中国の嘘!尖閣「棚上げ」合意はなかった
2013/04/14/Sun
■外交記録に日中合意の事実なし
中国の程永華大使は三月二十九日の記者会見で、「目下の中日関係の最大の問題は釣魚島問題。中日関係を改善するのにこれを避けて通れない。日本は島の購入(野田政権による国有化)は両国の古い世代の指導者が達成した重要な了解、合意を破壊した」とし、日本に尖閣諸島問題の解決を目指す日中交渉を求めた。
「日中の古い世代の指導者に棚上げの合意があった」として日本の尖
閣国有化を非難した程永華大使
「両国の古い世代の指導者が達成した重要な了解、合意」とは尖閣領有を巡る争いの「棚上げ」合意のこと。日本が国有化という実効支配の強化で、それを破っているというわけだが、そのような合意は存在しないと日本政府は強調している。
それはそうに違いない。そもそも日本の尖閣支配に何の瑕疵もなく、中国と協議すべき領土問題は存在しないからだ。それなのにいったい何を「棚上げ」しなければならないのか。
もっとも中国側の「古い世代の指導者」らが「棚上げ」の意向を示してきたのは事実である。
たとえば日中国交正常化で合意した七二年九月二十七日の田中角栄首相、周恩来首相との首脳会談では、次のようなやり取りがあった(外務省HP掲載の外交記録より)。
(田中総理)尖閣諸島についてどう思うか?私のところに,いろいろ言ってくる人がいる。
(周総理)尖閣諸島問題については,今回は話したくない。今,これを話すのはよくない。石油が出るから,これが問題になった。石油が出なければ,台湾も米国も問題にしない。
田中・周会談。「棚上げ」の合意はあったのか
次いで七八年十月二十五日、日中平和友好条約交渉時の福田赳夫首相と鄧小平副首相との首脳会談で鄧小平氏は次のように述べた(同)。
(鄧副総理)もう一点言っておきたいことがある。両国間には色々な問題がある。例えば中国では釣魚台,日本では尖閣諸島と呼んでいる問題がある。こういうことは,今回のような会談の席上に持ち出さなくてもよい問題である。園田外務大臣にも北京で述べたが,われわれの世代では知恵が足りなくて解決できないかもしれないが,次の世代は,われわれよりももっと知恵があり,この問題を解決できるだろう。この問題は大局から見ることが必要だ。(福田総理より応答はなし。)
福田・鄧会談。中国側が一方的に「棚上げ」を提案しただけだ
以上の記録を見る限り、中国側の「棚上げ」の意向に日本側が同意したという事実は見出せない。
■中国が勝手に「合意」と言っているだけ
ちなみに鄧小平氏は、上記の会談と同日の記者会見でこう発言している。
「国交正常化の際,双方はこれに触れないと約束した。今回,平和友好条約交渉の際も同じくこの問題にふれないことで一致した」
この発言内容が事実なら、日中は「国交正常化と平和友好条約交渉の際に尖閣問題に触れないことで一致した」だけである。
ところが中国は、上に掲げた記録に基づき、日本と「棚上げ」に合意したと言い張るのである。
たとえば東洋学園大学教授の朱建栄氏が書いた「中国側から見た『問題』」(「世界」一二年十一月号)によると、前国務委員(副首相)の唐家璇氏は一二年八月二十九日、中国社会科学院で開かれた日中シンポジウムで次のように「棚上げの事実上の合意」を説明した。
「一九七二年の国交正常化の時、周恩来と田中角栄の両首相は釣魚島問題について『今後の解決に残す』ことで共通認識に達した」
「七八年に平和友好条約を調印した際、双方はさらに釣魚島問題について『争議を棚上げにし、今後の解決に残す』ことで黙約した」
どうも腑に落ちない話だ。田中・周会談で「今後の解決に残すことで共通認識に達した」と唐家璇氏は説明するが、外交記録によれば田中首相は「今、これを話すのはよくない」との周首相の言葉に対し、何も答えていない。それでどうして「共通認識に達した」などと断言できるのか。
それにしても日中平和友好条約の調印時に「棚上げ」の「黙約」があったとはよく言ったものだ。つまり「棚上げで合意したとの記録は存在しない」ことを、中国側は認めているのだ。
■二階堂元官房長官の証言から見る「合意」の真相
「中国側から見た『問題』」はさらに、元国務院新聞弁公室主任(大臣)の趙啓正氏を登場させる。
同氏は一二年六月、九〇年代半ばに訪中した二階堂進氏(七二年当時は官房長官で田中首相の訪中に同行)から次のように聞かされたそうだ。
「七二年九月の国交正常化交渉の間、中国は周恩来と姫鵬飛(外相)、日本側は田中、大平(外相)と私の五人で集まった際、尖閣問題の棚上げに合意している。他の当事者はすべて他界したので、自分はこの歴史の真実を話す責任がある」
この二階堂氏の発言は録音などで記録もされ、外交部に送付されているという。
この「日本側は尖閣問題の棚上げに合意している」とする二階堂氏の証言が事実なら、いったいどのような「合意」があったのだろうか。つまり「五人」しか知らなかった「歴史の真実」とは何なのか。
国交正常化のため田中氏と共に訪中した二階堂氏(中)。その証言をどう
受け取るべきか
その趙啓正氏は朝日新聞が一二年七月七日に配信した若宮啓文・朝日新聞社主筆らとの対談記事で、その辺を少し詳しく語っている。
朝日紙面で対談した趙啓正氏(中)と若宮氏(左)
「田中内閣の官房長官だった二階堂進さんに聞いた話ですが、田中角栄首相は訪中前に『尖閣問題を話さなければ国民に説明できない』と言っていた。しかし周恩来首相にそれをぶつけると『その話をすれば正常化できない。これは少し置いておこう』と言われて同意した」と。
これに拠る限り二階堂氏は、鄧小平氏と同様に「国交正常化と平和友好条約交渉の際に尖閣問題に触れないことで一致した」という話をしただけのようだ。
若宮氏が「田中首相は異を唱えなかったが『わかった』とも言っていないので、日本政府は『棚上げ』は合意でなく『領土問題は存在しない』との建前を貫いてきました」と説明すると、趙氏は「この問題を脇に置くことで国交を開いたのは事実。上の世代の勇気や知恵は覚えておくべきです」と、日本政府への不満を口にした。
しかし「田中首相は異を唱えなかったが『わかった』とも言っていない」というのが「歴史の真実」なのだろう。従って「棚上げ」の合意はなく、「この問題を脇に置くことで国交を開いた」と言うだけの話らしい。
■「ゆっくり解決しよう」は社交辞令
人民日報日本語版によると、二階堂氏は九六年十一月、『人民日報』や新華社とのインタビューで次のようにも証言している。
「会談の中で、田中首相の方からこの問題をどう扱うべきかと周恩来総理に質問しました。周恩来総理は少し考えた後、『この問題は今後の議題として、今回は取り上げないことにしましょう』とおっしゃいました。田中首相も、『では、今後話すことにしましょう』と賛成しました。これは事実上、双方の指導者の意見が一致したことになります。即ち、この問題について、今後ゆっくり解決しましょう、ということで合意したのです。今の一部の若い人は歴史を知らず、歴史を尊重しない」
「今後ゆっくり解決しましょう」というのは、国交を開くにあたって尖閣問題には触れないことで合意した際における社交辞令としか受け取れない。少なくとも領有権問題の「棚上げ」合意でないことは明らかだ。
「若い人は歴史を知らず、歴史を尊重しない」などと、いかにも中国と歩調を合わる人々が使いたがる言い回しだ。二階堂氏の証言は、今や中国に盛んに宣伝利用される。
■大平外相の発言は日中「黙約」を証明しない
新華社が日本が国有化した直後の一二年九月二十一日に配信した論説「言は必ず信じ、行いは必ず果たす」も、日本に「棚上げ」の約束を守れと訴える内容。田中・周会談に言及し、「棚上げ」の合意は事実だと訴えている。
―――「争議棚上げ」は双方の指導者間の黙契だ。当時日本の指導者は周恩来の「紛争棚上げ」の提案に納得し、明確、積極的に応じていた。
―――たとえば大平正芳は一九七二年九月三十日、朝日新聞のインタビューを受け、「今回の中国との交渉では尖閣列島問題は話されず、国交正常化が中心だった」と述べ、十一月六日には衆議院予算委員会で、将来の平和友好条約締結する際、領土問題は話し合われるかと質問され、「後ろ向きの問題はすでに終わっている。平和友好条約は前向きの問題なのだ」と言っている。
―――このような方式で、日本の多くの人の関心に答え、そして「争議棚上げ」が中日両国指導者間の黙契であることを証明している。
こうした大平氏の発言を見ても、当時中国が尖閣問題に執着しなかったことに日本がいかに安堵していたかは伝わってくるが、しかしこれだけでは領有権「棚上げ」の「黙約」の「証明」になっていない。日本が中国の如何なる「提案に納得し」たのか、一切語られていないからだ。
■「合意」を強調する河野洋平の歪んだ媚中心理
日中対立を高めた尖閣国有化を批判する親中派からも「棚上げ」合意を守れとの声が噴出している。
河野洋平前衆議院議長もそうした一人だ。「世界」(一二年十月号)掲載のインタビュー記事「日本外交に理性と誠実さを」で次のように述べている。
河野氏は「棚上げ」合意のでっち上げ宣伝に加
担している
―――日中国交回復当時に、現在はこの問題を解決する知恵を私たちは持たないので、解決は次世代に委ねると中国側のリーダーが明確に表明しました。この方針が中国側から打ち出された時、私たちは非常に驚いたのです。次世代に解決を委ねるということは、すなわちそれまでは現状を維持するということにほかなりません。尖閣諸島は日本が実効支配しているのですから、その表明は日本への大変な譲歩であったのです。
これでは強盗の譲歩に感動、感謝しているようなものだが、こうした屈折した心理は親中に特有のものだろう。
河野氏は「棚上げ」合意が如何なる形でなされたかには触れることなく、ただ合意は存在するとの前提で、こうも論じている。
―――このように、尖閣をめぐっては日中間に一つの合意があったにもかかわらず、なぜここまで問題化してしまったのか。それは明らかに、石原都知事のパフォーマンスです。
―――さらに間の悪いことに、東京都が購入するのであれば国有化すると野田政権が言い出しました。
―――中国との国交回復時の合意は、現状のまま次の世代が解決のために良い知恵を出すまで維持していくことです。国有化は、明らかに現状維持から踏み込んでいます。
河野氏の言葉からもわかるように、たかだか「国交正常化の際,双方はこれに触れないと約束した。平和友好条約交渉の際も同じくこの問題にふれないことで一致した」ことが、中国や日本の親中派の間では今や、「日中が尖閣諸島を放置して如何なる手も加えないことで合意した」と捏造されているのである。
■「棚上げ」しているのは日本だけだ
かつてと違い、すでに海洋進出能力を向上させている中国はとうに「棚上げ」を
停止している
日中の「先輩指導者」の間で尖閣領有問題の「棚上げ」合意がなかったことは事実だが、しかし日本側が「棚上げ」を表明する中国を刺激しないため、自らも「棚上げ」姿勢で実効支配の宣伝や強化を努めて避けて来たのも事実だ。
「尖閣諸島の長期にわたる平穏かつ安定的な維持・管理を図る」との理由で、公務員を含む国民の上陸を許さずにきたのはその象徴だ。七九年には一度建設したヘリポートを撤去した。民間が建てた灯台を海図に載せることを長年放置したりもした。
しかしそれに反して中国は「棚上げ」などしていない。「現状維持」の破壊行為を繰り返し行ってきた。近年では〇八年十二月、「実際の行動で中国の立場を示す」(中国国家海洋局の孫志輝局長)目的で海洋調査船を尖閣の領海に侵入させた。まさに「棚上げ」中止宣言である。
そして一〇年九月の中国漁船体当り事件が発生、日本は「棚上げ」方針の一環で犯人を釈放したものの、中国は報復措置として漁業艦船の尖閣接近を執拗に繰り返した。
こうした状況を受け、一二年四月に「尖閣諸島を日本が実効支配しているのに、ぶっ壊すためにあそこでもっと過激な運動に走り出した」とし、東京都による同諸島の購入・開発計画を打ち出したのが石原慎太郎都知事だった。
そこで都の計画を阻止し、「棚上げ」を継続しようと野田政権が実施したのが国有化だったのだが、中国はこうした「善意」をも「棚上げ合意」違反だとし、監視船、航空機による尖閣海域でのパトロールを常態化させて今日に至っているわけだ。
そしてその一方で、存在もしない「棚上げ」合意なるものをでっち上げて日本に揺さぶりをかけ、日本の抵抗力を奪いながら、日中交渉で中国のペースに乗せようと狙っているのである。
以上のように、「棚上げ」を継続するのは日本だけであり、中国はそのようなことはしていない。「棚上げ」合意に立ち返れば紛争は収まるなどといった宣伝謀略に、日本国民は惑わされてはならないのだ。
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中国のパンダは仙台にいらない! 4/20 デモ行進
期日 平成25年4月20日(土) 13時00分
集合場所 勝山公園 (地下鉄「北四番丁」駅 徒歩10分)
http://www.city.sendai.jp/kensetsu/ryokka/midori100/guide/024/024.html
内容
13時00分 集会
14時00分 デモ行進
16時00分~17時00分 街宣 於 東二番丁通り・中央通り交差点 GUCCI前
弁士:及川俊信(仙台にパンダはいらない仙台市民と宮城県民の会代表)
水島総(頑張れ日本!全国行動委員会幹事長)
永山英樹(頑張れ日本!全国行動委員会常任幹事)
《告知・チラシ》
http://image02.w.livedoor.jp/s/a/sendaipanda/68fa09b20e20a801.pdf
http://image01.w.livedoor.jp/s/a/sendaipanda/06255aa4e5e9f851.pdf
主催 仙台にパンダはいらない仙台市民と宮城県民の会
http://blog.livedoor.jp/sendaipanda/
http://www.facebook.com/groups/275819259150044/
共催 頑張れ日本!全国行動委員会
http://www.ganbare-nippon.net/
中国の程永華大使は三月二十九日の記者会見で、「目下の中日関係の最大の問題は釣魚島問題。中日関係を改善するのにこれを避けて通れない。日本は島の購入(野田政権による国有化)は両国の古い世代の指導者が達成した重要な了解、合意を破壊した」とし、日本に尖閣諸島問題の解決を目指す日中交渉を求めた。
「日中の古い世代の指導者に棚上げの合意があった」として日本の尖
閣国有化を非難した程永華大使
「両国の古い世代の指導者が達成した重要な了解、合意」とは尖閣領有を巡る争いの「棚上げ」合意のこと。日本が国有化という実効支配の強化で、それを破っているというわけだが、そのような合意は存在しないと日本政府は強調している。
それはそうに違いない。そもそも日本の尖閣支配に何の瑕疵もなく、中国と協議すべき領土問題は存在しないからだ。それなのにいったい何を「棚上げ」しなければならないのか。
もっとも中国側の「古い世代の指導者」らが「棚上げ」の意向を示してきたのは事実である。
たとえば日中国交正常化で合意した七二年九月二十七日の田中角栄首相、周恩来首相との首脳会談では、次のようなやり取りがあった(外務省HP掲載の外交記録より)。
(田中総理)尖閣諸島についてどう思うか?私のところに,いろいろ言ってくる人がいる。
(周総理)尖閣諸島問題については,今回は話したくない。今,これを話すのはよくない。石油が出るから,これが問題になった。石油が出なければ,台湾も米国も問題にしない。
田中・周会談。「棚上げ」の合意はあったのか
次いで七八年十月二十五日、日中平和友好条約交渉時の福田赳夫首相と鄧小平副首相との首脳会談で鄧小平氏は次のように述べた(同)。
(鄧副総理)もう一点言っておきたいことがある。両国間には色々な問題がある。例えば中国では釣魚台,日本では尖閣諸島と呼んでいる問題がある。こういうことは,今回のような会談の席上に持ち出さなくてもよい問題である。園田外務大臣にも北京で述べたが,われわれの世代では知恵が足りなくて解決できないかもしれないが,次の世代は,われわれよりももっと知恵があり,この問題を解決できるだろう。この問題は大局から見ることが必要だ。(福田総理より応答はなし。)
福田・鄧会談。中国側が一方的に「棚上げ」を提案しただけだ
以上の記録を見る限り、中国側の「棚上げ」の意向に日本側が同意したという事実は見出せない。
■中国が勝手に「合意」と言っているだけ
ちなみに鄧小平氏は、上記の会談と同日の記者会見でこう発言している。
「国交正常化の際,双方はこれに触れないと約束した。今回,平和友好条約交渉の際も同じくこの問題にふれないことで一致した」
この発言内容が事実なら、日中は「国交正常化と平和友好条約交渉の際に尖閣問題に触れないことで一致した」だけである。
ところが中国は、上に掲げた記録に基づき、日本と「棚上げ」に合意したと言い張るのである。
たとえば東洋学園大学教授の朱建栄氏が書いた「中国側から見た『問題』」(「世界」一二年十一月号)によると、前国務委員(副首相)の唐家璇氏は一二年八月二十九日、中国社会科学院で開かれた日中シンポジウムで次のように「棚上げの事実上の合意」を説明した。
「一九七二年の国交正常化の時、周恩来と田中角栄の両首相は釣魚島問題について『今後の解決に残す』ことで共通認識に達した」
「七八年に平和友好条約を調印した際、双方はさらに釣魚島問題について『争議を棚上げにし、今後の解決に残す』ことで黙約した」
どうも腑に落ちない話だ。田中・周会談で「今後の解決に残すことで共通認識に達した」と唐家璇氏は説明するが、外交記録によれば田中首相は「今、これを話すのはよくない」との周首相の言葉に対し、何も答えていない。それでどうして「共通認識に達した」などと断言できるのか。
それにしても日中平和友好条約の調印時に「棚上げ」の「黙約」があったとはよく言ったものだ。つまり「棚上げで合意したとの記録は存在しない」ことを、中国側は認めているのだ。
■二階堂元官房長官の証言から見る「合意」の真相
「中国側から見た『問題』」はさらに、元国務院新聞弁公室主任(大臣)の趙啓正氏を登場させる。
同氏は一二年六月、九〇年代半ばに訪中した二階堂進氏(七二年当時は官房長官で田中首相の訪中に同行)から次のように聞かされたそうだ。
「七二年九月の国交正常化交渉の間、中国は周恩来と姫鵬飛(外相)、日本側は田中、大平(外相)と私の五人で集まった際、尖閣問題の棚上げに合意している。他の当事者はすべて他界したので、自分はこの歴史の真実を話す責任がある」
この二階堂氏の発言は録音などで記録もされ、外交部に送付されているという。
この「日本側は尖閣問題の棚上げに合意している」とする二階堂氏の証言が事実なら、いったいどのような「合意」があったのだろうか。つまり「五人」しか知らなかった「歴史の真実」とは何なのか。
国交正常化のため田中氏と共に訪中した二階堂氏(中)。その証言をどう
受け取るべきか
その趙啓正氏は朝日新聞が一二年七月七日に配信した若宮啓文・朝日新聞社主筆らとの対談記事で、その辺を少し詳しく語っている。
朝日紙面で対談した趙啓正氏(中)と若宮氏(左)
「田中内閣の官房長官だった二階堂進さんに聞いた話ですが、田中角栄首相は訪中前に『尖閣問題を話さなければ国民に説明できない』と言っていた。しかし周恩来首相にそれをぶつけると『その話をすれば正常化できない。これは少し置いておこう』と言われて同意した」と。
これに拠る限り二階堂氏は、鄧小平氏と同様に「国交正常化と平和友好条約交渉の際に尖閣問題に触れないことで一致した」という話をしただけのようだ。
若宮氏が「田中首相は異を唱えなかったが『わかった』とも言っていないので、日本政府は『棚上げ』は合意でなく『領土問題は存在しない』との建前を貫いてきました」と説明すると、趙氏は「この問題を脇に置くことで国交を開いたのは事実。上の世代の勇気や知恵は覚えておくべきです」と、日本政府への不満を口にした。
しかし「田中首相は異を唱えなかったが『わかった』とも言っていない」というのが「歴史の真実」なのだろう。従って「棚上げ」の合意はなく、「この問題を脇に置くことで国交を開いた」と言うだけの話らしい。
■「ゆっくり解決しよう」は社交辞令
人民日報日本語版によると、二階堂氏は九六年十一月、『人民日報』や新華社とのインタビューで次のようにも証言している。
「会談の中で、田中首相の方からこの問題をどう扱うべきかと周恩来総理に質問しました。周恩来総理は少し考えた後、『この問題は今後の議題として、今回は取り上げないことにしましょう』とおっしゃいました。田中首相も、『では、今後話すことにしましょう』と賛成しました。これは事実上、双方の指導者の意見が一致したことになります。即ち、この問題について、今後ゆっくり解決しましょう、ということで合意したのです。今の一部の若い人は歴史を知らず、歴史を尊重しない」
「今後ゆっくり解決しましょう」というのは、国交を開くにあたって尖閣問題には触れないことで合意した際における社交辞令としか受け取れない。少なくとも領有権問題の「棚上げ」合意でないことは明らかだ。
「若い人は歴史を知らず、歴史を尊重しない」などと、いかにも中国と歩調を合わる人々が使いたがる言い回しだ。二階堂氏の証言は、今や中国に盛んに宣伝利用される。
■大平外相の発言は日中「黙約」を証明しない
新華社が日本が国有化した直後の一二年九月二十一日に配信した論説「言は必ず信じ、行いは必ず果たす」も、日本に「棚上げ」の約束を守れと訴える内容。田中・周会談に言及し、「棚上げ」の合意は事実だと訴えている。
―――「争議棚上げ」は双方の指導者間の黙契だ。当時日本の指導者は周恩来の「紛争棚上げ」の提案に納得し、明確、積極的に応じていた。
―――たとえば大平正芳は一九七二年九月三十日、朝日新聞のインタビューを受け、「今回の中国との交渉では尖閣列島問題は話されず、国交正常化が中心だった」と述べ、十一月六日には衆議院予算委員会で、将来の平和友好条約締結する際、領土問題は話し合われるかと質問され、「後ろ向きの問題はすでに終わっている。平和友好条約は前向きの問題なのだ」と言っている。
―――このような方式で、日本の多くの人の関心に答え、そして「争議棚上げ」が中日両国指導者間の黙契であることを証明している。
こうした大平氏の発言を見ても、当時中国が尖閣問題に執着しなかったことに日本がいかに安堵していたかは伝わってくるが、しかしこれだけでは領有権「棚上げ」の「黙約」の「証明」になっていない。日本が中国の如何なる「提案に納得し」たのか、一切語られていないからだ。
■「合意」を強調する河野洋平の歪んだ媚中心理
日中対立を高めた尖閣国有化を批判する親中派からも「棚上げ」合意を守れとの声が噴出している。
河野洋平前衆議院議長もそうした一人だ。「世界」(一二年十月号)掲載のインタビュー記事「日本外交に理性と誠実さを」で次のように述べている。
河野氏は「棚上げ」合意のでっち上げ宣伝に加
担している
―――日中国交回復当時に、現在はこの問題を解決する知恵を私たちは持たないので、解決は次世代に委ねると中国側のリーダーが明確に表明しました。この方針が中国側から打ち出された時、私たちは非常に驚いたのです。次世代に解決を委ねるということは、すなわちそれまでは現状を維持するということにほかなりません。尖閣諸島は日本が実効支配しているのですから、その表明は日本への大変な譲歩であったのです。
これでは強盗の譲歩に感動、感謝しているようなものだが、こうした屈折した心理は親中に特有のものだろう。
河野氏は「棚上げ」合意が如何なる形でなされたかには触れることなく、ただ合意は存在するとの前提で、こうも論じている。
―――このように、尖閣をめぐっては日中間に一つの合意があったにもかかわらず、なぜここまで問題化してしまったのか。それは明らかに、石原都知事のパフォーマンスです。
―――さらに間の悪いことに、東京都が購入するのであれば国有化すると野田政権が言い出しました。
―――中国との国交回復時の合意は、現状のまま次の世代が解決のために良い知恵を出すまで維持していくことです。国有化は、明らかに現状維持から踏み込んでいます。
河野氏の言葉からもわかるように、たかだか「国交正常化の際,双方はこれに触れないと約束した。平和友好条約交渉の際も同じくこの問題にふれないことで一致した」ことが、中国や日本の親中派の間では今や、「日中が尖閣諸島を放置して如何なる手も加えないことで合意した」と捏造されているのである。
■「棚上げ」しているのは日本だけだ
かつてと違い、すでに海洋進出能力を向上させている中国はとうに「棚上げ」を
停止している
日中の「先輩指導者」の間で尖閣領有問題の「棚上げ」合意がなかったことは事実だが、しかし日本側が「棚上げ」を表明する中国を刺激しないため、自らも「棚上げ」姿勢で実効支配の宣伝や強化を努めて避けて来たのも事実だ。
「尖閣諸島の長期にわたる平穏かつ安定的な維持・管理を図る」との理由で、公務員を含む国民の上陸を許さずにきたのはその象徴だ。七九年には一度建設したヘリポートを撤去した。民間が建てた灯台を海図に載せることを長年放置したりもした。
しかしそれに反して中国は「棚上げ」などしていない。「現状維持」の破壊行為を繰り返し行ってきた。近年では〇八年十二月、「実際の行動で中国の立場を示す」(中国国家海洋局の孫志輝局長)目的で海洋調査船を尖閣の領海に侵入させた。まさに「棚上げ」中止宣言である。
そして一〇年九月の中国漁船体当り事件が発生、日本は「棚上げ」方針の一環で犯人を釈放したものの、中国は報復措置として漁業艦船の尖閣接近を執拗に繰り返した。
こうした状況を受け、一二年四月に「尖閣諸島を日本が実効支配しているのに、ぶっ壊すためにあそこでもっと過激な運動に走り出した」とし、東京都による同諸島の購入・開発計画を打ち出したのが石原慎太郎都知事だった。
そこで都の計画を阻止し、「棚上げ」を継続しようと野田政権が実施したのが国有化だったのだが、中国はこうした「善意」をも「棚上げ合意」違反だとし、監視船、航空機による尖閣海域でのパトロールを常態化させて今日に至っているわけだ。
そしてその一方で、存在もしない「棚上げ」合意なるものをでっち上げて日本に揺さぶりをかけ、日本の抵抗力を奪いながら、日中交渉で中国のペースに乗せようと狙っているのである。
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集合場所 勝山公園 (地下鉄「北四番丁」駅 徒歩10分)
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内容
13時00分 集会
14時00分 デモ行進
16時00分~17時00分 街宣 於 東二番丁通り・中央通り交差点 GUCCI前
弁士:及川俊信(仙台にパンダはいらない仙台市民と宮城県民の会代表)
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