日本には脅威/国民党の「中国統一」志向を警戒せよ
2013/06/15/Sat
台湾の国民党の呉伯雄名誉主席は六月十二から十四日にかけ、同党代表団を率いて訪中。十三日には人民大会堂で共産党の習近平総書記と「国共会談」。中国と台湾(国民党政権)との連携強化は、中国の「統一」(台湾併呑)攻勢の強化の表れでもあり、日本や米国には安全保障上の脅威と映る。
習近平主席と会見した呉伯雄・国民党名誉主席。呉氏は台湾人だが心は完全に中国人。国民党の中国人化政策で純粋培
養されたケースだろう
ただ「将来の統一を目指す中国は馬政権と政治対話を進めたい意向だが、残り任期3年の馬氏が積極的に応じる見通しはない」(共同)と予測された通り、「領土、主権、中華民族など政治的な言葉を多用した習氏に対し、呉氏は経済、社会、文化交流の重要性を強調。中台統一問題への双方の温度差が浮き彫りとなった」(産経)というから、日本でも安堵の声が広がっているだろう。
ただ国民党に関して忘れてはならないのは、現在は「政治対話」(統一交渉と考えていい)に「積極的に応じる」見通しがないだけで、「将来の統一」については、その可能性を否定していないということだ。
呉伯雄氏は会談で「九二年コンセンサス」(「一つの中国」の合意)と「台湾独立への反対」を、「国共両党が一致する立場であり、両岸関係と平和的発展の基礎になっている」と論じた。
また「人生には職や配偶者などでさまざまな選択が許されるが、先祖の選択だけは許されない」と強調。
まさにその日の習近平氏による「中華民族の団結」の訴えに呼応するかのような、台湾人に対する意識改造の呼びかけである。
「一つの中国の下での台湾独立反対」とした呉伯雄発言を受け、台湾の立法院(国会)では十四日、民進党や台湾団結連盟など野党から、「馬英九総統の考えか」「馬総統は〇八年の選挙で、台湾の未来は台湾人民が決めると強調したが、なぜ『一つの中国』を唯一の選択肢とするのか」との猛批判が渦巻いた。
「先祖の選択は許されない」についても、「多くの台湾人の先祖は原住民の平埔族だ」とする批判の声も上がった。
これに対して江宜樺行政院長(首相)は、「呉伯雄氏は政府の立場を代表していない」と言って批判をかわしたが、しかし呉氏の訪中は馬英九氏の委託を受けてのものだった。
一方、帰国した呉氏はこの日、中国の恫喝のメッセージを伝えるがごとく、「習近平氏は、両岸の政治協議を行うには台湾内部のコンセンサス、支持が不可欠と考え、台湾独立・分裂主義とは妥協の余地がないと強調している」ことを明らかにした。
なお、国共が言う「台湾独立」とは「台湾が中国(中華民国)体制を放棄し、中国統一を永遠に不可能たらしめること」という意味だが、中国から見れば「台湾が統一交渉を拒絶し、独立国家としての現状を維持して行くこと」も叩き潰すべき「台湾独立」となる。
その点で国民党政権は、中国から見れば合格なのだろう。台湾と中国は「国と国の関係ではない」との見方を示す国民党は、台湾が中国に隷属しない独立国家であるとの現状を否定し、中国側を満足させている。
たとえ現段階では「統一問題への双方の温度差が浮き彫り」となっていても、国民党は基本的には、中国の強い影響の下に置かれていると見なければならず、今後の動向から目が離せない。
このように野党、国民を欺きながら、徐々に徐々にと台湾を中国側へと押しやる国民党の蠢きは、中国の「中華民族の偉大なる復興」政策(「復興」には「台湾併呑」も含む)に脅える日本には、やはり多大なる脅威である。
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習近平主席と会見した呉伯雄・国民党名誉主席。呉氏は台湾人だが心は完全に中国人。国民党の中国人化政策で純粋培
養されたケースだろう
ただ「将来の統一を目指す中国は馬政権と政治対話を進めたい意向だが、残り任期3年の馬氏が積極的に応じる見通しはない」(共同)と予測された通り、「領土、主権、中華民族など政治的な言葉を多用した習氏に対し、呉氏は経済、社会、文化交流の重要性を強調。中台統一問題への双方の温度差が浮き彫りとなった」(産経)というから、日本でも安堵の声が広がっているだろう。
ただ国民党に関して忘れてはならないのは、現在は「政治対話」(統一交渉と考えていい)に「積極的に応じる」見通しがないだけで、「将来の統一」については、その可能性を否定していないということだ。
呉伯雄氏は会談で「九二年コンセンサス」(「一つの中国」の合意)と「台湾独立への反対」を、「国共両党が一致する立場であり、両岸関係と平和的発展の基礎になっている」と論じた。
また「人生には職や配偶者などでさまざまな選択が許されるが、先祖の選択だけは許されない」と強調。
まさにその日の習近平氏による「中華民族の団結」の訴えに呼応するかのような、台湾人に対する意識改造の呼びかけである。
「一つの中国の下での台湾独立反対」とした呉伯雄発言を受け、台湾の立法院(国会)では十四日、民進党や台湾団結連盟など野党から、「馬英九総統の考えか」「馬総統は〇八年の選挙で、台湾の未来は台湾人民が決めると強調したが、なぜ『一つの中国』を唯一の選択肢とするのか」との猛批判が渦巻いた。
「先祖の選択は許されない」についても、「多くの台湾人の先祖は原住民の平埔族だ」とする批判の声も上がった。
これに対して江宜樺行政院長(首相)は、「呉伯雄氏は政府の立場を代表していない」と言って批判をかわしたが、しかし呉氏の訪中は馬英九氏の委託を受けてのものだった。
一方、帰国した呉氏はこの日、中国の恫喝のメッセージを伝えるがごとく、「習近平氏は、両岸の政治協議を行うには台湾内部のコンセンサス、支持が不可欠と考え、台湾独立・分裂主義とは妥協の余地がないと強調している」ことを明らかにした。
なお、国共が言う「台湾独立」とは「台湾が中国(中華民国)体制を放棄し、中国統一を永遠に不可能たらしめること」という意味だが、中国から見れば「台湾が統一交渉を拒絶し、独立国家としての現状を維持して行くこと」も叩き潰すべき「台湾独立」となる。
その点で国民党政権は、中国から見れば合格なのだろう。台湾と中国は「国と国の関係ではない」との見方を示す国民党は、台湾が中国に隷属しない独立国家であるとの現状を否定し、中国側を満足させている。
たとえ現段階では「統一問題への双方の温度差が浮き彫り」となっていても、国民党は基本的には、中国の強い影響の下に置かれていると見なければならず、今後の動向から目が離せない。
このように野党、国民を欺きながら、徐々に徐々にと台湾を中国側へと押しやる国民党の蠢きは、中国の「中華民族の偉大なる復興」政策(「復興」には「台湾併呑」も含む)に脅える日本には、やはり多大なる脅威である。
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