習近平の危険な「もう一つの反日攻勢」/「尖閣」「靖国」とともに「台湾」も
2014/02/27/Thu
■報道されない日台の分断の呼び掛け
中国の習近平主席は、財界関係者ら約八十人を率いて訪中した台湾の与党、国民党の連戦名誉主席と北京の釣魚台国賓館で会見した。
連戦は中国の走狗、傀儡として有名だから、この場合は「引見した」といった方が、その日の雰囲気は理解しやすいだろう。
習近平主席に「謁見」した連戦・国民党主席ら傀儡勢力の訪中団。ここで習近平が見せた「重要談話」とは
日本でも、この日習近平は「(前週に)初めて実現した中台の閣僚級会談を踏まえて、台湾側との政治協議を進めたい考えを改めて示し」(NHK)たと報じられたが、具体的にはいったいどのようなメッセージを、連戦との会見を通じて台湾国民に送ったのか。
日共機関紙赤旗は「『台湾同胞が自ら選択した社会制度と生活方式を尊重し、まずは大陸の発展のチャンスを台湾同胞と分かち合いたい』と表明し、『平和統一』には触れず。『現状維持』を求める台湾住民の世論に配慮し、中台の『平和発展』を強調」したと伝えるが、実際にそのようなものだった。
ただ日本では報じられないが、ここで日本国民が注意しなければならないのは、それが「平和統一」(話し合いによる統一)の前提となる「反日」、つまり台湾と日米同盟との分断の呼びかけであることなのだ。
この日の習近平の発言内容は、中共が「中華民族の偉大なる復興という中国の夢を共に叶えよう」と題する「重要談話」として発表しているので、以下に見てみよう。
■強調される日本の台湾への「侵略と占領」
習近平はまず「第一に両岸(台湾と中国)同胞は家族のように親しく、誰も我々の血の繋がりを断ち切ることはできない」とした上で、次のように論じている。
―――台湾同胞は祖先を崇敬し、郷土を愛し、純朴、誠実、勤勉だ。同じ中華民族に属し、中華文化を受け継いでいる。
―――台湾は五十年間にわたり侵略と占領を受けてきたが、台湾同胞は強烈な中華民族意識と牢固たる中華文化の情感を保持し、中華民族であると認めてきた。
―――台湾が如何なる風雨にさらされようとも、そして両岸関係が如何に激動に見舞われようとも、両岸同胞は心の中ではお互いに助け合ってきた。これは両岸同胞の血は水より濃いということだ。
更に「第二に両岸同胞は運命を共にしており、互いに解くことのできない思いがある」と強調し、
―――民族が強勢であることは同胞共通の幸せだ。民族が弱く乱れることは、同胞の共通の禍である。近代以降の数々の風雨を経て、我々はこのことを体得してきた。
―――今年は甲午の年だが、百二十年前の甲午は、中華民族の国力が弱く、台湾は外国に侵略、占領された。これは中華民族の歴史上、極めて悲痛な一頁である。台湾の侵略、占領という苦難の歳月の中、無数の台湾同胞は鮮血と生命を以って自身が中国人であり、中華民族の大家庭の一員であると証明した。
―――この六十数年来、両岸はいまだ統一されていないが、しかし同一国家に属し、同一民族に属する事実は変わっていない。なぜなら我々には中華民族の血が流れ、中華民族の魂を守っているからだ。
言うまでもなく「百二十年前の甲午」とは台湾の日本への割譲をもたらした日清戦争勃発の年のことであり、「五十年間にわたる台湾の侵略と占領」とは日本の台湾統治を指している。
■国民党の反日民族主義を叱咤激励
要するに習近平は、台湾と中国の分離状況の原因を日本の侵略戦争に求め、まずはあの屈辱の歴史を想起し、中華民族意識を高揚させよと台湾国民に呼びかけているのである。
それにしても「中華民族の血」であるとか「中華民族の魂」であるとか、「中華民族」を連呼する中国側のストーカー行為に、吐き気すら催す台湾国民は少なくないはずだ。
どれほど「中華民族の反日意識」を喚起されても、数々の世論調査が実証するように、台湾国民が最も親しみを抱く国は日本であり、最も嫌いな国は中国なのである。
しかしそれに対し、台湾の国民党政権は別である。馬英九総統は中国の反日連携の呼び掛けに応じるように、これまで日本統治時代への批判や、当時の台湾人の「中華民族としての抗日」の顕彰宣伝を行い、最近では高校用の歴史教科書の反日化を決定している。
多くの国民党寄りのマスメディアもそれを支持し、この習近平の「重要談話」に対してもきわめて好意的だ。
馬英九政権は中国と歩調を合わせ、台湾史の教科書に「大中国史観」そして
それに伴う「反日史観」を導入し、生徒の中国人化を狙う。
習近平もそうした国民党勢力の蠢きに大きな期待を寄せながら、「更に励め」と叱咤激励したのが、こうしたアピールなのだろう。
■台湾国民への利益誘導と恫喝メッセージ
もちろん台湾国民に対する籠絡も忘れていない。
―――台湾同胞が自身の歴史や社会環境などからの特別な思いがあり、家の主になりたいという強烈な意識があり、台湾現行の社会制度、生活様式を大切にし、安寧で幸福な生活を送りたがっていることは知っている。
―――我々は台湾同胞が選択した社会制度、生活様式を尊重し、また先ずは台湾同胞に大陸での発展のチャンスをもたらしたいと願っている。歴史は選択できないが、しかしい現在は掌握できるし、未来も切り開くことはできる。
赤旗が「『現状維持』を求める台湾住民の世論に配慮」と伝えたのは、まさにこのくだりである。目的はすなわち、台湾国民から警戒心を取り除くことにあるのだ。
もっともこれは鄧小平以来の「一国二制度」の呼び掛けの踏襲であり、あくまでも「平和統一」に引き込もうとする中国側の詐術に過ぎない。
さらに台湾国民に対するアピールは続く。
「第三に両岸同胞は心を合わせて協力し、両岸関係の平和的発展の推進を継続すること」と呼び掛け、こう論じる。
―――この五年余において両岸同胞は共に両岸関係と平和的発展の道を選択し、利益を得てきた。これが両岸の平和、発展、民族復興にとって正確な道のりであったことは事実が証明している。
―――九二年コンセンサス(※「一つの中国」の合意とされるもの)と台湾独立に反対するという共通の基礎に基づき、「一つの中国」の枠を維持するとの認識を深めなければならない。もしこの基礎を破壊するなら、両岸関係は再び波立つ不安な状況に戻ることだろう。
つまり、国民党政権の「一つの中国」の枠内における関係改善路線であれば、台湾に平和と安定、そして大きな経済的利益をもたらすが、しかし台湾独立(台湾を主権国家とし、統一を拒否すること)を掲げるなら、かつてのように緊張を高めてやるぞという、いつもながらの利益誘導と恫喝を兼ねた揺さぶりである。
■「中国の夢」は台湾の奪取と日本の属国化
―――両岸間には長期的な政治上の異なりが存在するが、我々は「一つの中国」の枠内であれば、台湾側と対等な協議を行いたいと思っている。どのような考えの人々とも交流できる。
これは中国側が「台湾独立」勢力と看做す野党民進党に対するアピールだ。つまり「一つの中国」を容認すれば、民進党とでも関係を改善して交流し、有権者の前で花(政治的実績)を持たせてやるし、「将来のお前らの安全も保障してやる」こともできるとの籠絡である。
中国は日米同盟との連携強化を目指す民進党が二〇一六年の総統選挙で政権を握る可能性も視野に入れ、その取り込み工作を推進し、徐々に成果を上げているところである。
そして最後に習近平はこう呼び掛けるのだ。
「第四に、両岸同胞は手を携え心を共にし、中華民族の偉大なる復興という中国の夢を叶えなければならない」と。
―――国家の富強、民族の振興、人民の幸福を実現することは近代以来の中国人の願望である。
「中華民族の偉大なる復興」とは習近平派掲げる国家目標だが、ここにもあるようにそれは「国家の富強、民族の振興」を意味している。
つまり中華人民共和国は中華民族主義を高揚させ、かつての中華帝国のようにアジアの盟主として君臨して人民を満足させ、政権の基盤を強固たらしめようというわけだ。
具体的に言えば、歴代の中華帝国中で最大だった大清帝国の版図を回復しようということである。その版図は分割した帝国主義への民族的復仇心をバネに、南モンゴル、チベット、東トルキスタンに続いて台湾をも回復させ、この島を取ることで東支那海、南支那海をも支配し、西太平洋にまで勢力を伸張させ、米国をアジアから駆逐し、日本を孤立させてその影響下に組み込み、アジアの覇者になるという「中国の夢」の実現に向け、軍備拡張に勤しんでいるのが目下の習近平なのである。
■日本の安全を脅かすもう一つの反日攻勢
習近平総書記の就任に対する馬英九総統の祝辞。彼も「中華民族の復興」を呼び掛けた
ところがその習近平の「夢」の妨げの大きな一つが台湾国民の台湾人意識の高揚なのだ。それは反中国意識の高まりに直結するとともに、文化、価値観(近代文化)が近い日本への親近感を強化するものである。
だからこそ習近平は「中華民族」を連呼し、台湾に対する日本の「侵略、占領」への恨みを喚起させるのだ。
現在習近平政権は民族的復仇心を煽りながら、尖閣諸島、靖国神社問題を巡って反日政策を強化しつつあるも、安倍晋三政権の妥協なき姿勢に攻めあぐんでいるところだが、しかしその一方で台湾に対し、ここまで反日攻勢を強化していることに、警戒心を抱く日本国民は果たしてどれだけいるのだろうか。
安倍晋三首相は昨年八月、バーレーンで会談した米海軍第五艦隊のミラー司令官に対し「ペルシャ湾、ホルムズ海峡の安定は世界の経済に大きな影響があり、日本にとっては死活的問題だ」と語り、シーレーン防衛の重要性を強調したが、台湾もまたそのシーレーンを完全に扼すことのできる位置を占めているのである。
その意味では尖閣諸島以上に台湾は、日本の安全に死活的に関わる島なのだが。
*******************************************
ブログランキング参加中
運動を拡大したいので、
よろしければクリックをお願いします。
↓↓
モバイルはこちら → http://blog.with2.net/link.php
link.php
メルマガ版「台湾は日本の生命線!」のご案内
ブログ掲載記事や活動情報などを毎日配信中。是非お読みください。
登録(無料)→http://melma.com/backnumber_174014/
■台湾 2・28 時局講演会
日時 平成26年3月2日(日) 14時00分~16時30分 (13時30分開場)
場所 京王プラザホテル 南館4階 錦の間
http://www.keioplaza.co.jp/
講師 蔡焜霖(蔡焜燦氏の実弟)
演題 「台湾の白色テロ 1950年代 ― その実情と現代における意義」
※ 使用言語:日本語
参加費 1,000円 (学生無料)
懇親会
時間:17時00分~19時00分
場所:住友新宿ビル(三角ビル) 49階 「番屋」
会費:4,000円
主催 台湾独立建国聯盟日本本部 TEL 03-3351-2757
■第2回 誰にでもできる台湾料理講座
【日時】3月9日(日)11時30分~14時30分
【場所】 文京福祉センター6階料理教室
(東京都文京区音羽1-22-14)
http://www.city.bunkyo.lg.jp/gmap/detail.php?id=1757
交通:地下鉄有楽町線「護国寺駅」または「江戸川橋駅」徒歩8分(いずれの駅からも600メートル。音羽通り沿い)
【講師】 謝恵芝さん(「台湾チャンネル」キャスター)
張馨文さん(通訳官、文化講師)
【献立】 台湾風水餃子など台湾の家庭料理を数点。
【定員】50名
【参加費】会員、一般ともに1000円
【申込み】必須
準備の都合がありますので、3月7日まで下記へお申し込みください。
[email protected]
【主催】台湾研究フォーラム
【問合せ】070-6484-2624
中国の習近平主席は、財界関係者ら約八十人を率いて訪中した台湾の与党、国民党の連戦名誉主席と北京の釣魚台国賓館で会見した。
連戦は中国の走狗、傀儡として有名だから、この場合は「引見した」といった方が、その日の雰囲気は理解しやすいだろう。
習近平主席に「謁見」した連戦・国民党主席ら傀儡勢力の訪中団。ここで習近平が見せた「重要談話」とは
日本でも、この日習近平は「(前週に)初めて実現した中台の閣僚級会談を踏まえて、台湾側との政治協議を進めたい考えを改めて示し」(NHK)たと報じられたが、具体的にはいったいどのようなメッセージを、連戦との会見を通じて台湾国民に送ったのか。
日共機関紙赤旗は「『台湾同胞が自ら選択した社会制度と生活方式を尊重し、まずは大陸の発展のチャンスを台湾同胞と分かち合いたい』と表明し、『平和統一』には触れず。『現状維持』を求める台湾住民の世論に配慮し、中台の『平和発展』を強調」したと伝えるが、実際にそのようなものだった。
ただ日本では報じられないが、ここで日本国民が注意しなければならないのは、それが「平和統一」(話し合いによる統一)の前提となる「反日」、つまり台湾と日米同盟との分断の呼びかけであることなのだ。
この日の習近平の発言内容は、中共が「中華民族の偉大なる復興という中国の夢を共に叶えよう」と題する「重要談話」として発表しているので、以下に見てみよう。
■強調される日本の台湾への「侵略と占領」
習近平はまず「第一に両岸(台湾と中国)同胞は家族のように親しく、誰も我々の血の繋がりを断ち切ることはできない」とした上で、次のように論じている。
―――台湾同胞は祖先を崇敬し、郷土を愛し、純朴、誠実、勤勉だ。同じ中華民族に属し、中華文化を受け継いでいる。
―――台湾は五十年間にわたり侵略と占領を受けてきたが、台湾同胞は強烈な中華民族意識と牢固たる中華文化の情感を保持し、中華民族であると認めてきた。
―――台湾が如何なる風雨にさらされようとも、そして両岸関係が如何に激動に見舞われようとも、両岸同胞は心の中ではお互いに助け合ってきた。これは両岸同胞の血は水より濃いということだ。
更に「第二に両岸同胞は運命を共にしており、互いに解くことのできない思いがある」と強調し、
―――民族が強勢であることは同胞共通の幸せだ。民族が弱く乱れることは、同胞の共通の禍である。近代以降の数々の風雨を経て、我々はこのことを体得してきた。
―――今年は甲午の年だが、百二十年前の甲午は、中華民族の国力が弱く、台湾は外国に侵略、占領された。これは中華民族の歴史上、極めて悲痛な一頁である。台湾の侵略、占領という苦難の歳月の中、無数の台湾同胞は鮮血と生命を以って自身が中国人であり、中華民族の大家庭の一員であると証明した。
―――この六十数年来、両岸はいまだ統一されていないが、しかし同一国家に属し、同一民族に属する事実は変わっていない。なぜなら我々には中華民族の血が流れ、中華民族の魂を守っているからだ。
言うまでもなく「百二十年前の甲午」とは台湾の日本への割譲をもたらした日清戦争勃発の年のことであり、「五十年間にわたる台湾の侵略と占領」とは日本の台湾統治を指している。
■国民党の反日民族主義を叱咤激励
要するに習近平は、台湾と中国の分離状況の原因を日本の侵略戦争に求め、まずはあの屈辱の歴史を想起し、中華民族意識を高揚させよと台湾国民に呼びかけているのである。
それにしても「中華民族の血」であるとか「中華民族の魂」であるとか、「中華民族」を連呼する中国側のストーカー行為に、吐き気すら催す台湾国民は少なくないはずだ。
どれほど「中華民族の反日意識」を喚起されても、数々の世論調査が実証するように、台湾国民が最も親しみを抱く国は日本であり、最も嫌いな国は中国なのである。
しかしそれに対し、台湾の国民党政権は別である。馬英九総統は中国の反日連携の呼び掛けに応じるように、これまで日本統治時代への批判や、当時の台湾人の「中華民族としての抗日」の顕彰宣伝を行い、最近では高校用の歴史教科書の反日化を決定している。
多くの国民党寄りのマスメディアもそれを支持し、この習近平の「重要談話」に対してもきわめて好意的だ。
馬英九政権は中国と歩調を合わせ、台湾史の教科書に「大中国史観」そして
それに伴う「反日史観」を導入し、生徒の中国人化を狙う。
習近平もそうした国民党勢力の蠢きに大きな期待を寄せながら、「更に励め」と叱咤激励したのが、こうしたアピールなのだろう。
■台湾国民への利益誘導と恫喝メッセージ
もちろん台湾国民に対する籠絡も忘れていない。
―――台湾同胞が自身の歴史や社会環境などからの特別な思いがあり、家の主になりたいという強烈な意識があり、台湾現行の社会制度、生活様式を大切にし、安寧で幸福な生活を送りたがっていることは知っている。
―――我々は台湾同胞が選択した社会制度、生活様式を尊重し、また先ずは台湾同胞に大陸での発展のチャンスをもたらしたいと願っている。歴史は選択できないが、しかしい現在は掌握できるし、未来も切り開くことはできる。
赤旗が「『現状維持』を求める台湾住民の世論に配慮」と伝えたのは、まさにこのくだりである。目的はすなわち、台湾国民から警戒心を取り除くことにあるのだ。
もっともこれは鄧小平以来の「一国二制度」の呼び掛けの踏襲であり、あくまでも「平和統一」に引き込もうとする中国側の詐術に過ぎない。
さらに台湾国民に対するアピールは続く。
「第三に両岸同胞は心を合わせて協力し、両岸関係の平和的発展の推進を継続すること」と呼び掛け、こう論じる。
―――この五年余において両岸同胞は共に両岸関係と平和的発展の道を選択し、利益を得てきた。これが両岸の平和、発展、民族復興にとって正確な道のりであったことは事実が証明している。
―――九二年コンセンサス(※「一つの中国」の合意とされるもの)と台湾独立に反対するという共通の基礎に基づき、「一つの中国」の枠を維持するとの認識を深めなければならない。もしこの基礎を破壊するなら、両岸関係は再び波立つ不安な状況に戻ることだろう。
つまり、国民党政権の「一つの中国」の枠内における関係改善路線であれば、台湾に平和と安定、そして大きな経済的利益をもたらすが、しかし台湾独立(台湾を主権国家とし、統一を拒否すること)を掲げるなら、かつてのように緊張を高めてやるぞという、いつもながらの利益誘導と恫喝を兼ねた揺さぶりである。
■「中国の夢」は台湾の奪取と日本の属国化
―――両岸間には長期的な政治上の異なりが存在するが、我々は「一つの中国」の枠内であれば、台湾側と対等な協議を行いたいと思っている。どのような考えの人々とも交流できる。
これは中国側が「台湾独立」勢力と看做す野党民進党に対するアピールだ。つまり「一つの中国」を容認すれば、民進党とでも関係を改善して交流し、有権者の前で花(政治的実績)を持たせてやるし、「将来のお前らの安全も保障してやる」こともできるとの籠絡である。
中国は日米同盟との連携強化を目指す民進党が二〇一六年の総統選挙で政権を握る可能性も視野に入れ、その取り込み工作を推進し、徐々に成果を上げているところである。
そして最後に習近平はこう呼び掛けるのだ。
「第四に、両岸同胞は手を携え心を共にし、中華民族の偉大なる復興という中国の夢を叶えなければならない」と。
―――国家の富強、民族の振興、人民の幸福を実現することは近代以来の中国人の願望である。
「中華民族の偉大なる復興」とは習近平派掲げる国家目標だが、ここにもあるようにそれは「国家の富強、民族の振興」を意味している。
つまり中華人民共和国は中華民族主義を高揚させ、かつての中華帝国のようにアジアの盟主として君臨して人民を満足させ、政権の基盤を強固たらしめようというわけだ。
具体的に言えば、歴代の中華帝国中で最大だった大清帝国の版図を回復しようということである。その版図は分割した帝国主義への民族的復仇心をバネに、南モンゴル、チベット、東トルキスタンに続いて台湾をも回復させ、この島を取ることで東支那海、南支那海をも支配し、西太平洋にまで勢力を伸張させ、米国をアジアから駆逐し、日本を孤立させてその影響下に組み込み、アジアの覇者になるという「中国の夢」の実現に向け、軍備拡張に勤しんでいるのが目下の習近平なのである。
■日本の安全を脅かすもう一つの反日攻勢
習近平総書記の就任に対する馬英九総統の祝辞。彼も「中華民族の復興」を呼び掛けた
ところがその習近平の「夢」の妨げの大きな一つが台湾国民の台湾人意識の高揚なのだ。それは反中国意識の高まりに直結するとともに、文化、価値観(近代文化)が近い日本への親近感を強化するものである。
だからこそ習近平は「中華民族」を連呼し、台湾に対する日本の「侵略、占領」への恨みを喚起させるのだ。
現在習近平政権は民族的復仇心を煽りながら、尖閣諸島、靖国神社問題を巡って反日政策を強化しつつあるも、安倍晋三政権の妥協なき姿勢に攻めあぐんでいるところだが、しかしその一方で台湾に対し、ここまで反日攻勢を強化していることに、警戒心を抱く日本国民は果たしてどれだけいるのだろうか。
安倍晋三首相は昨年八月、バーレーンで会談した米海軍第五艦隊のミラー司令官に対し「ペルシャ湾、ホルムズ海峡の安定は世界の経済に大きな影響があり、日本にとっては死活的問題だ」と語り、シーレーン防衛の重要性を強調したが、台湾もまたそのシーレーンを完全に扼すことのできる位置を占めているのである。
その意味では尖閣諸島以上に台湾は、日本の安全に死活的に関わる島なのだが。
*******************************************
ブログランキング参加中
運動を拡大したいので、
よろしければクリックをお願いします。
↓↓
モバイルはこちら → http://blog.with2.net/link.php
link.php
メルマガ版「台湾は日本の生命線!」のご案内
ブログ掲載記事や活動情報などを毎日配信中。是非お読みください。
登録(無料)→http://melma.com/backnumber_174014/
■台湾 2・28 時局講演会
日時 平成26年3月2日(日) 14時00分~16時30分 (13時30分開場)
場所 京王プラザホテル 南館4階 錦の間
http://www.keioplaza.co.jp/
講師 蔡焜霖(蔡焜燦氏の実弟)
演題 「台湾の白色テロ 1950年代 ― その実情と現代における意義」
※ 使用言語:日本語
参加費 1,000円 (学生無料)
懇親会
時間:17時00分~19時00分
場所:住友新宿ビル(三角ビル) 49階 「番屋」
会費:4,000円
主催 台湾独立建国聯盟日本本部 TEL 03-3351-2757
■第2回 誰にでもできる台湾料理講座
【日時】3月9日(日)11時30分~14時30分
【場所】 文京福祉センター6階料理教室
(東京都文京区音羽1-22-14)
http://www.city.bunkyo.lg.jp/gmap/detail.php?id=1757
交通:地下鉄有楽町線「護国寺駅」または「江戸川橋駅」徒歩8分(いずれの駅からも600メートル。音羽通り沿い)
【講師】 謝恵芝さん(「台湾チャンネル」キャスター)
張馨文さん(通訳官、文化講師)
【献立】 台湾風水餃子など台湾の家庭料理を数点。
【定員】50名
【参加費】会員、一般ともに1000円
【申込み】必須
準備の都合がありますので、3月7日まで下記へお申し込みください。
[email protected]
【主催】台湾研究フォーラム
【問合せ】070-6484-2624