国を守れぬ菅直人の危険思想―中国の対日戦略と見事に合致
2010/06/07/Mon
■アジア安全保障会議で見られた米中対立とは
アジア太平洋地域の国防大臣クラスが参加する第九回アジア安全保障会議(主催=英国際戦略研究所)が六月四~六日にシンガポールで開催され、日本でもその場で行われた日米、日米韓防衛相会談などに注目が集まったが、実はもう一つ各国が注目したのが「米中対立」である。
アジア安全保障会議で講演を行うゲーツ国防長官
なぜならこれに先立ち、会議出席後の訪中を希望していたゲーツ米国防長官の受け入れを中国側から拒否しているからだ。
理由は米国の台湾武器供与決定と見られる。米中軍事交流の停止は中国側の報復措置なのだ。もっとも韓国哨戒艦撃沈事件に関する議論を回避したいとの思惑も指摘されている。
ゲーツ氏が会議の行った演説に対し、案の定中国側代表は論戦に出た。
「交流を欠けば誤解や不必要な紛糾を生み、地域の安全に影響を与えかねない」と中国を批判するゲーツ氏に対し、まず国防大学防務学院長の朱成虎少将が「台湾に武器を売る米国の行為は中国の核心利益を損ねる。中国は米国をパートナーと見ているが、米国は中国を敵に仕立てている」と非難した。
ちなみに朱成虎氏は、かつて対米核攻撃発言で世界の注目を集めた、軍強硬派の対外恫喝担当のような存在である。
馬暁天副総参謀長も演説に立ち、「中米協力関係の主要な障害の一つが台湾への武器売却であり、この障害を設けているのは米国であって中国ではない。中米関係を三十年間も妨害する重大問題だ」と言い切り、「台湾独立を支持しないと言うのを、行動で示すべきだ」と要求するなど、攻勢を掛けた。
馬暁天副総参謀長。米国に台湾防衛放棄を呼びかけた
■米国をも振り回す中国の宣伝戦に日本は勝てない
たしかに米国はこれまで、中国に対して「台湾独立は支持しない」と繰り返し表明してきた。
しかし台湾は中国に隷属しない独立した国である。したがってその独立に反対姿勢を示すことは台湾への内政干渉にあたる。そればかりか台湾を「中国の一部」(台湾政府は中国国内の反乱団体)と承認してしまうことになるし、「反乱団体」である以上、武器供与もできなくなるはずだ。
だが実際には「台湾独立は支持しない」とは、「台湾独立を応援もしなければ、反対もしない」との表明に過ぎないのだ。ではなぜこうした紛らわしい発言を繰り返すかと言うと、「台湾独立に反対する」と声明せよとの要求を執拗に行う中国を満足させるためである(日本も同様だ)。
もちろん宣伝戦に長けた中国が、こうした表明を利用しないはずがない。今回のように、「台湾独立不支持を行動で示せ」と、あたかも米国が「台湾独立反対」と誓約したかのような印象操作を行い、国際社会に米国の非を訴え、米国を振り回し続けるのである。
もし日本なら、こうした海千山千の狡猾な中国の戦略的な宣伝戦には到底太刀打ちできまい。事実日本は台湾問題においても、歴史問題においても、米国以上に翻弄され続けているのである。
■米中のアジア制海権争奪問題としての台湾問題
ゲーツ氏は講演でさらに、中国の南支那海において他国の船舶を威圧していると非難した。これに対しても馬暁天氏は、米国の同海域での偵察活動を違法だと反論した。各国間で係争中の南支那海を、中国の領海だと極め付けた上での発言であるが、こうした応酬について読売新聞は六日、次のように報じた。
―――南シナ海を巡る米中両国の対立の背景には、中国海軍が近代化を進め、近海防御型から外洋展開型に移行する動きを強めている事情がある。
―――外洋展開を目指す中国と、制海権を握ってきた米国の間の海洋権益を巡る対立激化を印象づけた。
〇九年三月、南支那海の公海上で中国の潜水艦探知を行た米軍調査船の
妨害をする中国船
こうしたアジア太平洋地域での制海権を巡る深刻な米中対立の最大の一環が、上述の台湾への武器売却を巡る対立なのである。
なぜなら中国が台湾を攻略すれば、南支那海はおろか、東支那海の制海権は自ずと中国に転がり込むことになる。西太平洋もまた中国の強力な影響下に陥ることだろう。
だから読売はこうも伝える。
―――台湾やフィリピンをつなぐ「第1列島線」から、小笠原諸島やグアムを結ぶ「第2列島線」に活動範囲を拡大、この地域での米海軍の制海権を脅かしており、・・・ウィラード太平洋軍司令官も4日、当地で記者団に対し、中国海軍の増強に懸念を表明した。
■中国が歓迎する菅直人新首相に安保を委ねられるか
もちろん中国海軍の増強に対する米国の懸念は日本の懸念でもある。むしろ米国以上に日本は懸念しなければならない。なぜなら危機に直面しているのは、米国ではなく日本の周辺海域だからだ。
北沢俊美防衛相は会議での演説で、「アジアに広がる海域の安定を考える際、米国抜きに語ることはできない。この海域全体に展開が可能なのは米軍のみだ」とし、「海洋の安全確保に、日米間の緊密な協力関係が重要な役割を果たす」と述べ、日米同盟の重要性を強調している。
日米同盟の重要性を強調した北沢防衛相
そしてゲーツ氏との会談では、菅直人新首相がアジア太平洋地域の平和と安定を重視していることを伝えた。そして普天間基地移設に関する日米合意に関し、「新内閣は国と国との約束として引き継いで行く」と強調している。
だが菅直人氏自身はどのような考えなのか。首相に指名された四日、やはり「国と国との合意をしっかり踏まえる」と述べ、安全保障政策への取り組み姿勢を見せてはいる。
だがだがその一方でこの日、中国の複数のニュースサイトが一斉に配信した記事を読む限り、菅氏は本当に、中国の脅威にきちんと対処できるのかと不安になる。何しろ中共の「喉舌」である中国のメディアが、大きな期待を同氏に寄せているからだ。
■日米同盟の片割れ「指導者」が親中との期待
記事のタイトルは「菅直人は日本の中国侵略を承認し、台湾独立に反対している」と言うもの。
菅氏がこれまで数十回も訪中していると言った親中ぶりを紹介しながら、「日本では珍しく公開の場で台湾独立反対を表明した指導者。また日本の中国侵略と言う史実を認め、これについて謝罪するべきだと考えている」
長年中国に通い続けてきた菅氏。中国では友好的日本人として重視されている
菅氏がかつて講演で「台湾独立に反対する」と語ったとした台湾メディアの報道に中国メディアが飛びつき、それを盛んに報じているわけなのだが、それも当然だろう。
何しろ台湾攻略の最大障害である日米同盟の片割れである日本の「指導者」が、台湾を中国の領土と見ていることが判明したのだ。これに中国側が歓迎の報道をしないわけがない。
そこにはまた、「菅直人はその発言を忘れるな」との圧力メッセージも含まれているかも知れない。米国に対して言うように、それを「行動で示せ」と言う・・・。
では「台湾独立に反対する」と言ったとされる菅氏は、果たして「台湾は中国の一部」と考え、中国の台湾併呑を支持しているのだろうか。
■台湾は中国の一部か信用できないー菅氏の姿勢に矛盾あり
それを知るために、菅氏の〇二年発表の「救国的自立外交私案」を見てみよう。今でも同氏は自身の公式サイトで「是非多くの人に読んでいただきたい」と紹介している論文だ。
そこでは台中問題を「単に中国と台湾の国内問題、あるいは米国と中国の二国間問題とするのではなく、国連加盟国同士の問題として国連の場で平和的解決を目指すべき」との考えを述べている。
また「もし中国が武力で台湾を『解放』しようとすれば、米国は日本を基地とする第七艦隊を中心に台湾支援に向かうことは過去の例からも間違いない。・・・私は、在日米軍の活動には制約を加えない」とも語っている。
つまり菅氏は台湾を「中国の一部」ではないことを理解しているのだ。もし「一部」だと考えるなら、米軍の台湾支援は中国への内政干渉、中国領土への侵攻だとして容認しないはずである。
しかしそれでありながら他方で「台湾独立に反対する」と述べたと言うのなら、この人物の信念は奈辺にあるのか、この人物の安全保障政策の主張は信用できるのかと言う問題になる。
■日米安保条約、周辺事態法に背反する主張を堂々と
さらに菅氏は論文で、台湾有事の際、台湾救援に向かう「在日米軍の活動には制約を加えない」とする一方で、驚くべき主張を何に臆することなく展開している。
「実際に武力衝突が起きた時の日本の立場は極めて難しい。中国の国内問題とする立場を取るのか、それとも台湾を防衛するための米軍の行動を支援するため、『周辺事態法』」に基づいて自衛隊を派遣するのか」
「こと中台問題に関しては自衛隊の関与は避けるべきだと考えている。日中戦争や台湾併合の過去のある日本が中台問題に軍事的に関与することは、事態をエスカレートさせ、かえって紛争解決を複雑にするからだ」
つまり、自衛隊は日米安保条約や周辺事態法に基づく義務を放棄してでも、中国の台湾侵略と言う「周辺事態」(日本の平和及び安全に重要な影響を与える事態)に対処する米軍の後方支援をしてはならないと言っているのである。
■安全保障問題に歴史問題を絡める考えは中国と合致
中国の対日戦略の主要目標は、日本に米軍の台湾救援の軍事行動に協力させないことだ。そのためには日米離間、日米同盟の解消は最も好ましい。
そしてそれを達成するためにも、日本には心理的に中国には頭が上がらないように仕向けなければならない。そこで行ってきた工作の一つが、歴史問題に関わる中国への贖罪意識の扶植である。
それからもう一つは、「台湾は中国の一部」なる宣伝工作である。日本の政府、国民は必ずしもこれに騙される必要はない。騙された振りをして、「台湾独立に反対する」と表明し、中国の側に立ってくれればそれでいい。
論文のこのくだりを読む限り、菅氏の主張は、中国の対日戦略に見事なまでに合致しているとは言えないか。
歴史問題を口実に、台湾有事での米軍への後方支援を拒否すれば、それで日米同盟は解消されることだろう。そしてそうなれば、日本は間違いなく、中国と言う核保有国の勢力圏に陥ることだろう。
菅氏には危険思想がある。有事に際し、自衛隊に米軍への後方支援をさせ
ないかも知れない
中国メディアが菅氏を「日本の中国侵略を承認し、台湾独立に反対している」と高く評価するのは、そうした戦略上の期待を抱かれているからなのだ。
■中国の「雰囲気」に飲み込まれる媚中首相は信用できない
こうした中国の戦略的シナリオに、鳩山由紀夫首相の普天間基地問題を巡るって見せてきた日米同盟空洞化の動きや東アジア共同体構想が大きく重っている。
中国メディアの上記報道は、「菅直人氏は対中関係の上では鳩山内閣の方針を引き継ぐはずだ」との確信も語っている。
論文で次の如く訴える菅氏だが、これを読めば、この政治家の言うことはますます信用できなくなる。
「中国と付き合うと、ややもすればその大人風の雰囲気に飲み込まれそうになる。しかし日本は民主主義国としての誇りを持って、中国と堂々と向かい合って付き合っていけばよい」
菅氏はすっかり「大人風の雰囲気に飲み込まれ」ているのではないのか。「台湾独立に反対する」などと、日本の安全保障に大きく関わる中国の宣伝を、虚構を虚構と知りながらも、平然と受け容れてしまうのも、その証左だろう。
侵略主義国家の首相と笑顔で握手。「大人風の雰囲気」なるものに飲み込
まれていないか
そもそもあの横暴な覇権主義国家を「大人風」と感じてしまうところに、数十回も訪中してきた親中派(媚中派)の面目躍如たるところがあり、これでは日本の安全保障を委ねることはできないと思うのである。
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民主党糾弾! 『救国』 緊急国民行動 (6/7・8・19)
登壇予定 水島総、三輪和雄、藤井げんき、永山英樹、松浦芳子 ほか 地方議員等
日程
・6月8日(火)
11時00分~13時00分 議員会館前 街頭演説
15時00分~17時00分 議員会館前 街頭演説
・6月19日(土)
13時00分~14時30分 「渋谷」駅ハチ公前広場 街頭演説
15時30分~17時30分 「横浜」駅西口 街頭演説
※ 全日程 雨天決行!
主催 頑張れ日本!全国行動委員会、草莽全国地方議員の会、日本文化チャンネル桜ニ千人委員会有志の会
ご連絡先 頑張れ日本!全国行動委員会 TEL 03-6419-3900
※ 案内チラシはこちら → http://www.ch-sakura.jp/sakura/nationalsalvation0605-19_flyer.pdf
注意:開始時間は17時半に繰り上がりました。
真正保守勢力が結集! 全国国民は参加を!
草の根の手で日本を救おう! 6・9 「救国」全国国民総決起集会
日時 平成22年6月9日(水) 17時30分 (16時30分開場)
場所 砂防会館別館 シェーンバッハ・サボー(地下鉄「永田町」駅 4番出口 徒歩1分)
《登壇予定(順不同)》
平沼赳夫(たちあがれ日本 代表)、山田宏(日本創新党 党首)、安倍晋三(創生「日本」会長)※現在調整中
古屋圭司、下村博文、衛藤晟一、山谷えり子、中山恭子、西田昌司、稲田朋美、義家弘介、中山成彬、西村眞悟、赤池誠章、牧原秀樹、田母神俊雄、小堀桂一郎、井尻千男、加瀬英明、すぎやまこういち、百地章、藤岡信勝、西岡 力、増元照明、藤井厳喜、三輪和雄、西村幸祐、小山和伸、高清水有子、ほか 政治家、文化人多数登壇
主催 頑張れ日本!全国行動委員会(会長・田母神俊雄)、草莽全国地方議員の会、日本文化チャンネル桜ニ千人委員会有志の会
ご連絡先 頑張れ日本!全国行動委員会 TEL 03-6419-3900
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アジア太平洋地域の国防大臣クラスが参加する第九回アジア安全保障会議(主催=英国際戦略研究所)が六月四~六日にシンガポールで開催され、日本でもその場で行われた日米、日米韓防衛相会談などに注目が集まったが、実はもう一つ各国が注目したのが「米中対立」である。
アジア安全保障会議で講演を行うゲーツ国防長官
なぜならこれに先立ち、会議出席後の訪中を希望していたゲーツ米国防長官の受け入れを中国側から拒否しているからだ。
理由は米国の台湾武器供与決定と見られる。米中軍事交流の停止は中国側の報復措置なのだ。もっとも韓国哨戒艦撃沈事件に関する議論を回避したいとの思惑も指摘されている。
ゲーツ氏が会議の行った演説に対し、案の定中国側代表は論戦に出た。
「交流を欠けば誤解や不必要な紛糾を生み、地域の安全に影響を与えかねない」と中国を批判するゲーツ氏に対し、まず国防大学防務学院長の朱成虎少将が「台湾に武器を売る米国の行為は中国の核心利益を損ねる。中国は米国をパートナーと見ているが、米国は中国を敵に仕立てている」と非難した。
ちなみに朱成虎氏は、かつて対米核攻撃発言で世界の注目を集めた、軍強硬派の対外恫喝担当のような存在である。
馬暁天副総参謀長も演説に立ち、「中米協力関係の主要な障害の一つが台湾への武器売却であり、この障害を設けているのは米国であって中国ではない。中米関係を三十年間も妨害する重大問題だ」と言い切り、「台湾独立を支持しないと言うのを、行動で示すべきだ」と要求するなど、攻勢を掛けた。
馬暁天副総参謀長。米国に台湾防衛放棄を呼びかけた
■米国をも振り回す中国の宣伝戦に日本は勝てない
たしかに米国はこれまで、中国に対して「台湾独立は支持しない」と繰り返し表明してきた。
しかし台湾は中国に隷属しない独立した国である。したがってその独立に反対姿勢を示すことは台湾への内政干渉にあたる。そればかりか台湾を「中国の一部」(台湾政府は中国国内の反乱団体)と承認してしまうことになるし、「反乱団体」である以上、武器供与もできなくなるはずだ。
だが実際には「台湾独立は支持しない」とは、「台湾独立を応援もしなければ、反対もしない」との表明に過ぎないのだ。ではなぜこうした紛らわしい発言を繰り返すかと言うと、「台湾独立に反対する」と声明せよとの要求を執拗に行う中国を満足させるためである(日本も同様だ)。
もちろん宣伝戦に長けた中国が、こうした表明を利用しないはずがない。今回のように、「台湾独立不支持を行動で示せ」と、あたかも米国が「台湾独立反対」と誓約したかのような印象操作を行い、国際社会に米国の非を訴え、米国を振り回し続けるのである。
もし日本なら、こうした海千山千の狡猾な中国の戦略的な宣伝戦には到底太刀打ちできまい。事実日本は台湾問題においても、歴史問題においても、米国以上に翻弄され続けているのである。
■米中のアジア制海権争奪問題としての台湾問題
ゲーツ氏は講演でさらに、中国の南支那海において他国の船舶を威圧していると非難した。これに対しても馬暁天氏は、米国の同海域での偵察活動を違法だと反論した。各国間で係争中の南支那海を、中国の領海だと極め付けた上での発言であるが、こうした応酬について読売新聞は六日、次のように報じた。
―――南シナ海を巡る米中両国の対立の背景には、中国海軍が近代化を進め、近海防御型から外洋展開型に移行する動きを強めている事情がある。
―――外洋展開を目指す中国と、制海権を握ってきた米国の間の海洋権益を巡る対立激化を印象づけた。
〇九年三月、南支那海の公海上で中国の潜水艦探知を行た米軍調査船の
妨害をする中国船
こうしたアジア太平洋地域での制海権を巡る深刻な米中対立の最大の一環が、上述の台湾への武器売却を巡る対立なのである。
なぜなら中国が台湾を攻略すれば、南支那海はおろか、東支那海の制海権は自ずと中国に転がり込むことになる。西太平洋もまた中国の強力な影響下に陥ることだろう。
だから読売はこうも伝える。
―――台湾やフィリピンをつなぐ「第1列島線」から、小笠原諸島やグアムを結ぶ「第2列島線」に活動範囲を拡大、この地域での米海軍の制海権を脅かしており、・・・ウィラード太平洋軍司令官も4日、当地で記者団に対し、中国海軍の増強に懸念を表明した。
■中国が歓迎する菅直人新首相に安保を委ねられるか
もちろん中国海軍の増強に対する米国の懸念は日本の懸念でもある。むしろ米国以上に日本は懸念しなければならない。なぜなら危機に直面しているのは、米国ではなく日本の周辺海域だからだ。
北沢俊美防衛相は会議での演説で、「アジアに広がる海域の安定を考える際、米国抜きに語ることはできない。この海域全体に展開が可能なのは米軍のみだ」とし、「海洋の安全確保に、日米間の緊密な協力関係が重要な役割を果たす」と述べ、日米同盟の重要性を強調している。
日米同盟の重要性を強調した北沢防衛相
そしてゲーツ氏との会談では、菅直人新首相がアジア太平洋地域の平和と安定を重視していることを伝えた。そして普天間基地移設に関する日米合意に関し、「新内閣は国と国との約束として引き継いで行く」と強調している。
だが菅直人氏自身はどのような考えなのか。首相に指名された四日、やはり「国と国との合意をしっかり踏まえる」と述べ、安全保障政策への取り組み姿勢を見せてはいる。
だがだがその一方でこの日、中国の複数のニュースサイトが一斉に配信した記事を読む限り、菅氏は本当に、中国の脅威にきちんと対処できるのかと不安になる。何しろ中共の「喉舌」である中国のメディアが、大きな期待を同氏に寄せているからだ。
■日米同盟の片割れ「指導者」が親中との期待
記事のタイトルは「菅直人は日本の中国侵略を承認し、台湾独立に反対している」と言うもの。
菅氏がこれまで数十回も訪中していると言った親中ぶりを紹介しながら、「日本では珍しく公開の場で台湾独立反対を表明した指導者。また日本の中国侵略と言う史実を認め、これについて謝罪するべきだと考えている」
長年中国に通い続けてきた菅氏。中国では友好的日本人として重視されている
菅氏がかつて講演で「台湾独立に反対する」と語ったとした台湾メディアの報道に中国メディアが飛びつき、それを盛んに報じているわけなのだが、それも当然だろう。
何しろ台湾攻略の最大障害である日米同盟の片割れである日本の「指導者」が、台湾を中国の領土と見ていることが判明したのだ。これに中国側が歓迎の報道をしないわけがない。
そこにはまた、「菅直人はその発言を忘れるな」との圧力メッセージも含まれているかも知れない。米国に対して言うように、それを「行動で示せ」と言う・・・。
では「台湾独立に反対する」と言ったとされる菅氏は、果たして「台湾は中国の一部」と考え、中国の台湾併呑を支持しているのだろうか。
■台湾は中国の一部か信用できないー菅氏の姿勢に矛盾あり
それを知るために、菅氏の〇二年発表の「救国的自立外交私案」を見てみよう。今でも同氏は自身の公式サイトで「是非多くの人に読んでいただきたい」と紹介している論文だ。
そこでは台中問題を「単に中国と台湾の国内問題、あるいは米国と中国の二国間問題とするのではなく、国連加盟国同士の問題として国連の場で平和的解決を目指すべき」との考えを述べている。
また「もし中国が武力で台湾を『解放』しようとすれば、米国は日本を基地とする第七艦隊を中心に台湾支援に向かうことは過去の例からも間違いない。・・・私は、在日米軍の活動には制約を加えない」とも語っている。
つまり菅氏は台湾を「中国の一部」ではないことを理解しているのだ。もし「一部」だと考えるなら、米軍の台湾支援は中国への内政干渉、中国領土への侵攻だとして容認しないはずである。
しかしそれでありながら他方で「台湾独立に反対する」と述べたと言うのなら、この人物の信念は奈辺にあるのか、この人物の安全保障政策の主張は信用できるのかと言う問題になる。
■日米安保条約、周辺事態法に背反する主張を堂々と
さらに菅氏は論文で、台湾有事の際、台湾救援に向かう「在日米軍の活動には制約を加えない」とする一方で、驚くべき主張を何に臆することなく展開している。
「実際に武力衝突が起きた時の日本の立場は極めて難しい。中国の国内問題とする立場を取るのか、それとも台湾を防衛するための米軍の行動を支援するため、『周辺事態法』」に基づいて自衛隊を派遣するのか」
「こと中台問題に関しては自衛隊の関与は避けるべきだと考えている。日中戦争や台湾併合の過去のある日本が中台問題に軍事的に関与することは、事態をエスカレートさせ、かえって紛争解決を複雑にするからだ」
つまり、自衛隊は日米安保条約や周辺事態法に基づく義務を放棄してでも、中国の台湾侵略と言う「周辺事態」(日本の平和及び安全に重要な影響を与える事態)に対処する米軍の後方支援をしてはならないと言っているのである。
■安全保障問題に歴史問題を絡める考えは中国と合致
中国の対日戦略の主要目標は、日本に米軍の台湾救援の軍事行動に協力させないことだ。そのためには日米離間、日米同盟の解消は最も好ましい。
そしてそれを達成するためにも、日本には心理的に中国には頭が上がらないように仕向けなければならない。そこで行ってきた工作の一つが、歴史問題に関わる中国への贖罪意識の扶植である。
それからもう一つは、「台湾は中国の一部」なる宣伝工作である。日本の政府、国民は必ずしもこれに騙される必要はない。騙された振りをして、「台湾独立に反対する」と表明し、中国の側に立ってくれればそれでいい。
論文のこのくだりを読む限り、菅氏の主張は、中国の対日戦略に見事なまでに合致しているとは言えないか。
歴史問題を口実に、台湾有事での米軍への後方支援を拒否すれば、それで日米同盟は解消されることだろう。そしてそうなれば、日本は間違いなく、中国と言う核保有国の勢力圏に陥ることだろう。
菅氏には危険思想がある。有事に際し、自衛隊に米軍への後方支援をさせ
ないかも知れない
中国メディアが菅氏を「日本の中国侵略を承認し、台湾独立に反対している」と高く評価するのは、そうした戦略上の期待を抱かれているからなのだ。
■中国の「雰囲気」に飲み込まれる媚中首相は信用できない
こうした中国の戦略的シナリオに、鳩山由紀夫首相の普天間基地問題を巡るって見せてきた日米同盟空洞化の動きや東アジア共同体構想が大きく重っている。
中国メディアの上記報道は、「菅直人氏は対中関係の上では鳩山内閣の方針を引き継ぐはずだ」との確信も語っている。
論文で次の如く訴える菅氏だが、これを読めば、この政治家の言うことはますます信用できなくなる。
「中国と付き合うと、ややもすればその大人風の雰囲気に飲み込まれそうになる。しかし日本は民主主義国としての誇りを持って、中国と堂々と向かい合って付き合っていけばよい」
菅氏はすっかり「大人風の雰囲気に飲み込まれ」ているのではないのか。「台湾独立に反対する」などと、日本の安全保障に大きく関わる中国の宣伝を、虚構を虚構と知りながらも、平然と受け容れてしまうのも、その証左だろう。
侵略主義国家の首相と笑顔で握手。「大人風の雰囲気」なるものに飲み込
まれていないか
そもそもあの横暴な覇権主義国家を「大人風」と感じてしまうところに、数十回も訪中してきた親中派(媚中派)の面目躍如たるところがあり、これでは日本の安全保障を委ねることはできないと思うのである。
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登壇予定 水島総、三輪和雄、藤井げんき、永山英樹、松浦芳子 ほか 地方議員等
日程
・6月8日(火)
11時00分~13時00分 議員会館前 街頭演説
15時00分~17時00分 議員会館前 街頭演説
・6月19日(土)
13時00分~14時30分 「渋谷」駅ハチ公前広場 街頭演説
15時30分~17時30分 「横浜」駅西口 街頭演説
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主催 頑張れ日本!全国行動委員会、草莽全国地方議員の会、日本文化チャンネル桜ニ千人委員会有志の会
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注意:開始時間は17時半に繰り上がりました。
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草の根の手で日本を救おう! 6・9 「救国」全国国民総決起集会
日時 平成22年6月9日(水) 17時30分 (16時30分開場)
場所 砂防会館別館 シェーンバッハ・サボー(地下鉄「永田町」駅 4番出口 徒歩1分)
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平沼赳夫(たちあがれ日本 代表)、山田宏(日本創新党 党首)、安倍晋三(創生「日本」会長)※現在調整中
古屋圭司、下村博文、衛藤晟一、山谷えり子、中山恭子、西田昌司、稲田朋美、義家弘介、中山成彬、西村眞悟、赤池誠章、牧原秀樹、田母神俊雄、小堀桂一郎、井尻千男、加瀬英明、すぎやまこういち、百地章、藤岡信勝、西岡 力、増元照明、藤井厳喜、三輪和雄、西村幸祐、小山和伸、高清水有子、ほか 政治家、文化人多数登壇
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ご連絡先 頑張れ日本!全国行動委員会 TEL 03-6419-3900
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