台湾で「殖民地論争」-台湾人、中国人、そして日本人の見方を考える(附:「台湾チャンネル第66回」動画)
2015/02/01/Sun
昨年の台北市長選で国民党の在中国人候補者陣営から「皇民化時代の高官の孫」などと罵声を浴びた柯文哲市長。柯氏を「媚日=非中国人」家系とするネガティブキャンペーンだったわけだ。しかし日本時代の台湾では、台湾人の誰もが「皇民化」の対象となっていたのだから、何ともヒステリックな誹謗と言える。ちなみに柯氏の祖父は高官ではなく学校教員。あの勢力はこんな問題でも平然と「歴史捏造」を加えるらしい。
さてその柯氏だが、最近米誌フォーリン・ポリシーの取材を受け、アジア史と植民地問題に触れた際、次のように発言したことが問題になっている。
昨年12月に就任した柯文哲・台北市長。その在台中国人から目の敵
にされるのは「台湾人」のホープだからか
「文化的に見れば、殖民地だった時間が長ければ長いほど進歩している」
「シンガポールは香港よりよく、香港は台湾よりよく、台湾は中国よりいい」
「貧しいベトナムも、人々は信号を守ることを知っており、文化は中国より上」
これに対し、「殖民地を肯定するのか」との批判の声が上がっているのだ。たとえば、
「殖民地が好いと言うなら、多くの国は独立を必要としなかったはず。台湾は日清戦争で清から日本へ割譲されたが、日本の殖民統治に同意するなら、それは先祖を捨てることになる。日本の殖民地時代、台湾人は「皇民」と「平民」に区別された。殖民地美化で大衆を惑わすべきではない」
「香港が繁栄するのは、中国大陸が長期間閉鎖され、そこが唯一の輸出港だったから。シンガポールのそれも重要な貿易港だったからで、殖民地だったからどうかは関係ない」
こうした指摘を聞いて、「その通りだ」と同意する日本人は少なくないと思う。日本の首長が同内容の発言をしたら、日本のメディアも似たような反応を示すのではないか。
ちなみに前者は郁慕明氏、後者は王暁波氏の発言だ。それぞれヒステリックな大中国主義者として有名な政客、学者である。
ちなみに日本時代、「皇民」「平民」の区別などない。おそらく柯氏の祖父を「皇民」という日本支配下における特権階級と言いたかったのだろう。
一方、報道によれば、台湾人の識者からは理性的な見解が示されている。
「台湾史においては殖民性と近代性が併存していた。近代帝国主義国家は殖民以外に近代的制度と建設をもたらした。これは否定し難い事実」(薛化元・政治大台湾史研究所長)
「フランスは殖民地でインフラ建設をあまり行わなかったが、日本は国内と看做してそれをたくさん進めたので、進歩という感覚は自ずとある」(郝培芝・台湾大学公共行政学部副教授)
「殖民地の評価は観点による。秩序の面ではシンガポール、香港、台湾の順となろう。しかし自由、民主主義の面では台湾が最も上。日本は植民地経営において漸進的に同化する内地延長主義を採用した。そのため台湾だけでなく中国東北も、戦後は中国で最も工業の基礎が備わっていた」(匿名の法制史教授)
これらの人たちは、大中国主義に染まっていないようだ。中国人が台湾人を憎悪するのは、特にこうした点においてである。
日本の学者なら、なかなかこうした客観的な意見はマスメディアに言えないだろう。
もちろん歴史への「贖罪意識」なるものがあるからだが、そうした人々の歴史観が大中国主義者に似てしまうのは、「贖罪=媚中」という精神構造だからか。
ちなみに「秩序の面ではシンガポール、香港、台湾の順」であるというのは、台湾が戦後、中国人(国民党)の殖民地になったからだろう。
それ以前の台湾の秩序の良好さは、世界に冠たるものがあった。
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【台湾チャンネル】第66回、盛況!「KANO」初日の舞台挨拶/「台湾人意識」高揚の社会的背景[桜H27/1/30]
http://youtu.be/PmvpmLfdziw
今回の話題は、①この番組(第64回)が紹介した米国で発見の戦時中の台湾人戦没者の日章旗の遺族が台湾の人々の協力により判明。②日台の友情も描く台湾映画「KANO」の日本での公開初日は大盛況。監督、出演者の感動の舞台挨拶をVTRで。③台湾での「KANO」の大ヒットの背景でもある「台湾人意識」の高まりを分析。④先頃、朝日新聞集団訴訟が提訴。台湾人にも原告団参加を呼び掛けます。キャスター:永山英樹・謝恵芝
【日台交流頻道】第66集、「KANO」日本首映盛況/提升「台灣人意識」的社會背景
本集報導: ①在第64集節目中呼籲尋找台灣人戰歿者遺屬,協助他當時帶在身上的日本國旗歸鄉,透過當地台灣朋友的奔走已得佳訊。②描述台日深厚情誼的「KANO」日本首映日盛況空前,以畫面呈現令人感動的舞台問候情節。③分析「KANO」受歡迎的背景與「台灣人意識」提升的關聯。④日本民間人士對朝日新聞提出集體控告,呼籲台灣人也加入提告行列。主播:永山英樹・謝惠芝
参加を!
台湾研究フォーラム第169回定例会
講師:盧韻至さん(台湾独立建国連盟日本本部盟員)
演題:「馬英九の売国行為が生んだ台湾の現状」
318ひまわり学生運動後、台湾の若者はもちろん台湾全体的に台湾アイデンティティや台湾独立への意識が高まったが、去年の11月台湾の地方統一選挙での国民党惨敗により、馬英九の売国行為には更に加速する可能性がある。ここで欠かせないのは日本とアメリカからの協力だ。
日時:2月4日(水) 18時30分~20時30分
場所:文京シビック3階会議室(東京都文京区春日1‐16‐21)
交通:東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
都営地下鉄三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分
JR総武線「水道橋駅」(東口)徒歩9分
会費:会員500円/一般1000円
問合せ:[email protected]
070-6484-2624
さてその柯氏だが、最近米誌フォーリン・ポリシーの取材を受け、アジア史と植民地問題に触れた際、次のように発言したことが問題になっている。
昨年12月に就任した柯文哲・台北市長。その在台中国人から目の敵
にされるのは「台湾人」のホープだからか
「文化的に見れば、殖民地だった時間が長ければ長いほど進歩している」
「シンガポールは香港よりよく、香港は台湾よりよく、台湾は中国よりいい」
「貧しいベトナムも、人々は信号を守ることを知っており、文化は中国より上」
これに対し、「殖民地を肯定するのか」との批判の声が上がっているのだ。たとえば、
「殖民地が好いと言うなら、多くの国は独立を必要としなかったはず。台湾は日清戦争で清から日本へ割譲されたが、日本の殖民統治に同意するなら、それは先祖を捨てることになる。日本の殖民地時代、台湾人は「皇民」と「平民」に区別された。殖民地美化で大衆を惑わすべきではない」
「香港が繁栄するのは、中国大陸が長期間閉鎖され、そこが唯一の輸出港だったから。シンガポールのそれも重要な貿易港だったからで、殖民地だったからどうかは関係ない」
こうした指摘を聞いて、「その通りだ」と同意する日本人は少なくないと思う。日本の首長が同内容の発言をしたら、日本のメディアも似たような反応を示すのではないか。
ちなみに前者は郁慕明氏、後者は王暁波氏の発言だ。それぞれヒステリックな大中国主義者として有名な政客、学者である。
ちなみに日本時代、「皇民」「平民」の区別などない。おそらく柯氏の祖父を「皇民」という日本支配下における特権階級と言いたかったのだろう。
一方、報道によれば、台湾人の識者からは理性的な見解が示されている。
「台湾史においては殖民性と近代性が併存していた。近代帝国主義国家は殖民以外に近代的制度と建設をもたらした。これは否定し難い事実」(薛化元・政治大台湾史研究所長)
「フランスは殖民地でインフラ建設をあまり行わなかったが、日本は国内と看做してそれをたくさん進めたので、進歩という感覚は自ずとある」(郝培芝・台湾大学公共行政学部副教授)
「殖民地の評価は観点による。秩序の面ではシンガポール、香港、台湾の順となろう。しかし自由、民主主義の面では台湾が最も上。日本は植民地経営において漸進的に同化する内地延長主義を採用した。そのため台湾だけでなく中国東北も、戦後は中国で最も工業の基礎が備わっていた」(匿名の法制史教授)
これらの人たちは、大中国主義に染まっていないようだ。中国人が台湾人を憎悪するのは、特にこうした点においてである。
日本の学者なら、なかなかこうした客観的な意見はマスメディアに言えないだろう。
もちろん歴史への「贖罪意識」なるものがあるからだが、そうした人々の歴史観が大中国主義者に似てしまうのは、「贖罪=媚中」という精神構造だからか。
ちなみに「秩序の面ではシンガポール、香港、台湾の順」であるというのは、台湾が戦後、中国人(国民党)の殖民地になったからだろう。
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今回の話題は、①この番組(第64回)が紹介した米国で発見の戦時中の台湾人戦没者の日章旗の遺族が台湾の人々の協力により判明。②日台の友情も描く台湾映画「KANO」の日本での公開初日は大盛況。監督、出演者の感動の舞台挨拶をVTRで。③台湾での「KANO」の大ヒットの背景でもある「台湾人意識」の高まりを分析。④先頃、朝日新聞集団訴訟が提訴。台湾人にも原告団参加を呼び掛けます。キャスター:永山英樹・謝恵芝
【日台交流頻道】第66集、「KANO」日本首映盛況/提升「台灣人意識」的社會背景
本集報導: ①在第64集節目中呼籲尋找台灣人戰歿者遺屬,協助他當時帶在身上的日本國旗歸鄉,透過當地台灣朋友的奔走已得佳訊。②描述台日深厚情誼的「KANO」日本首映日盛況空前,以畫面呈現令人感動的舞台問候情節。③分析「KANO」受歡迎的背景與「台灣人意識」提升的關聯。④日本民間人士對朝日新聞提出集體控告,呼籲台灣人也加入提告行列。主播:永山英樹・謝惠芝
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講師:盧韻至さん(台湾独立建国連盟日本本部盟員)
演題:「馬英九の売国行為が生んだ台湾の現状」
318ひまわり学生運動後、台湾の若者はもちろん台湾全体的に台湾アイデンティティや台湾独立への意識が高まったが、去年の11月台湾の地方統一選挙での国民党惨敗により、馬英九の売国行為には更に加速する可能性がある。ここで欠かせないのは日本とアメリカからの協力だ。
日時:2月4日(水) 18時30分~20時30分
場所:文京シビック3階会議室(東京都文京区春日1‐16‐21)
交通:東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
都営地下鉄三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分
JR総武線「水道橋駅」(東口)徒歩9分
会費:会員500円/一般1000円
問合せ:[email protected]
070-6484-2624