中国から見た「頑張れ日本!全国行動委員会」及びその尖閣漁業活動
2013/05/30/Thu
「頑張れ日本!全国行動委員会」が継続する尖閣諸島周辺海域での漁業活動には、日本の同諸島に対する実効支配の事実の積み重ねという重大意義がある。そのため昨年来、同海域で「パトロール」と称する監視船の領海侵犯を繰り返し、中国による実効支配という事実の既成化を狙う中国側には、さぞや面白からざるものがあろう。
五月二十六日に四隻の漁船で実施した第十四回目の活動に対しても、海洋監視船である海監三隻を派遣し、「取締」を試みた。そしてこれについて中国側は「日本の領海侵犯船を発見し、監視、証拠採集、駆逐した」などと「実効支配」ぶりを誇らしげに宣伝している。
だが実際には、「駆逐した」どころか、海保巡視船に行く手を阻まれて漁船に接近できず、為すすべもなく領海外へ引き返したわけだから、日本側に「駆逐された」というのが正確だ。
中国の海監船(左)は行く手を海保巡視船に阻まれ、漁船に対する「駆逐」(中国
の実効支配)に失敗し、逆に漁船の漁業活動(日本の実効支配)が成功を収めた
というのが真相だ
そのため中国では御用学者らが、この侮り難き「頑張れ日本」とその漁業活動に対して様々な分析を行い、それが大きく報じられている。
たとえば清華大学現代国際関係研究院の劉江永副院長は香港文匯報で次のように指摘する。
―――この組織の再度の挑発には―――この組織の再度の挑発には注意すべき二つの目的がある。
―――第一に、先日日本と台湾が漁業協定を結び、釣魚島から十二海里以内の海域には台湾漁船は入れず、日本漁船は制約を受けないこととなった。そこで右翼組織はただちにこれに乗じ、既成事実化を企図した。
―――第二に、自民党は七月の参議院選挙で優勢な地位を築き、憲法を改正する準備を進めようと企図している。今回の右翼の挑発は中国を刺激し、彼らが期待する挙動を引き出し、国内の反中感情の煽動に利用しようとするものだ。選挙の焦点を釣魚島問題へ移させ、中国に強硬姿勢の候補者を当選させようとしている。
―――目下、右翼勢力は釣魚島地域でコソコソ蠢いているだけだが、選挙後に公明党が排除され、右翼勢力がさらに安倍内閣に入り込めば、釣魚島情勢はさらに厳しいものになるかも知れない。
劉江永氏は中国でよく知られる日本問題専門家で、日本のメディアにもしばしばコメンテーターとして登場するが、実際には中共の宣伝マンにつき、その言説は不正確なものが多く、日本人から見れば「専門家」の名に値しないレベルだ。
しかし中国側の思考というものを理解するうえでは存外に有用である。
今回の日台漁業協定への言及も思い付きとしか言えないものだが、しかし中国が同協定が日本に有利に働いていることを警戒していることがうかがえる。
また反中感情の煽動を指摘するのも、日本国内で中国への不信感、嫌悪感が高まり、それが尖閣諸島攻略の障害になることを懸念している表れだ。
劉江永氏は「頑張れ日本」について、「二〇一〇年、釣魚島船舶衝突事件後に出現した新しい右翼団体で、この二年間で人員を募集しては釣魚島海域で騒ぎを引き起こしている。今回の挑発は初めてではないし、最後でもない」と解説する。
「頑張れ日本」の発足は「衝突事件」以前であり、当初は民主党政権打倒運動などを中心としていたわけが、中国から見ればそれほど、これまでにない強烈な反中専門の団体と映るのだろう。
一方、CCTVの報道番組では、中国国際問題研究所の阮宗沢副所長が次のようなコメントを見せた。
―――日本右翼の釣魚島での不断の挑発は、中国の出方を測るものであり、我々は断固たる姿勢を見せなければならない。
―――四月二十三日には百名以上もの右翼分子が漁船に乗って釣魚島海域へ侵入しようとしたが、中国の海監がその駆逐に成功した。これは中日の釣魚島での攻防情勢を転換させる事件だった。今回も駆逐に成功したが、これは情勢転換をさらに強化したという意義がある。
―――右翼の領海侵犯船に対する断固たる駆逐は、彼らの幻想を奪うものだが、強調しなければならないのは、今後は双方相譲らない状況に突入するということである。なぜなら日本では右翼団体はとても多い。
繰り返すが今回、「頑張れ日本」は駆逐を受けていない。たしかに活動終了後、石垣島への帰途に就く漁船団を二、三十分にわたって追尾しては来たが、漁船はそれから逃げたのではなく、あくまでも帰途に就いて航行しただけのことだった。
「双方相譲らない状況」に入ることは間違いないかも知れない。なぜなら今回見たように、海監には海上保安船の阻止を撥ね付け、漁船を「取締まる」だけの能力を持ち得ずにいるからだ。
また軍事専門家の孟祥青氏も同番組で、「取締まり」切れない漁船の活動に懸念を表明した。
―――今回の行動は我々に、挑発が常態化しはじめたと警告している。
―――そして、我々が駆逐行動をさらに強化し、右翼団体の挑発活動に更なる強烈な反撃を加えなければならなくなっていると教えてくれる。
阮宗沢氏は海監による「駆逐」を「中国の主権防衛における強固な意志と決意の表れ」と自讃して見せたが、実際には中国側は「頑張れ日本」が代表するところの日本国民の示した「主権防衛における強固な意志と決意」に攻め倦んでいるようだ。
つまり日本が予想以上に恫喝の効かない厄介な相手であると認識し、戸惑いを見せているのである。
中国からは「反中感情の煽動」と言われそうだが、全国国民は更なる勇気を以って領土防衛の声を挙げて行こうと訴えたい。
【関連記事】
報告―尖閣「漁業活動」で中国の宣伝を打ち破る!(附:チャンネル桜の報道動画)2013/05/29
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2117.html
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五月二十六日に四隻の漁船で実施した第十四回目の活動に対しても、海洋監視船である海監三隻を派遣し、「取締」を試みた。そしてこれについて中国側は「日本の領海侵犯船を発見し、監視、証拠採集、駆逐した」などと「実効支配」ぶりを誇らしげに宣伝している。
だが実際には、「駆逐した」どころか、海保巡視船に行く手を阻まれて漁船に接近できず、為すすべもなく領海外へ引き返したわけだから、日本側に「駆逐された」というのが正確だ。
中国の海監船(左)は行く手を海保巡視船に阻まれ、漁船に対する「駆逐」(中国
の実効支配)に失敗し、逆に漁船の漁業活動(日本の実効支配)が成功を収めた
というのが真相だ
そのため中国では御用学者らが、この侮り難き「頑張れ日本」とその漁業活動に対して様々な分析を行い、それが大きく報じられている。
たとえば清華大学現代国際関係研究院の劉江永副院長は香港文匯報で次のように指摘する。
―――この組織の再度の挑発には―――この組織の再度の挑発には注意すべき二つの目的がある。
―――第一に、先日日本と台湾が漁業協定を結び、釣魚島から十二海里以内の海域には台湾漁船は入れず、日本漁船は制約を受けないこととなった。そこで右翼組織はただちにこれに乗じ、既成事実化を企図した。
―――第二に、自民党は七月の参議院選挙で優勢な地位を築き、憲法を改正する準備を進めようと企図している。今回の右翼の挑発は中国を刺激し、彼らが期待する挙動を引き出し、国内の反中感情の煽動に利用しようとするものだ。選挙の焦点を釣魚島問題へ移させ、中国に強硬姿勢の候補者を当選させようとしている。
―――目下、右翼勢力は釣魚島地域でコソコソ蠢いているだけだが、選挙後に公明党が排除され、右翼勢力がさらに安倍内閣に入り込めば、釣魚島情勢はさらに厳しいものになるかも知れない。
劉江永氏は中国でよく知られる日本問題専門家で、日本のメディアにもしばしばコメンテーターとして登場するが、実際には中共の宣伝マンにつき、その言説は不正確なものが多く、日本人から見れば「専門家」の名に値しないレベルだ。
しかし中国側の思考というものを理解するうえでは存外に有用である。
今回の日台漁業協定への言及も思い付きとしか言えないものだが、しかし中国が同協定が日本に有利に働いていることを警戒していることがうかがえる。
また反中感情の煽動を指摘するのも、日本国内で中国への不信感、嫌悪感が高まり、それが尖閣諸島攻略の障害になることを懸念している表れだ。
劉江永氏は「頑張れ日本」について、「二〇一〇年、釣魚島船舶衝突事件後に出現した新しい右翼団体で、この二年間で人員を募集しては釣魚島海域で騒ぎを引き起こしている。今回の挑発は初めてではないし、最後でもない」と解説する。
「頑張れ日本」の発足は「衝突事件」以前であり、当初は民主党政権打倒運動などを中心としていたわけが、中国から見ればそれほど、これまでにない強烈な反中専門の団体と映るのだろう。
一方、CCTVの報道番組では、中国国際問題研究所の阮宗沢副所長が次のようなコメントを見せた。
―――日本右翼の釣魚島での不断の挑発は、中国の出方を測るものであり、我々は断固たる姿勢を見せなければならない。
―――四月二十三日には百名以上もの右翼分子が漁船に乗って釣魚島海域へ侵入しようとしたが、中国の海監がその駆逐に成功した。これは中日の釣魚島での攻防情勢を転換させる事件だった。今回も駆逐に成功したが、これは情勢転換をさらに強化したという意義がある。
―――右翼の領海侵犯船に対する断固たる駆逐は、彼らの幻想を奪うものだが、強調しなければならないのは、今後は双方相譲らない状況に突入するということである。なぜなら日本では右翼団体はとても多い。
繰り返すが今回、「頑張れ日本」は駆逐を受けていない。たしかに活動終了後、石垣島への帰途に就く漁船団を二、三十分にわたって追尾しては来たが、漁船はそれから逃げたのではなく、あくまでも帰途に就いて航行しただけのことだった。
「双方相譲らない状況」に入ることは間違いないかも知れない。なぜなら今回見たように、海監には海上保安船の阻止を撥ね付け、漁船を「取締まる」だけの能力を持ち得ずにいるからだ。
また軍事専門家の孟祥青氏も同番組で、「取締まり」切れない漁船の活動に懸念を表明した。
―――今回の行動は我々に、挑発が常態化しはじめたと警告している。
―――そして、我々が駆逐行動をさらに強化し、右翼団体の挑発活動に更なる強烈な反撃を加えなければならなくなっていると教えてくれる。
阮宗沢氏は海監による「駆逐」を「中国の主権防衛における強固な意志と決意の表れ」と自讃して見せたが、実際には中国側は「頑張れ日本」が代表するところの日本国民の示した「主権防衛における強固な意志と決意」に攻め倦んでいるようだ。
つまり日本が予想以上に恫喝の効かない厄介な相手であると認識し、戸惑いを見せているのである。
中国からは「反中感情の煽動」と言われそうだが、全国国民は更なる勇気を以って領土防衛の声を挙げて行こうと訴えたい。
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報告―尖閣「漁業活動」で中国の宣伝を打ち破る!(附:チャンネル桜の報道動画)2013/05/29
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