台湾は中国? YAHOO! JAPANの地図に見る日本の中国迎合の実態
2016/10/01/Sat
台風十八号が発生。その状況を知ろうと「YAHOO! JAPAN天気・災害」を開いた私の友人は、「台湾は大丈夫だろうか」と、地図上のあの島にも目をやった。
何しろあそこは台風十七号で大きな被害を受けたばかり。台湾が大好きな彼女は、二次災害なども心配したわけだが、そこで一つ、とても看過し得ないものを発見してしまった。
何と台湾が地図の上で中国領土として扱われていたのだ。
「これでは台湾襲来ならぬ中国侵略だ」と怒りを隠さない友人。そこで私も地図を見た。ひどいものだ。確かにそうなっている。
YAHOO! JAPAN地図に載る台湾。いかに中国領土扱いにしているのか
もっとも日本でこうした誤った地図はYAHOO! JAPANだけにとどまらない。
一般に市販される書籍、雑誌、地図からマスコミ報道、学校教科書に至るまで、普遍的に用いているのである。
一九七二年の日中国交樹立以降に見られる日本社会の中国迎合現象の一環だ。あの国の「一つの中国」なる虚構の宣伝を受け入れてしまったのである。
しかし今やそうしたことが、国民間でほとんど問題にならないのは、多くがすでにこのような「一つの中国」地図に慣らされてしまっているからだ。言いかえれば、それほど「一つの中国」宣伝に染まってしまっている。
そこでここでは、YAHOO! JAPAN製地図を手掛かりに、何がどのように誤っているかを指摘したい。
1、なぜ「中華民国」の国名表記がないのか
この地図では赤字の各国名が見られるが、台湾に関しては赤字がない。国号の「中華民国」も、国号代わりとして通用の「台湾」もないのである。
台湾には国名表記がない。同じ「地域」である北朝鮮にはあるのに…
それはなぜなのか。YAHOO! JAPANには確かめていないが、同じことをやるマスコミや出版社に私がこれまで確認したところ、たいていは日本政府が台湾を『国』と認めず、『地域』としてあつかっているためだと説明し、「台湾を中国領土扱いにしている訳ではない」と強調する。
しかしそれは、批判を避けるための一時しのぎのごまかしである。この地図にしてもそうだが、政府が台湾と同じく「国」と認めず「地域」として扱う北朝鮮については、きちんと「朝鮮民主主義人民共和国」との国名を記しているのではないか。
ではなぜこのような差別が行われるのか。それは中国が、台湾の国扱いは許さないが、北朝鮮の国扱いなら怒らないからというだけの話である。
それから、台湾の「地域」扱いを「中国の地域」扱いとする誤解が、地図を作る側にも使う側にも広く持たれているのもまた問題だ。
一九五二年に発効したサンフランシスコ講和条約で「日本国は、台湾及び澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する」(第二条b)こととなり、どこの国にも割譲しなかった。そのため政府は爾来、たとえ台湾がすでに中華民国(亡命政権)の支配下に置かれていても、その帰属先は未定であるとの見解なのである(中国を刺激しないよう、「日本政府は台湾を放棄したので、その地位について独自に認定できる立場にはない」との言い回しだが)。
したがって台湾を「地域」とするのは、どこの国にも帰属しない地域という意味でなのだが、それを「中国の地域」と誤解させる「一つの中国」宣伝とは恐ろしいものだ。
2、なぜ台湾には首都が示されないのか
台湾を「地域」とする地図は、自ずと台北を首都として表記しない。YAHOO! JAPANの地図も、首都の記号とする赤枠の丸を台北には付けていない。
しかし同じ「地域」である北朝鮮の場合、平壌にそれをしっかりと記しているのである。
平壌は首都扱いだが台北は一般の都市扱い。これではまるでプロパガンダに満ちた中国製地図だ
台湾の「中国の地域」扱いは、この点からも明らかだ。
3、なぜ台湾・中国間に境界線がないのか
台湾と中国との間を見てみよう。そこには国境線(台湾を「地域」とするなら「境界線」と呼んでも好いが)が引かれていない。
日本やフィリピンとの間には赤い国境線が見られるが、中国との間にはそれがないため、国名表記のない台湾は、「中華人民共和国」との国名表記がある領域に編入された格好だ。
日本やフィリピンとの国境線は引かれているが、中国との間にそれがなく、そのため台湾はその国の一部としか見えなくなる
もちろんこれも敢えてそうしているのである。
さて翻って、地図上の樺太を見てみたい。その島と北海道との間に国境線が見える他、島を南北に分ける境界線も見えるはずだ。それから千島列島も見よう。北海道(北方領土)との国境線の他、カムチャッカ半島との間にも境界線が引かれている。
それはサンフランシスコ講和条約で「日本国は、千島列島並びに日本国が千九百五年九月五日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する」(第二条c)と規定されたからだ。
つまり政府は台湾と同様、この条約に基づき千島列島と南樺太も放棄し、それらをどこの国にも割譲しなかったため、すでにソ連(現ロシア)の支配下に置かれていたとはいえ、「南樺太及び千島列島の最終的な帰属は未定である」との見解で今日に至っているのだ。
そのためYAHOO! JAPAN製を含む地図の多くは、政府見解に忠実に、それら地域とロシア領土との間に境界線を設けているわけなのである。
それであるなら言うまでもなく、台湾と中国領土との間にも境界線を設け、台湾が中国には帰属しない地位未定地域であることを強調するべきだろう。
以上のように日本で用いられる地図は、中国の一地域と位置付ける重大な誤りだけは改めなければならない。政府見解に従って台湾を帰属先未定地域としてもいいし、現実の状況を尊重して台湾を一つの主権国家としても構わない。とにかく「一つの中国」の嘘だけは払拭すべきだ。
こうした欺瞞の品が出回る限り、「一つの中国」の印象はますます国民に刷り込まれることになる。そしてそれが日本を含む国際社会の、台湾侵略を目指す中国への抑止力を殺ぐこととなるのだ。
「中国の侵略」は「台風」より恐ろしい。それを望まない台湾人の心を慮れば、こんな誤った地図など作製できないと思うのだが。
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中國基於「一中」宣傳的不當行為?主播:永山英樹・謝惠芝
■Taiwan is not Chinese Taipei! 2020東京五輪「台湾」正名集会
~「チャイニーズタイペイ」ではなく「台湾」の名で台湾選手団を迎えたい!~
オリンピック競技界には「チャイニーズタイペイ」(中国領台北)の名義でしか参加が許されない台湾選手団。これは「一つの中国」という政治宣伝を受け入れた国際五輪委員会(IOC)による台湾への不当な扱いであり、政治的な差別を禁止するIOC憲章に違反するものです。そのため台湾国内では現在、「台湾」への呼称変更を求める声が高まりを見せています。
そこで日本においても、私達がそれと提携し、2020年東京五輪では台湾選手団を「台湾」の名で迎え入れるよう、IOC並びに東京五輪組織委員会、日本政府、東京都、日本五輪委員会(JOC)などに訴えるべく、下記の要領で集会を開催します。
集会を開く催日は10月10日。1964年の東京五輪記念日(体育の日)です。あの大会の盛大さは日本の誇りとなりましたが、2020年もまた、一切の差別なき世界に誇れる大会にしたいと思うのです!
奮ってのご参加をお待ち申し上げます。
日時:10月10日(月/祝) 18時30分~20時30分
場所:文京区民センター 2―A会議室 (東京都文京区本郷4−15−14)
(交通)
都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩2分
東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」徒歩5分
JR「水道橋駅」東口徒歩15分
登壇(50音順・9月22日現在)
イリハムマハムティ(日本ウイグル協会会長)
王紹英(在日台湾同郷会副会長)
土屋敬之(前東京都議会議員)
永山英樹(台湾研究フォーラム会長)
三浦小太郎(アジア自由民主連帯協議会事務局長)
水島総(日本文化チャンネル桜代表)
山際澄夫(ジャーナリスト)
吉田康一郎(前東京都議会議員)
司会
謝恵芝(ジャーナリスト)
参加費:無料
主催:台湾研究フォーラム(台湾研究論壇)
メール [email protected]
電話080-7796-6353
何しろあそこは台風十七号で大きな被害を受けたばかり。台湾が大好きな彼女は、二次災害なども心配したわけだが、そこで一つ、とても看過し得ないものを発見してしまった。
何と台湾が地図の上で中国領土として扱われていたのだ。
「これでは台湾襲来ならぬ中国侵略だ」と怒りを隠さない友人。そこで私も地図を見た。ひどいものだ。確かにそうなっている。
YAHOO! JAPAN地図に載る台湾。いかに中国領土扱いにしているのか
もっとも日本でこうした誤った地図はYAHOO! JAPANだけにとどまらない。
一般に市販される書籍、雑誌、地図からマスコミ報道、学校教科書に至るまで、普遍的に用いているのである。
一九七二年の日中国交樹立以降に見られる日本社会の中国迎合現象の一環だ。あの国の「一つの中国」なる虚構の宣伝を受け入れてしまったのである。
しかし今やそうしたことが、国民間でほとんど問題にならないのは、多くがすでにこのような「一つの中国」地図に慣らされてしまっているからだ。言いかえれば、それほど「一つの中国」宣伝に染まってしまっている。
そこでここでは、YAHOO! JAPAN製地図を手掛かりに、何がどのように誤っているかを指摘したい。
1、なぜ「中華民国」の国名表記がないのか
この地図では赤字の各国名が見られるが、台湾に関しては赤字がない。国号の「中華民国」も、国号代わりとして通用の「台湾」もないのである。
台湾には国名表記がない。同じ「地域」である北朝鮮にはあるのに…
それはなぜなのか。YAHOO! JAPANには確かめていないが、同じことをやるマスコミや出版社に私がこれまで確認したところ、たいていは日本政府が台湾を『国』と認めず、『地域』としてあつかっているためだと説明し、「台湾を中国領土扱いにしている訳ではない」と強調する。
しかしそれは、批判を避けるための一時しのぎのごまかしである。この地図にしてもそうだが、政府が台湾と同じく「国」と認めず「地域」として扱う北朝鮮については、きちんと「朝鮮民主主義人民共和国」との国名を記しているのではないか。
ではなぜこのような差別が行われるのか。それは中国が、台湾の国扱いは許さないが、北朝鮮の国扱いなら怒らないからというだけの話である。
それから、台湾の「地域」扱いを「中国の地域」扱いとする誤解が、地図を作る側にも使う側にも広く持たれているのもまた問題だ。
一九五二年に発効したサンフランシスコ講和条約で「日本国は、台湾及び澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する」(第二条b)こととなり、どこの国にも割譲しなかった。そのため政府は爾来、たとえ台湾がすでに中華民国(亡命政権)の支配下に置かれていても、その帰属先は未定であるとの見解なのである(中国を刺激しないよう、「日本政府は台湾を放棄したので、その地位について独自に認定できる立場にはない」との言い回しだが)。
したがって台湾を「地域」とするのは、どこの国にも帰属しない地域という意味でなのだが、それを「中国の地域」と誤解させる「一つの中国」宣伝とは恐ろしいものだ。
2、なぜ台湾には首都が示されないのか
台湾を「地域」とする地図は、自ずと台北を首都として表記しない。YAHOO! JAPANの地図も、首都の記号とする赤枠の丸を台北には付けていない。
しかし同じ「地域」である北朝鮮の場合、平壌にそれをしっかりと記しているのである。
平壌は首都扱いだが台北は一般の都市扱い。これではまるでプロパガンダに満ちた中国製地図だ
台湾の「中国の地域」扱いは、この点からも明らかだ。
3、なぜ台湾・中国間に境界線がないのか
台湾と中国との間を見てみよう。そこには国境線(台湾を「地域」とするなら「境界線」と呼んでも好いが)が引かれていない。
日本やフィリピンとの間には赤い国境線が見られるが、中国との間にはそれがないため、国名表記のない台湾は、「中華人民共和国」との国名表記がある領域に編入された格好だ。
日本やフィリピンとの国境線は引かれているが、中国との間にそれがなく、そのため台湾はその国の一部としか見えなくなる
もちろんこれも敢えてそうしているのである。
さて翻って、地図上の樺太を見てみたい。その島と北海道との間に国境線が見える他、島を南北に分ける境界線も見えるはずだ。それから千島列島も見よう。北海道(北方領土)との国境線の他、カムチャッカ半島との間にも境界線が引かれている。
それはサンフランシスコ講和条約で「日本国は、千島列島並びに日本国が千九百五年九月五日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する」(第二条c)と規定されたからだ。
つまり政府は台湾と同様、この条約に基づき千島列島と南樺太も放棄し、それらをどこの国にも割譲しなかったため、すでにソ連(現ロシア)の支配下に置かれていたとはいえ、「南樺太及び千島列島の最終的な帰属は未定である」との見解で今日に至っているのだ。
そのためYAHOO! JAPAN製を含む地図の多くは、政府見解に忠実に、それら地域とロシア領土との間に境界線を設けているわけなのである。
それであるなら言うまでもなく、台湾と中国領土との間にも境界線を設け、台湾が中国には帰属しない地位未定地域であることを強調するべきだろう。
以上のように日本で用いられる地図は、中国の一地域と位置付ける重大な誤りだけは改めなければならない。政府見解に従って台湾を帰属先未定地域としてもいいし、現実の状況を尊重して台湾を一つの主権国家としても構わない。とにかく「一つの中国」の嘘だけは払拭すべきだ。
こうした欺瞞の品が出回る限り、「一つの中国」の印象はますます国民に刷り込まれることになる。そしてそれが日本を含む国際社会の、台湾侵略を目指す中国への抑止力を殺ぐこととなるのだ。
「中国の侵略」は「台風」より恐ろしい。それを望まない台湾人の心を慮れば、こんな誤った地図など作製できないと思うのだが。
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■Taiwan is not Chinese Taipei! 2020東京五輪「台湾」正名集会
~「チャイニーズタイペイ」ではなく「台湾」の名で台湾選手団を迎えたい!~
オリンピック競技界には「チャイニーズタイペイ」(中国領台北)の名義でしか参加が許されない台湾選手団。これは「一つの中国」という政治宣伝を受け入れた国際五輪委員会(IOC)による台湾への不当な扱いであり、政治的な差別を禁止するIOC憲章に違反するものです。そのため台湾国内では現在、「台湾」への呼称変更を求める声が高まりを見せています。
そこで日本においても、私達がそれと提携し、2020年東京五輪では台湾選手団を「台湾」の名で迎え入れるよう、IOC並びに東京五輪組織委員会、日本政府、東京都、日本五輪委員会(JOC)などに訴えるべく、下記の要領で集会を開催します。
集会を開く催日は10月10日。1964年の東京五輪記念日(体育の日)です。あの大会の盛大さは日本の誇りとなりましたが、2020年もまた、一切の差別なき世界に誇れる大会にしたいと思うのです!
奮ってのご参加をお待ち申し上げます。
日時:10月10日(月/祝) 18時30分~20時30分
場所:文京区民センター 2―A会議室 (東京都文京区本郷4−15−14)
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イリハムマハムティ(日本ウイグル協会会長)
王紹英(在日台湾同郷会副会長)
土屋敬之(前東京都議会議員)
永山英樹(台湾研究フォーラム会長)
三浦小太郎(アジア自由民主連帯協議会事務局長)
水島総(日本文化チャンネル桜代表)
山際澄夫(ジャーナリスト)
吉田康一郎(前東京都議会議員)
司会
謝恵芝(ジャーナリスト)
参加費:無料
主催:台湾研究フォーラム(台湾研究論壇)
メール [email protected]
電話080-7796-6353