中国迎合の産物―デタラメ地図がまかり通る日本
2007/08/21/Tue
■気付けないほど洗脳されている日本人
日本人なら、知識不足の人や、日共、社民党などの左翼勢力は別としても、「台湾は中華人民共和国の領土だ」と言ったら、「何を馬鹿なことを言っているのだ」と笑ってしまうだろう。「そんなものは中国のプロパガンダだ」と批判する人もいるに違いない。以前は台湾自身まで「中国は一つ」などと宣伝していたから、すっかり日本人もそう言うものだと思ってきたが、近年はようやく正確な認識が定着しつつあるようだ。
だが「台湾は中国領土ではない」が、どこまで日本人の「信念」になっているか、疑わしく思うこともある。
それは、教科書の地図帳から市販の地図や地球儀に至るまで、あるいはテレビで映し出される地図に至るまで、多くが台湾を中華人民共和国の領土として描かれているのだが、それが問題視されることは、今のところ一般的にはほとんどないからである。
台湾と中国との間に国境線を引かず、「中華人民共和国」のエリアに台湾を含ませ、または台湾と中国を同一色で描き、同一国として扱うなどしているのだが、これにほとんど注意が払われていないのだ。
それはなぜかと言えば、「そう言うものだ」と言う認識が国民一般に刷り込まれているからだろう。すっかり見慣れてしまって、誤りを誤りと気が付けなくなっているのだろう。言い方を変えれば、中国の宣伝により、そこまで洗脳されてしまっていると言うことだ。
「台湾は中華人民共和国の領土ではないが、本当は台湾は中国の一部なのだ」と言った見方が少なくないのもそのためだ。「中国本土(大陸)と台湾」との言い回しが普遍的に見られるのも同じことだ。正確には「中国と台湾」である。
■中国の宣伝工作の狙いを知れ
手元にそのような地図があれば見ていただきたい。そこにある中国の国土は、まさに台湾併呑後の未来地図である。
そこで我々は、そうした地図の訂正を要求する運動を政府、教科書会社、地図出版社、マスコミに対して続けているが、その中でよく思い知らされることがある。それは地図の製作者や使用者が、必ずしも無知であるわけでないと言うことだ。ただ中国に配慮し、あるいは国内の親中左翼勢力の抗議を恐れ(今ではこの勢力に抗議の力はないが)、誤りと知りながら敢えて用いているのである。だからたいていは、訂正要求には頑として応じようとしない。
もちろん時には誤りの指摘を受けて、訂正の検討に着手するケースもある。だがいざ訂正するとなると、「問題の重大さ」に気付き始め……。
中国やそれと連なる親中派の圧力があるのである。すなわち中国の対日戦略としての宣伝、洗脳工作が進められてきたと言うことだ。
中国の台湾侵略を防ぐ上で大きいのが、日米安保条約上において日本が果たすべき役割である。しかしこのような地図がまかり通っている限りは、いざと言う時に日本人は、判断を誤るかもしれない。たとえば中国から「台湾統一は中国の内政問題だ」と言われたら、親中派政治勢力や世論は、台湾見殺しを容認してしまうかも知れない。具体的には、反戦運動で台湾有事に向かう米軍への後方支援を阻止してしまうとか…。
ここまで書けば、中国による息の長い、宣伝、洗脳工作の狙いも理解できるだろう。
■八王子市のその後の「勇断・快挙」
そうした中、八王子市のHPが最近、台湾入りの地図を掲載した。昨秋、都市交流協定を締結した中国の泰安市、台湾の高雄市、韓国の始興市を紹介するページで、それぞれの場所を示す地図が載っているのだが、泰安市を示す中国地図には、台湾は中国と同一色で、その領土として描かれていたのだ。
ところが高雄市を示す台湾地図になると、台湾と中国はきちんと色分けされている。これは当たり前のようだが、じつは日本では珍しい「正確な地図」である。そこで泰安市の方は、一般的な「誤った地図」を安易に参考にしただけだろうとも思った。
そこで八王子市に泰安市の地図を修正するよう求めたところ、対応に出た職員は即座に承諾した、と言う話はこのブログの八月七日の記事「大胆不敵な外務省の媚中―八王子市は理性を貫け」で書いたとおりだが、以下はその後日談である。
それから何日かして、地図の差し替えが行われたと言う話を聞き、さっそくHPを確認したところ、「台湾入りの中国地図」は見事に消えていた。この程度の話でも、今の日本では「勇断」「快挙」と言ってよい。ことに事なかれ主義と思われがちな地方自治体としては、たいしたものではないだろうか。訂正しなければ、友好都市である高雄市に申し訳ないと言う気持ちがあったのだろうか。
ただ、どのような変化があったかと言うと、まずそれまでの三つの地図はすべて削除され、その代わりに、三つの都市および八王子市の位置が一目でわかる東アジア地図が一つだけ掲げられている。そしてそこには国境線もなければ、国ごとの色分けも施されていないのだ。
http://www.city.hachioji.tokyo.jp/profile/kokusai/
gb_kaigaiyukotoshi.html
台湾と中国を区分けする「問題の重大さ」に気が付いた上での苦肉の策かと思い、そこで同市に「中国サイドからクレームでもきたのか」と聞いてみたのだが、「そのようなことは一切ない」と言う。聞けば「従来の地図はよそからの借り物。この際、八王子市も示せる独自のものを作ってみた」のだと言うこと。
そう言われれば、もはやあれこれ詮索しても意味のないことだ。たしかに台北を北京、ソウルとともに一国の首都として明示もしているし、申し分ないと言えるだろう。
とにかく誤った中国地図を追放した「快挙」には拍手を送りたい。そして、これこそが日本人の正しい措置であると強調したい。
■事大主義の産物―これは外国の問題ではない
このように、中国の宣伝に迎合して作られた「台湾入り中国地図」が日本社会で通用しているのである。つまり明らかに不正確な地図がマスコミに用いられ、または教科書会社に採用され、さらには文部科学省までもが、それを検定で合格させているのだ。地図の正確さが命であるはずの地図会社でさえ、何の疑問もなくそうしたものを販売している。
台湾を中国領土と見るのは中国政府だけであって、日本政府の見解はそれとは異なる。しかし外務省のHP上の中国地図ですら、台湾は中国と同一色なのだ。日本人には独立国家としての気概と言うものはないのだろうか。
このような不条理さに目を向けよう。そして「台湾入り中国地図」の追放に、一人ひとりが心がけよう。それを呼びかけるのはなぜかと言えば、もしそれが達成されたなら、その時こそ日本が中国の影響下から脱却した時であるはずだからだ。もはや台湾や中国など外国の問題と言うより、日本自身の問題なのである。
ちなみに、そうした地図を採用する政府、マスコミにその訂正を要求すると、日本人の中国に対する事大主義的心理がよく理解できるので、興味のある方はお試しを。現実の地理が何であれ、何が何でも「台湾入り地図」を死守しようとする醜悪さが、恐らくそこで見られます。
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日本人なら、知識不足の人や、日共、社民党などの左翼勢力は別としても、「台湾は中華人民共和国の領土だ」と言ったら、「何を馬鹿なことを言っているのだ」と笑ってしまうだろう。「そんなものは中国のプロパガンダだ」と批判する人もいるに違いない。以前は台湾自身まで「中国は一つ」などと宣伝していたから、すっかり日本人もそう言うものだと思ってきたが、近年はようやく正確な認識が定着しつつあるようだ。
だが「台湾は中国領土ではない」が、どこまで日本人の「信念」になっているか、疑わしく思うこともある。
それは、教科書の地図帳から市販の地図や地球儀に至るまで、あるいはテレビで映し出される地図に至るまで、多くが台湾を中華人民共和国の領土として描かれているのだが、それが問題視されることは、今のところ一般的にはほとんどないからである。
台湾と中国との間に国境線を引かず、「中華人民共和国」のエリアに台湾を含ませ、または台湾と中国を同一色で描き、同一国として扱うなどしているのだが、これにほとんど注意が払われていないのだ。
それはなぜかと言えば、「そう言うものだ」と言う認識が国民一般に刷り込まれているからだろう。すっかり見慣れてしまって、誤りを誤りと気が付けなくなっているのだろう。言い方を変えれば、中国の宣伝により、そこまで洗脳されてしまっていると言うことだ。
「台湾は中華人民共和国の領土ではないが、本当は台湾は中国の一部なのだ」と言った見方が少なくないのもそのためだ。「中国本土(大陸)と台湾」との言い回しが普遍的に見られるのも同じことだ。正確には「中国と台湾」である。
■中国の宣伝工作の狙いを知れ
手元にそのような地図があれば見ていただきたい。そこにある中国の国土は、まさに台湾併呑後の未来地図である。
そこで我々は、そうした地図の訂正を要求する運動を政府、教科書会社、地図出版社、マスコミに対して続けているが、その中でよく思い知らされることがある。それは地図の製作者や使用者が、必ずしも無知であるわけでないと言うことだ。ただ中国に配慮し、あるいは国内の親中左翼勢力の抗議を恐れ(今ではこの勢力に抗議の力はないが)、誤りと知りながら敢えて用いているのである。だからたいていは、訂正要求には頑として応じようとしない。
もちろん時には誤りの指摘を受けて、訂正の検討に着手するケースもある。だがいざ訂正するとなると、「問題の重大さ」に気付き始め……。
中国やそれと連なる親中派の圧力があるのである。すなわち中国の対日戦略としての宣伝、洗脳工作が進められてきたと言うことだ。
中国の台湾侵略を防ぐ上で大きいのが、日米安保条約上において日本が果たすべき役割である。しかしこのような地図がまかり通っている限りは、いざと言う時に日本人は、判断を誤るかもしれない。たとえば中国から「台湾統一は中国の内政問題だ」と言われたら、親中派政治勢力や世論は、台湾見殺しを容認してしまうかも知れない。具体的には、反戦運動で台湾有事に向かう米軍への後方支援を阻止してしまうとか…。
ここまで書けば、中国による息の長い、宣伝、洗脳工作の狙いも理解できるだろう。
■八王子市のその後の「勇断・快挙」
そうした中、八王子市のHPが最近、台湾入りの地図を掲載した。昨秋、都市交流協定を締結した中国の泰安市、台湾の高雄市、韓国の始興市を紹介するページで、それぞれの場所を示す地図が載っているのだが、泰安市を示す中国地図には、台湾は中国と同一色で、その領土として描かれていたのだ。
ところが高雄市を示す台湾地図になると、台湾と中国はきちんと色分けされている。これは当たり前のようだが、じつは日本では珍しい「正確な地図」である。そこで泰安市の方は、一般的な「誤った地図」を安易に参考にしただけだろうとも思った。
そこで八王子市に泰安市の地図を修正するよう求めたところ、対応に出た職員は即座に承諾した、と言う話はこのブログの八月七日の記事「大胆不敵な外務省の媚中―八王子市は理性を貫け」で書いたとおりだが、以下はその後日談である。
それから何日かして、地図の差し替えが行われたと言う話を聞き、さっそくHPを確認したところ、「台湾入りの中国地図」は見事に消えていた。この程度の話でも、今の日本では「勇断」「快挙」と言ってよい。ことに事なかれ主義と思われがちな地方自治体としては、たいしたものではないだろうか。訂正しなければ、友好都市である高雄市に申し訳ないと言う気持ちがあったのだろうか。
ただ、どのような変化があったかと言うと、まずそれまでの三つの地図はすべて削除され、その代わりに、三つの都市および八王子市の位置が一目でわかる東アジア地図が一つだけ掲げられている。そしてそこには国境線もなければ、国ごとの色分けも施されていないのだ。
http://www.city.hachioji.tokyo.jp/profile/kokusai/
gb_kaigaiyukotoshi.html
台湾と中国を区分けする「問題の重大さ」に気が付いた上での苦肉の策かと思い、そこで同市に「中国サイドからクレームでもきたのか」と聞いてみたのだが、「そのようなことは一切ない」と言う。聞けば「従来の地図はよそからの借り物。この際、八王子市も示せる独自のものを作ってみた」のだと言うこと。
そう言われれば、もはやあれこれ詮索しても意味のないことだ。たしかに台北を北京、ソウルとともに一国の首都として明示もしているし、申し分ないと言えるだろう。
とにかく誤った中国地図を追放した「快挙」には拍手を送りたい。そして、これこそが日本人の正しい措置であると強調したい。
■事大主義の産物―これは外国の問題ではない
このように、中国の宣伝に迎合して作られた「台湾入り中国地図」が日本社会で通用しているのである。つまり明らかに不正確な地図がマスコミに用いられ、または教科書会社に採用され、さらには文部科学省までもが、それを検定で合格させているのだ。地図の正確さが命であるはずの地図会社でさえ、何の疑問もなくそうしたものを販売している。
台湾を中国領土と見るのは中国政府だけであって、日本政府の見解はそれとは異なる。しかし外務省のHP上の中国地図ですら、台湾は中国と同一色なのだ。日本人には独立国家としての気概と言うものはないのだろうか。
このような不条理さに目を向けよう。そして「台湾入り中国地図」の追放に、一人ひとりが心がけよう。それを呼びかけるのはなぜかと言えば、もしそれが達成されたなら、その時こそ日本が中国の影響下から脱却した時であるはずだからだ。もはや台湾や中国など外国の問題と言うより、日本自身の問題なのである。
ちなみに、そうした地図を採用する政府、マスコミにその訂正を要求すると、日本人の中国に対する事大主義的心理がよく理解できるので、興味のある方はお試しを。現実の地理が何であれ、何が何でも「台湾入り地図」を死守しようとする醜悪さが、恐らくそこで見られます。
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