台湾人「最も好きな国」は日本―世論調査に見る「日台生命共同体」の現況
2010/03/25/Thu
■台湾人の過半数は「日本が最も好き」
台湾の通信社「中央通訊社」は三月二十三日、「半数以上の回答者は日本が好き」なる記事を配信した。日本の駐台湾大使館に相当する交流協会台北事務所がこの日発表した〇九年の「台湾における対日世論調査」の結果を受けてだ。
「対日世論調査」を実施した交流協会台北事務所。
日本の駐台大使館に相当する
この調査は昨年十二月から今年一月にかけ、インターネットや電話を通じて行われた。そこにおける「台湾を除き、あなたの最も好きな国はどこですか?」との質問に対し、以下のような回答結果が見られたのである。
日本 52%
アメリカ 8%
中国 5%
シンガポール 4%
その他 26%
なし 5%
この調査での回答者数は1018人。年齢別では20-29才が221人、30―39才が227人、40―49才が227人、50-64才が233人、65―80才が110人。親日世代として知られる戦中派だけでなく、戦後派においても対日親近感が広く抱かれていることがわかる。
台湾では若者を中心に日本ブームが見られる。写真は台中県が主催し
た和服試着会
■馬英九政権発足後も対日好感度は不変
〇八年、「反日・親中」と目される国民党の馬英九政権の発足で、台湾国民も「反日・親中」に傾いているのかとの疑念が日本国内で広く持たれたが、決してそうではないことは、これら数値を見ても明らかだろう。
ちなみにその〇八年には、国民党の在台中国人勢力を中心とする尖閣諸島問題を巡った反日キャンペーンが行われ、突然の台湾の反日化現象に多くの日本国民は戸惑った。だがその年の交流協会の調査でも「最も好きな国」の回答は次のようなものだった。
日本 38%
台湾 31%
アメリカ 5%
その他 26%
「台湾」と回答した人数を除く69%における「日本」との回答の割合は54%となるから、〇九年の52%とあまり変わらない。
台湾国民の「最も好きな国」の調査結果。左が09年で右が08年
■米国抜く人気―日本の存在に目を向ける台湾国民
〇九年には国民党政権が、「台湾の地位は未確定」との真実発言を行った斎藤正樹・交流協会台北事務所長(駐日大使に相当)に対して会見ボイコットを行うなど、日台関係は戦後最悪の状況に陥ったとまで報じられていたが、あの発言に反撥したのも、あくまでも国民党の在台中国人勢力が中心だったのだ。
斉藤氏の発言で怒り狂ったのは在台中国人勢力だった
かつてこの種の調査では、「最も好きな国」の筆頭は「アメリカ」だった。しかし近年はそれを上回り、つねに「日本」がトップとなっているようだ。つまり日本と言う親しみの持てる国の存在に、これまでになく目が向かれるようになったと言うことだろう。
「旅行するとした場合、どこへ行きたいですか?」との設問にも、「日本」は44%で、「ヨーロッパ」の29%、「中国」の10%、「アメリカ」の6%を大きく引き離してトップだ。
「日本に旅行したいと考えますか?」でも「魅力がある」が90%で「魅力がない」は10%だった。
日本観光も大人気。年間百万人以上が日本を訪れる
■中国との関係改善を求めるのはなぜか
ところが「今度台湾が最も親しくすべき国(地域)はどこですか?」との質問になると、日本は第二位である。
中国 33%
日本 31%
アメリカ 16%
シンガポール 3%
その他 9%
なし 8%
好感度でわずか5%の「中国」が、52%の「日本」を追い抜いているが、この不可解な数値には、中国との関係改善を行って、軍事的脅威から免れたいとの願望も大きく働いていることだろう。
恫喝を通じて台湾側に歩み寄りを余儀なくさせると言う中国の工作は、これほど大きな成果を収めているのだ。
■強固な日台関係支える日本への親近感
また「日本に親しみを感じますか?」との質問に関しては、
親しみを感じる 49%
どちらかというと親しみを感じる 13%
わからない 25%
どちらかというと親しみを感じない 10%
親しみを感じない 3%
62%もが日本に親近感を抱いていることになるが、こうした台湾国民の日本への親しみを示す数値を、日本国民は疎かに考えてはならない。なぜならば中国の脅威の前で重要となる強固な日台関係を支える柱の一つが、そうした台湾側の良好な対日感情だからだ。
「中国海軍戦略範囲目標」の図。日台は中国の前では生命共同体であり、
強固な連帯は地政学上の要求。台湾国民の対日親近感ほどありがたいも
のはない
■日本への高い信頼感も両国関係の宝だ
「日本は信頼できる国と考えますか?」との設問に対しても、
非常に信頼できる 5%
信頼できる 36%
わからない 48%
信頼できない 10%
非常に信頼できない 2%
41%が信頼感を抱いている。そこでこの人々に対し、「なぜそう考えますか?」(複数回答可)と聞くと、
文化面での共通性 62%
経済的結びつき 64%
長い交流の歴史 60%
地理的な近さ 55%
その他 3%
こうした日本への信頼感の高さも、日台関係においては宝と言える。
■台湾国民の一割が「反日」である理由
ところで、わずか12%にしかすぎないが、「非常に信頼できない」「信頼できない」と答えた回答者には在台中国人が多いのだろうか。
台湾でしばしば行われる「独立か、統一か」での世論調査でも「中国統一」を求める親中意識層はやはり一割台だ。
事実、これら回答者に「なぜそう考えますか?」(複数回答可)と尋ると、そうした中国人意識、あるいはそれに基づいて施された反日教育(中国人化教育)の影響を思わせる回答が示された。
過去の歴史的経緯 77%
経済面・技術面での競争関係 47%
文化面での警戒心 30%
実際に裏切られたことがある 19%
学校からそう教わった 15%
親からそう教わった 12%
その他 15%
「過去の歴史的経緯」と言うのは、日本の「中国侵略」(「台湾の殖民地支配」も)の「経緯」のことだ。「文化面での警戒心」も反日教育がもたらしたものと考えられる。
「日本に対しどのようなイメージを持っていますか?」(複数回答可)との設問でも、全体の回答のおよそ7-8割が「自然の美しい国」「経済力、技術力の高い国」「きまりを守る国」「豊かな伝統と文化を持つ国」と、そして4-5割が「民主的な国」「平和な国」「クール・おしゃれな国」と肯定的な印象を語っているのだが、その反面でやはり約1-2割は「警戒を要する国」「好戦的な国」「閉鎖的な国」「不可解な国」と、あたかも中国人を思わせるような、極端とも言える嫌悪感を示している。
日本の「過去」を執拗に糾弾し続ける高金素梅に見られたのも、在台中国人の
反日情念だ
■台湾国民に対日関係への関心は低いか
さて、こうした台湾国民の日本への親近感、信頼感に大きく支えられるところの日台関係だが、台湾国民自身はこの両国関係をどのように見ているのだろうか。
「現在の日台関係をどう思いますか?」との質問に対しては、次のような回答が見られた。
大変よい 25%
よい 3%
どちらとも言えない 63%
悪い 8%
大変悪い 1%
〇九年に悪化が懸念された日台関係だが、非友好的関係にあるとの明確な回答は9%に留まっている。一方、友好的だとの回答は28%だが、対日親近度の高さに照らしてこの数値は、はたして高いと見るべきか、低いと見るべきか。
また「どちらとも言えない」は63%にも達している。これは両国関係への不安の表れだろうか。もしや「日台関係」と言うものは、台湾国民にとってはさしたる関心の対象ではないのだろうか。
あるいは、これまでの日本政府の中国に配慮した上での、台湾側への無関心、無視、あるいは冷淡な態度を見て、多くは友好関係にあるとは考えているのではないだろうか。
■日本は政治パートナーとしては期待されない
そこで「今後の日本と台湾の関係は、どのようになって欲しいと思いますか?」への回答結果を見てみよう。
経済・貿易交流/産業協同 20%
より友好的に 12%
文化交流/芸術文化交流/伝統芸術文化交流 10%
全面的によい方向に/関係に発展 8%
科学技術交流/先端技能交流/技術交流 6%
「全面的によい方向に/関係に発展」はわずかに8%だ。〇八年の調査では、「政治・外交・国防交流」との表現の回答を提示していたが、こちらも11%だった。
つまり、日本を経済・文化交流などのパートナーとして見ていても、それ以上に「政治・外交・国防交流」の相手として期待してはいないと言うことだ。
ちなみに「日本のどの分野に関心がありますか?」(複数回答可)への回答では、「自然.・風土」59%、「科学技術」58%、「国民の日常生活」54%、「伝統文化」51%、「現代文化・ポップカルチャ」49%、「教育」40%に次ぎ、「安全保障」は37%だった。
「日台関係発展のため、どの分野を積極的に推進するべきと考えますか?」(複数回答可)でも、「経済・貿易分野での交流」83%、「文化分野での交流」69%、「学術分野での交流」68%、「青少年交流」49%に次ぎ、「政治・安保分野での交流」は46%だった。
■日本の安保上の役割は台湾で忘れられている
しかし中国が台湾だけでなく、アメリカと日本を仮想的として軍備拡張を進めているように、台湾の国の防衛に協力しているのは日米同盟ではないのか。こうした現実を台湾国民はどこまで理解しているのだろうか。
実は台湾国民は、国がアメリカに守られていることは知っていても、日本にも守られているとの実感、認識はあまりないのである。
なぜならばアメリカと違って日本は、台湾防衛の意思をほとんど示したことがないからだ。ともに東アジアの平和と安定を守ろうとのメッセージが、日本からは発信されていないのである。
日本は米国とともに「台湾問題の平和的解決」を共通戦略目標として掲げ、台
湾側から高く評価されたことはあるが・・・。写真は2005年の日米2プラス2
地政学上、中国の脅威の前において日台は、運命共同体、生命共同体であるが、日本国民はその現実を深刻に捉えていないからだろう。かくして台湾国民も、日本を国防のパートナーとして期待も信頼もしないのである。
■日本は「反台湾」であり続けていいのか
日台運命共同体を強固なものとする上で、台湾国民の対日親近感は大きな武器となる。しかし日本国民はその「ありがたさ」をどれほど感じているのだろうか。あるいはそれに応えたいとの思いをどれだけ抱けるだろうか。
馬英九政権の発足で、多くの日本国民は台湾を「反日」となったと誤解したが、中国だけに尻尾を振り、台湾を一顧だにしない日本の姿は、台湾にとって見れば明らかに「反台湾」だろう。
もし日本側から台湾に対し、連帯のメッセージを充分に発信されているなら、日本への親近感、信頼感はさらに高まることだろう。
そしてそれによってはじめて、東アジアの平和への脅威に対する抑止力も大きく向上することになるのである。
「日本と台湾の関係は将来どうなると考えますか?」の設問への回答状況は、
大きく発展する 5%
ある程度発展する 45%
変わらない 30%
ある程度悪化する 6%
大きく悪化する 1%
分からない 13%
日台関係を「大きく発展させよう」。もちろんそれは日本側の努力次第なのだ。
【参考】交流協会:台湾における対日世論調査
http://www.koryu.or.jp/taipei/ez3_contents.nsf/04/4B83AF9AE8363E8D492576EF002523D4?OpenDocument
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4月3日 第6回 台湾建国烈士・鄭南榕記念 台湾問題講演会
伊原吉之助先生(帝塚山大学名誉教授)
「台湾併呑の危機と鄭南榕精神 ─『台湾大劫難』を手掛かりとして」
鄭南榕烈士(1947-1989)
戒厳令下の台湾において、公開の場で初めて台湾の独立建国を叫び、あるいは2・28事件の真相究明を求め、遂には一死をもって国民党の圧政に抗し、台湾に民主・自由の道を拓いた鄭南榕烈士。
鄭烈士は1988年末、台湾独立建国聯盟主席だった許世楷氏(前駐日代表)の「台湾共和国憲法草案」を、主宰して編集長をつとめる自由時代社の週刊誌「自由時代」に掲載。1989年の年が明け、検察は叛乱罪容疑で召喚しようとしたが鄭烈士は頑として応じず、台北市内の自社に籠城、完全な言論の自由を求めて抗議し続けた。「国民党が私を逮捕できるとすれば私の屍だけだ」と宣言、4月7日午前9時過ぎ、警官隊が包囲する中、ガソリンをかぶって覚悟の自決を遂げられた。享年42。
第6回となる今年は、月刊「正論」4月号で「袁紅冰が暴露した中国の台湾併呑計画」の題で寄稿し、著者の袁紅冰が台湾は中国に併呑されないよう今こそ鄭南榕精神を発揚せよと説いていることを紹介された、帝塚山大学名誉教授の伊原吉之助先生を講師に開催いたします。奮ってご参加くださいますよう謹んでご案内申し上げます。
■日時 2010年4月3日(土)
午後2時30分~4時30分(開場:2時15分)
■会場 文京シビックセンター 26階 スカイホール
〒112-0003 東京都文京区春日1-16-21 TEL:03-5803-1100
【交通】東京メトロ:丸ノ内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
都営地下鉄:三田線・大江戸線「春日駅」徒歩3分
JR総武中央線「水道橋駅」徒歩10分
■講演 伊原吉之助先生(帝塚山大学名誉教授)
演題「台湾併呑の危機と鄭南榕精神 ─『台湾大劫難』を手掛かりとして」
■参加費 1,000円
■懇親会 同会場の近くにて、午後5時~7時【懇親会費:3,500円】
■お申込み 4月2日(金)までに下記の申込フォームから、もしくはFAX、メールにて
お申込フォーム http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0065.reg
■主催 鄭南榕顕彰会(宗像隆幸会長 日台交流教育会、日本李登輝友の会、台湾研究フォーラム)
■後 援 在日台湾同郷会、在日台湾婦女会、日本台湾医師連合、台湾独立建国聯盟日本本部、メルマガ「台湾の声」
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台湾の通信社「中央通訊社」は三月二十三日、「半数以上の回答者は日本が好き」なる記事を配信した。日本の駐台湾大使館に相当する交流協会台北事務所がこの日発表した〇九年の「台湾における対日世論調査」の結果を受けてだ。
「対日世論調査」を実施した交流協会台北事務所。
日本の駐台大使館に相当する
この調査は昨年十二月から今年一月にかけ、インターネットや電話を通じて行われた。そこにおける「台湾を除き、あなたの最も好きな国はどこですか?」との質問に対し、以下のような回答結果が見られたのである。
日本 52%
アメリカ 8%
中国 5%
シンガポール 4%
その他 26%
なし 5%
この調査での回答者数は1018人。年齢別では20-29才が221人、30―39才が227人、40―49才が227人、50-64才が233人、65―80才が110人。親日世代として知られる戦中派だけでなく、戦後派においても対日親近感が広く抱かれていることがわかる。
台湾では若者を中心に日本ブームが見られる。写真は台中県が主催し
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■馬英九政権発足後も対日好感度は不変
〇八年、「反日・親中」と目される国民党の馬英九政権の発足で、台湾国民も「反日・親中」に傾いているのかとの疑念が日本国内で広く持たれたが、決してそうではないことは、これら数値を見ても明らかだろう。
ちなみにその〇八年には、国民党の在台中国人勢力を中心とする尖閣諸島問題を巡った反日キャンペーンが行われ、突然の台湾の反日化現象に多くの日本国民は戸惑った。だがその年の交流協会の調査でも「最も好きな国」の回答は次のようなものだった。
日本 38%
台湾 31%
アメリカ 5%
その他 26%
「台湾」と回答した人数を除く69%における「日本」との回答の割合は54%となるから、〇九年の52%とあまり変わらない。
台湾国民の「最も好きな国」の調査結果。左が09年で右が08年
■米国抜く人気―日本の存在に目を向ける台湾国民
〇九年には国民党政権が、「台湾の地位は未確定」との真実発言を行った斎藤正樹・交流協会台北事務所長(駐日大使に相当)に対して会見ボイコットを行うなど、日台関係は戦後最悪の状況に陥ったとまで報じられていたが、あの発言に反撥したのも、あくまでも国民党の在台中国人勢力が中心だったのだ。
斉藤氏の発言で怒り狂ったのは在台中国人勢力だった
かつてこの種の調査では、「最も好きな国」の筆頭は「アメリカ」だった。しかし近年はそれを上回り、つねに「日本」がトップとなっているようだ。つまり日本と言う親しみの持てる国の存在に、これまでになく目が向かれるようになったと言うことだろう。
「旅行するとした場合、どこへ行きたいですか?」との設問にも、「日本」は44%で、「ヨーロッパ」の29%、「中国」の10%、「アメリカ」の6%を大きく引き離してトップだ。
「日本に旅行したいと考えますか?」でも「魅力がある」が90%で「魅力がない」は10%だった。
日本観光も大人気。年間百万人以上が日本を訪れる
■中国との関係改善を求めるのはなぜか
ところが「今度台湾が最も親しくすべき国(地域)はどこですか?」との質問になると、日本は第二位である。
中国 33%
日本 31%
アメリカ 16%
シンガポール 3%
その他 9%
なし 8%
好感度でわずか5%の「中国」が、52%の「日本」を追い抜いているが、この不可解な数値には、中国との関係改善を行って、軍事的脅威から免れたいとの願望も大きく働いていることだろう。
恫喝を通じて台湾側に歩み寄りを余儀なくさせると言う中国の工作は、これほど大きな成果を収めているのだ。
■強固な日台関係支える日本への親近感
また「日本に親しみを感じますか?」との質問に関しては、
親しみを感じる 49%
どちらかというと親しみを感じる 13%
わからない 25%
どちらかというと親しみを感じない 10%
親しみを感じない 3%
62%もが日本に親近感を抱いていることになるが、こうした台湾国民の日本への親しみを示す数値を、日本国民は疎かに考えてはならない。なぜならば中国の脅威の前で重要となる強固な日台関係を支える柱の一つが、そうした台湾側の良好な対日感情だからだ。
「中国海軍戦略範囲目標」の図。日台は中国の前では生命共同体であり、
強固な連帯は地政学上の要求。台湾国民の対日親近感ほどありがたいも
のはない
■日本への高い信頼感も両国関係の宝だ
「日本は信頼できる国と考えますか?」との設問に対しても、
非常に信頼できる 5%
信頼できる 36%
わからない 48%
信頼できない 10%
非常に信頼できない 2%
41%が信頼感を抱いている。そこでこの人々に対し、「なぜそう考えますか?」(複数回答可)と聞くと、
文化面での共通性 62%
経済的結びつき 64%
長い交流の歴史 60%
地理的な近さ 55%
その他 3%
こうした日本への信頼感の高さも、日台関係においては宝と言える。
■台湾国民の一割が「反日」である理由
ところで、わずか12%にしかすぎないが、「非常に信頼できない」「信頼できない」と答えた回答者には在台中国人が多いのだろうか。
台湾でしばしば行われる「独立か、統一か」での世論調査でも「中国統一」を求める親中意識層はやはり一割台だ。
事実、これら回答者に「なぜそう考えますか?」(複数回答可)と尋ると、そうした中国人意識、あるいはそれに基づいて施された反日教育(中国人化教育)の影響を思わせる回答が示された。
過去の歴史的経緯 77%
経済面・技術面での競争関係 47%
文化面での警戒心 30%
実際に裏切られたことがある 19%
学校からそう教わった 15%
親からそう教わった 12%
その他 15%
「過去の歴史的経緯」と言うのは、日本の「中国侵略」(「台湾の殖民地支配」も)の「経緯」のことだ。「文化面での警戒心」も反日教育がもたらしたものと考えられる。
「日本に対しどのようなイメージを持っていますか?」(複数回答可)との設問でも、全体の回答のおよそ7-8割が「自然の美しい国」「経済力、技術力の高い国」「きまりを守る国」「豊かな伝統と文化を持つ国」と、そして4-5割が「民主的な国」「平和な国」「クール・おしゃれな国」と肯定的な印象を語っているのだが、その反面でやはり約1-2割は「警戒を要する国」「好戦的な国」「閉鎖的な国」「不可解な国」と、あたかも中国人を思わせるような、極端とも言える嫌悪感を示している。
日本の「過去」を執拗に糾弾し続ける高金素梅に見られたのも、在台中国人の
反日情念だ
■台湾国民に対日関係への関心は低いか
さて、こうした台湾国民の日本への親近感、信頼感に大きく支えられるところの日台関係だが、台湾国民自身はこの両国関係をどのように見ているのだろうか。
「現在の日台関係をどう思いますか?」との質問に対しては、次のような回答が見られた。
大変よい 25%
よい 3%
どちらとも言えない 63%
悪い 8%
大変悪い 1%
〇九年に悪化が懸念された日台関係だが、非友好的関係にあるとの明確な回答は9%に留まっている。一方、友好的だとの回答は28%だが、対日親近度の高さに照らしてこの数値は、はたして高いと見るべきか、低いと見るべきか。
また「どちらとも言えない」は63%にも達している。これは両国関係への不安の表れだろうか。もしや「日台関係」と言うものは、台湾国民にとってはさしたる関心の対象ではないのだろうか。
あるいは、これまでの日本政府の中国に配慮した上での、台湾側への無関心、無視、あるいは冷淡な態度を見て、多くは友好関係にあるとは考えているのではないだろうか。
■日本は政治パートナーとしては期待されない
そこで「今後の日本と台湾の関係は、どのようになって欲しいと思いますか?」への回答結果を見てみよう。
経済・貿易交流/産業協同 20%
より友好的に 12%
文化交流/芸術文化交流/伝統芸術文化交流 10%
全面的によい方向に/関係に発展 8%
科学技術交流/先端技能交流/技術交流 6%
「全面的によい方向に/関係に発展」はわずかに8%だ。〇八年の調査では、「政治・外交・国防交流」との表現の回答を提示していたが、こちらも11%だった。
つまり、日本を経済・文化交流などのパートナーとして見ていても、それ以上に「政治・外交・国防交流」の相手として期待してはいないと言うことだ。
ちなみに「日本のどの分野に関心がありますか?」(複数回答可)への回答では、「自然.・風土」59%、「科学技術」58%、「国民の日常生活」54%、「伝統文化」51%、「現代文化・ポップカルチャ」49%、「教育」40%に次ぎ、「安全保障」は37%だった。
「日台関係発展のため、どの分野を積極的に推進するべきと考えますか?」(複数回答可)でも、「経済・貿易分野での交流」83%、「文化分野での交流」69%、「学術分野での交流」68%、「青少年交流」49%に次ぎ、「政治・安保分野での交流」は46%だった。
■日本の安保上の役割は台湾で忘れられている
しかし中国が台湾だけでなく、アメリカと日本を仮想的として軍備拡張を進めているように、台湾の国の防衛に協力しているのは日米同盟ではないのか。こうした現実を台湾国民はどこまで理解しているのだろうか。
実は台湾国民は、国がアメリカに守られていることは知っていても、日本にも守られているとの実感、認識はあまりないのである。
なぜならばアメリカと違って日本は、台湾防衛の意思をほとんど示したことがないからだ。ともに東アジアの平和と安定を守ろうとのメッセージが、日本からは発信されていないのである。
日本は米国とともに「台湾問題の平和的解決」を共通戦略目標として掲げ、台
湾側から高く評価されたことはあるが・・・。写真は2005年の日米2プラス2
地政学上、中国の脅威の前において日台は、運命共同体、生命共同体であるが、日本国民はその現実を深刻に捉えていないからだろう。かくして台湾国民も、日本を国防のパートナーとして期待も信頼もしないのである。
■日本は「反台湾」であり続けていいのか
日台運命共同体を強固なものとする上で、台湾国民の対日親近感は大きな武器となる。しかし日本国民はその「ありがたさ」をどれほど感じているのだろうか。あるいはそれに応えたいとの思いをどれだけ抱けるだろうか。
馬英九政権の発足で、多くの日本国民は台湾を「反日」となったと誤解したが、中国だけに尻尾を振り、台湾を一顧だにしない日本の姿は、台湾にとって見れば明らかに「反台湾」だろう。
もし日本側から台湾に対し、連帯のメッセージを充分に発信されているなら、日本への親近感、信頼感はさらに高まることだろう。
そしてそれによってはじめて、東アジアの平和への脅威に対する抑止力も大きく向上することになるのである。
「日本と台湾の関係は将来どうなると考えますか?」の設問への回答状況は、
大きく発展する 5%
ある程度発展する 45%
変わらない 30%
ある程度悪化する 6%
大きく悪化する 1%
分からない 13%
日台関係を「大きく発展させよう」。もちろんそれは日本側の努力次第なのだ。
【参考】交流協会:台湾における対日世論調査
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4月3日 第6回 台湾建国烈士・鄭南榕記念 台湾問題講演会
伊原吉之助先生(帝塚山大学名誉教授)
「台湾併呑の危機と鄭南榕精神 ─『台湾大劫難』を手掛かりとして」
鄭南榕烈士(1947-1989)
戒厳令下の台湾において、公開の場で初めて台湾の独立建国を叫び、あるいは2・28事件の真相究明を求め、遂には一死をもって国民党の圧政に抗し、台湾に民主・自由の道を拓いた鄭南榕烈士。
鄭烈士は1988年末、台湾独立建国聯盟主席だった許世楷氏(前駐日代表)の「台湾共和国憲法草案」を、主宰して編集長をつとめる自由時代社の週刊誌「自由時代」に掲載。1989年の年が明け、検察は叛乱罪容疑で召喚しようとしたが鄭烈士は頑として応じず、台北市内の自社に籠城、完全な言論の自由を求めて抗議し続けた。「国民党が私を逮捕できるとすれば私の屍だけだ」と宣言、4月7日午前9時過ぎ、警官隊が包囲する中、ガソリンをかぶって覚悟の自決を遂げられた。享年42。
第6回となる今年は、月刊「正論」4月号で「袁紅冰が暴露した中国の台湾併呑計画」の題で寄稿し、著者の袁紅冰が台湾は中国に併呑されないよう今こそ鄭南榕精神を発揚せよと説いていることを紹介された、帝塚山大学名誉教授の伊原吉之助先生を講師に開催いたします。奮ってご参加くださいますよう謹んでご案内申し上げます。
■日時 2010年4月3日(土)
午後2時30分~4時30分(開場:2時15分)
■会場 文京シビックセンター 26階 スカイホール
〒112-0003 東京都文京区春日1-16-21 TEL:03-5803-1100
【交通】東京メトロ:丸ノ内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
都営地下鉄:三田線・大江戸線「春日駅」徒歩3分
JR総武中央線「水道橋駅」徒歩10分
■講演 伊原吉之助先生(帝塚山大学名誉教授)
演題「台湾併呑の危機と鄭南榕精神 ─『台湾大劫難』を手掛かりとして」
■参加費 1,000円
■懇親会 同会場の近くにて、午後5時~7時【懇親会費:3,500円】
■お申込み 4月2日(金)までに下記の申込フォームから、もしくはFAX、メールにて
お申込フォーム http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0065.reg
■主催 鄭南榕顕彰会(宗像隆幸会長 日台交流教育会、日本李登輝友の会、台湾研究フォーラム)
■後 援 在日台湾同郷会、在日台湾婦女会、日本台湾医師連合、台湾独立建国聯盟日本本部、メルマガ「台湾の声」
メルマガ版「台湾は日本の生命線!」
反中華覇権主義運動のさまざまな関連情報を配信中。
登録先・バックナンバー http://www.melma.com/backnumber_174014