歓迎!中国の反台湾国連決議案
2007/08/13/Mon
■台湾に幸いする中国の反撥
今日、国連に加盟できないでいる国は台湾(中華民国)だけだ。もともとは中国代表として常任安保理事国ですらあったのだが、一九七一年の第二七五八号決議で中国代表の座を中華人民共和国に奪われ、国連追放の憂き目に遭った。「中国代表」ではなく「台湾代表」の立場に切り替えれば議席の維持は可能だったのだが、蒋介石はそれを敢えてせず、追放される前に自ら脱退した。一方、中華人民共和国は「台湾追放は国連が台湾を中華人民共和国の一部と認めたもの」と宣伝した。つまり台湾は中国の一部であって国家ではなく、そのため加盟の資格を喪失したと言う論理を主張しだしたのである。
台湾は、民主化によって台湾人国家に生まれ変わった九〇年代から、「中国代表」ではなく「台湾人民代表」として加盟を求めるようになった。そして毎年友好国を通じ、国連総会での台湾加盟問題の討議を提案してきたが、すべて拒否されている。
もちろんそれは中国が加盟諸国に圧力をかけた結果であるが、「中華民国」(チャイナ共和国)の国名にも問題がある。これでは自ら「チャイナ人民共和国」の一部だと誤解されているようなものだった。だから台湾が国連に加盟できなくても、各国はそれを当然とし、ほとんど問題視してこなかった。
「もはや台湾は台湾人の国だ。国民党(中国人)の国ではない」として、中華民国の国号を台湾国に変えようとの声も高いが、「チャイナ」を止めるとなっては、中国人民解放軍が「台湾独立だ」と言って攻め込んで来そうなので、なかなかそれはできない。
それでも今年七月には二度にわたって、陳水扁総統自らが「台湾」名義で加盟申請書を国連事務局に送付したのだ。そして潘基文事務総長(韓国人)によって受理を拒否されているのだが…。
これは結果的には台湾に幸いしたと思う。「チャイナ」ではなく「タイワン」で申請したことで、もちろん中国は「台湾独立の愚かな動きだ」と非難した。米国も不支持を表明した。「そのようなことをしては中国を刺激し、台湾海峡は大変なことになる」と言うわけだ。しかしそこまで騒がれたおかげで、台湾の加盟問題、いや国連から不条理にも締め出される台湾と言う存在、つまり「チャイナ」とは異なる「タイワン」が存在していると言うことに脚光が当たったのだ。日本でも今年の台湾加盟問題は例年になくクローズアップされた。
■デタラメ隠蔽のための新たな決議案
台湾は来年、国連加盟の是非を問う住民投票を実施する予定で、さらにまた台湾の存在は世界からクローズアップされることだろう。すでに米国が自制を求めているように、中国の猛反発が必至だからである。なぜなら台湾人民の意思に世界の注目が集まることほど、中国にとって困ることはないからだ。
そこで中国はさらなる「台湾抹殺」の工作に乗り出さざるを得なくなっている。
潘事務総長が見せた加盟申請拒否の理由は「国連事務局は第二七五八号決議以降、一つの中国政策を採っている」と言うものだった。つまり台湾は中国の一部だと言うのだが、そのようなデタラメな理屈があるだろうか。すでに書いたように第二七五八号決議は中国代表を決定したもので、台湾の帰属先問題とは一切関係がないのである。これで潘事務総長が完全に中国の意向に従っていることが明らかになった。
もっとも中国は、第二七五八号決議に「台湾」の文字すら見えないことを一番よく知っている。なぜならその決議文はアルバニアの提案によるものだったが、実際に書いたのは中国自身(周恩来)だからだ。そこで中国は、そのような不足を補うため、新たな決議案を国連総会に提出しようと研究中だと言う。
それは「台湾は中華人民共和国(中国)に帰属する」とする決議案だ。これを国連で通過させれば、台湾加盟は絶対不可能になる。台湾の情報部門によると、目下中国はそれを国連総会に送付することの利害得失を研究中だそうだ(台湾紙「自由時報」、八月三日)。
■台湾の地位を検討する絶好のチャンス
ウソを取り繕うとすればウソは拡大し、やがて破綻する。だから私は中国には是非それをやってもらいたいと思う。
国家の存在、領域等々を規定するのは国際法である。そこで国連総会では、台湾が本当に中国に帰属するのかを国際法の観点で再検討して欲しいのだ。
中国は「カイロ宣言」と言う条約(実際には条約ではなく、プレスリリース)に従って日本が台湾を中国に返還した(割譲した)とし、それを台湾領有の法的根拠に挙げているが、その是非を検討して欲しい。
法的事実を言うならば、日本と四十七ヶ国との間で締結されたサンフランシスコ媾和条約によって、台湾を中国に割譲することもなく、ただその領有権を放棄した。そして台湾の帰属先は住民自決によるものとされたのだ。もちろんそこでは、カイロ宣言など一切問題にされなかった。
中国は同条約に調印していないとして、この決定を否定するが、時すでに遅しだ。日本は領有権を放棄してしまった以上、日本からの台湾割譲は永遠に不可能になってしまったのだ。
こうしたことをこれまで検討する機会がなかったから、いつのまにか「台湾が中国の一部」と言うウソが大手を振ってまかり通ってしまっているのである。
■日本をも巻き込む大紛糾に期待
もし中国がこの決議案を提出したなら、こうした事実が世界に明るみになるのである。
たとえ中国の息のかかった国々が賛成票を投じても、またそれによって可決が行われても、それはそれで面白いことだ。そうなると中国の国連支配や国連の国際法蹂躙の実態まで明らかになるだろう。問題と言うものは、問題視されなければ解決の糸口は得られない。
日本もまた、「台湾返還」に関する証言を迫られることになるだろう。「返還していない」と言えば、中国からは「日中関係を根底から破壊した」と大攻撃を受けるだろうし、中国に迎合して「返還した」と偽証すれば、それはそれで日本の良識、主権を巡る歴史的な大問題になる。国内が台湾問題で大紛糾するのは確実だ。
いずれにせよこのように、台湾の存在、台湾の真実に国際社会の関心が集まることは間違いない。台湾に同情が集まり、中国は非難の対象となる。たとえ国連加盟はできなくても構わないだろう。中国がいる限り、もともとその望みは低いからだ。ただ世界の注目を浴びさえすれば、それだけでも台湾の安全保障に繋がるのである。
そうなると、この決議案情報は、中国が故意に流した張ったりの情報、つまりただたんに世界各国に対する、「中国は台湾加盟問題にここまで関心を持っている」と言う圧力のメッセージで終わる気もしてくる。いずれにせよ、この国のやることは悪質な陰謀ばかりである。
もし中国が動かないとすれば台湾は、今後は第二七五八号決議の真実、そして台湾の法的地位の真実を国際社会に訴えて行けばいいのである。とにかく台湾は大いに「騒ぎ」を起こして存在をアピールすることだ。騒ぎ拡大なら、中国も必ず手伝ってくれるはずだ。
座して死を待つのは愚かである。台湾は自らの生存をかけてもっとがんばれ!日本人もこの善良なる友邦を応援して行こう!
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今日、国連に加盟できないでいる国は台湾(中華民国)だけだ。もともとは中国代表として常任安保理事国ですらあったのだが、一九七一年の第二七五八号決議で中国代表の座を中華人民共和国に奪われ、国連追放の憂き目に遭った。「中国代表」ではなく「台湾代表」の立場に切り替えれば議席の維持は可能だったのだが、蒋介石はそれを敢えてせず、追放される前に自ら脱退した。一方、中華人民共和国は「台湾追放は国連が台湾を中華人民共和国の一部と認めたもの」と宣伝した。つまり台湾は中国の一部であって国家ではなく、そのため加盟の資格を喪失したと言う論理を主張しだしたのである。
台湾は、民主化によって台湾人国家に生まれ変わった九〇年代から、「中国代表」ではなく「台湾人民代表」として加盟を求めるようになった。そして毎年友好国を通じ、国連総会での台湾加盟問題の討議を提案してきたが、すべて拒否されている。
もちろんそれは中国が加盟諸国に圧力をかけた結果であるが、「中華民国」(チャイナ共和国)の国名にも問題がある。これでは自ら「チャイナ人民共和国」の一部だと誤解されているようなものだった。だから台湾が国連に加盟できなくても、各国はそれを当然とし、ほとんど問題視してこなかった。
「もはや台湾は台湾人の国だ。国民党(中国人)の国ではない」として、中華民国の国号を台湾国に変えようとの声も高いが、「チャイナ」を止めるとなっては、中国人民解放軍が「台湾独立だ」と言って攻め込んで来そうなので、なかなかそれはできない。
それでも今年七月には二度にわたって、陳水扁総統自らが「台湾」名義で加盟申請書を国連事務局に送付したのだ。そして潘基文事務総長(韓国人)によって受理を拒否されているのだが…。
これは結果的には台湾に幸いしたと思う。「チャイナ」ではなく「タイワン」で申請したことで、もちろん中国は「台湾独立の愚かな動きだ」と非難した。米国も不支持を表明した。「そのようなことをしては中国を刺激し、台湾海峡は大変なことになる」と言うわけだ。しかしそこまで騒がれたおかげで、台湾の加盟問題、いや国連から不条理にも締め出される台湾と言う存在、つまり「チャイナ」とは異なる「タイワン」が存在していると言うことに脚光が当たったのだ。日本でも今年の台湾加盟問題は例年になくクローズアップされた。
■デタラメ隠蔽のための新たな決議案
台湾は来年、国連加盟の是非を問う住民投票を実施する予定で、さらにまた台湾の存在は世界からクローズアップされることだろう。すでに米国が自制を求めているように、中国の猛反発が必至だからである。なぜなら台湾人民の意思に世界の注目が集まることほど、中国にとって困ることはないからだ。
そこで中国はさらなる「台湾抹殺」の工作に乗り出さざるを得なくなっている。
潘事務総長が見せた加盟申請拒否の理由は「国連事務局は第二七五八号決議以降、一つの中国政策を採っている」と言うものだった。つまり台湾は中国の一部だと言うのだが、そのようなデタラメな理屈があるだろうか。すでに書いたように第二七五八号決議は中国代表を決定したもので、台湾の帰属先問題とは一切関係がないのである。これで潘事務総長が完全に中国の意向に従っていることが明らかになった。
もっとも中国は、第二七五八号決議に「台湾」の文字すら見えないことを一番よく知っている。なぜならその決議文はアルバニアの提案によるものだったが、実際に書いたのは中国自身(周恩来)だからだ。そこで中国は、そのような不足を補うため、新たな決議案を国連総会に提出しようと研究中だと言う。
それは「台湾は中華人民共和国(中国)に帰属する」とする決議案だ。これを国連で通過させれば、台湾加盟は絶対不可能になる。台湾の情報部門によると、目下中国はそれを国連総会に送付することの利害得失を研究中だそうだ(台湾紙「自由時報」、八月三日)。
■台湾の地位を検討する絶好のチャンス
ウソを取り繕うとすればウソは拡大し、やがて破綻する。だから私は中国には是非それをやってもらいたいと思う。
国家の存在、領域等々を規定するのは国際法である。そこで国連総会では、台湾が本当に中国に帰属するのかを国際法の観点で再検討して欲しいのだ。
中国は「カイロ宣言」と言う条約(実際には条約ではなく、プレスリリース)に従って日本が台湾を中国に返還した(割譲した)とし、それを台湾領有の法的根拠に挙げているが、その是非を検討して欲しい。
法的事実を言うならば、日本と四十七ヶ国との間で締結されたサンフランシスコ媾和条約によって、台湾を中国に割譲することもなく、ただその領有権を放棄した。そして台湾の帰属先は住民自決によるものとされたのだ。もちろんそこでは、カイロ宣言など一切問題にされなかった。
中国は同条約に調印していないとして、この決定を否定するが、時すでに遅しだ。日本は領有権を放棄してしまった以上、日本からの台湾割譲は永遠に不可能になってしまったのだ。
こうしたことをこれまで検討する機会がなかったから、いつのまにか「台湾が中国の一部」と言うウソが大手を振ってまかり通ってしまっているのである。
■日本をも巻き込む大紛糾に期待
もし中国がこの決議案を提出したなら、こうした事実が世界に明るみになるのである。
たとえ中国の息のかかった国々が賛成票を投じても、またそれによって可決が行われても、それはそれで面白いことだ。そうなると中国の国連支配や国連の国際法蹂躙の実態まで明らかになるだろう。問題と言うものは、問題視されなければ解決の糸口は得られない。
日本もまた、「台湾返還」に関する証言を迫られることになるだろう。「返還していない」と言えば、中国からは「日中関係を根底から破壊した」と大攻撃を受けるだろうし、中国に迎合して「返還した」と偽証すれば、それはそれで日本の良識、主権を巡る歴史的な大問題になる。国内が台湾問題で大紛糾するのは確実だ。
いずれにせよこのように、台湾の存在、台湾の真実に国際社会の関心が集まることは間違いない。台湾に同情が集まり、中国は非難の対象となる。たとえ国連加盟はできなくても構わないだろう。中国がいる限り、もともとその望みは低いからだ。ただ世界の注目を浴びさえすれば、それだけでも台湾の安全保障に繋がるのである。
そうなると、この決議案情報は、中国が故意に流した張ったりの情報、つまりただたんに世界各国に対する、「中国は台湾加盟問題にここまで関心を持っている」と言う圧力のメッセージで終わる気もしてくる。いずれにせよ、この国のやることは悪質な陰謀ばかりである。
もし中国が動かないとすれば台湾は、今後は第二七五八号決議の真実、そして台湾の法的地位の真実を国際社会に訴えて行けばいいのである。とにかく台湾は大いに「騒ぎ」を起こして存在をアピールすることだ。騒ぎ拡大なら、中国も必ず手伝ってくれるはずだ。
座して死を待つのは愚かである。台湾は自らの生存をかけてもっとがんばれ!日本人もこの善良なる友邦を応援して行こう!
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