『近江国・金剛輪寺城跡』
滋賀県の湖東三山の一つ金剛輪寺(こんごうりんじ)も戦国時代には城郭であった。
南近江の佐々木六角氏が百済寺と同じように拠点として利用したのであった。
寺は寺として、その裏の更に高い部分に郭を築いていたと云われる。
そうなると当然のことながら、近江に攻め来る織田信長には邪魔な存在となったので焼こうとした。
しかしこの寺の僧たちは工夫をこらした。
織田信長の軍勢が寺に攻め寄せた時、寺の伽藍が火の海になっているように見せかけたのである。
その甲斐あって寺は焼かれず、本堂は国宝、三重塔は重文として厳然として存在している。
参道を登ると、石垣や郭があったと思われる削平地が見られる。
しかしこの時期、何といっても湖東三山一の紅葉が見事である。
また、黄モミジや青モミジも殊の外綺麗な金剛輪寺である。