ウイグル人テロは濡れ衣かー冷酷非道の弾圧加える中国当局
2008/10/01/Wed
中国の過酷な殖民地支配を受ける東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)では九月、イスラム教断食月(ラマダン)に入ったが、ウイグル人の宗教文化の破壊政策を強行する中国当局は「集団昼食」を強要するなど信仰弾圧を行った。そして弾圧は例年以上に強化された模様だが、その背景には八月に相次いだウイグル人のテロ行為があるとされている。
しかし本当にウイグル人はテロに走ったのか。北京五輪開幕までの数ヶ月間、中国当局は迫害されるウイグル人の声が世界に伝わることを極度に恐れ、この民族にテロリスト、宗教過激分子などの汚名をかぶせ、五輪での安全確保を口実に更なる弾圧を加えてきた。そのためテロ事件はでっち上げの可能性があるとの指摘が跡を絶たない。
そうしたなか、米紙ニューヨーク・タイムズ(八月二十九日、電子版)は、五輪開幕直前の八月四日、東トルキスタンのカシュガルで発生したウイグル人による武装警察隊への襲撃事件はでっち上げかと疑問を呈した。
この事件は二人組の犯人がトラックで武装警察隊に突っ込み、刃物で切りつけ、手榴弾を投げるなどで十六人を殺し、十六人を負傷させたと言うもの。中国当局は、犯人はウイグル人で早くから緻密に計画された犯行だったと発表し、日本でも大きく報じられたが、同紙は次のような外国人観光客三人の目撃証言を報じている。
「爆発音はなかった」
「犯人は緑色の制服を着た警察官」(証拠写真もある)
これら新証言に加え、彼らが撮影した写真で写る現場状況が、事件の数日後に公表されたものと異なりがあることも判明した。
観光客が撮影した事件現場。多数の警察官が横たわっているのが見える
これは警察官同士の抗争事件だったのだろうか。いずれにせよ確かなのは、当局はこの事件を口実に反ウイグル宣伝を内外に行い、さらにウイグル人取り締まりキャンペーンを展開し、それによってカシュガルでは数百人を拘束することができたと言うことだ。新華社は、中国当局がテロ組織に指定する「東トルキスタン・イスラム運動」(ETIM)の関与説を伝えているが、ETIMはすでにテロ組織としての実体はないとされている。
ある中国研究者はこの報道に関し、「パリでの聖火リレーで車椅子に乗った中国人の女性走者がチベット人の暴漢から聖火を守ったとの美談が喧伝されたが、暴漢はチベット人に扮した中国人だった」とし、他人に濡れ衣を着せるのは中国当局の常套手段だと指摘している。
七月九日には、カシュガルのアパートにいた男女十五人のウイグル人テロリストが警察の急襲を受け、五人が殺されたと新華社は伝えたが、在米ウイグル人協会が収集した現地情報によれば、男女はテロリストではなく、突然催眠ガスを浴びせられ、逃げ出したところを機銃掃射されたと言う。
それが事実でも何の不思議もない。そもそも中国当局はウイグル人だけでなく、チベット人から法輪功学習者に至るまで、五輪を前に人権問題を提起する恐れがある人間たちに公然とテロリスト容疑をかけているのだ。つまり弾圧に手段を選ばないのである。
カシュガルで七月九日、一万人の群集を動員した公開判決宣言集会が開かれ、テロ容疑のウイグル人五人に死刑、十人に終身刑の判決が言い渡されたが(二名は即時銃殺)、本当に彼らはテロリストだったのか。アムネスティ・インターナショナルによれば、東トルキスタンでは二〇〇一年以来、何万人もが捜査のために拘束され、何百人~何千人が刑法で訴追、判決を受け、多くが分裂(独立)主義者、テロリストとされ死刑宣告を受けていると指摘している。
そして九月十八日にも公開判決宣言集会が開かれ、十二人の政治犯を含む二十四人に判決が下った。判決の詳細は不明だが、これは今年冬から来年春にかけて行われる「反民族分裂主義再教育キャンペーン」の繰上げ実施を意味しているとされている。
もともと争いを好まないと言われる穏やかなウイグル人。そして過酷な弾圧に不満を抱く彼らを分裂主義者、テロリストと断罪し、極刑に処することも厭わない冷酷非道な中国人。もし警察襲撃が本当にウイグル人のテロだとしたら、それはとことん追い詰められた民族の捨て身の抵抗であり、我々日本人はその悲しき壮挙を称えなければならない。
■観光客が撮影した警察官襲撃の写真。犯人も警察官の制服を着ている
http://www.nytimes.com/interactive/2008/09/29/world/20080929_kashgar_audioss/index.html
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しかし本当にウイグル人はテロに走ったのか。北京五輪開幕までの数ヶ月間、中国当局は迫害されるウイグル人の声が世界に伝わることを極度に恐れ、この民族にテロリスト、宗教過激分子などの汚名をかぶせ、五輪での安全確保を口実に更なる弾圧を加えてきた。そのためテロ事件はでっち上げの可能性があるとの指摘が跡を絶たない。
そうしたなか、米紙ニューヨーク・タイムズ(八月二十九日、電子版)は、五輪開幕直前の八月四日、東トルキスタンのカシュガルで発生したウイグル人による武装警察隊への襲撃事件はでっち上げかと疑問を呈した。
この事件は二人組の犯人がトラックで武装警察隊に突っ込み、刃物で切りつけ、手榴弾を投げるなどで十六人を殺し、十六人を負傷させたと言うもの。中国当局は、犯人はウイグル人で早くから緻密に計画された犯行だったと発表し、日本でも大きく報じられたが、同紙は次のような外国人観光客三人の目撃証言を報じている。
「爆発音はなかった」
「犯人は緑色の制服を着た警察官」(証拠写真もある)
これら新証言に加え、彼らが撮影した写真で写る現場状況が、事件の数日後に公表されたものと異なりがあることも判明した。
観光客が撮影した事件現場。多数の警察官が横たわっているのが見える
これは警察官同士の抗争事件だったのだろうか。いずれにせよ確かなのは、当局はこの事件を口実に反ウイグル宣伝を内外に行い、さらにウイグル人取り締まりキャンペーンを展開し、それによってカシュガルでは数百人を拘束することができたと言うことだ。新華社は、中国当局がテロ組織に指定する「東トルキスタン・イスラム運動」(ETIM)の関与説を伝えているが、ETIMはすでにテロ組織としての実体はないとされている。
ある中国研究者はこの報道に関し、「パリでの聖火リレーで車椅子に乗った中国人の女性走者がチベット人の暴漢から聖火を守ったとの美談が喧伝されたが、暴漢はチベット人に扮した中国人だった」とし、他人に濡れ衣を着せるのは中国当局の常套手段だと指摘している。
七月九日には、カシュガルのアパートにいた男女十五人のウイグル人テロリストが警察の急襲を受け、五人が殺されたと新華社は伝えたが、在米ウイグル人協会が収集した現地情報によれば、男女はテロリストではなく、突然催眠ガスを浴びせられ、逃げ出したところを機銃掃射されたと言う。
それが事実でも何の不思議もない。そもそも中国当局はウイグル人だけでなく、チベット人から法輪功学習者に至るまで、五輪を前に人権問題を提起する恐れがある人間たちに公然とテロリスト容疑をかけているのだ。つまり弾圧に手段を選ばないのである。
カシュガルで七月九日、一万人の群集を動員した公開判決宣言集会が開かれ、テロ容疑のウイグル人五人に死刑、十人に終身刑の判決が言い渡されたが(二名は即時銃殺)、本当に彼らはテロリストだったのか。アムネスティ・インターナショナルによれば、東トルキスタンでは二〇〇一年以来、何万人もが捜査のために拘束され、何百人~何千人が刑法で訴追、判決を受け、多くが分裂(独立)主義者、テロリストとされ死刑宣告を受けていると指摘している。
そして九月十八日にも公開判決宣言集会が開かれ、十二人の政治犯を含む二十四人に判決が下った。判決の詳細は不明だが、これは今年冬から来年春にかけて行われる「反民族分裂主義再教育キャンペーン」の繰上げ実施を意味しているとされている。
もともと争いを好まないと言われる穏やかなウイグル人。そして過酷な弾圧に不満を抱く彼らを分裂主義者、テロリストと断罪し、極刑に処することも厭わない冷酷非道な中国人。もし警察襲撃が本当にウイグル人のテロだとしたら、それはとことん追い詰められた民族の捨て身の抵抗であり、我々日本人はその悲しき壮挙を称えなければならない。
■観光客が撮影した警察官襲撃の写真。犯人も警察官の制服を着ている
http://www.nytimes.com/interactive/2008/09/29/world/20080929_kashgar_audioss/index.html
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