直すと言うならトコトン直せ!―中国監修の地球儀問題
2008/01/16/Wed
※【注意】「やのまん」への抗議を呼びかけましたが、同社はすでに製品の改善を決めていますので、停止します。(1/17)
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■これは中国「世論戦」との戦いだ
台湾を「台湾島」と表記するなど中国領扱いしている「やのまん」のジクソーパズルの地球儀の問題は、本日の「夕刊フジ」(一月十七日付―十六日発行)も大きく報じている。
紙面には「老舗ジグソーも台湾島」「中国で製造、当局から圧力」「パズル地球儀“検閲”されていた」等々の見出しが躍る。学研地球儀の問題を最初に報じたのも同紙だったから、「中国監修地球儀」の問題を重要視していることがわかる。
ちなみに同紙は「地球儀から『台湾』が消滅」とのセンセーショナルな表現を用いているが、これこそこの問題の本質を衝いたものだ。
学研のときと同様、今回もテレビの報道番組がさっそく「夕刊フジ」の報道を取り上げた模様。中国の指示に従って台湾を中国領土とすることの「馬鹿らしさ」「愚かさ」「恐ろしさ」にようやく日本人も気がつき始めたようだ。
「夕刊フジ」は「台湾島表記問題は、さらに問題が拡大する可能性が高そうだ」と指摘しているが、この問題は、決して一部企業の「うっかりミス」の問題ではなく、中国の「世論戦」(対日世論情報工作)の問題であり、それのコマとして利用される日本企業の問題なのだ。
今、メールマガジン「台湾の声」も「やのまん」への抗議の呼びかけてくれているが、我々が行っているのは、一企業憎しと言う次元のものではなく、中国の世論戦から国を守るためのものである。「台湾は中国の領土ではない」との現実認識を確立しさえすれば、それだけで中国の工作を跳ね返すこともできるし、企業が工作の犠牲になることも防ぐことができるだろう。そのためにはこのようにして、警鐘を打ち鳴らさなくてはならないのだ。
■「台湾島」を「台湾」に改めても意味はない
さて国民からの抗議を受け、適切な対応を検討していると言っていた「やのまん」だが、昨晩はマスコミの取材まで受けたためか、「急遽『ピース交換』へ」(夕刊フジ)となったようだ。同社のHPに次のような告知を出した。
・客様各位
3Dジグソーパズル地球儀の「台湾島」表記に対するお知らせ
一部報道による地球儀の「台湾島」表記につきましてご指摘をいただきました。
この件に関し、ジグソーパズルで「台湾島」に相当するピースの箇所を「台湾」表記に交換させていただきます。
既にお買い求めのお客様で、ご希望のお客様には無償にて「台湾」表記のピースをお送りさせていただきます。
具体的な交換の方法は改めてご案内申し上げます。
株式会社 やのまん
(08/01/15)
これからピースを作り直すのだそうだ。だが「台湾島」の表記を「台湾」に変えるだけでは、何の解決にもならないのである。
なぜなら最大の問題点は台湾を中国と同一色で描き、同一国として表示しているところにあるからだ。中国が「台湾島」との聞き慣れない地名の表記を要求するのは、「島」とすることで「台湾は国ではない。中国の一つの島だ」と「念押し」したいだけなのだ。だから「島」を削除したところで、その島が中国と同一色である以上は、「台湾」は依然として「中華人民共和国台湾省」のままである。
そこで私は本日、「やのまん」に対し、「『島』をとるだけでは意味がない。色を変えるべきだ」と訴えた。先方はその意味を理解し、「具体的なことはこれから検討する。そのことも含めて検討したい」と言うのだが…。
■メーカーが抱く中国への恐怖感
学研地球儀問題に関する報道で、とくに強調されたのが「台湾島」の表記だった。そのためか、「『台湾島』だけを直せば済む」との誤解がメーカーにはあるのだろう。
昨日、このようなことがあった。ある有名な地球儀メーカーの製品はすべて国内での手作りだが、やはり台湾を中国と同一色にしている。そこで私はそこへ電話をかけ、社長と思しき人と話をした。相手はもちろん学研地球儀の騒動を知っていた。そして「うちは『台湾島』としていないから、問題はない」と安心していた。
そこで私は「問題は同一色にしていること。中国の指示もないのになぜか」と聞いてみた。すると相手は、驚くべきことに(と言うより、少しは予測していたが)、こう答えた。
「台湾は中華人民共和国の領土。日本政府は一つの中国を認めているから、それに従わないわけにはいかないのだ。これだけは譲れない」
そこで私は「政府は台湾を中国領土とは認めていない。『一つの中国』の原則とは中国側の宣伝であり、事実ではない」と説明した。そして相手は最後はそれを理解することができた。だがそれでも、「色は直せない。中国が怖い、ただそれだけだ」と言う。
いったい、中国の何が怖いというのか。私はこれが中国絡みの問題での日本人の根深い恐怖心ではないかと思った。最初に恐怖をもたらしたのは国内の左翼政治勢力だろう。そして今は中国自身の横暴な姿勢か。
■ウソの商品を子供たちに売るなー「やのまん」は良識取り戻せ
それで私はこう言った。
「誤った地図を子供たちに使わせるのか」「御社は正確な地図を売り物にしていると聞く。それでもこのような間違ったものを販売するのか」と。
これは衝撃的だったようで、相手は絶句した。しかし絶句するだけで、それを直そうと言う気持ちまでは湧いてこないようだった。「何かあっても、政府は守ってくれないから…」ともつぶやいていた。
要するにメーカーに欠如しているのは「ウソの情報を組み込んだ地球儀(あるいは地図)を売ってはけない」「そのような有害なものを子供たちに買わせてはいけない」と言う認識なのだ。
どこもかしこも臆病な事なかれ主義だ。信念も誇りもないから良心もなく、それで中国に簡単に操られてしまうのだ。あるいは無用な恐怖心を抱く。
学研もそれだった。しかしこの会社は地球儀の販売中止と回収を決めている。だから次は「やのまん」の番だ。
「島」の一文字だけを削除して事足れりとし、誇りも何もなく外圧に屈する企業の象徴としてさらなる批判を浴びるのか。それとも台湾と中国とを色分けし、良識と勇気のあるメーカーのモデルとなって賞賛を集め、信頼を回復するのか。
誰もが後者になることを期待している!
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【参考】
パズル地球儀“検閲”されてた…老舗ジグソーも台湾島 (夕刊フジ)
http://news.www.infoseek.co.jp/society/story/16fuji320080116018/
日又有地球儀拼圖 矮化台灣(台湾紙・自由時報1/17)
http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/jan/17/today-p10.htm
「台湾島」表記問題 パズルやビーチボールも(産経新聞1/16)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080116-00000985-san-soci
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■これは中国「世論戦」との戦いだ
台湾を「台湾島」と表記するなど中国領扱いしている「やのまん」のジクソーパズルの地球儀の問題は、本日の「夕刊フジ」(一月十七日付―十六日発行)も大きく報じている。
紙面には「老舗ジグソーも台湾島」「中国で製造、当局から圧力」「パズル地球儀“検閲”されていた」等々の見出しが躍る。学研地球儀の問題を最初に報じたのも同紙だったから、「中国監修地球儀」の問題を重要視していることがわかる。
ちなみに同紙は「地球儀から『台湾』が消滅」とのセンセーショナルな表現を用いているが、これこそこの問題の本質を衝いたものだ。
学研のときと同様、今回もテレビの報道番組がさっそく「夕刊フジ」の報道を取り上げた模様。中国の指示に従って台湾を中国領土とすることの「馬鹿らしさ」「愚かさ」「恐ろしさ」にようやく日本人も気がつき始めたようだ。
「夕刊フジ」は「台湾島表記問題は、さらに問題が拡大する可能性が高そうだ」と指摘しているが、この問題は、決して一部企業の「うっかりミス」の問題ではなく、中国の「世論戦」(対日世論情報工作)の問題であり、それのコマとして利用される日本企業の問題なのだ。
今、メールマガジン「台湾の声」も「やのまん」への抗議の呼びかけてくれているが、我々が行っているのは、一企業憎しと言う次元のものではなく、中国の世論戦から国を守るためのものである。「台湾は中国の領土ではない」との現実認識を確立しさえすれば、それだけで中国の工作を跳ね返すこともできるし、企業が工作の犠牲になることも防ぐことができるだろう。そのためにはこのようにして、警鐘を打ち鳴らさなくてはならないのだ。
■「台湾島」を「台湾」に改めても意味はない
さて国民からの抗議を受け、適切な対応を検討していると言っていた「やのまん」だが、昨晩はマスコミの取材まで受けたためか、「急遽『ピース交換』へ」(夕刊フジ)となったようだ。同社のHPに次のような告知を出した。
・客様各位
3Dジグソーパズル地球儀の「台湾島」表記に対するお知らせ
一部報道による地球儀の「台湾島」表記につきましてご指摘をいただきました。
この件に関し、ジグソーパズルで「台湾島」に相当するピースの箇所を「台湾」表記に交換させていただきます。
既にお買い求めのお客様で、ご希望のお客様には無償にて「台湾」表記のピースをお送りさせていただきます。
具体的な交換の方法は改めてご案内申し上げます。
株式会社 やのまん
(08/01/15)
これからピースを作り直すのだそうだ。だが「台湾島」の表記を「台湾」に変えるだけでは、何の解決にもならないのである。
なぜなら最大の問題点は台湾を中国と同一色で描き、同一国として表示しているところにあるからだ。中国が「台湾島」との聞き慣れない地名の表記を要求するのは、「島」とすることで「台湾は国ではない。中国の一つの島だ」と「念押し」したいだけなのだ。だから「島」を削除したところで、その島が中国と同一色である以上は、「台湾」は依然として「中華人民共和国台湾省」のままである。
そこで私は本日、「やのまん」に対し、「『島』をとるだけでは意味がない。色を変えるべきだ」と訴えた。先方はその意味を理解し、「具体的なことはこれから検討する。そのことも含めて検討したい」と言うのだが…。
■メーカーが抱く中国への恐怖感
学研地球儀問題に関する報道で、とくに強調されたのが「台湾島」の表記だった。そのためか、「『台湾島』だけを直せば済む」との誤解がメーカーにはあるのだろう。
昨日、このようなことがあった。ある有名な地球儀メーカーの製品はすべて国内での手作りだが、やはり台湾を中国と同一色にしている。そこで私はそこへ電話をかけ、社長と思しき人と話をした。相手はもちろん学研地球儀の騒動を知っていた。そして「うちは『台湾島』としていないから、問題はない」と安心していた。
そこで私は「問題は同一色にしていること。中国の指示もないのになぜか」と聞いてみた。すると相手は、驚くべきことに(と言うより、少しは予測していたが)、こう答えた。
「台湾は中華人民共和国の領土。日本政府は一つの中国を認めているから、それに従わないわけにはいかないのだ。これだけは譲れない」
そこで私は「政府は台湾を中国領土とは認めていない。『一つの中国』の原則とは中国側の宣伝であり、事実ではない」と説明した。そして相手は最後はそれを理解することができた。だがそれでも、「色は直せない。中国が怖い、ただそれだけだ」と言う。
いったい、中国の何が怖いというのか。私はこれが中国絡みの問題での日本人の根深い恐怖心ではないかと思った。最初に恐怖をもたらしたのは国内の左翼政治勢力だろう。そして今は中国自身の横暴な姿勢か。
■ウソの商品を子供たちに売るなー「やのまん」は良識取り戻せ
それで私はこう言った。
「誤った地図を子供たちに使わせるのか」「御社は正確な地図を売り物にしていると聞く。それでもこのような間違ったものを販売するのか」と。
これは衝撃的だったようで、相手は絶句した。しかし絶句するだけで、それを直そうと言う気持ちまでは湧いてこないようだった。「何かあっても、政府は守ってくれないから…」ともつぶやいていた。
要するにメーカーに欠如しているのは「ウソの情報を組み込んだ地球儀(あるいは地図)を売ってはけない」「そのような有害なものを子供たちに買わせてはいけない」と言う認識なのだ。
どこもかしこも臆病な事なかれ主義だ。信念も誇りもないから良心もなく、それで中国に簡単に操られてしまうのだ。あるいは無用な恐怖心を抱く。
学研もそれだった。しかしこの会社は地球儀の販売中止と回収を決めている。だから次は「やのまん」の番だ。
「島」の一文字だけを削除して事足れりとし、誇りも何もなく外圧に屈する企業の象徴としてさらなる批判を浴びるのか。それとも台湾と中国とを色分けし、良識と勇気のあるメーカーのモデルとなって賞賛を集め、信頼を回復するのか。
誰もが後者になることを期待している!
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パズル地球儀“検閲”されてた…老舗ジグソーも台湾島 (夕刊フジ)
http://news.www.infoseek.co.jp/society/story/16fuji320080116018/
日又有地球儀拼圖 矮化台灣(台湾紙・自由時報1/17)
http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/jan/17/today-p10.htm
「台湾島」表記問題 パズルやビーチボールも(産経新聞1/16)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080116-00000985-san-soci
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