『京都市・蚕の社』
京都市右京区太秦(うずまさ)に鎮座する「木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)」の元糺(もとただす)の池の中にある三柱鳥居(みはしらとりい)である。
京都三珍鳥居の一つに数えられる。
またこの神社は通称「木嶋(このしま)神社」とか「蚕の社」とか呼ばれる。
神社へは京福電鉄嵐山線、通称嵐電(らんでん)の蚕ノ社駅から向かう。
駅の少し京都寄りに参道がある。
「蚕養神社」と書かれた燈籠、鳥居を潜る。
参道を辿ると左手の左手に杜がある交差点に出る。
2の鳥居を潜ると境内である。
境内には、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)など5柱を祀る拝殿本殿が祀られている。
提灯には葵の模様が書かれているのも珍しい。
この木嶋神社は、推古天皇の時代に広隆寺創建に伴い、勧請されたとの説があるが確定はしていない。
この時代の太秦と云えば大陸から渡来した秦氏の主要な活躍地である。
秦氏はこの神社創建はともかくとして、本殿の東隣に蚕養・織物・染色の守護神である萬機姫(よろずはたひめ)を勧請して蚕養神社を併祀し、そのことから蚕の社と云われるようになったものである。
本殿の左奥には元糺の杜がある。
この杜の中に冒頭の三柱鳥居と、その中央に神座と御幣が建てられている。
この三柱鳥居の向いている方向は、秦氏に関係する双ヶ岡、松尾大社、伏見稲荷であるとも云われている。