国民受信料で韓国優位史観と東アジア共同体を宣伝―NHKスペシャル「シリーズ日本と朝鮮半島」第1回放送の問題点(3)
2010/05/12/Wed
■NHKが迎合―東亜共同体は韓国の「先駆的思想」
韓国では一九〇六年に伊藤博文を射殺した安重根を「東アジア共同体」理念を唱えた先駆者として顕彰する機運がある。たとえば昨年十月二十六日は安重根が処刑されてちょうど百年だが、これを受けて韓国紙の中央日報(同月二十三日)や朝鮮日報(二十六日)は、それぞれ「安重根の東洋平和論、現在の観点からも先駆的思想」、「安重根義挙100周年と『東洋平和論』」と言った論評を掲載している。
昨年十月と言えば、その前月に日本で発足した民主党政権の鳩山由紀夫首相が、中国や韓国の反日ナショナリズムとの摩擦、衝突を避けるため、「東アジア共同体」構想を両国などに盛んにアピールしていた時期と重なるが、実はそうした構想は、早くも百年も前に韓国の民族英雄が提唱していたと、韓国側は強調したいのだろう。
そうした韓国側の歴史観が反映されたのが、NHKが四月十八日に放送した「シリーズ日本と朝鮮半島」第一回「韓国併合への道」だと、近現代史研究家の田中秀雄氏がチャンネル桜の討論番組「伏魔殿NHKを暴く!PART4」(五月八日放送)で指摘していた。
韓国民族主義の歴史観がストレートに反映されていた
安重根の「先駆的思想」を強調して日本の優位に立ちたいと言うのが韓国人の欲情なのだろうが、中韓への屈服心理を抱く日本人にとってそれは、歓迎すべきものなのだろう。
「韓国併合への道」を見れば、たしかにそう思わざるを得なかった。
そこで先ずこの番組が、いかに韓国の歴史観に基づいて日本の歴史を描いていたかを証明したい。
■韓国紙の記事と符合するNHKの番組内容
中央日報の記事は「安重根、伊藤両氏ともに東洋平和を求めたが、似ているからといって同じわけではなかった」と書いているが、実はこの見方こそが、あの番組の趣旨でもあったのだ。
韓国の保護国化を進めて行く伊藤博文と、それに反対した安重根との対比を軸に歴史を語るのだが、冒頭部分で「弱肉強食の帝国主義の時代だった二十世紀初頭のアジア。その中で国と独立をいかにいかに守り、生き残りをはかるかと言う重い課題に、伊藤も安重根も向き合っていた」と、先ずは二人が同じ道を歩んでいたかのような印象を与えた後、徐々に両者の異なりを明らかにして行くと言う内容だった。
ここで番組での両者の対比の仕方を振り返ろう。
先ず伊藤の思想、戦略については、日清戦争当時は「日本の独立と安全のため、周辺の国(韓国)の独立と安全が不可欠であり、それを日本が指導するのが一番重要であって、何としてでも中国から離脱させ、日本の影響下に置きたいと考えた」が、韓国は中国から離脱しても、次はロシアに靡くのを見て、「日清戦争も日露戦争も、韓国が不安定だから起こったんだ。だから朝鮮半島を安定化させ、二度とあんな戦争が起こらないようにしよう。外交権を放っておくと高宗、韓国政府はまたロシアとくっつくかも知れない。だからこの際、不安定要因を根絶しておこうと」と、韓国の保護国化、そして併合を考えるに至った、と言う解説だった。
■安重根の明らかな「妄言」を讃えるNHK
一方の安重根について番組は、そうした日本の韓国政策を批判したとして、彼が処刑前に獄中で書いた「東洋平和論」の一節を紹介した。
「西洋勢力も東洋への浸透の禍は、東洋人種が一致団結して防ぐのが第一であることは子供にでもわかることだ。それなのに日本はなぜ隣国を略奪し、無益な争いをするのか。韓国人、中国人の希望はまったく断ち切られた」
まさに両者は「似ているからといって同じわけではなかった」と言うことだ。
番組の描く伊藤の対韓戦略構想は大方事実に基づいたものだ。番組自身もある程度は語っているように、当時の日本にとって、満洲、朝鮮半島へと南下し、自国にまで軍事的脅威を及ぼしかねない勢いを見せたロシアと、それに無防備であるばかりか、日本の独立支援、一致団結の訴えを撥ね付け、逆にロシアの勢力を迎え入れようとする韓国の動きは、とても許容できるものではなかったのだ。
だから「東洋人種が一致団結して防ぐのが第一であること」を理解していなかったのは日本ではなく、韓国の方だったとするのが「正いい歴史認識」と言うことができるだろう。従って安重根の言説は、韓国人が好む表現に従えば、「妄言」そのものとなるわけだ。番組を見て、そのように受け止めた視聴者も多かったことだろう。
それでは番組は、安重根のこの「妄言」をどう捉えたかと言うと・・・。
中央日報の記事は「安重根は旅順刑務所に移艦された後、・・・公判で最後の証言を行う際、伊藤博文を『奸智にたけた奸雄』と表現した」とした上で、「『英雄』と『奸雄』の道は異なった」と断じている。こうした無批判な韓国優位史観に番組は、何と付き従って行ったのである。
■「Jプロジェクト」の必殺技は反日印象操作
では番組は、いかに伊藤を貶め、安重根を持ち上げて行くのだろうか。
番組によると、伊藤は「『武装の平和』と言うことで、帝国主義の現実に向き合った」と言う。「戦争がしばしば起こるのは、国家にとって不利益であるのみならず、人道のためにも好ましいものではない。世界は平和を主張しながら、実際には軍備を競い合って強化し、国運の発展を図っている。ゆえに武装に平和を免れないのである」と演説しているからだ。
一方安重根については、「大切なのは弱肉強食のような考え方ではなく、調和だ」と考え、「帝国主義を否定した」とし、「二人の平和論は相容れなかった」と結論付けている。
「祖父は調和を重んじた」と主張する安重根の孫
両者の思想が「相容れなかった」のは当然だろう。
伊藤は明治日本の歴史を切り開いた政治リーダーとして、帝国主義時代の国際情勢をはっきりと把握、洞察していた。それに比べて安重根は、その「東洋平和論」を見る限り、世界の現実を深く理解していないばかりか、自国の腐敗、無力さすら直視できないでいたようだ。
伊藤は帝国主義時代の国際情勢をはっきりと把握、洞察していた
だから卓越した現実論と幼稚な理想論(夢想論)は「相容れる」はずがないのだが、問題は次である。番組は次のようなナレーションを敢えて流したのだ。
「アジアの人々がともに生きると願った東洋平和論。書き終えることなく安重根は処刑される」と。
あたかも日本側が安重根の真の東洋平和を求める高邁な思想を全く理解できないでいたかのような反日的な印象操作、歴史捏造を、番組は視聴者の前で堂々とやってのけたのだ。
取るに足らない安重根の「東洋平和論」だがNHKは・・・
言うまでもなく歴史捏造と印象操作は、放送法を踏み躙る「JAPANプロジェクト」関連番組の名物であり、必殺技であり、これで毎回多くの視聴者の歴史認識、そして日本観に大きな被害が及ぼされるのである。
■東亜共同体論を繰り出すNHKの反日解説委員
さて番組は、安重根が処刑され、一九一〇年に日韓が併合され、「軍隊と憲兵による武断統治が始まった」「その後日本は大陸への進出を本格化する。朝鮮半島はその拠点として位置付けられた」などと歴史的経緯を述べた後、NHKの五十嵐公利解説委員が登場し、番組の総括を行うのだが、まるで韓国紙を参考にしたかのように、ここで飛び出すのが東アジア共同体論なのだ。
解説委員は「アジアの人々がともに生きると願った」と言う安重根の「東洋平和論」を念頭に、次のように論じる。
―――平和と安定と言う点に関して、この地域で共有されると言う構想は百年経った今でもないのだが、この点ヨーロッパでは国家の枠を超えてEUと言う共同体を作り出したと言うのは非常に対照的だと思う。
―――たしかに日本と周辺で東アジア共同体と言ったことが持て囃されているが、これもどうも各国は同床異夢と言う感が否めない。
言っていることはまさにその通りである。東アジアでは欧州と異なり、日本の大東亜共栄圏構想の破綻後はASEANの形成は別としても、さらに広域な共同体構築の契機が見られなかったからだ。中国や韓国などに至っては、反日愛国主義を煽って国民の団結を図らざるを得ないような段階にあり、近代国民国家としてもいまだ未成熟と言える。
ところがこの解説委員は、ここで「暴説委員」に変身した。
■またしても韓国紙の愛国記事と同じ主張
次のような暴論を吐いたのだ。まるで日本が、東アジアが「平和と安定を共有する」ことの障害になっていると言わんばかりである。
―――この同床異夢を生む根底に、歴史にきちんと向き合ってこなかった日本と近隣国との間で歴史認識の溝がある。
そしてさらには、
―――それが伊藤と安重根の評価にも繋がっている。なぜかと言うと、日本と韓国では、この二人の評価は百八十度違う。
これを言い換えれば、「日本人はかつて韓国に対して行った罪業を認めていない」と言うことだろう。そして最後にこう結ぶのだ。
―――この地域の協力関係をさらに深めるには、溝を埋めて乗り越えていく努力が、今切実に求められている。
歴史認識の溝を埋め、東アジア共同体の形成を訴える五十嵐解説委員。乱暴にして稚拙だ
乱暴にして稚拙な政治的主張だが、NHKの権威を信じる広範な庶民は、そうした言説を無批判に受け容れてしまうものなのだ。このように公共放送としての自らの権威、信用を利用して国民を欺き続けるところに「NHKの大罪」があるのである。
そこでここでも注目したいのは、この番組の主張が、朝鮮日報の記事のそれと合致していると言うことだ。
■韓国民族主義、反日政治勢力の完全なる代弁番組
同紙は次のように述べている。
「安重根は、世界各国が帝国主義を追求し模倣する中で、泥沼の戦いを余儀なくされていた100年前、民族を越え、人類共同体の平和を念頭に置いた先覚者でもあった」
「安重根の構想の中で芽生えた『東アジア共同体論』は、100年の月日が流れた今なお実現できていない」
「安重根が100年前に打ち出した『東洋平和論』の精神と提案を土台として、東アジアに繁栄と平和の共同体を形成できるかどうかは、韓中日3国が過去100年の痛恨の歴史から得た教訓と、それらを実践する意志にかかっている」
この主張は日本に対し、韓国の反日ナショナリズムの前で屈服せよと言うものだ。
鳩山首相の東アジア共同体構想も対中韓屈服姿勢に基づくものに他ならないが、そうした反日、売国、敗北主義と言うべき、歪んだ精神、情念に侵された一部政治勢力の主張を、NHKは歴史ドキュメンタリー番組を通じ、視聴者の前で代弁したのである。
もちろんそれは韓国ナショナリズムの代弁であるとも言え、いずれにせよ日本の公共放送としては許されないことだろう。
■なぜ日本「朝鮮統治」の「奇跡的功績」を語らない
もし番組がかつての歴史に照らし、「アジアの人々がともに生きる」道を模索したいと言うなら、先ずは何と言っても世界史の上で特記されるべき日本の歴史功績、つまり朝鮮半島の近代化政策の素晴らしさに光を当てるべきだろう。
半島の人口の変遷を見ると、李氏朝鮮時代の十八世紀中葉は七百三十万人で、十九世紀中葉は七百五十万人と、百年間でわずか二十万人にしか増加していない。だが日本が韓国を保護国化した翌一九〇六年の段階で九百八十万人だった人口は、終戦前年の一九四四年には倍増し、二千五百十二万人にまで達しているのである。
これは疫病、飢餓に見舞われ続けた朝鮮半島で、日本が衛生環境、医療制度を確立し、農業改良、食糧増産、その他近代的な諸政策を推進した結果、同半島が人間の「生きる」ことのできる地域へと一変したことを物語っている。
もちろんそれは前近代的で不条理な旧社会体制の打破を伴うものだったが、それを行ったのが、実は番組が軽々しく批判するところの日本の「武断統治」と言うものだったのだ。
だが番組はこの一大事実を否定したいかに見える。それはそうだろう。近現代史を振り返り「これからの日本を考える大きなヒントを探りたい」と謳うNHK「プロジェクトJAPAN」とは、そもそも日本を糾弾して弱体化するため、周辺国の反日イデオロギーと歩調を合わせる政治洗脳プロジェクトだからである。
しかもそれは国民から徴収した受信料を使ってのものである。
【過去の関連記事】
「サブリミナル」映像が再び!―NHKスペシャル「シリーズ日本と朝鮮半島」第1回放送の問題点(1)
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1154.html
これは第二の「JAPANデビュー」だー―NHKスペシャル「シリーズ日本と朝鮮半島」第1回放送の問題点(2)
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1158.html
国民に韓国反日史観を押し付ける
反日洗脳番組「日本と朝鮮半島」に抗議を!
[NHK]視聴者コールセンター 電話:0570-066066
[NHK] FAX:03-5453-4000 メール:http://www.nhk.or.jp/special/
NHK反日暴走の監視を!
NHKスペシャル シリーズ「日本と朝鮮半島」
第2回 三・一独立運動と“親日派”総合 2010年5月16日(日)午後9時~9時49分
NHK集団訴訟第二回公判
5月14日午前10時より東京地裁103法廷にて。
*********************************************
ブログランキング参加中
運動を拡大したいので、
よろしければクリックをお願いします。
↓ ↓
モバイルはこちら
↓ ↓
http://blog.with2.net/link.php?486253
【転送転載を】急告ー13、15日はNHK抗議行動
東京地裁でNHK集団訴訟の第2回公判が行われる5月14日を挟み、NHK本部のある東京渋谷でNHK抗議行動を行います。もちろん、4月に放送が始まった第二の「シリーズJAPANデビュー」と呼ぶべき「シリーズ日本と朝鮮半島」等々に関する抗議も行います。奮ってご参加ください。
NHK解体シャツをお持ちの方は是非ご着用を。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5・13 頑張れ日本!NHK に抗議する国民大行動
平成22年5月13日(木) ※ 雨天決行!
17時00分 「渋谷」駅ハチ公前広場にて街頭宣伝活動
主催
「NHK『JAPANデビュー』」を考える国民の会、頑張れ日本!全国行動委員会、
草莽全国地方議員の会、日本李登輝友の会、台湾研究フォーラム、
日本文化チャンネル桜二千人委員会有志の会 ほか
ご連絡先
草莽全国地方議員の会 TEL/FAX 03-3311-7810
頑張れ日本!全国行動委員会 TEL 03-6419-3900
※ 案内チラシはこちら → http://www.ch-sakura.jp/sakura/nhk0513&15protest_flyer.pdf
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5・15頑張れ日本!NHK に抗議する国民大行動
平成22年5月15日(土) ※ 雨天決行!
14時00分 街頭宣伝活動 於・「渋谷」駅ハチ公前広場
15時00分 街頭宣伝活動 於・渋谷 C.C.Lemon ホール前
16時00分 集合 於・神宮通公園 (東京都渋谷区神宮前6-21)
16時30分 デモ行進 出発 (神宮通公園 ~ 神宮通公園)
17時30分 街頭宣伝活動 於・渋谷 C.C.Lemon ホール前
主催
「NHK『JAPANデビュー』」を考える国民の会、頑張れ日本!全国行動委員会、
草莽全国地方議員の会、日本李登輝友の会、台湾研究フォーラム、
日本文化チャンネル桜二千人委員会有志の会 ほか
ご連絡先
草莽全国地方議員の会 TEL/FAX 03-3311-7810
頑張れ日本!全国行動委員会 TEL 03-6419-3900
※ 案内チラシはこちら → http://www.ch-sakura.jp/sakura/nhk0513&15protest_flyer.pdf
中国艦隊が日本を威嚇!日本の対応を考える緊急講演会
(台湾研究フォーラム 第134回定例会)
■ 講 師 川村純彦氏(元海将補、川村純彦研究所代表)
■ 演 題 中国の軍事力拡大と我が国の対応
先ごろ、中国の東海艦隊が日本近海で大規模訓練を行うなど示威行為に出た。政府、メディアはこれに危機感を露にしたが、いまだ国内はこの脅威の実態を充分に把握できずにいる。そこでこの方面での研究第一人者である川村元海将補をお招きし、あの国の拡張志向と海洋進出の必然性と最近の軍事動向の解説、中国海軍の能力分析、そして自衛隊への対応能力の現状説明を行っていただき、あわせて我が国がとるべき方策を提言していただく。奮って参加を!
***************************************************************************
【講師略歴】
昭和11年、鹿児島市生まれ。同35年防衛大学校卒業、海上自衛隊入隊。対潜哨戒機パイロット、在米日本大使館防衛駐在官、第5航空群司令(那覇)、第4航空群司令(厚木)、統幕学校副校長などを経て平成3年に退官。現在、川村純彦研究所代表、岡崎研究所副理事長、日本李登輝友の会理事(千葉県支部長)。
***************************************************************************
【日 時】 平成22年5月16日(日)午後6時~8時
【場 所】 文京区民センター2-A会議室
JR「水道橋駅」徒歩10分、都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分
東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
【参加費】 会員500円、一般1,000円
【懇親会】 終了後、会場付近にて。(会費3,000円、学生1,000円)
【申込み】 5月15日まで右記へ。E-mail:[email protected]
【問合せ】 090-4138-6397
■会員募集中―台湾は日本の生命線です。台湾建国、日台共栄の運動にぜひ参与を。
年会費は2000円。定例会会場で受け付けます。
--------------------------------------------------------------------------------------
台湾研究フォーラム第134回定例会参加申込書
氏名
―――――――――――――――
懇親会 参加 不参加(○印をお願いします)
メルマガ版「台湾は日本の生命線!」
反中華覇権主義運動のさまざまな関連情報を配信中。
登録先・バックナンバー http://www.melma.com/backnumber_174014
韓国では一九〇六年に伊藤博文を射殺した安重根を「東アジア共同体」理念を唱えた先駆者として顕彰する機運がある。たとえば昨年十月二十六日は安重根が処刑されてちょうど百年だが、これを受けて韓国紙の中央日報(同月二十三日)や朝鮮日報(二十六日)は、それぞれ「安重根の東洋平和論、現在の観点からも先駆的思想」、「安重根義挙100周年と『東洋平和論』」と言った論評を掲載している。
昨年十月と言えば、その前月に日本で発足した民主党政権の鳩山由紀夫首相が、中国や韓国の反日ナショナリズムとの摩擦、衝突を避けるため、「東アジア共同体」構想を両国などに盛んにアピールしていた時期と重なるが、実はそうした構想は、早くも百年も前に韓国の民族英雄が提唱していたと、韓国側は強調したいのだろう。
そうした韓国側の歴史観が反映されたのが、NHKが四月十八日に放送した「シリーズ日本と朝鮮半島」第一回「韓国併合への道」だと、近現代史研究家の田中秀雄氏がチャンネル桜の討論番組「伏魔殿NHKを暴く!PART4」(五月八日放送)で指摘していた。
韓国民族主義の歴史観がストレートに反映されていた
安重根の「先駆的思想」を強調して日本の優位に立ちたいと言うのが韓国人の欲情なのだろうが、中韓への屈服心理を抱く日本人にとってそれは、歓迎すべきものなのだろう。
「韓国併合への道」を見れば、たしかにそう思わざるを得なかった。
そこで先ずこの番組が、いかに韓国の歴史観に基づいて日本の歴史を描いていたかを証明したい。
■韓国紙の記事と符合するNHKの番組内容
中央日報の記事は「安重根、伊藤両氏ともに東洋平和を求めたが、似ているからといって同じわけではなかった」と書いているが、実はこの見方こそが、あの番組の趣旨でもあったのだ。
韓国の保護国化を進めて行く伊藤博文と、それに反対した安重根との対比を軸に歴史を語るのだが、冒頭部分で「弱肉強食の帝国主義の時代だった二十世紀初頭のアジア。その中で国と独立をいかにいかに守り、生き残りをはかるかと言う重い課題に、伊藤も安重根も向き合っていた」と、先ずは二人が同じ道を歩んでいたかのような印象を与えた後、徐々に両者の異なりを明らかにして行くと言う内容だった。
ここで番組での両者の対比の仕方を振り返ろう。
先ず伊藤の思想、戦略については、日清戦争当時は「日本の独立と安全のため、周辺の国(韓国)の独立と安全が不可欠であり、それを日本が指導するのが一番重要であって、何としてでも中国から離脱させ、日本の影響下に置きたいと考えた」が、韓国は中国から離脱しても、次はロシアに靡くのを見て、「日清戦争も日露戦争も、韓国が不安定だから起こったんだ。だから朝鮮半島を安定化させ、二度とあんな戦争が起こらないようにしよう。外交権を放っておくと高宗、韓国政府はまたロシアとくっつくかも知れない。だからこの際、不安定要因を根絶しておこうと」と、韓国の保護国化、そして併合を考えるに至った、と言う解説だった。
■安重根の明らかな「妄言」を讃えるNHK
一方の安重根について番組は、そうした日本の韓国政策を批判したとして、彼が処刑前に獄中で書いた「東洋平和論」の一節を紹介した。
「西洋勢力も東洋への浸透の禍は、東洋人種が一致団結して防ぐのが第一であることは子供にでもわかることだ。それなのに日本はなぜ隣国を略奪し、無益な争いをするのか。韓国人、中国人の希望はまったく断ち切られた」
まさに両者は「似ているからといって同じわけではなかった」と言うことだ。
番組の描く伊藤の対韓戦略構想は大方事実に基づいたものだ。番組自身もある程度は語っているように、当時の日本にとって、満洲、朝鮮半島へと南下し、自国にまで軍事的脅威を及ぼしかねない勢いを見せたロシアと、それに無防備であるばかりか、日本の独立支援、一致団結の訴えを撥ね付け、逆にロシアの勢力を迎え入れようとする韓国の動きは、とても許容できるものではなかったのだ。
だから「東洋人種が一致団結して防ぐのが第一であること」を理解していなかったのは日本ではなく、韓国の方だったとするのが「正いい歴史認識」と言うことができるだろう。従って安重根の言説は、韓国人が好む表現に従えば、「妄言」そのものとなるわけだ。番組を見て、そのように受け止めた視聴者も多かったことだろう。
それでは番組は、安重根のこの「妄言」をどう捉えたかと言うと・・・。
中央日報の記事は「安重根は旅順刑務所に移艦された後、・・・公判で最後の証言を行う際、伊藤博文を『奸智にたけた奸雄』と表現した」とした上で、「『英雄』と『奸雄』の道は異なった」と断じている。こうした無批判な韓国優位史観に番組は、何と付き従って行ったのである。
■「Jプロジェクト」の必殺技は反日印象操作
では番組は、いかに伊藤を貶め、安重根を持ち上げて行くのだろうか。
番組によると、伊藤は「『武装の平和』と言うことで、帝国主義の現実に向き合った」と言う。「戦争がしばしば起こるのは、国家にとって不利益であるのみならず、人道のためにも好ましいものではない。世界は平和を主張しながら、実際には軍備を競い合って強化し、国運の発展を図っている。ゆえに武装に平和を免れないのである」と演説しているからだ。
一方安重根については、「大切なのは弱肉強食のような考え方ではなく、調和だ」と考え、「帝国主義を否定した」とし、「二人の平和論は相容れなかった」と結論付けている。
「祖父は調和を重んじた」と主張する安重根の孫
両者の思想が「相容れなかった」のは当然だろう。
伊藤は明治日本の歴史を切り開いた政治リーダーとして、帝国主義時代の国際情勢をはっきりと把握、洞察していた。それに比べて安重根は、その「東洋平和論」を見る限り、世界の現実を深く理解していないばかりか、自国の腐敗、無力さすら直視できないでいたようだ。
伊藤は帝国主義時代の国際情勢をはっきりと把握、洞察していた
だから卓越した現実論と幼稚な理想論(夢想論)は「相容れる」はずがないのだが、問題は次である。番組は次のようなナレーションを敢えて流したのだ。
「アジアの人々がともに生きると願った東洋平和論。書き終えることなく安重根は処刑される」と。
あたかも日本側が安重根の真の東洋平和を求める高邁な思想を全く理解できないでいたかのような反日的な印象操作、歴史捏造を、番組は視聴者の前で堂々とやってのけたのだ。
取るに足らない安重根の「東洋平和論」だがNHKは・・・
言うまでもなく歴史捏造と印象操作は、放送法を踏み躙る「JAPANプロジェクト」関連番組の名物であり、必殺技であり、これで毎回多くの視聴者の歴史認識、そして日本観に大きな被害が及ぼされるのである。
■東亜共同体論を繰り出すNHKの反日解説委員
さて番組は、安重根が処刑され、一九一〇年に日韓が併合され、「軍隊と憲兵による武断統治が始まった」「その後日本は大陸への進出を本格化する。朝鮮半島はその拠点として位置付けられた」などと歴史的経緯を述べた後、NHKの五十嵐公利解説委員が登場し、番組の総括を行うのだが、まるで韓国紙を参考にしたかのように、ここで飛び出すのが東アジア共同体論なのだ。
解説委員は「アジアの人々がともに生きると願った」と言う安重根の「東洋平和論」を念頭に、次のように論じる。
―――平和と安定と言う点に関して、この地域で共有されると言う構想は百年経った今でもないのだが、この点ヨーロッパでは国家の枠を超えてEUと言う共同体を作り出したと言うのは非常に対照的だと思う。
―――たしかに日本と周辺で東アジア共同体と言ったことが持て囃されているが、これもどうも各国は同床異夢と言う感が否めない。
言っていることはまさにその通りである。東アジアでは欧州と異なり、日本の大東亜共栄圏構想の破綻後はASEANの形成は別としても、さらに広域な共同体構築の契機が見られなかったからだ。中国や韓国などに至っては、反日愛国主義を煽って国民の団結を図らざるを得ないような段階にあり、近代国民国家としてもいまだ未成熟と言える。
ところがこの解説委員は、ここで「暴説委員」に変身した。
■またしても韓国紙の愛国記事と同じ主張
次のような暴論を吐いたのだ。まるで日本が、東アジアが「平和と安定を共有する」ことの障害になっていると言わんばかりである。
―――この同床異夢を生む根底に、歴史にきちんと向き合ってこなかった日本と近隣国との間で歴史認識の溝がある。
そしてさらには、
―――それが伊藤と安重根の評価にも繋がっている。なぜかと言うと、日本と韓国では、この二人の評価は百八十度違う。
これを言い換えれば、「日本人はかつて韓国に対して行った罪業を認めていない」と言うことだろう。そして最後にこう結ぶのだ。
―――この地域の協力関係をさらに深めるには、溝を埋めて乗り越えていく努力が、今切実に求められている。
歴史認識の溝を埋め、東アジア共同体の形成を訴える五十嵐解説委員。乱暴にして稚拙だ
乱暴にして稚拙な政治的主張だが、NHKの権威を信じる広範な庶民は、そうした言説を無批判に受け容れてしまうものなのだ。このように公共放送としての自らの権威、信用を利用して国民を欺き続けるところに「NHKの大罪」があるのである。
そこでここでも注目したいのは、この番組の主張が、朝鮮日報の記事のそれと合致していると言うことだ。
■韓国民族主義、反日政治勢力の完全なる代弁番組
同紙は次のように述べている。
「安重根は、世界各国が帝国主義を追求し模倣する中で、泥沼の戦いを余儀なくされていた100年前、民族を越え、人類共同体の平和を念頭に置いた先覚者でもあった」
「安重根の構想の中で芽生えた『東アジア共同体論』は、100年の月日が流れた今なお実現できていない」
「安重根が100年前に打ち出した『東洋平和論』の精神と提案を土台として、東アジアに繁栄と平和の共同体を形成できるかどうかは、韓中日3国が過去100年の痛恨の歴史から得た教訓と、それらを実践する意志にかかっている」
この主張は日本に対し、韓国の反日ナショナリズムの前で屈服せよと言うものだ。
鳩山首相の東アジア共同体構想も対中韓屈服姿勢に基づくものに他ならないが、そうした反日、売国、敗北主義と言うべき、歪んだ精神、情念に侵された一部政治勢力の主張を、NHKは歴史ドキュメンタリー番組を通じ、視聴者の前で代弁したのである。
もちろんそれは韓国ナショナリズムの代弁であるとも言え、いずれにせよ日本の公共放送としては許されないことだろう。
■なぜ日本「朝鮮統治」の「奇跡的功績」を語らない
もし番組がかつての歴史に照らし、「アジアの人々がともに生きる」道を模索したいと言うなら、先ずは何と言っても世界史の上で特記されるべき日本の歴史功績、つまり朝鮮半島の近代化政策の素晴らしさに光を当てるべきだろう。
半島の人口の変遷を見ると、李氏朝鮮時代の十八世紀中葉は七百三十万人で、十九世紀中葉は七百五十万人と、百年間でわずか二十万人にしか増加していない。だが日本が韓国を保護国化した翌一九〇六年の段階で九百八十万人だった人口は、終戦前年の一九四四年には倍増し、二千五百十二万人にまで達しているのである。
これは疫病、飢餓に見舞われ続けた朝鮮半島で、日本が衛生環境、医療制度を確立し、農業改良、食糧増産、その他近代的な諸政策を推進した結果、同半島が人間の「生きる」ことのできる地域へと一変したことを物語っている。
もちろんそれは前近代的で不条理な旧社会体制の打破を伴うものだったが、それを行ったのが、実は番組が軽々しく批判するところの日本の「武断統治」と言うものだったのだ。
だが番組はこの一大事実を否定したいかに見える。それはそうだろう。近現代史を振り返り「これからの日本を考える大きなヒントを探りたい」と謳うNHK「プロジェクトJAPAN」とは、そもそも日本を糾弾して弱体化するため、周辺国の反日イデオロギーと歩調を合わせる政治洗脳プロジェクトだからである。
しかもそれは国民から徴収した受信料を使ってのものである。
【過去の関連記事】
「サブリミナル」映像が再び!―NHKスペシャル「シリーズ日本と朝鮮半島」第1回放送の問題点(1)
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1154.html
これは第二の「JAPANデビュー」だー―NHKスペシャル「シリーズ日本と朝鮮半島」第1回放送の問題点(2)
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1158.html
国民に韓国反日史観を押し付ける
反日洗脳番組「日本と朝鮮半島」に抗議を!
[NHK]視聴者コールセンター 電話:0570-066066
[NHK] FAX:03-5453-4000 メール:http://www.nhk.or.jp/special/
NHK反日暴走の監視を!
NHKスペシャル シリーズ「日本と朝鮮半島」
第2回 三・一独立運動と“親日派”総合 2010年5月16日(日)午後9時~9時49分
NHK集団訴訟第二回公判
5月14日午前10時より東京地裁103法廷にて。
*********************************************
ブログランキング参加中
運動を拡大したいので、
よろしければクリックをお願いします。
↓ ↓
モバイルはこちら
↓ ↓
http://blog.with2.net/link.php?486253
【転送転載を】急告ー13、15日はNHK抗議行動
東京地裁でNHK集団訴訟の第2回公判が行われる5月14日を挟み、NHK本部のある東京渋谷でNHK抗議行動を行います。もちろん、4月に放送が始まった第二の「シリーズJAPANデビュー」と呼ぶべき「シリーズ日本と朝鮮半島」等々に関する抗議も行います。奮ってご参加ください。
NHK解体シャツをお持ちの方は是非ご着用を。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5・13 頑張れ日本!NHK に抗議する国民大行動
平成22年5月13日(木) ※ 雨天決行!
17時00分 「渋谷」駅ハチ公前広場にて街頭宣伝活動
主催
「NHK『JAPANデビュー』」を考える国民の会、頑張れ日本!全国行動委員会、
草莽全国地方議員の会、日本李登輝友の会、台湾研究フォーラム、
日本文化チャンネル桜二千人委員会有志の会 ほか
ご連絡先
草莽全国地方議員の会 TEL/FAX 03-3311-7810
頑張れ日本!全国行動委員会 TEL 03-6419-3900
※ 案内チラシはこちら → http://www.ch-sakura.jp/sakura/nhk0513&15protest_flyer.pdf
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5・15頑張れ日本!NHK に抗議する国民大行動
平成22年5月15日(土) ※ 雨天決行!
14時00分 街頭宣伝活動 於・「渋谷」駅ハチ公前広場
15時00分 街頭宣伝活動 於・渋谷 C.C.Lemon ホール前
16時00分 集合 於・神宮通公園 (東京都渋谷区神宮前6-21)
16時30分 デモ行進 出発 (神宮通公園 ~ 神宮通公園)
17時30分 街頭宣伝活動 於・渋谷 C.C.Lemon ホール前
主催
「NHK『JAPANデビュー』」を考える国民の会、頑張れ日本!全国行動委員会、
草莽全国地方議員の会、日本李登輝友の会、台湾研究フォーラム、
日本文化チャンネル桜二千人委員会有志の会 ほか
ご連絡先
草莽全国地方議員の会 TEL/FAX 03-3311-7810
頑張れ日本!全国行動委員会 TEL 03-6419-3900
※ 案内チラシはこちら → http://www.ch-sakura.jp/sakura/nhk0513&15protest_flyer.pdf
中国艦隊が日本を威嚇!日本の対応を考える緊急講演会
(台湾研究フォーラム 第134回定例会)
■ 講 師 川村純彦氏(元海将補、川村純彦研究所代表)
■ 演 題 中国の軍事力拡大と我が国の対応
先ごろ、中国の東海艦隊が日本近海で大規模訓練を行うなど示威行為に出た。政府、メディアはこれに危機感を露にしたが、いまだ国内はこの脅威の実態を充分に把握できずにいる。そこでこの方面での研究第一人者である川村元海将補をお招きし、あの国の拡張志向と海洋進出の必然性と最近の軍事動向の解説、中国海軍の能力分析、そして自衛隊への対応能力の現状説明を行っていただき、あわせて我が国がとるべき方策を提言していただく。奮って参加を!
***************************************************************************
【講師略歴】
昭和11年、鹿児島市生まれ。同35年防衛大学校卒業、海上自衛隊入隊。対潜哨戒機パイロット、在米日本大使館防衛駐在官、第5航空群司令(那覇)、第4航空群司令(厚木)、統幕学校副校長などを経て平成3年に退官。現在、川村純彦研究所代表、岡崎研究所副理事長、日本李登輝友の会理事(千葉県支部長)。
***************************************************************************
【日 時】 平成22年5月16日(日)午後6時~8時
【場 所】 文京区民センター2-A会議室
JR「水道橋駅」徒歩10分、都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分
東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
【参加費】 会員500円、一般1,000円
【懇親会】 終了後、会場付近にて。(会費3,000円、学生1,000円)
【申込み】 5月15日まで右記へ。E-mail:[email protected]
【問合せ】 090-4138-6397
■会員募集中―台湾は日本の生命線です。台湾建国、日台共栄の運動にぜひ参与を。
年会費は2000円。定例会会場で受け付けます。
--------------------------------------------------------------------------------------
台湾研究フォーラム第134回定例会参加申込書
氏名
―――――――――――――――
懇親会 参加 不参加(○印をお願いします)
メルマガ版「台湾は日本の生命線!」
反中華覇権主義運動のさまざまな関連情報を配信中。
登録先・バックナンバー http://www.melma.com/backnumber_174014