山東省に日本攻撃基地―なぜ中国はミサイルの照準を日本に合わせるのか
2010/03/22/Mon
■中国ミサイル攻撃の矛先は台湾だけではない
中国が台湾海峡沿海部において増強を続ける台湾向けのミサイルの数は、二〇〇五年九月の段階で約八百基などと言われていたが、実はそのうち中距離ミサイル百三十基は日本向けだと、当時台湾の呂秀蓮副総統は指摘していた。
その後、台湾国防部は昨年十月、台湾向けの短距離弾道ミサイルと巡航ミサイルはすでに千三百発を超えたと報告しているが、この三月十七日には蔡得勝・国家安全局長が、千四百基を超えていると指摘している。
増強一方のミサイルの脅威に晒されるのは台湾だけか
そこで問題となるのが日本向けの配備状況は現在どうなっているかだが、先ずそもそも、なぜミサイルの照準を日本に合わせるのかを考えよう。
米国のシファー米国防次官補代理(東アジア担当)は十八日に指摘したところによると、中国の軍拡は台湾への武力行使に備えたものだが、中国がそれを実施に移す際は、台湾の抵抗と同時に台湾を支持する第三国の介入に対処する必要に迫られることになると言う。
つまり日米同盟の介入を阻止に打って出ると言うことだ。具体的には米空母機動部隊の出動と、それに対する自衛隊の後方支援を日米に思いとどまらせるため、ミサイルで恫喝、あるいは攻撃することを狙っているわけである。
■日本の主要都市はミサイルの脅威に晒されている
昨年五月二十八日、読売新聞は中国の対日ミサイル戦略について次のように報じた。
―――中距離ミサイル「東風21」などを、沖縄の米軍基地や日本の主要都市に照準を合わせて配備している。
―――具体的には、北朝鮮との国境に近い吉林省通化にミサイル基地があり、車両で移動できる「東風21」(射程1800㌔)など24基の弾道ミサイルが配備されているとされる。日本にとっては「潜在的」脅威だ。
―――防衛省などの資料によると、中国は現在、少なく見積もっても核兵器が搭載可能な射程7000~1万3000キロの大陸間弾道弾26基、同1700~5000キロの中距離弾道弾55基を配備し、射程7200キロの潜水艦発射型の弾道弾の配備も進んでいる。また、核弾頭は120~200個に上るとみられる。
日本の主要都市、米軍基地を狙う東風21
■日本の核アレルギーを衝く中国側の巧妙な反論
この報道に対し、中共機関誌人民日報系の「環球日報」は、中国社会科学院日本研究所の高洪研究員の次のコメントを引用して反論している。
―――中国は一貫して非核国には核兵器を使用しないと誓約してきた。
―――日本のメディアは中国のこの一貫した立場を無視して中国の脅威を誇張するが、これによって日本の民衆の恐慌を引き起こし、日本の核保有のための世論環境作りを行っているのではないかと疑われることになるかも知れない。
これでは「核保有論者と疑われたくなければ、中国の軍拡に口出しするな」との、読売に対する恫喝としか聞こえないが、こうした脅し方は巧妙だ。核問題での議論をタブー視する日本人にはとても有効だからだ。
日本の左翼勢力も、中国側の主張に呼応、加担しやすくなる。
■山東省に日本攻撃を想定したミサイル基地
二〇〇八年、カナダの軍事専門誌「漢和防務評論」七月号は、日本攻撃を想定する山東省青州の中距離弾道ミサイル基地が、「日米への威嚇力を強め、台湾海峡への介入を防ぐ」目的で拡充、強化されたとし、配備ミサイルも「東風21号」に更新される可能性を指摘していた。
そして同誌はさらに今年の四月号で、山東省莱蕪市に対日中距離ミサイル基地があると報じた。その記事の内容を日本のメディアも三月二十一、二十二日に伝えている。
「同誌は消息筋の情報を基に特定した部隊の施設の一部とする衛星写真も掲載。射程1800キロの中距離弾道ミサイル『東風21』を配備していると推測しており、事実であれば日本列島の軍事基地の大半が射程に収まるという」(共同)
「同部隊の新設は、中国中央軍事委員会が2005年に決めた。中台関係が悪化した当時、中国は、台湾と戦闘状態に入ると、日本が米国の台湾支援の前線基地になる可能性が高いと警戒し、配備に踏み切ったと、同誌は指摘している」(読売)
「中国は部隊の新設を05年に決めたといい、同誌は当時の台湾との関係悪化を受け、台湾と戦闘状態になった場合に備えた在日米軍基地への攻撃力強化が目的と分析している」(共同)
「中国の戦略核ミサイル部隊『第2砲兵』は遼寧省瀋陽や安徽省黄山などに主要基地があり、吉林省通化にも日本を射程に収める中距離弾道ミサイルがあるとされる」(共同)。
■民主党の姿勢はまさに中国が臨むところだ
これら共同、読売の報道は現在、中国の複数のメディアが論評抜きで盛んに転載しているが、やがて中国の御用学者たちによるいかなる反論(日本世論攪乱のためのメッセージ)を掲載するのだろうか。
日本向けのミサイル配備の情報に接した日本人の間には「日米同盟があるからミサイルを向けられる」「台湾有事には不干渉の姿勢が必要だ」と言った反応が見られることだろう。
中国側はそうした日本人の反応を衝いた恫喝を行うかも知れない。
だが忘れてはならないのは、中国の台湾への攻撃、攻略が日本の安全を脅かすものであるからこそ、日米同盟による抑止力が求められていると言うことだ。
緑が東風21の射程距離。これから国土を防衛しなければならない
中国への刺激を恐れ、前政権に比べて日米ミサイル防衛の拡充に消極的な民主党政権は、日米同盟の強化自体に消極的である。
そこまで中国との摩擦が怖いのか、それとも中国に密かに呼応しているのか。いずれにせよ同政権のこうした敗北主義的姿勢こそ、中国がまさに望むものであると言うことも忘れてはならない。
*********************************************
ブログランキング参加中
運動を拡大したいので、
よろしければクリックをお願いします。
↓ ↓
モバイルはこちら
↓ ↓
http://blog.with2.net/link.php?486253
4月3日 第6回 台湾建国烈士・鄭南榕記念 台湾問題講演会
伊原吉之助先生(帝塚山大学名誉教授)
「台湾併呑の危機と鄭南榕精神 ─『台湾大劫難』を手掛かりとして」
鄭南榕烈士(1947-1989)
戒厳令下の台湾において、公開の場で初めて台湾の独立建国を叫び、あるいは2・28事件の真相究明を求め、遂には一死をもって国民党の圧政に抗し、台湾に民主・自由の道を拓いた鄭南榕烈士。
鄭烈士は1988年末、台湾独立建国聯盟主席だった許世楷氏(前駐日代表)の「台湾共和国憲法草案」を、主宰して編集長をつとめる自由時代社の週刊誌「自由時代」に掲載。1989年の年が明け、検察は叛乱罪容疑で召喚しようとしたが鄭烈士は頑として応じず、台北市内の自社に籠城、完全な言論の自由を求めて抗議し続けた。「国民党が私を逮捕できるとすれば私の屍だけだ」と宣言、4月7日午前9時過ぎ、警官隊が包囲する中、ガソリンをかぶって覚悟の自決を遂げられた。享年42。
第6回となる今年は、月刊「正論」4月号で「袁紅冰が暴露した中国の台湾併呑計画」の題で寄稿し、著者の袁紅冰が台湾は中国に併呑されないよう今こそ鄭南榕精神を発揚せよと説いていることを紹介された、帝塚山大学名誉教授の伊原吉之助先生を講師に開催いたします。奮ってご参加くださいますよう謹んでご案内申し上げます。
■日時 2010年4月3日(土)
午後2時30分~4時30分(開場:2時15分)
■会場 文京シビックセンター 26階 スカイホール
〒112-0003 東京都文京区春日1-16-21 TEL:03-5803-1100
【交通】東京メトロ:丸ノ内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
都営地下鉄:三田線・大江戸線「春日駅」徒歩3分
JR総武中央線「水道橋駅」徒歩10分
■講演 伊原吉之助先生(帝塚山大学名誉教授)
演題「台湾併呑の危機と鄭南榕精神 ─『台湾大劫難』を手掛かりとして」
■参加費 1,000円
■懇親会 同会場の近くにて、午後5時~7時【懇親会費:3,500円】
■お申込み 4月2日(金)までに下記の申込フォームから、もしくはFAX、メールにて
お申込フォーム http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0065.reg
■主催 鄭南榕顕彰会(宗像隆幸会長 日台交流教育会、日本李登輝友の会、台湾研究フォーラム)
■後 援 在日台湾同郷会、在日台湾婦女会、日本台湾医師連合、台湾独立建国聯盟日本本部、メルマガ「台湾の声」
メルマガ版「台湾は日本の生命線!」
反中華覇権主義運動のさまざまな関連情報を配信中。
登録先・バックナンバー http://www.melma.com/backnumber_174014
中国が台湾海峡沿海部において増強を続ける台湾向けのミサイルの数は、二〇〇五年九月の段階で約八百基などと言われていたが、実はそのうち中距離ミサイル百三十基は日本向けだと、当時台湾の呂秀蓮副総統は指摘していた。
その後、台湾国防部は昨年十月、台湾向けの短距離弾道ミサイルと巡航ミサイルはすでに千三百発を超えたと報告しているが、この三月十七日には蔡得勝・国家安全局長が、千四百基を超えていると指摘している。
増強一方のミサイルの脅威に晒されるのは台湾だけか
そこで問題となるのが日本向けの配備状況は現在どうなっているかだが、先ずそもそも、なぜミサイルの照準を日本に合わせるのかを考えよう。
米国のシファー米国防次官補代理(東アジア担当)は十八日に指摘したところによると、中国の軍拡は台湾への武力行使に備えたものだが、中国がそれを実施に移す際は、台湾の抵抗と同時に台湾を支持する第三国の介入に対処する必要に迫られることになると言う。
つまり日米同盟の介入を阻止に打って出ると言うことだ。具体的には米空母機動部隊の出動と、それに対する自衛隊の後方支援を日米に思いとどまらせるため、ミサイルで恫喝、あるいは攻撃することを狙っているわけである。
■日本の主要都市はミサイルの脅威に晒されている
昨年五月二十八日、読売新聞は中国の対日ミサイル戦略について次のように報じた。
―――中距離ミサイル「東風21」などを、沖縄の米軍基地や日本の主要都市に照準を合わせて配備している。
―――具体的には、北朝鮮との国境に近い吉林省通化にミサイル基地があり、車両で移動できる「東風21」(射程1800㌔)など24基の弾道ミサイルが配備されているとされる。日本にとっては「潜在的」脅威だ。
―――防衛省などの資料によると、中国は現在、少なく見積もっても核兵器が搭載可能な射程7000~1万3000キロの大陸間弾道弾26基、同1700~5000キロの中距離弾道弾55基を配備し、射程7200キロの潜水艦発射型の弾道弾の配備も進んでいる。また、核弾頭は120~200個に上るとみられる。
日本の主要都市、米軍基地を狙う東風21
■日本の核アレルギーを衝く中国側の巧妙な反論
この報道に対し、中共機関誌人民日報系の「環球日報」は、中国社会科学院日本研究所の高洪研究員の次のコメントを引用して反論している。
―――中国は一貫して非核国には核兵器を使用しないと誓約してきた。
―――日本のメディアは中国のこの一貫した立場を無視して中国の脅威を誇張するが、これによって日本の民衆の恐慌を引き起こし、日本の核保有のための世論環境作りを行っているのではないかと疑われることになるかも知れない。
これでは「核保有論者と疑われたくなければ、中国の軍拡に口出しするな」との、読売に対する恫喝としか聞こえないが、こうした脅し方は巧妙だ。核問題での議論をタブー視する日本人にはとても有効だからだ。
日本の左翼勢力も、中国側の主張に呼応、加担しやすくなる。
■山東省に日本攻撃を想定したミサイル基地
二〇〇八年、カナダの軍事専門誌「漢和防務評論」七月号は、日本攻撃を想定する山東省青州の中距離弾道ミサイル基地が、「日米への威嚇力を強め、台湾海峡への介入を防ぐ」目的で拡充、強化されたとし、配備ミサイルも「東風21号」に更新される可能性を指摘していた。
そして同誌はさらに今年の四月号で、山東省莱蕪市に対日中距離ミサイル基地があると報じた。その記事の内容を日本のメディアも三月二十一、二十二日に伝えている。
「同誌は消息筋の情報を基に特定した部隊の施設の一部とする衛星写真も掲載。射程1800キロの中距離弾道ミサイル『東風21』を配備していると推測しており、事実であれば日本列島の軍事基地の大半が射程に収まるという」(共同)
「同部隊の新設は、中国中央軍事委員会が2005年に決めた。中台関係が悪化した当時、中国は、台湾と戦闘状態に入ると、日本が米国の台湾支援の前線基地になる可能性が高いと警戒し、配備に踏み切ったと、同誌は指摘している」(読売)
「中国は部隊の新設を05年に決めたといい、同誌は当時の台湾との関係悪化を受け、台湾と戦闘状態になった場合に備えた在日米軍基地への攻撃力強化が目的と分析している」(共同)
「中国の戦略核ミサイル部隊『第2砲兵』は遼寧省瀋陽や安徽省黄山などに主要基地があり、吉林省通化にも日本を射程に収める中距離弾道ミサイルがあるとされる」(共同)。
■民主党の姿勢はまさに中国が臨むところだ
これら共同、読売の報道は現在、中国の複数のメディアが論評抜きで盛んに転載しているが、やがて中国の御用学者たちによるいかなる反論(日本世論攪乱のためのメッセージ)を掲載するのだろうか。
日本向けのミサイル配備の情報に接した日本人の間には「日米同盟があるからミサイルを向けられる」「台湾有事には不干渉の姿勢が必要だ」と言った反応が見られることだろう。
中国側はそうした日本人の反応を衝いた恫喝を行うかも知れない。
だが忘れてはならないのは、中国の台湾への攻撃、攻略が日本の安全を脅かすものであるからこそ、日米同盟による抑止力が求められていると言うことだ。
緑が東風21の射程距離。これから国土を防衛しなければならない
中国への刺激を恐れ、前政権に比べて日米ミサイル防衛の拡充に消極的な民主党政権は、日米同盟の強化自体に消極的である。
そこまで中国との摩擦が怖いのか、それとも中国に密かに呼応しているのか。いずれにせよ同政権のこうした敗北主義的姿勢こそ、中国がまさに望むものであると言うことも忘れてはならない。
*********************************************
ブログランキング参加中
運動を拡大したいので、
よろしければクリックをお願いします。
↓ ↓
モバイルはこちら
↓ ↓
http://blog.with2.net/link.php?486253
4月3日 第6回 台湾建国烈士・鄭南榕記念 台湾問題講演会
伊原吉之助先生(帝塚山大学名誉教授)
「台湾併呑の危機と鄭南榕精神 ─『台湾大劫難』を手掛かりとして」
鄭南榕烈士(1947-1989)
戒厳令下の台湾において、公開の場で初めて台湾の独立建国を叫び、あるいは2・28事件の真相究明を求め、遂には一死をもって国民党の圧政に抗し、台湾に民主・自由の道を拓いた鄭南榕烈士。
鄭烈士は1988年末、台湾独立建国聯盟主席だった許世楷氏(前駐日代表)の「台湾共和国憲法草案」を、主宰して編集長をつとめる自由時代社の週刊誌「自由時代」に掲載。1989年の年が明け、検察は叛乱罪容疑で召喚しようとしたが鄭烈士は頑として応じず、台北市内の自社に籠城、完全な言論の自由を求めて抗議し続けた。「国民党が私を逮捕できるとすれば私の屍だけだ」と宣言、4月7日午前9時過ぎ、警官隊が包囲する中、ガソリンをかぶって覚悟の自決を遂げられた。享年42。
第6回となる今年は、月刊「正論」4月号で「袁紅冰が暴露した中国の台湾併呑計画」の題で寄稿し、著者の袁紅冰が台湾は中国に併呑されないよう今こそ鄭南榕精神を発揚せよと説いていることを紹介された、帝塚山大学名誉教授の伊原吉之助先生を講師に開催いたします。奮ってご参加くださいますよう謹んでご案内申し上げます。
■日時 2010年4月3日(土)
午後2時30分~4時30分(開場:2時15分)
■会場 文京シビックセンター 26階 スカイホール
〒112-0003 東京都文京区春日1-16-21 TEL:03-5803-1100
【交通】東京メトロ:丸ノ内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
都営地下鉄:三田線・大江戸線「春日駅」徒歩3分
JR総武中央線「水道橋駅」徒歩10分
■講演 伊原吉之助先生(帝塚山大学名誉教授)
演題「台湾併呑の危機と鄭南榕精神 ─『台湾大劫難』を手掛かりとして」
■参加費 1,000円
■懇親会 同会場の近くにて、午後5時~7時【懇親会費:3,500円】
■お申込み 4月2日(金)までに下記の申込フォームから、もしくはFAX、メールにて
お申込フォーム http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0065.reg
■主催 鄭南榕顕彰会(宗像隆幸会長 日台交流教育会、日本李登輝友の会、台湾研究フォーラム)
■後 援 在日台湾同郷会、在日台湾婦女会、日本台湾医師連合、台湾独立建国聯盟日本本部、メルマガ「台湾の声」
メルマガ版「台湾は日本の生命線!」
反中華覇権主義運動のさまざまな関連情報を配信中。
登録先・バックナンバー http://www.melma.com/backnumber_174014