読売は台湾の恩を仇で返すかー台湾政府を「台湾当局」と呼んで中国に配慮
2017/07/27/Thu
読売新聞の七月二十七日朝刊に感動的な記事が載った。
「台湾から義援金200万 九州豪雨」との見出しの記事がそれである(ニュースサイトでの見出しは「一番早く見舞を…台湾、九州豪雨被災地に義援金」)。
以下はその全文だ。
―――台湾当局は26日、九州北部の豪雨災害の被災地に、計200万円の義援金を送った。
―――台北駐日経済文化代表処代表(駐日大使に相当)の謝長廷氏が日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会に義援金を寄贈した。同協会を通じて特に大きな被害を受けた福岡、大分両県に各100万円を届ける。
―――謝氏は「台湾で災害があった時、日本はいつもいち早く援助してくれるので、今回の災害で台湾が一番早く見舞金を届けたかった。被災地の一日も早い復興を祈っている」と述べた。
以上だが、どうだろう。謝氏の言葉に、これまで相互に災害支援、激励をし合ってきた日台両国の友情が想起され、深い感動を味わうのは、もちろん私だけではないはずだ。
ただ記事中、引っ掛かったのが「台湾当局」という言葉だ。なぜか日本のマスメディアには、台湾政府をわざわざ「台湾当局」と呼び変えたがる傾向があるのだが、それはなぜなのか。
そこで読売東京本社の読者センターに電話を入れ、そうした理由を尋ねたところ、即座におおよそ次のような回答を受けた。
―――「当局」は「政権を担当している(者)」の意味。「政府」と書けば台湾を国と認めることになってしまうからだ。
たしかに「政府」(中央政府)とは、国を統治する機関の意だ。それに対して「当局」はもっと意味の範囲が広く、国家統治機関以外をも含む。
しかし、たしかに日本政府は台湾を国とは承認してはいないが、台湾政府は客観的に見て一〇〇パーセントの国家統治機関なのだから、「政府」と呼んでも差し支えないはず。
だが読売は、それでも「政府」を使わない理由を次のように説明する。
―――中国は台湾を政府と承認していない。台湾も中国を政府と承認していない。読売はその両方に配慮しているのだ。
これが読売のスタンスなのだという。そこで私が「そうしなければならないとする内規でもあるのか」と聞くと、「それは内部のことであり、話すことはできない」とのことだった。
しかし実際今回の場合、読売は明らかに中国だけに配慮している。なぜなら台湾はすでに中国政府の存在を容認しているばかりか、日本に対しても「台湾は独立主権国家であると承認してほしい」と願っているのに対し、中国は言うまでもなく、「台湾は中国領土の一部だ」であることを認めろと要求しているからである。
そうした中国の「一つの中国」宣伝は内外に対し、実に徹底的に行われている。たとえば国内メディアには、次のような規則を遵守させている。
「一九四九年十月一日以後の台湾地区の政権は、『台湾当局』あるいは『台湾方面』と称さなければならず・・・『中華民国総統(副総統)』を用いるのは厳禁であり、台湾地区の正(副)指導者を呼ぶ際は『台湾当局指導者(副指導者)』『台湾地区指導者(副指導者)』とすることができる」
「『台湾政治』との語を使用しないこと」
以上は「新華社ニュース情報報道における禁止用語と慎重用語」(2016年改訂版)なる文書に載る規則である。中国でも「当局」は日本語と同様に政権担当者といった意味を持つが、そこには地方政府や非合法的な政府といった響きがある。中国以政府から見れば台湾政府は、まさにそれに該当するのだろう。
もっとも中国政府がここまで厳格に言論統制を行うのは、自信の欠如の表れである。何しろ「一つの中国」の主張がフィクションであることを自分たちが一番よく知っている。
そして、もしそうした中国政府の意向に読売が沿おうと努めているというなら、「自ら進んで中共の『一つの中国』原則に基づく言論統制を受けようとする外国メディア」との誹りを受けることになりかねない。そのような「一つの中国」宣伝を広められても、読者には甚だ迷惑だ。
台湾政府に対しては、普通に「台湾政府」と呼べばいい。産経新聞などはしばしば「台湾政府」と呼称している。
仮に「政府」と呼んでも反撥するのは、「台湾は中国領土の一部だ」と宣伝して台湾侵略政策を正当化したい中国覇権主義だけ。そのようなものに対しては、逆に無視か反論するべきだ。そもそも「一つの中国」というフィクションなどに、真実追及を使命とする日本のメディアが尊重使用とすること自体が誤りである。
ましてや今回の記事は、台湾政府からの日本の被災地に対する温かな支援を伝える内容ではないか。恩を仇で返しているとの認識すら、読売は持てないのか。
どうも中国の「政治」が絡んでくると、良識を喪失してしまうという傾向が、日本のマスメディアにはあるのである。
*******************************************
ブログランキング参加中
よろしければクリックをお願いします。 運動を拡大したいので。
↓ ↓
モバイルはこちら
↓ ↓
http://blog.with2.net/link.php
link.php
台湾は台湾!Chinese Taipeiではない!
2020東京五輪(奧運)「台湾正名」推進協議会に参加を!
協議会HP http://2020taiwan-seimei.tokyo/index.html
署名(連署)用紙 http://www.ganbare-nippon.net/PDF/2020taiwanshomei
連署漢語説明 http://2020taiwan-seimei.tokyo/petition_tw.html
「台湾から義援金200万 九州豪雨」との見出しの記事がそれである(ニュースサイトでの見出しは「一番早く見舞を…台湾、九州豪雨被災地に義援金」)。
以下はその全文だ。
―――台湾当局は26日、九州北部の豪雨災害の被災地に、計200万円の義援金を送った。
―――台北駐日経済文化代表処代表(駐日大使に相当)の謝長廷氏が日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会に義援金を寄贈した。同協会を通じて特に大きな被害を受けた福岡、大分両県に各100万円を届ける。
―――謝氏は「台湾で災害があった時、日本はいつもいち早く援助してくれるので、今回の災害で台湾が一番早く見舞金を届けたかった。被災地の一日も早い復興を祈っている」と述べた。
以上だが、どうだろう。謝氏の言葉に、これまで相互に災害支援、激励をし合ってきた日台両国の友情が想起され、深い感動を味わうのは、もちろん私だけではないはずだ。
ただ記事中、引っ掛かったのが「台湾当局」という言葉だ。なぜか日本のマスメディアには、台湾政府をわざわざ「台湾当局」と呼び変えたがる傾向があるのだが、それはなぜなのか。
そこで読売東京本社の読者センターに電話を入れ、そうした理由を尋ねたところ、即座におおよそ次のような回答を受けた。
―――「当局」は「政権を担当している(者)」の意味。「政府」と書けば台湾を国と認めることになってしまうからだ。
たしかに「政府」(中央政府)とは、国を統治する機関の意だ。それに対して「当局」はもっと意味の範囲が広く、国家統治機関以外をも含む。
しかし、たしかに日本政府は台湾を国とは承認してはいないが、台湾政府は客観的に見て一〇〇パーセントの国家統治機関なのだから、「政府」と呼んでも差し支えないはず。
だが読売は、それでも「政府」を使わない理由を次のように説明する。
―――中国は台湾を政府と承認していない。台湾も中国を政府と承認していない。読売はその両方に配慮しているのだ。
これが読売のスタンスなのだという。そこで私が「そうしなければならないとする内規でもあるのか」と聞くと、「それは内部のことであり、話すことはできない」とのことだった。
しかし実際今回の場合、読売は明らかに中国だけに配慮している。なぜなら台湾はすでに中国政府の存在を容認しているばかりか、日本に対しても「台湾は独立主権国家であると承認してほしい」と願っているのに対し、中国は言うまでもなく、「台湾は中国領土の一部だ」であることを認めろと要求しているからである。
そうした中国の「一つの中国」宣伝は内外に対し、実に徹底的に行われている。たとえば国内メディアには、次のような規則を遵守させている。
「一九四九年十月一日以後の台湾地区の政権は、『台湾当局』あるいは『台湾方面』と称さなければならず・・・『中華民国総統(副総統)』を用いるのは厳禁であり、台湾地区の正(副)指導者を呼ぶ際は『台湾当局指導者(副指導者)』『台湾地区指導者(副指導者)』とすることができる」
「『台湾政治』との語を使用しないこと」
以上は「新華社ニュース情報報道における禁止用語と慎重用語」(2016年改訂版)なる文書に載る規則である。中国でも「当局」は日本語と同様に政権担当者といった意味を持つが、そこには地方政府や非合法的な政府といった響きがある。中国以政府から見れば台湾政府は、まさにそれに該当するのだろう。
もっとも中国政府がここまで厳格に言論統制を行うのは、自信の欠如の表れである。何しろ「一つの中国」の主張がフィクションであることを自分たちが一番よく知っている。
そして、もしそうした中国政府の意向に読売が沿おうと努めているというなら、「自ら進んで中共の『一つの中国』原則に基づく言論統制を受けようとする外国メディア」との誹りを受けることになりかねない。そのような「一つの中国」宣伝を広められても、読者には甚だ迷惑だ。
台湾政府に対しては、普通に「台湾政府」と呼べばいい。産経新聞などはしばしば「台湾政府」と呼称している。
仮に「政府」と呼んでも反撥するのは、「台湾は中国領土の一部だ」と宣伝して台湾侵略政策を正当化したい中国覇権主義だけ。そのようなものに対しては、逆に無視か反論するべきだ。そもそも「一つの中国」というフィクションなどに、真実追及を使命とする日本のメディアが尊重使用とすること自体が誤りである。
ましてや今回の記事は、台湾政府からの日本の被災地に対する温かな支援を伝える内容ではないか。恩を仇で返しているとの認識すら、読売は持てないのか。
どうも中国の「政治」が絡んでくると、良識を喪失してしまうという傾向が、日本のマスメディアにはあるのである。
*******************************************
ブログランキング参加中
よろしければクリックをお願いします。 運動を拡大したいので。
↓ ↓
モバイルはこちら
↓ ↓
http://blog.with2.net/link.php
link.php
台湾は台湾!Chinese Taipeiではない!
2020東京五輪(奧運)「台湾正名」推進協議会に参加を!
協議会HP http://2020taiwan-seimei.tokyo/index.html
署名(連署)用紙 http://www.ganbare-nippon.net/PDF/2020taiwanshomei
連署漢語説明 http://2020taiwan-seimei.tokyo/petition_tw.html