あなたも中国を刺激できるーバスケ国際試合の台湾国歌事件を機に
2007/08/12/Sun
■台湾人には迷惑な中国人同士の問題
日本人には何がなんだかよく意味がわからない台湾国歌事件が発生した。先日徳島で開催されたFIBAバスケットボール男子アジア選手権大会で、台湾代表チームの試合の際にそれが演奏されたため、中国政府が日本大使館の担当者を呼んで抗議し、大会実行委員会が中国に謝罪したと言うのだ。そのようにマスコミ各社は、競って報道している。
戦後台湾は蒋介石の国民党に支配されて以来「中華民国」と名乗り、中華人民共和国と対立し、世界中を巻き込んで「どちらが本物の中国政権か」で対立して来たが、結局は後者支持が大勢を占め、台湾が国際機関から締め出しにあった。だがこのような中国人同士の揉め事など、台湾人にとってはこの上ない迷惑な話である。
国際オリンピック委員会(IOC)でも、「台湾は中国領土。国家ではない」との中国からの強硬な主張もあり、台湾は追放されかかったが、結局は「国家」としてではなく「地域」の資格で残留した。そのため中華民国の「国名」「国旗」「国歌」は使用不可となり、それぞれIOCが定めた「中華台北(チャイニーズタイペイ)」「中華台北五輪委員会旗」「国旗歌」を用いることとなった。またこのIOC規定は、今回の大会のような国際競技大会でも適用されることとなった。
■なぜマスコミは疑問を投げかけない
「チャイニーズタイペイ」と言えば「中華人民共和国の台北」とも聞こえるので、中国は許容した。ちなみになぜ「タイワン」ではなく「タイペイ」かと言うと、「タイワン」だと台湾の存在を国際社会に示してしまうから、中国としては困るわけだ。
中華民国の中国人も、「タイワン」では自国が「チャイナ」であることを忘れられてしまうので、「チャイニーズ」をつけてもらったことに満足した。もっともこれは一九七九年のことで、現在は異なる。今日の中華民国政府が「台湾」と名乗りたがっていることは、先日の台湾名義での国連加盟申請を見てもわかる。国民の間でも「タイペイは台湾を矮小化するもの。タイワンでなくてはならない」「台湾はチャイナではない」との意見が多く見られる。
そこで今回、徳島で事件が発生した。日本バスケットボール協会などが組織する大会実行委員会がFIBAアジア連盟のHPで国旗歌をダウンロードしたところ、それは国旗歌ではなく中華民国国歌になっており、それをそのまま会場で流してしまったのだ。
そしてこれを受けて中国外務省は日本大使館に抗議を行ったわけだから、日本のマスコミは「中国を刺激した」「中国が怒った」とばかりに、それをいっせいに報じた。だが「なぜ中国がそこまで抗議するのか」に疑問を投げかける報道は一つもなかった。
たしかにIOCは台湾を「地域」として扱うが、それは何も台湾を「中国の一部」と認めるものではないのだから、中国の非難などお門違いだ。もしかして日本のマスコミは、中国の主張を支持しているのか。スポーツに政治を持ち込む中国の行動を許容するのか。呼び出しを食らった日本大使館員は日本国民を代表しながら、その点で、中国をたしなめたのか。
おそらく何も言わなかったのだろう。言っていれば、中国は今頃大騒ぎをし、日本のマスコミも「中国が怒った」と報じているはずだ。
■大会実行委は「台湾を中国領」と認めていない
それでは大会実行委員会は、本当に中国に謝罪したのか。もし事実なら、彼らは中国に政治的に屈服したことになり、大問題だ。そこで大会実行委員長に電話で問い合わせた。
実行委員長によると、報道とは若干話が違っていた。ことの経緯はこう言うことであるらしい。
大会期間中、実行委員会に中国大使館から「人の話によると、台湾の国歌が流されたそうだが本当か」との問い合せがあった。そこで実行委員会はクレームが来た以上、中国大使館と中国選手団長に「手続上のミスがあった」と説明し、規約に違反したとして謝罪の意を書面で伝えたところ、中国の領土的主張を呑んだかのような報道が出てしまったのだそうだ。
「マスコミまではコントロールできない」と戸惑う実行委員長は、台湾を中国領土とは認めていないと強調していた。
■「タイワン」を叫ぶ台湾人に協力を
それにしても、日本の報道機関の生真面目さはと言ったらない。たとえば昨年のバレーボールの日本―台湾戦で、実況中継のアナウンサーは、たびたび「台湾」と言いかけて、わざわざ「チャイニーズタイペイ」と言い直している。だがそうした日本人の生真面目さは、たいていは中国とのトラブルを避けたいだけの臆病心理から来るものだ。
一部の台湾人にもそのようなところがある。たとえば実況中継では「中華チーム」と連呼する。もっとも「中華民国チーム」のつもりでそう言っているのだろうが、台湾で開催される国際試合で自国国旗を掲揚できないことを問題視しない人々が問題視されたりもしている。
その反面台湾政府などは、中国側が故意に「中国台北」と呼ぶことに反撥している。「我々はあくまでも中華台北だ。中華人民共和国の台北ではない」と訴えているが、外国から見れば「中華」も「中国」も同じ「チャイニーズ」であるから、馬鹿げた論争と言える。日本人だって、両方の意味の差などまったくわからない。「中華」を名乗る限り、台湾が中国の一部と誤解されるのは宿命である。
もっとも「中華民国などクソ食らえ」との声も多い。中華民国の国旗は国民党旗だし、国歌も「三民主義は吾が党の宗旨」で始まる国民党歌だから、多数の人は「そんなものはいらない」と考えている。
そうした中、日本で開催される野球、バレーボールなどの国際試合で最近、在日台湾人が「タイワン、ガンバレ」と叫ぶ姿が見られる。手に持つ旗も国旗ではなく、独立派の緑旗だ。プラカードにもたいてい「タイワン」が強調され、「チャイニーズ」など一切書かれていない。そのようにして「台湾は中国の一部ではない」と、テレビカメラの前で必死にアピールしているのだ(これは政治行動ではなく、国家の自尊心に関わる行動だ)。
こうしたグループは、中国政府からも警戒されているようだ。たとえささやかな動きでも、ただそれだけで中国のウソを白日の下に曝してしまうわけだから、この国にとっては大きな衝撃なのだ。これは日本のマスコミの宣伝協力で安心しきってきた中国にとっては許しがたい新局面と言える。
我々国民は政府、マスコミと違い、中国に配慮したり、それへの刺激を避けたりする必要などまったくない。そこで今後、試合会場でそのような台湾人の一団を見たら、ぜひ応援して上げて下さい。そして機会があったら、一緒に「タイワン」をアピールして下さい。きっと台湾人たちは、大喜びをすることでしょう。
そのほかにもやり方は色々あるはずだ。みなで中国に対する反宣伝活動を! 真実の前に中国は、手も足も出ないのだ。
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日本人には何がなんだかよく意味がわからない台湾国歌事件が発生した。先日徳島で開催されたFIBAバスケットボール男子アジア選手権大会で、台湾代表チームの試合の際にそれが演奏されたため、中国政府が日本大使館の担当者を呼んで抗議し、大会実行委員会が中国に謝罪したと言うのだ。そのようにマスコミ各社は、競って報道している。
戦後台湾は蒋介石の国民党に支配されて以来「中華民国」と名乗り、中華人民共和国と対立し、世界中を巻き込んで「どちらが本物の中国政権か」で対立して来たが、結局は後者支持が大勢を占め、台湾が国際機関から締め出しにあった。だがこのような中国人同士の揉め事など、台湾人にとってはこの上ない迷惑な話である。
国際オリンピック委員会(IOC)でも、「台湾は中国領土。国家ではない」との中国からの強硬な主張もあり、台湾は追放されかかったが、結局は「国家」としてではなく「地域」の資格で残留した。そのため中華民国の「国名」「国旗」「国歌」は使用不可となり、それぞれIOCが定めた「中華台北(チャイニーズタイペイ)」「中華台北五輪委員会旗」「国旗歌」を用いることとなった。またこのIOC規定は、今回の大会のような国際競技大会でも適用されることとなった。
■なぜマスコミは疑問を投げかけない
「チャイニーズタイペイ」と言えば「中華人民共和国の台北」とも聞こえるので、中国は許容した。ちなみになぜ「タイワン」ではなく「タイペイ」かと言うと、「タイワン」だと台湾の存在を国際社会に示してしまうから、中国としては困るわけだ。
中華民国の中国人も、「タイワン」では自国が「チャイナ」であることを忘れられてしまうので、「チャイニーズ」をつけてもらったことに満足した。もっともこれは一九七九年のことで、現在は異なる。今日の中華民国政府が「台湾」と名乗りたがっていることは、先日の台湾名義での国連加盟申請を見てもわかる。国民の間でも「タイペイは台湾を矮小化するもの。タイワンでなくてはならない」「台湾はチャイナではない」との意見が多く見られる。
そこで今回、徳島で事件が発生した。日本バスケットボール協会などが組織する大会実行委員会がFIBAアジア連盟のHPで国旗歌をダウンロードしたところ、それは国旗歌ではなく中華民国国歌になっており、それをそのまま会場で流してしまったのだ。
そしてこれを受けて中国外務省は日本大使館に抗議を行ったわけだから、日本のマスコミは「中国を刺激した」「中国が怒った」とばかりに、それをいっせいに報じた。だが「なぜ中国がそこまで抗議するのか」に疑問を投げかける報道は一つもなかった。
たしかにIOCは台湾を「地域」として扱うが、それは何も台湾を「中国の一部」と認めるものではないのだから、中国の非難などお門違いだ。もしかして日本のマスコミは、中国の主張を支持しているのか。スポーツに政治を持ち込む中国の行動を許容するのか。呼び出しを食らった日本大使館員は日本国民を代表しながら、その点で、中国をたしなめたのか。
おそらく何も言わなかったのだろう。言っていれば、中国は今頃大騒ぎをし、日本のマスコミも「中国が怒った」と報じているはずだ。
■大会実行委は「台湾を中国領」と認めていない
それでは大会実行委員会は、本当に中国に謝罪したのか。もし事実なら、彼らは中国に政治的に屈服したことになり、大問題だ。そこで大会実行委員長に電話で問い合わせた。
実行委員長によると、報道とは若干話が違っていた。ことの経緯はこう言うことであるらしい。
大会期間中、実行委員会に中国大使館から「人の話によると、台湾の国歌が流されたそうだが本当か」との問い合せがあった。そこで実行委員会はクレームが来た以上、中国大使館と中国選手団長に「手続上のミスがあった」と説明し、規約に違反したとして謝罪の意を書面で伝えたところ、中国の領土的主張を呑んだかのような報道が出てしまったのだそうだ。
「マスコミまではコントロールできない」と戸惑う実行委員長は、台湾を中国領土とは認めていないと強調していた。
■「タイワン」を叫ぶ台湾人に協力を
それにしても、日本の報道機関の生真面目さはと言ったらない。たとえば昨年のバレーボールの日本―台湾戦で、実況中継のアナウンサーは、たびたび「台湾」と言いかけて、わざわざ「チャイニーズタイペイ」と言い直している。だがそうした日本人の生真面目さは、たいていは中国とのトラブルを避けたいだけの臆病心理から来るものだ。
一部の台湾人にもそのようなところがある。たとえば実況中継では「中華チーム」と連呼する。もっとも「中華民国チーム」のつもりでそう言っているのだろうが、台湾で開催される国際試合で自国国旗を掲揚できないことを問題視しない人々が問題視されたりもしている。
その反面台湾政府などは、中国側が故意に「中国台北」と呼ぶことに反撥している。「我々はあくまでも中華台北だ。中華人民共和国の台北ではない」と訴えているが、外国から見れば「中華」も「中国」も同じ「チャイニーズ」であるから、馬鹿げた論争と言える。日本人だって、両方の意味の差などまったくわからない。「中華」を名乗る限り、台湾が中国の一部と誤解されるのは宿命である。
もっとも「中華民国などクソ食らえ」との声も多い。中華民国の国旗は国民党旗だし、国歌も「三民主義は吾が党の宗旨」で始まる国民党歌だから、多数の人は「そんなものはいらない」と考えている。
そうした中、日本で開催される野球、バレーボールなどの国際試合で最近、在日台湾人が「タイワン、ガンバレ」と叫ぶ姿が見られる。手に持つ旗も国旗ではなく、独立派の緑旗だ。プラカードにもたいてい「タイワン」が強調され、「チャイニーズ」など一切書かれていない。そのようにして「台湾は中国の一部ではない」と、テレビカメラの前で必死にアピールしているのだ(これは政治行動ではなく、国家の自尊心に関わる行動だ)。
こうしたグループは、中国政府からも警戒されているようだ。たとえささやかな動きでも、ただそれだけで中国のウソを白日の下に曝してしまうわけだから、この国にとっては大きな衝撃なのだ。これは日本のマスコミの宣伝協力で安心しきってきた中国にとっては許しがたい新局面と言える。
我々国民は政府、マスコミと違い、中国に配慮したり、それへの刺激を避けたりする必要などまったくない。そこで今後、試合会場でそのような台湾人の一団を見たら、ぜひ応援して上げて下さい。そして機会があったら、一緒に「タイワン」をアピールして下さい。きっと台湾人たちは、大喜びをすることでしょう。
そのほかにもやり方は色々あるはずだ。みなで中国に対する反宣伝活動を! 真実の前に中国は、手も足も出ないのだ。
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