でも、…孔子の故郷の山東省・曲阜を訪れる。地方訪問は中国の国民感情を和らげるのに役立つだろう」と、日中関係進展への期待を述べているが、これは淡々と書き流した、言わば型どおりのものである。重要なのはよ後半(六百九十二字)だ。
そこでは「しかし、懸案を封印し、友好のエール交換に終始するのは野党党首に許されても、一国の首相には認められない。日中間には東シナ海の資源開発や台湾など難しい問題がある」等々、情緒的な友好気分に流されるなと言った厳しい注文をつけている。そして最後は「中国が要求している台湾問題への態度表明と、東シナ海問題の進展など日本側の要求を、てんびんに掛けるのは外交では禁じ手である」「率直な意見交換を通じ、立場は異なっても、お互いへの理解を深めることが真の友好に道を開くのではないか」と結ぶのだ。要するにこの社説は、軟弱な対中姿勢を強く戒めているものなのだ。
ところが人民日報は、まず社説の結びの部分の「警告」を次のように、あたかも「期待表明」のように書き換えている。
「日本の『東京新聞』は…まもなく始まる福田首相の中国訪問を積極的に評価し、『双方が理解を深めることにより、真の友好を実現するための道切り開かれるだろう』との見解を述べています」
そして前半の「期待」部分だけを書き連ね、あたかもこれが反中ではなく、親中の社説であるかのように取り扱うのだ。
人民日報日本語版の任務はもちろん中国政府の代弁だ。日本人を恫喝し、あるいは日中友好気運の盛り上げて、安心させ、油断させ、籠絡すると言った「洗脳工作」を行う媒体なのだ。だから言うまでもなく事実の歪曲は常套手段であるが、こうしたものが散布する情報がいとも簡単に日本人に「入脳」していると言う状況に注意するべきだ。これの脅威は中国産有害食品に勝るとも劣らないとの認識と警戒心を。
東京新聞社説 福田首相訪中 実のある議論で友好を
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007122602075159.html
人民網日本語版 日本の「東京新聞」、福田首相の中国訪問を高く評価
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