日本の「台湾人65万人大虐殺」は事実かー中国論説「台湾は日本時代の真相に立ち帰れ」を読む(中)/附:「台湾チャンネル」関連動画
2014/02/21/Fri
■日本の台湾侵略史をでっち上げる中国
台湾との平和統一に向け攻勢を強める中国。馬英九総統(在台中国人)の国民党政権に期待するのは台湾国民の反日化(中国人化)だ。したがって同政権による高校用歴史教科書の反日化の動きは、まさに願ってもないことなのである。
人民日報や新華社が二月十七日に配信した「台湾は日拠の真相に立ち返るべきだ」と題する論評は、国民党政権への援護射撃に他なるまい(「日拠」とは「日本占拠」で、「日本の台湾統治」の不法性を強調する歴史捏造)。
引き続きその内容を見て行こう。いよいよ日本統治時代史の改竄に着手する。
―――実際に日拠史とは胸を打つ悲壮な抗日史に他ならない。歴史家の統計によれば、台湾人民の五十年間の抗日闘争における犠牲者は六十五万人の多きに達している。
中国製「台湾人民の抗日闘争形勢図」。ここに記されている程度の抗日事件で「63万人」もが
虐殺されたというのか
―――馬関条約(※下関条約)後、日本軍は台湾人と半年近く激戦を展開し、ようやく台湾を占領した。その後、全台湾に広がった抗日ゲリラ戦は七年間続き、最後は日本によって残酷な鎮圧を受けた。
「六十五万人台湾人大虐殺」説だ。言うまでもなく、大胆な極まりない歴史捏造宣伝である。
■日本統治下における台湾人人口の急増
二〇〇五年、中国の人民大会堂で行われた「抗日勝利六十周年記念大会」での胡錦濤の演説は、「中国国民党と中国共産党は抗日軍を指導し、それぞれ正面の戦場と敵後方の戦場で作戦任務に就き、日本の侵略者を共同で攻撃する戦略態勢を構築した」と述べるなど、当時の国民党の功績を初めて公式に認めたことで知られる。
つまり国民党との平和統一のためのアピールだったわけだが、その際にも胡錦濤は「日本が台湾を侵略、占領した半世紀において、台湾同胞は絶えず反抗を行い、六十五万人が壮絶な犠牲となった」と指摘していた。
2005年9月、「日本の占領で台湾同胞65万人が犠牲となった」と言ってのけ、
台湾との反日連帯を呼び掛けた胡錦濤主席
しかしこの「六十五万人大虐殺」説について、当の台湾国民の多くは聞いたこともないだろう。
たしかに日本は一八九五年における領台後の約五カ月間で、抵抗する台湾住民を大量に殺戮している。
土地や生命を奪われると誤解した住民や、縄張りを奪われるのを恐れた土匪(山賊)勢力が無謀にも前近代的装備で日本軍に立ち向かい、そのため当時の二百六十万人の人口中、「一万余人」(台湾総督府)、あるいは「一万四千人」(黄昭堂著『台湾民主国の研究』)もが殺されたと見られる。
歴史の悲劇だ。1895年、日本軍を残虐な野蛮人とする流言飛語に惑わされた台湾の民衆は徹底抗戦に出てた。これに対して日本軍も容赦
なき攻撃を加え、多くを殺戮したのだった
その後も反抗は続いたが、諸記録に照らすと日本統治下の五十一年間における「抗日の犠牲者」数は約三万人とするのが妥当らしい。これは国民党の支配下に入った一九四七年の二・二八事件で、同党がわずか一カ月間で殺害した数とほぼ同規模だ。
史実を言えば、台湾人による武装反抗は一九一〇年代には終焉し、台湾社会の安定にともない台湾人人口は急増。一九〇五年に三百五万五千四百六十一人だった人口は一九四三年には六百十三万三千八百六十七人にまで達しているのだから、「六十五万人」との謬説など、台湾人は信用しない。
「六十五万人」説を取り入れる中国寄りの台湾メディア(在台中国人が主導)も見られるが、しかしその数値に内訳が示されたことはないというのもでっち上げである証左だ。
今回歴史教科書の反日化を主導した王暁波・台湾大学哲学科教授(在台中国人)は大胆な歴史捏造の言論で知られる左翼統一派だ。この人物はさまざまな抗日事件の犠牲者数を十倍増、百倍増し、さらには大東亜戦争での三万人の戦死者まで加算した上で、日本統治下の「犠牲者」数を十一万人だと主張している。
しかしその一方では「六十五万人」説に関し、「誇張とは思わない」とも指摘しているのだ。
つまり「南京三十万人大虐殺」と同様なのだ。反日宣伝の強化のためなら事実など気軽に踏み躙るのが中国人の「詐」の民族性である。
■中華民族主義が強調する台湾人抗日のウソ
次のような歴史捏造も行っている。
――― 一九三七年、日本帝国主義の全中国併呑の計略が世に明らかとなると、台湾同胞は次々と祖国大陸の抗戦に身を投じ、八年間の全面抗戦中、抗日に参加した者は二十万人余。大きな影響力を持つ多くの抗日組織を作った。一九三八年冬、台湾義勇隊は大陸で日本軍への武力攻撃を開始し、大きな損害を与えた。
―――まさに張志軍が南京大虐殺言記念館で述べたとおり、中国が日寇入侵で危機に立たされた時、中華民族全体が団結して立ち上がり、巨大な犠牲を払いながら、ついに最後は抗日戦争の偉大なる勝利を勝ち取ったのだ。
―――この段階の歴史に自称「愛台」の台独の人々は無関心だ。台北教育大の元教授で台湾籍の抗日英雄、羅福星の孫である羅秋昭は十四日、「日本人は台湾、韓国を侵略した。韓国人は日本人を見ればとことん憎むが、台湾人はなぜ日本にこれほど憧れ、期待するのか。本当に悲しいことだ」と語った。
ここにある台湾義勇隊とは、李友邦という台湾人が支那事変中に中国で組織した部隊。李友邦は戦後台湾へ戻り、スパイ容疑で国民党政権に銃殺されているが、「抗日戦争勝利六十周年」に当たった二〇〇五年、馬英九主席率いる同党は「中華民族としての台湾人の抗日」顕彰キャンペーンを展開し、この人物を抗日英雄として大々的に宣伝。反日化される歴史教科書でも、この人の抗日活動が記載されることとなる。
しかし台湾義勇隊の参加者は、多い時で六百人とされ、李友邦らが一九四〇年に中国で台湾人の「多くの抗日組織」を糾合して結成した台湾革命同盟会も、参加者は千人ほどだった。したがって「抗日に参加した者は二十万人余」というのは明らかなでっち上げである。「二十万人余」といえば、大東亜戦争中に日本の軍務に服し、日本のために戦った台湾籍軍人、軍属の総数がそれである。
ちなみに「六十五万人台湾人虐殺」との言説は、この台湾義勇隊が一九四五年に開いた「馬関条約五十周年」記念会ですでに飛び出しており、それが反日中国人の間で語り継がれてきたようだ。
2005年、「抗日戦争勝利60周年」を祈念し、国民党本部に掲げられた李友邦の写真
■歴史捏造に染まらない台湾人を憎む中国人
以上のように中国は抗日戦争で台湾人を含む「中華民族全体」が団結し、「偉大なる勝利を勝ち取った」との虚構宣伝を行い、国民党も同様の歴史観に立ち、中華民族主義で歴史教科書を染め上げ、「抗日」という台中共通の歴史的記憶を基に双方の絆を強めさせようと狙っているわけだ。
こうしたものに「台独の人々は無関心」なのは当然だろう。なぜなら台湾人にとっては一顧だに値しない中国人の政治的プロパガンダに過ぎないからだ。
そしてこのような歴史捏造の宣伝に踊らされない台湾人の理性的姿勢に対し、中国、そして国民党は「本当に悲しいことだ」と嘆いて見せるのである。
そしてその嘆きは言うまでもなく、中華民族主義に染まらない台湾人に対する中国人たちの焦燥感の表れでもあるのだ。
「台独」(「一つの中国」を認めない台湾の人々)に対する中国人の憎悪は、ますます深まり行くばかりである。
(つづく)
台湾併呑のテコとしての「反日」―中国論説「台湾は日本時代の真相に立ち帰れ」を読む(上)/附:チャンネル桜の関連報道動画 14/02/20
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2309.html
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【台湾チャンネル】第19回、今も守られる皇族の黒松・中国に応える国民党「反日教科書」[桜H26/2/20]
日本と台湾の交流情報を、日本語と台湾の言語で同時にお送りする情報番組。
今回は、台湾の旧正月の模様を紹介するとともに、北白川宮妃殿下が約100年前に御手植えになった黒松の大木が今も台湾・新竹市によって大切に保護されているという話題を取り上げます。また国民党政権が強引に進める歴史教科書の中国化、反日化の問題に触れ、その動きが中国の日台離間・台湾併呑の戦略に呼応したものであることを指摘します。
キャスター:永山英樹・謝恵芝
台湾との平和統一に向け攻勢を強める中国。馬英九総統(在台中国人)の国民党政権に期待するのは台湾国民の反日化(中国人化)だ。したがって同政権による高校用歴史教科書の反日化の動きは、まさに願ってもないことなのである。
人民日報や新華社が二月十七日に配信した「台湾は日拠の真相に立ち返るべきだ」と題する論評は、国民党政権への援護射撃に他なるまい(「日拠」とは「日本占拠」で、「日本の台湾統治」の不法性を強調する歴史捏造)。
引き続きその内容を見て行こう。いよいよ日本統治時代史の改竄に着手する。
―――実際に日拠史とは胸を打つ悲壮な抗日史に他ならない。歴史家の統計によれば、台湾人民の五十年間の抗日闘争における犠牲者は六十五万人の多きに達している。
中国製「台湾人民の抗日闘争形勢図」。ここに記されている程度の抗日事件で「63万人」もが
虐殺されたというのか
―――馬関条約(※下関条約)後、日本軍は台湾人と半年近く激戦を展開し、ようやく台湾を占領した。その後、全台湾に広がった抗日ゲリラ戦は七年間続き、最後は日本によって残酷な鎮圧を受けた。
「六十五万人台湾人大虐殺」説だ。言うまでもなく、大胆な極まりない歴史捏造宣伝である。
■日本統治下における台湾人人口の急増
二〇〇五年、中国の人民大会堂で行われた「抗日勝利六十周年記念大会」での胡錦濤の演説は、「中国国民党と中国共産党は抗日軍を指導し、それぞれ正面の戦場と敵後方の戦場で作戦任務に就き、日本の侵略者を共同で攻撃する戦略態勢を構築した」と述べるなど、当時の国民党の功績を初めて公式に認めたことで知られる。
つまり国民党との平和統一のためのアピールだったわけだが、その際にも胡錦濤は「日本が台湾を侵略、占領した半世紀において、台湾同胞は絶えず反抗を行い、六十五万人が壮絶な犠牲となった」と指摘していた。
2005年9月、「日本の占領で台湾同胞65万人が犠牲となった」と言ってのけ、
台湾との反日連帯を呼び掛けた胡錦濤主席
しかしこの「六十五万人大虐殺」説について、当の台湾国民の多くは聞いたこともないだろう。
たしかに日本は一八九五年における領台後の約五カ月間で、抵抗する台湾住民を大量に殺戮している。
土地や生命を奪われると誤解した住民や、縄張りを奪われるのを恐れた土匪(山賊)勢力が無謀にも前近代的装備で日本軍に立ち向かい、そのため当時の二百六十万人の人口中、「一万余人」(台湾総督府)、あるいは「一万四千人」(黄昭堂著『台湾民主国の研究』)もが殺されたと見られる。
歴史の悲劇だ。1895年、日本軍を残虐な野蛮人とする流言飛語に惑わされた台湾の民衆は徹底抗戦に出てた。これに対して日本軍も容赦
なき攻撃を加え、多くを殺戮したのだった
その後も反抗は続いたが、諸記録に照らすと日本統治下の五十一年間における「抗日の犠牲者」数は約三万人とするのが妥当らしい。これは国民党の支配下に入った一九四七年の二・二八事件で、同党がわずか一カ月間で殺害した数とほぼ同規模だ。
史実を言えば、台湾人による武装反抗は一九一〇年代には終焉し、台湾社会の安定にともない台湾人人口は急増。一九〇五年に三百五万五千四百六十一人だった人口は一九四三年には六百十三万三千八百六十七人にまで達しているのだから、「六十五万人」との謬説など、台湾人は信用しない。
「六十五万人」説を取り入れる中国寄りの台湾メディア(在台中国人が主導)も見られるが、しかしその数値に内訳が示されたことはないというのもでっち上げである証左だ。
今回歴史教科書の反日化を主導した王暁波・台湾大学哲学科教授(在台中国人)は大胆な歴史捏造の言論で知られる左翼統一派だ。この人物はさまざまな抗日事件の犠牲者数を十倍増、百倍増し、さらには大東亜戦争での三万人の戦死者まで加算した上で、日本統治下の「犠牲者」数を十一万人だと主張している。
しかしその一方では「六十五万人」説に関し、「誇張とは思わない」とも指摘しているのだ。
つまり「南京三十万人大虐殺」と同様なのだ。反日宣伝の強化のためなら事実など気軽に踏み躙るのが中国人の「詐」の民族性である。
■中華民族主義が強調する台湾人抗日のウソ
次のような歴史捏造も行っている。
――― 一九三七年、日本帝国主義の全中国併呑の計略が世に明らかとなると、台湾同胞は次々と祖国大陸の抗戦に身を投じ、八年間の全面抗戦中、抗日に参加した者は二十万人余。大きな影響力を持つ多くの抗日組織を作った。一九三八年冬、台湾義勇隊は大陸で日本軍への武力攻撃を開始し、大きな損害を与えた。
―――まさに張志軍が南京大虐殺言記念館で述べたとおり、中国が日寇入侵で危機に立たされた時、中華民族全体が団結して立ち上がり、巨大な犠牲を払いながら、ついに最後は抗日戦争の偉大なる勝利を勝ち取ったのだ。
―――この段階の歴史に自称「愛台」の台独の人々は無関心だ。台北教育大の元教授で台湾籍の抗日英雄、羅福星の孫である羅秋昭は十四日、「日本人は台湾、韓国を侵略した。韓国人は日本人を見ればとことん憎むが、台湾人はなぜ日本にこれほど憧れ、期待するのか。本当に悲しいことだ」と語った。
ここにある台湾義勇隊とは、李友邦という台湾人が支那事変中に中国で組織した部隊。李友邦は戦後台湾へ戻り、スパイ容疑で国民党政権に銃殺されているが、「抗日戦争勝利六十周年」に当たった二〇〇五年、馬英九主席率いる同党は「中華民族としての台湾人の抗日」顕彰キャンペーンを展開し、この人物を抗日英雄として大々的に宣伝。反日化される歴史教科書でも、この人の抗日活動が記載されることとなる。
しかし台湾義勇隊の参加者は、多い時で六百人とされ、李友邦らが一九四〇年に中国で台湾人の「多くの抗日組織」を糾合して結成した台湾革命同盟会も、参加者は千人ほどだった。したがって「抗日に参加した者は二十万人余」というのは明らかなでっち上げである。「二十万人余」といえば、大東亜戦争中に日本の軍務に服し、日本のために戦った台湾籍軍人、軍属の総数がそれである。
ちなみに「六十五万人台湾人虐殺」との言説は、この台湾義勇隊が一九四五年に開いた「馬関条約五十周年」記念会ですでに飛び出しており、それが反日中国人の間で語り継がれてきたようだ。
2005年、「抗日戦争勝利60周年」を祈念し、国民党本部に掲げられた李友邦の写真
■歴史捏造に染まらない台湾人を憎む中国人
以上のように中国は抗日戦争で台湾人を含む「中華民族全体」が団結し、「偉大なる勝利を勝ち取った」との虚構宣伝を行い、国民党も同様の歴史観に立ち、中華民族主義で歴史教科書を染め上げ、「抗日」という台中共通の歴史的記憶を基に双方の絆を強めさせようと狙っているわけだ。
こうしたものに「台独の人々は無関心」なのは当然だろう。なぜなら台湾人にとっては一顧だに値しない中国人の政治的プロパガンダに過ぎないからだ。
そしてこのような歴史捏造の宣伝に踊らされない台湾人の理性的姿勢に対し、中国、そして国民党は「本当に悲しいことだ」と嘆いて見せるのである。
そしてその嘆きは言うまでもなく、中華民族主義に染まらない台湾人に対する中国人たちの焦燥感の表れでもあるのだ。
「台独」(「一つの中国」を認めない台湾の人々)に対する中国人の憎悪は、ますます深まり行くばかりである。
(つづく)
台湾併呑のテコとしての「反日」―中国論説「台湾は日本時代の真相に立ち帰れ」を読む(上)/附:チャンネル桜の関連報道動画 14/02/20
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【台湾チャンネル】第19回、今も守られる皇族の黒松・中国に応える国民党「反日教科書」[桜H26/2/20]
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今回は、台湾の旧正月の模様を紹介するとともに、北白川宮妃殿下が約100年前に御手植えになった黒松の大木が今も台湾・新竹市によって大切に保護されているという話題を取り上げます。また国民党政権が強引に進める歴史教科書の中国化、反日化の問題に触れ、その動きが中国の日台離間・台湾併呑の戦略に呼応したものであることを指摘します。
キャスター:永山英樹・謝恵芝