『大阪市・難波八阪神社』
大阪市浪速区に鎮座する難波(なんば)八阪神社の境内にある獅子舞台である。
難波八阪神社は、仁徳天皇の在世時に難波の里に悪疫が流行った時、この辺りの森に牛頭天王(ごずてんのう)の霊地という神託が現れ、村人が祠を建て祈願するとおさまったとのことから、以来この地の産土神として崇敬を受けてきていたとの由来がある。
仁徳天皇を祀る難波神社を難波大宮、この神社を難波下の宮と云われるようになった。
そして平安時代末期の頃から祇園牛頭天王を祀る神社として世間に知られるようになり、江戸時代の初めには七堂伽藍、十二坊を備えた神仏混淆の神社・仏寺として栄えた。
そして明治の神仏分離により、神社となったものである。
難波八阪神社は、素盞嗚尊(すさのおのみこと)、奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)、天穂日命(あめのほひのみこと)などの八柱御子命を主祭神とする。
鎮座の場所は、難波の大相撲が行われる府立体育館の西の国道25号線を西に越えたあたりである。
神社の南口には大鳥居がある。
まだ国道筋からは東門を潜ると、獅子舞台が大きな口を開けている。
拝殿は大鳥居の正面、東口から入ると右手となる。
境内の右手には摂末社、そして戦艦陸奥の大砲部品の記念碑、そして下の宮址の碑も祀られている。
拝殿の庇には多くの燈籠が吊り下げられている。
本殿は木々の間から何とか眺めることができる。
また境内に西口横には篠山神社が祀られている。
篠山氏はこの地の代官で、住民たちの願いであった青物市場(現在は木津市場)の開設に尽力した人物である。
住民たちは感謝をこめて生き神として祀ったと云われている。