中国の憎悪浴びる民進党・蘇貞昌主席が来日―石破茂幹事長らと安保政策でコンセンサス
2013/02/08/Fri
■「統一」を求める中国の前で低下する台湾の抵抗力
台湾解放・中国統一を建国以来の国家目標に掲げる中国だが、あの小さな島をいまだに併呑できないでいるのは、やはりそこが米軍(或いは日米同盟)に守られているからだ。
そこで中国は目下、東亜への米軍投入を防ぐべく「接近阻止・領域拒否」戦略で軍備増強に勤しむ一方、「戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者なり」とばかりに、台湾に対して平和統一の謀略をかつてないほど強化している。
「台湾当局は08年の馬英九・国民党政権の発足を機に、急速に中国に接近。中国人団体観光客の受け入れやECFA締結などを実現した。金融分野でも規制を緩和し、経済交流を加速する方針」(日経、一月二十九日)で、こうした台中の接近は「関係改善」「融和」と呼ばれるわけだが、しかしそれは同時に中国の領土拡張政策の前での台湾の抵抗力減退ともいえる。事実、「台湾側の接近は将来の『統一』を目指す中国にも好都合。今後は経済面での融和はある程度進んだとみて、和平協定など政治面でも実績づくりを目指すとみられ」(同)る状況である。
たとえば昨年十月八日の中共党大会では胡錦濤総書記も退任前演説で、台湾に「平和協定の達成」を呼び掛けている。そしてこれに対して馬英九総統も同日、「中華民族の復興の大業はまだ途上。両岸人民の更なる努力が待たれる」などとするメッセージを胡錦濤氏に送った。
言うまでもなく「中華民族の復興」とは「統一達成」の意味を含む中共お気に入りのスローガン。こうした明らかに民意をも無視する阿り姿勢自体、台湾の「抵抗力」低下を意味するものだ。
そしてだからこそ、尖閣諸島問題においても、国民党政権による「聯共抗日」(中共との反日連携)を懸念する声が日本、米国、そして台湾で高まっているわけだが、そうしたなか、最大野党で中国から台湾独立派と警戒される民進党の蘇貞昌主席が二月三日から七日まで訪日した。
民進党主席就任後の初の訪問先として日本を選んだ蘇貞昌氏
■日本の議員の賛同受けた蘇氏の「民主同盟関係」論
昨年五月の就任後、最初の外遊先として中国と対立を深める日本を選んだわけだが、その目的について自身は「まず周辺国との民主同盟を強化し、共同で地域の安全と繁栄を守りたい」と説明している。
四日には自民党本部で石破茂幹事長と会見した。
蘇氏の同行者によると、この時石破氏は「台湾へは十数回訪問し、日台の安全問題はよく理解している。地域の安全、安定、繁栄のため、外交、貿易問題、さらには安保問題においても必ず台湾を考慮に入れる」と語った。これに対して蘇氏も「今回の訪日の目的は台湾と日本、そして米国、韓国と民主同盟関係を強化することだ」と応じた。
自民党の石破幹事長を訪問。安保問題などで意見交換
蘇氏は会見後、「石破氏とはコンセンサスを得た」と満足気。
その後も与野党の議員ら約七十名とも会見を重ねているが、「民主、自由、人権などの価値観に基づく民主同盟関係で、その他の勢力(中国)が地域の緊張を高めるのを防止する」との訴えは、ひとしく賛意を受けたと報じられている。
平沼赳夫衆議院議員(右2)ら日華議員懇談会のメンバーとも
平田健二参院議長(民主)は開口一番、東日本大震災時の台湾官民からの支援に感謝を述べた
■台湾メディアの関心は安倍政権の対台湾姿勢
五日の自民党の日台若手議連のメンバーとの会見でもそうだった。
メンバーからは「日本が中東から輸入するエネルギー資源は台湾を通過する。だから台湾の戦略的位置はとても重要だ」「日米安保の中でも、日本と台湾との信頼関係は強める必要がある」と言った声が相次いだ。
会見後、台湾のメディアから次々と質問を浴びせられたのが同議連の会長で、安倍晋三首相の実弟である岸信夫参議院議員だった。「首相から蘇氏への伝言はあったか」「首相は蘇氏の民主同盟の考えを知っているか」などと聞かれ、「機会があれば蘇氏との話の内容は報告する」と答えた岸氏。「石破氏は台湾を安保政策内に組み入れると述べたことをどう見るか」との質問には次のように言葉をやや濁した。
右から三人目が岸参院議員。一人目は許世楷元駐日代表
「原則的には石破氏の考えに賛成する。しかし彼の話した内容は、アジア太平洋地域の安全を考える際、台湾を論じざるを得ないということ。つまり台湾を十分に理解しなければ地域の安保は論じられないということであり、台湾を日米安保体系に組み入れると言ったのではない」
要するに「安倍政権は日米安保条約の適用範囲内に台湾を組み入れる考えか」という質問だ。これに「台湾はもちろん範囲内だ」だとは答えれば、中国の無用な反撥を招きかねないとの判断だろう。何しろあの国は二〇〇五年、日米2プラス2で策定の「共通の戦略目標」に「台湾海峡問題の平和的解決を促す」との文言が含められただけで、国内で反日デモを発動させている。
台湾のニュースサイト「新頭殻」は岸氏の発言を受け、「二〇〇五年、当時の安倍晋三幹事長代理は、『日米が台湾への武力侵犯を座視すると思うなら間違い。日本の周辺事態が我々の安全を脅かすなら、日本が米軍を支援する』と発言した」とコメント。安倍政権が台湾有事に関与する可能性を指摘した。
■尖閣問題で抗議しない蘇氏に激怒する中国政府
さて蘇氏の訪日を巡り、台湾や中国が注目した一つが、日台が対立する尖閣諸島問題でいかなる発言を行うかだったのだが、四日に会見した石破氏や平沼赳夫衆議院議員らに対し、いかに言及したかが報じられなかった(石破氏との会見では、発言なしとも伝えられた)。
そこで翌五日、これに早速非難の声を上げたのが中国の国務院台湾事務弁公室の范麗青報道官だった。「釣魚島を守れというのは両岸共通の心の声。もし私利に走り、民族の気骨を失い、迎合して意志を曲げるなら、必ず中華民族の一致した譴責を受けることになろう」とヒステリックにまくしたてた。
早速非難の声を上げた中国国台弁の范麗青報道官。蘇氏の言動を監
視していたことがうかがえる
実際には蘇氏は、この問題に言及している。
五日に民主党の細野豪志幹事長との会見では「主権問題で双方の認識は異なるが、しかし台日間の緊張をこれ以上高めるべきではない」とし、「漁業権交渉を直ちに再開すべきだ。不必要なトラブルを起こし、第三国に乗じる隙を与えてはならない」と訴えている。
第三国(中国)を切り離して問題解決を図るという意味では、日台中の話し合いを提唱した馬英九総統の東支那海平和イニシアチブとは大きく異なるアピールだった。
そこでこれにも中国側は獰猛に噛みついてきた。たとえば中国社会科学院台湾研究所の王建民研究員が六日に発表した論評はそれだ。
■日米との連帯図る台湾人への中国人の激しい憎しみ
日米と提携して中国と対抗し、台湾の生存を確保しようとする台湾人に対し、中国人がいかに憎悪の炎を燃やしているかが伝わってくるので、その一部を紹介してみたい。
「次の指導者選挙を視野にした今回の日本への旅は、喪権辱格(主権を放棄する恥辱)の旅であり、媚日抗中の旅であり、失敗の旅だ」
「蘇は何かにつけ『台湾を愛する』『主権を守る』とも言って来たが、日本人の前では敢えて正面から釣魚島の主権に関する立場の表明を避け、『台湾宜蘭県の管轄だ』とも主張せず、『漁民の権益が優先だ』としか言わなかったが、これが台湾を愛する者の言葉か。主権を放棄して何が漁業権だ。台湾を愛するなど嘘で、政治利益と権力の獲得が本当の目的。かつて台湾を占領し、今では釣魚島を不法占領する日本への投降を厭わない。これは全くの歴史パロディ、全くの悲哀だ」
「主権を犠牲にして民進党と日本右翼勢力と連合し、日米と所謂民主同盟を締結し、大陸に対処しようとしている。台湾の利益を考えず、釣魚島の権益を争わず、ただ媚日抗中を求めるだけ」
このように、とても学者の書いたものとは思えない激越な脅迫文だが、新華社をはじめとする中国メディアはこんなものの全文を配信しているのだ。
■なぜ日本メディアは台湾の連帯メッセージを報じない
上の論評が触れた中国の所謂「次の指導者選挙」とは、二〇一六年に行われる台湾総統選挙のことだ。そこでもし蘇氏らの民進党候補者が政権を奪取するなら、これまで中国が国民党政権に対して進めてきた平和統一工作は暗礁に乗り上げ、台湾はふたたび日米と「抗中」で提携する国家へと戻りかねない。
そのため中国は何としてでも、総統選挙前までに統一(平和協定)の道筋を付けたいところだ。
そしてそこにおいては同時に、台湾と日米とを離間させるさまざまな謀略もますます強化することだろう。たとえば尖閣諸島問題における台湾との連携などは、まさに格好の戦略といえる。蘇氏がこの問題で「第三国が乗じる隙を与えるな」と訴えたのも、そうした局面を警戒するものに他なるまい。
だからこそ日本側は、今回蘇氏が日本で発信した連帯のメッセージをしっかりと受け止めなければならない。そしてその上で今後の日台の戦略的関係の在り方を求めて行かなければならないはずなのだが、しかし日本のマスメディアは蘇氏の訪日をほとんど取り上げなかったようだ。
台湾の動向は日本の安保にとって死活的に重要であるにも関わらず、小国の野党党首の訪問など報道に値しないと考えたのなら、あまりにも不見識である。あるいは報道して中国の反撥を受けるのを恐れたというなら、もはや返す言葉もない。
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第56回埼玉建国祭の御案内
埼玉県民、ならびに近県の方の御参列をお待ちします。
日時 平成25年2月11日(月・祝) 14時00分~18時30分
場所 さいたま共済会館 6階
http://www.saitama-ctv-kyosai.net/introduction/kaikan.html
さいたま市浦和区岸町7丁目5-14(JR「浦和」駅西口 徒歩7分)
内容
・紀元節祭 14時00分~15時00分
・記念講演 15時00分~16時30分
講師:佐波優子(日本文化チャンネル桜キャスター)
演題:「ことほぎの春 ~ 日本人として生まれた幸せ」
・直会(懇親会) 16時30分~18時30分
会費 紀元節祭玉串料 1,000円 直会 500円
主催 埼玉建国奉祝会
後援 頑張れ日本!全国行動委員会埼玉県本部、日本会議埼玉県本部
お問合せ TEL 070-6484-2624
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尖閣諸島の攻略を目指す中国の海洋拡張戦略
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「台湾当局は08年の馬英九・国民党政権の発足を機に、急速に中国に接近。中国人団体観光客の受け入れやECFA締結などを実現した。金融分野でも規制を緩和し、経済交流を加速する方針」(日経、一月二十九日)で、こうした台中の接近は「関係改善」「融和」と呼ばれるわけだが、しかしそれは同時に中国の領土拡張政策の前での台湾の抵抗力減退ともいえる。事実、「台湾側の接近は将来の『統一』を目指す中国にも好都合。今後は経済面での融和はある程度進んだとみて、和平協定など政治面でも実績づくりを目指すとみられ」(同)る状況である。
たとえば昨年十月八日の中共党大会では胡錦濤総書記も退任前演説で、台湾に「平和協定の達成」を呼び掛けている。そしてこれに対して馬英九総統も同日、「中華民族の復興の大業はまだ途上。両岸人民の更なる努力が待たれる」などとするメッセージを胡錦濤氏に送った。
言うまでもなく「中華民族の復興」とは「統一達成」の意味を含む中共お気に入りのスローガン。こうした明らかに民意をも無視する阿り姿勢自体、台湾の「抵抗力」低下を意味するものだ。
そしてだからこそ、尖閣諸島問題においても、国民党政権による「聯共抗日」(中共との反日連携)を懸念する声が日本、米国、そして台湾で高まっているわけだが、そうしたなか、最大野党で中国から台湾独立派と警戒される民進党の蘇貞昌主席が二月三日から七日まで訪日した。
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■日本の議員の賛同受けた蘇氏の「民主同盟関係」論
昨年五月の就任後、最初の外遊先として中国と対立を深める日本を選んだわけだが、その目的について自身は「まず周辺国との民主同盟を強化し、共同で地域の安全と繁栄を守りたい」と説明している。
四日には自民党本部で石破茂幹事長と会見した。
蘇氏の同行者によると、この時石破氏は「台湾へは十数回訪問し、日台の安全問題はよく理解している。地域の安全、安定、繁栄のため、外交、貿易問題、さらには安保問題においても必ず台湾を考慮に入れる」と語った。これに対して蘇氏も「今回の訪日の目的は台湾と日本、そして米国、韓国と民主同盟関係を強化することだ」と応じた。
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五日の自民党の日台若手議連のメンバーとの会見でもそうだった。
メンバーからは「日本が中東から輸入するエネルギー資源は台湾を通過する。だから台湾の戦略的位置はとても重要だ」「日米安保の中でも、日本と台湾との信頼関係は強める必要がある」と言った声が相次いだ。
会見後、台湾のメディアから次々と質問を浴びせられたのが同議連の会長で、安倍晋三首相の実弟である岸信夫参議院議員だった。「首相から蘇氏への伝言はあったか」「首相は蘇氏の民主同盟の考えを知っているか」などと聞かれ、「機会があれば蘇氏との話の内容は報告する」と答えた岸氏。「石破氏は台湾を安保政策内に組み入れると述べたことをどう見るか」との質問には次のように言葉をやや濁した。
右から三人目が岸参院議員。一人目は許世楷元駐日代表
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台湾のニュースサイト「新頭殻」は岸氏の発言を受け、「二〇〇五年、当時の安倍晋三幹事長代理は、『日米が台湾への武力侵犯を座視すると思うなら間違い。日本の周辺事態が我々の安全を脅かすなら、日本が米軍を支援する』と発言した」とコメント。安倍政権が台湾有事に関与する可能性を指摘した。
■尖閣問題で抗議しない蘇氏に激怒する中国政府
さて蘇氏の訪日を巡り、台湾や中国が注目した一つが、日台が対立する尖閣諸島問題でいかなる発言を行うかだったのだが、四日に会見した石破氏や平沼赳夫衆議院議員らに対し、いかに言及したかが報じられなかった(石破氏との会見では、発言なしとも伝えられた)。
そこで翌五日、これに早速非難の声を上げたのが中国の国務院台湾事務弁公室の范麗青報道官だった。「釣魚島を守れというのは両岸共通の心の声。もし私利に走り、民族の気骨を失い、迎合して意志を曲げるなら、必ず中華民族の一致した譴責を受けることになろう」とヒステリックにまくしたてた。
早速非難の声を上げた中国国台弁の范麗青報道官。蘇氏の言動を監
視していたことがうかがえる
実際には蘇氏は、この問題に言及している。
五日に民主党の細野豪志幹事長との会見では「主権問題で双方の認識は異なるが、しかし台日間の緊張をこれ以上高めるべきではない」とし、「漁業権交渉を直ちに再開すべきだ。不必要なトラブルを起こし、第三国に乗じる隙を与えてはならない」と訴えている。
第三国(中国)を切り離して問題解決を図るという意味では、日台中の話し合いを提唱した馬英九総統の東支那海平和イニシアチブとは大きく異なるアピールだった。
そこでこれにも中国側は獰猛に噛みついてきた。たとえば中国社会科学院台湾研究所の王建民研究員が六日に発表した論評はそれだ。
■日米との連帯図る台湾人への中国人の激しい憎しみ
日米と提携して中国と対抗し、台湾の生存を確保しようとする台湾人に対し、中国人がいかに憎悪の炎を燃やしているかが伝わってくるので、その一部を紹介してみたい。
「次の指導者選挙を視野にした今回の日本への旅は、喪権辱格(主権を放棄する恥辱)の旅であり、媚日抗中の旅であり、失敗の旅だ」
「蘇は何かにつけ『台湾を愛する』『主権を守る』とも言って来たが、日本人の前では敢えて正面から釣魚島の主権に関する立場の表明を避け、『台湾宜蘭県の管轄だ』とも主張せず、『漁民の権益が優先だ』としか言わなかったが、これが台湾を愛する者の言葉か。主権を放棄して何が漁業権だ。台湾を愛するなど嘘で、政治利益と権力の獲得が本当の目的。かつて台湾を占領し、今では釣魚島を不法占領する日本への投降を厭わない。これは全くの歴史パロディ、全くの悲哀だ」
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内容
・紀元節祭 14時00分~15時00分
・記念講演 15時00分~16時30分
講師:佐波優子(日本文化チャンネル桜キャスター)
演題:「ことほぎの春 ~ 日本人として生まれた幸せ」
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会費 紀元節祭玉串料 1,000円 直会 500円
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