「バルチック艦隊」を歓迎する現代日本の亡国的惨状
2007/08/04/Sat
■中国の脅威は現代の「バルチック艦隊」
今から約百年前の日露戦争中、陸軍が満洲において赫々たる戦果を上げているさなかでも、日本がつねに不安で慄いていたのが敵バルチック艦隊の襲来である。当時のロシア海軍は英国海軍に次ぐ戦力を有していたが、もしその国が誇る大艦隊がウラジオストックに入り、日本海での制海権を奪い去られれば、大陸に展開する陸軍は本土からの補給路を絶たれるとともに、本土もまた直接攻撃に曝され、日本は敗れてロシアの殖民地に転落するものと予測されていたのだ。
結果としては、三国干渉以来、十年間の臥薪嘗胆で増強された連合艦隊が、「皇国の興廃、この一戦にあり」との悲壮な決意でそれを迎え撃って日本海に葬り去り、ようやく日本の独立を守り抜くことができたのだが、この恐るべきバルチック艦隊に、今日日本に向かって迫り来る中国の軍事的脅威を当てはめて考えて見てはどうだろうか。
中国の軍拡の目標とは、まず米軍を牽制しながら台湾を攻略したのち、日本のシーレーンを抑え、さらには日本の周辺海域近海で制海権を握り、必要とあらば至近距離から核ミサイルで恫喝するなどで日本を屈服させ、東アジアと西太平洋を自らの勢力下に置くことにある。だから今の日本から見れば、その国の脅威は、まさしくかつてのバルチック艦隊そのものだと言うことができるのである。
■生命線防衛の戦略は一つすらなし
たとえばバルチック艦隊が東アジアに到来する前、同艦隊が旅順港に入ることを阻止するため、陸軍はそこの攻略を急いだが、それは今日で言えば、台湾への防衛協力と言うものに匹敵するかも知れない。なぜなら台湾が中国海空軍の前進基地になってしまったら、尖閣諸島はおろか沖縄全体、そして日本本土は多大な脅威に曝されることになるからだ。台湾が日本の生命線とされる所以である。
だが日本は二〇〇五年から「周辺事態」の「周辺」は台湾を包含すると明言するようになったものの、あるいは同年、日米2+2で台湾問題への関心を表明したものの、台湾防衛に関する戦略はそれ以上何も有していないし、日台防衛協力の具体的計画なども、一切持ち合わせていないのである。
また陸軍の旅順に向けた戦略は、今日でなら、台湾有事や東支那海有事に備える集団的自衛権の見直し、MDの研究と言ったものに相当するのだろうか。しかしかつて陸軍が、二〇三高地の戦いに代表される熾烈な戦闘を繰り返し、多くの将兵が命を国に捧げたのに比べ、集団的自衛権やそれと表裏一体のMDの問題で、賛否の議論を延々と繰り返す今の日本人の体たらくと言ったらどうだろうか。
■臥薪嘗胆で軍拡を急ぐ中国
さらにつづけよう。
では、各国と提携してバルチック艦隊の航行情報を鋭意蒐集し、あるいはその行動の哨戒に全力を尽くしたことは何にあたるのか。そうしたものを求める政治家、マスコミ、国民はどれほどいるのか。
むしろ大方は中国の脅威の存在すら知らず、あるいは「中国を刺激するよりも日中友好関係が大切だ」との理由で脅威を否定していると言うのが現状ではないのか。それはあたかもかつての日本人が、「刺激しないよう歓迎しよう」「ロシア海軍は友好使節団だ」「話し合いが大切だ」、あるいは「バルチック艦隊は存在しない」などと訴えているようなものである。
連合艦隊は烈々たる愛国心を以って、長年の血の滲むような訓練の成果を十二分まで発揮し、ついにバルチック艦隊を撃滅して戦争を終結させ、東アジアの平和と安定を取り戻したのだが、今の日本人には、決してそのようなことはできないと言うことだ。
他方中国軍は一九九六年の台湾海峡危機の際、米空母機動艦隊の出動で屈辱を味わって以来のこの十年間、まさに臥薪嘗胆で近代化を推進し、その結果今日では米軍の台湾有事介入を阻止するだけの実力を確実に蓄えつつある。言わば中国の軍備は、かつてのロシアを思わせる威力、連合艦隊に見られた敵愾心に支えられているのである。
つまり「本気」だと言うことだ。いくら日本人が「日中友好」を唱えても、中国にとっては日本を属国にすることが優先であり、「友好」などはその後で、「君臣水魚」でゆっくり楽しもうと言う算段なのだ。
■かつての朝鮮亡国主義が今の日本
それに対して今の日本は、日露戦争前夜、ロシアを恐れて自らその属国となろうとした、朝鮮の亡国主義と同じではないのか。
共同通信社の調査によれば、先日の参院選の当選者の四八・七%は、集団的自衛権行使に関して、「一切認めるべきではない」と答えたと言う。改憲はおろか解釈見直しすら許さないと言うのである。自民党では容認派は辛うじて七八・一%に達したが、公明党などは全員が「一切認めるべきではない」と答えたそうだ。反対者のこの数値はいったい何を意味しているのか。
そもそも集団的自衛権行使を認めない議員は、首相の靖国参拝に反対する議員と重なっていると言われているが、これが示唆するものは、いったい何なのか。つまり多くは中国への刺激を避けたいがため、自衛権行使に反対していると言うことではないだろうか。
国難と言うもの直視できない事大主義、亡国主義、敗北主義のきわみである。このように、今日の日本を取り巻く危機的状況は日露戦争当時に似ていても、日本の国民は当時とは同じ民族とは思えないほど堕落し果てているのである。
このような惨状を見て、有権者は何も思わないのか。
現代の「バルチック艦隊」に先ず目を向けよう。それは我々や我々の子供たち以降の世代の生存を脅かす存在である。そして必勝の信念でそれに対処しよう。勇気と叡智に満ちた民族本来の血を取り戻しさえすれば、日本人なら絶対に負けない!
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今から約百年前の日露戦争中、陸軍が満洲において赫々たる戦果を上げているさなかでも、日本がつねに不安で慄いていたのが敵バルチック艦隊の襲来である。当時のロシア海軍は英国海軍に次ぐ戦力を有していたが、もしその国が誇る大艦隊がウラジオストックに入り、日本海での制海権を奪い去られれば、大陸に展開する陸軍は本土からの補給路を絶たれるとともに、本土もまた直接攻撃に曝され、日本は敗れてロシアの殖民地に転落するものと予測されていたのだ。
結果としては、三国干渉以来、十年間の臥薪嘗胆で増強された連合艦隊が、「皇国の興廃、この一戦にあり」との悲壮な決意でそれを迎え撃って日本海に葬り去り、ようやく日本の独立を守り抜くことができたのだが、この恐るべきバルチック艦隊に、今日日本に向かって迫り来る中国の軍事的脅威を当てはめて考えて見てはどうだろうか。
中国の軍拡の目標とは、まず米軍を牽制しながら台湾を攻略したのち、日本のシーレーンを抑え、さらには日本の周辺海域近海で制海権を握り、必要とあらば至近距離から核ミサイルで恫喝するなどで日本を屈服させ、東アジアと西太平洋を自らの勢力下に置くことにある。だから今の日本から見れば、その国の脅威は、まさしくかつてのバルチック艦隊そのものだと言うことができるのである。
■生命線防衛の戦略は一つすらなし
たとえばバルチック艦隊が東アジアに到来する前、同艦隊が旅順港に入ることを阻止するため、陸軍はそこの攻略を急いだが、それは今日で言えば、台湾への防衛協力と言うものに匹敵するかも知れない。なぜなら台湾が中国海空軍の前進基地になってしまったら、尖閣諸島はおろか沖縄全体、そして日本本土は多大な脅威に曝されることになるからだ。台湾が日本の生命線とされる所以である。
だが日本は二〇〇五年から「周辺事態」の「周辺」は台湾を包含すると明言するようになったものの、あるいは同年、日米2+2で台湾問題への関心を表明したものの、台湾防衛に関する戦略はそれ以上何も有していないし、日台防衛協力の具体的計画なども、一切持ち合わせていないのである。
また陸軍の旅順に向けた戦略は、今日でなら、台湾有事や東支那海有事に備える集団的自衛権の見直し、MDの研究と言ったものに相当するのだろうか。しかしかつて陸軍が、二〇三高地の戦いに代表される熾烈な戦闘を繰り返し、多くの将兵が命を国に捧げたのに比べ、集団的自衛権やそれと表裏一体のMDの問題で、賛否の議論を延々と繰り返す今の日本人の体たらくと言ったらどうだろうか。
■臥薪嘗胆で軍拡を急ぐ中国
さらにつづけよう。
では、各国と提携してバルチック艦隊の航行情報を鋭意蒐集し、あるいはその行動の哨戒に全力を尽くしたことは何にあたるのか。そうしたものを求める政治家、マスコミ、国民はどれほどいるのか。
むしろ大方は中国の脅威の存在すら知らず、あるいは「中国を刺激するよりも日中友好関係が大切だ」との理由で脅威を否定していると言うのが現状ではないのか。それはあたかもかつての日本人が、「刺激しないよう歓迎しよう」「ロシア海軍は友好使節団だ」「話し合いが大切だ」、あるいは「バルチック艦隊は存在しない」などと訴えているようなものである。
連合艦隊は烈々たる愛国心を以って、長年の血の滲むような訓練の成果を十二分まで発揮し、ついにバルチック艦隊を撃滅して戦争を終結させ、東アジアの平和と安定を取り戻したのだが、今の日本人には、決してそのようなことはできないと言うことだ。
他方中国軍は一九九六年の台湾海峡危機の際、米空母機動艦隊の出動で屈辱を味わって以来のこの十年間、まさに臥薪嘗胆で近代化を推進し、その結果今日では米軍の台湾有事介入を阻止するだけの実力を確実に蓄えつつある。言わば中国の軍備は、かつてのロシアを思わせる威力、連合艦隊に見られた敵愾心に支えられているのである。
つまり「本気」だと言うことだ。いくら日本人が「日中友好」を唱えても、中国にとっては日本を属国にすることが優先であり、「友好」などはその後で、「君臣水魚」でゆっくり楽しもうと言う算段なのだ。
■かつての朝鮮亡国主義が今の日本
それに対して今の日本は、日露戦争前夜、ロシアを恐れて自らその属国となろうとした、朝鮮の亡国主義と同じではないのか。
共同通信社の調査によれば、先日の参院選の当選者の四八・七%は、集団的自衛権行使に関して、「一切認めるべきではない」と答えたと言う。改憲はおろか解釈見直しすら許さないと言うのである。自民党では容認派は辛うじて七八・一%に達したが、公明党などは全員が「一切認めるべきではない」と答えたそうだ。反対者のこの数値はいったい何を意味しているのか。
そもそも集団的自衛権行使を認めない議員は、首相の靖国参拝に反対する議員と重なっていると言われているが、これが示唆するものは、いったい何なのか。つまり多くは中国への刺激を避けたいがため、自衛権行使に反対していると言うことではないだろうか。
国難と言うもの直視できない事大主義、亡国主義、敗北主義のきわみである。このように、今日の日本を取り巻く危機的状況は日露戦争当時に似ていても、日本の国民は当時とは同じ民族とは思えないほど堕落し果てているのである。
このような惨状を見て、有権者は何も思わないのか。
現代の「バルチック艦隊」に先ず目を向けよう。それは我々や我々の子供たち以降の世代の生存を脅かす存在である。そして必勝の信念でそれに対処しよう。勇気と叡智に満ちた民族本来の血を取り戻しさえすれば、日本人なら絶対に負けない!
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