日台関係の深化を妨害する嘘情報に警戒を―鳩山由紀夫「ツイッター」投稿を事例に
2022/02/02/Wed
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■侮れざる「ルーピー」―中国「代理人」が吐く嘘を見抜けるか
鳩山由紀夫元首相の1月23日のツイッター投稿を見てみよう。意味の取りにくい曖昧な書き方だが、それは内容に含まれる嘘を識別させないトリックではないか。
ー--台湾有事が声高に叫ばれて、戦争前夜の雰囲気が醸し出されているが、台湾での昨年9月の世論調査の結果をご存知だろうか。台湾人の85%は現状維持を望んでいるのだ。すみやかに独立を望む人は5%に過ぎない。蔡総統も現状維持と述べている。有事を叫んで得をするのは武器商人と危機を煽る政権与党だ。
つまり鳩山氏はこう言いたいのだろう。
①台湾人の多くは独立を求めていない
↓
②だから中国は台湾に侵攻する気はない
↓
③だか自民党だけが騒いで戦争の危機を煽っている。
だがこれはまったくの作り話だ。実際の台湾を巡る状況は、
①台湾人の多くは中国による併呑を求めていない
↓
②だから中国が軍拡を進め恫喝を繰り返す
↓
③このように中国が一方的に戦争の危機を高めている。
こうした現状を、鳩山氏は敢えて隠蔽し、「中国に侵攻の意思なし。政府だけが騒いでいる」との偽情報を発信したのである。
言うまでもなく鳩山氏は、「元総理大臣」の肩書を用いながら中国擁護の言論を内外に向けて展開する中国の「代理人」のごとき人物。今回の投稿もまさに「中国脅威論」の広がりを警戒する中国の意を体しているようだ。
鳩山氏を「ルーピー」と見下す人々は「誰も鳩山など信用しない」と笑うかもしれない。だが同氏を見くびるなかれ。彼が吐き続ける噓の政治的情報には確実に需要があるのだ。例えば親中、反日、反米の左翼層は、喜んでそれに飛びつくだろう。「ルーピー」を馬鹿にする者も、その嘘に騙されないとは言い切れない。実際に多くの国民は上の投稿を読んでも、やはりここまで堂々と嘘を吐かれると、よほど台湾事情に通じていない限り、なかなかその嘘は見抜けないはずだ。
■矛盾する鳩山投稿―誰かの指示で書かされたような形跡
ところで鳩山氏は昨年12月4日、上記のものとはとは少し違った内容の投稿をしている。
安倍晋三元首相が同月1日、台湾でのシンポジウムにオンラインでスピーチした際、「台湾有事、それは日本有事だ。すなわち日米同盟の有事でもある。この点の認識を北京の人々、とりわけ習近平主席は断じて見誤るべきではない」と述べ、中国を激怒させたが、それを受けて鳩山氏は、こう書いたのだ。
ー--安倍前総理は会合で、台湾有事は日本有事である、習近平主席よ、誤った道に踏み込むな、という趣旨の発言をした。台湾有事は日本有事はその通りだが、その時いくら米軍が味方とは言え、日本はミサイル攻撃を受け壊滅の危機となる。台湾の独立派を抑えて台湾有事にさせないことが日本の生きる道である。
つまり「台湾の独立派に圧力をかけ、緊張を高めぬよう抑えよ」と政府に訴えたのだ。
ちなみにこの中国の所謂「台湾独立派」とはインチキな表現で、実際には「中国の台湾併呑に反対する勢力」という意味だ。中国の領土ではない台湾が中国から独立することはあり得ないからである(「台湾独立」の真義は中華民国体制からの台湾人の独立建国)。そしてその中国は、蔡英文政権を「独立派」と断罪し、「台湾独立は戦争を意味する」と繰り返し警告しているが、この時の鳩山氏は、それを代弁をしたのである。
ところが先ほど見た1月23日の投稿では、「台湾人の85%は現状維持を望んでいるのだ。すみやかに独立を望む人は5%に過ぎない。蔡総統も現状維持と述べている」と言い換えているのだ。つまり危険な台湾独立勢力と位置づけた蔡英文政権を、一転して無害な現状維持勢力と見做すのだから、まったく筋が通らない。もしや鳩山氏は実は台湾情勢には暗いのではないだろうか。
そして自分の意思でと言うより、その都度その都度、他者に言われて投稿しているのではないか。もちろん日台分断を狙う誰かにだ。そう疑うのは十分に可能だろう。
■米国が安倍元首相の発言に困惑したというデマ
そしてそれから三日後の12月7日、鳩山氏は再び投稿して安倍氏のスピーチを非難した。
ー--安倍前総理の台湾有事は日本有事で日米同盟有事発言は中国を怒らせただけでなく米国を困惑させた。米国は台湾有事でも台湾を防衛する義務はないと言っているからだ。更に尖閣は日本領発言を繰り返す安倍氏に台湾すら怒っていると聞く。台湾すらもだ。こんな下手な外交をしたら日本は孤立するばかりだ。
はっきりと言おう。この投稿は安倍氏の「親台反中」姿勢を牽制するためのデマである。
先ず安倍氏の「台湾有事は日本有事で日米同盟の有事」とした発言だが、いったこれに米国の誰が「困惑」したというのか。
米国は、確かに台湾防衛の法的義務は負わないが、しかし今やインド太平洋の戦略的な要である台湾への防衛協力を強化しているのは誰の目からも明らかだ。例えばブリンケン国務長官は11月10日、「(中国の)現状の変更に向けた一方的な軍事力の行使が発生すれば行動を起こす多くの国が存在している」と述べ、台湾有事で米国は同盟国と共に対応する姿勢を、従来になく明確にしている。
そしてその「同盟国」の筆頭は、もちろん台湾のすぐ隣の日本である。そもそも米国は日米同盟がなければ台湾有事に対処できない。
その米国が、安倍氏の「日米同盟有事」発言になぜ困惑するというのか。むしろ「日本の政治家にしてはよく言った」と喜んでいるとみるのが妥当だろう。
■大胆な嘘で日台の信頼関係を損なわせたいか
それから鳩山氏が「尖閣は日本領発言を繰り返す安倍氏に台湾に怒っている」というのも、日台の信頼関係をを損ないかねない悪質なデマと言える。
安倍氏の「尖閣は日本領発言」とは、「『台湾の周辺』には、と言うと、『尖閣諸島、先島、与那国島など日本の領土領海』と言っても同じことだが、空から、海上海中から、中国はあらゆる種類の、軍事的挑発を続けて行くことも予測しておかなくてはならない」というものだった。
台湾では、これには確かに国民党が反撥した。ただ同党の尖閣絡みの反日言論は、たいていその目的は反日と言うより反民進党なのだ。だからこの時も同党は蔡英文政権に対し、「なぜ日本に抗議しないのか」と抗議したが、その一方では安倍氏のスピーチには感謝の意を表しているのである。
それほど安倍氏のスピーチは歓迎されたのだ。国民党系の大手紙、聯合報も「台湾では政府から民間まで、未曽有の『台湾挙げての歓喜』が巻き起こった」と、その反響のあまりにもの大きさを報じている。
ところが鳩山氏は、「台湾すら怒っていると聞く。台湾すらもだ。こんな下手な外交をしたら日本は孤立するばかりだ」などと書き、安倍氏を非難したのだ。
何も知らずに投稿したのか。それとも何も知らされないまま、やはり誰かの指示で書いたのか。
いずれにせよ、この投稿には大勢の人々が胡散臭さを感じ、怒りのコメントを書き込んだ。ところがそれらの内容を見ると、多くは鳩山氏の反日ぶりやルーピーぶりへの批判にとどまり、台湾側の反響ぶりの捏造を指摘する声はほとんど見られなかった。
つまり、鳩山氏の嘘を見抜けないのだ。こうも大胆にツイートされると、日本人は正直民族だから、いとも簡単に騙されてしまうのだろう。
今後はぜひ注意してみていてほしい。日台に及ぼされる中国の軍事的脅威が増大し、日台関係の強化を求める声が広がれば広がるほど、鳩山氏及びその他の中国「代理人」たちは、更に懸命に誤情報を国民に撒き散らすこととなると思う。
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ー--台湾有事が声高に叫ばれて、戦争前夜の雰囲気が醸し出されているが、台湾での昨年9月の世論調査の結果をご存知だろうか。台湾人の85%は現状維持を望んでいるのだ。すみやかに独立を望む人は5%に過ぎない。蔡総統も現状維持と述べている。有事を叫んで得をするのは武器商人と危機を煽る政権与党だ。
つまり鳩山氏はこう言いたいのだろう。
①台湾人の多くは独立を求めていない
↓
②だから中国は台湾に侵攻する気はない
↓
③だか自民党だけが騒いで戦争の危機を煽っている。
だがこれはまったくの作り話だ。実際の台湾を巡る状況は、
①台湾人の多くは中国による併呑を求めていない
↓
②だから中国が軍拡を進め恫喝を繰り返す
↓
③このように中国が一方的に戦争の危機を高めている。
こうした現状を、鳩山氏は敢えて隠蔽し、「中国に侵攻の意思なし。政府だけが騒いでいる」との偽情報を発信したのである。
言うまでもなく鳩山氏は、「元総理大臣」の肩書を用いながら中国擁護の言論を内外に向けて展開する中国の「代理人」のごとき人物。今回の投稿もまさに「中国脅威論」の広がりを警戒する中国の意を体しているようだ。
鳩山氏を「ルーピー」と見下す人々は「誰も鳩山など信用しない」と笑うかもしれない。だが同氏を見くびるなかれ。彼が吐き続ける噓の政治的情報には確実に需要があるのだ。例えば親中、反日、反米の左翼層は、喜んでそれに飛びつくだろう。「ルーピー」を馬鹿にする者も、その嘘に騙されないとは言い切れない。実際に多くの国民は上の投稿を読んでも、やはりここまで堂々と嘘を吐かれると、よほど台湾事情に通じていない限り、なかなかその嘘は見抜けないはずだ。
■矛盾する鳩山投稿―誰かの指示で書かされたような形跡
ところで鳩山氏は昨年12月4日、上記のものとはとは少し違った内容の投稿をしている。
安倍晋三元首相が同月1日、台湾でのシンポジウムにオンラインでスピーチした際、「台湾有事、それは日本有事だ。すなわち日米同盟の有事でもある。この点の認識を北京の人々、とりわけ習近平主席は断じて見誤るべきではない」と述べ、中国を激怒させたが、それを受けて鳩山氏は、こう書いたのだ。
ー--安倍前総理は会合で、台湾有事は日本有事である、習近平主席よ、誤った道に踏み込むな、という趣旨の発言をした。台湾有事は日本有事はその通りだが、その時いくら米軍が味方とは言え、日本はミサイル攻撃を受け壊滅の危機となる。台湾の独立派を抑えて台湾有事にさせないことが日本の生きる道である。
つまり「台湾の独立派に圧力をかけ、緊張を高めぬよう抑えよ」と政府に訴えたのだ。
ちなみにこの中国の所謂「台湾独立派」とはインチキな表現で、実際には「中国の台湾併呑に反対する勢力」という意味だ。中国の領土ではない台湾が中国から独立することはあり得ないからである(「台湾独立」の真義は中華民国体制からの台湾人の独立建国)。そしてその中国は、蔡英文政権を「独立派」と断罪し、「台湾独立は戦争を意味する」と繰り返し警告しているが、この時の鳩山氏は、それを代弁をしたのである。
ところが先ほど見た1月23日の投稿では、「台湾人の85%は現状維持を望んでいるのだ。すみやかに独立を望む人は5%に過ぎない。蔡総統も現状維持と述べている」と言い換えているのだ。つまり危険な台湾独立勢力と位置づけた蔡英文政権を、一転して無害な現状維持勢力と見做すのだから、まったく筋が通らない。もしや鳩山氏は実は台湾情勢には暗いのではないだろうか。
そして自分の意思でと言うより、その都度その都度、他者に言われて投稿しているのではないか。もちろん日台分断を狙う誰かにだ。そう疑うのは十分に可能だろう。
■米国が安倍元首相の発言に困惑したというデマ
そしてそれから三日後の12月7日、鳩山氏は再び投稿して安倍氏のスピーチを非難した。
ー--安倍前総理の台湾有事は日本有事で日米同盟有事発言は中国を怒らせただけでなく米国を困惑させた。米国は台湾有事でも台湾を防衛する義務はないと言っているからだ。更に尖閣は日本領発言を繰り返す安倍氏に台湾すら怒っていると聞く。台湾すらもだ。こんな下手な外交をしたら日本は孤立するばかりだ。
はっきりと言おう。この投稿は安倍氏の「親台反中」姿勢を牽制するためのデマである。
先ず安倍氏の「台湾有事は日本有事で日米同盟の有事」とした発言だが、いったこれに米国の誰が「困惑」したというのか。
米国は、確かに台湾防衛の法的義務は負わないが、しかし今やインド太平洋の戦略的な要である台湾への防衛協力を強化しているのは誰の目からも明らかだ。例えばブリンケン国務長官は11月10日、「(中国の)現状の変更に向けた一方的な軍事力の行使が発生すれば行動を起こす多くの国が存在している」と述べ、台湾有事で米国は同盟国と共に対応する姿勢を、従来になく明確にしている。
そしてその「同盟国」の筆頭は、もちろん台湾のすぐ隣の日本である。そもそも米国は日米同盟がなければ台湾有事に対処できない。
その米国が、安倍氏の「日米同盟有事」発言になぜ困惑するというのか。むしろ「日本の政治家にしてはよく言った」と喜んでいるとみるのが妥当だろう。
■大胆な嘘で日台の信頼関係を損なわせたいか
それから鳩山氏が「尖閣は日本領発言を繰り返す安倍氏に台湾に怒っている」というのも、日台の信頼関係をを損ないかねない悪質なデマと言える。
安倍氏の「尖閣は日本領発言」とは、「『台湾の周辺』には、と言うと、『尖閣諸島、先島、与那国島など日本の領土領海』と言っても同じことだが、空から、海上海中から、中国はあらゆる種類の、軍事的挑発を続けて行くことも予測しておかなくてはならない」というものだった。
台湾では、これには確かに国民党が反撥した。ただ同党の尖閣絡みの反日言論は、たいていその目的は反日と言うより反民進党なのだ。だからこの時も同党は蔡英文政権に対し、「なぜ日本に抗議しないのか」と抗議したが、その一方では安倍氏のスピーチには感謝の意を表しているのである。
それほど安倍氏のスピーチは歓迎されたのだ。国民党系の大手紙、聯合報も「台湾では政府から民間まで、未曽有の『台湾挙げての歓喜』が巻き起こった」と、その反響のあまりにもの大きさを報じている。
ところが鳩山氏は、「台湾すら怒っていると聞く。台湾すらもだ。こんな下手な外交をしたら日本は孤立するばかりだ」などと書き、安倍氏を非難したのだ。
何も知らずに投稿したのか。それとも何も知らされないまま、やはり誰かの指示で書いたのか。
いずれにせよ、この投稿には大勢の人々が胡散臭さを感じ、怒りのコメントを書き込んだ。ところがそれらの内容を見ると、多くは鳩山氏の反日ぶりやルーピーぶりへの批判にとどまり、台湾側の反響ぶりの捏造を指摘する声はほとんど見られなかった。
つまり、鳩山氏の嘘を見抜けないのだ。こうも大胆にツイートされると、日本人は正直民族だから、いとも簡単に騙されてしまうのだろう。
今後はぜひ注意してみていてほしい。日台に及ぼされる中国の軍事的脅威が増大し、日台関係の強化を求める声が広がれば広がるほど、鳩山氏及びその他の中国「代理人」たちは、更に懸命に誤情報を国民に撒き散らすこととなると思う。
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