『八戸市・櫛引八幡宮』
青森県八戸市八幡に鎮座する「櫛引(くしひき)八幡宮」の社頭の社名標柱である。
櫛引八幡宮は、平安末期の奥州合戦で戦功をたて、糠部五郡の領地を手に入れた南部光行の創建であると云われ、以後、南部の総鎮守と崇められ、南部一之宮とも称されている。
元々この地には坂上田村麻呂が創祀したと云われる八幡宮の小社が鎮座していて、それに合祀したとの経緯を辿っている。
神社は、八戸市内を流れ太平洋に注ぐ馬淵川の右岸にある。
広い参道を進むと、二ノ鳥居が見えてくる。
二ノ鳥居を潜ると、太鼓橋、そして重要文化財の四脚門の正門がある。
鳥居の右横には花崗岩の八幡馬も祀られている。
門前に一対の狛犬も祀られている。
正門を潜ると正面は拝殿である。
その背後は重文の本殿、祭神は八幡宮であるので、もちろんのこと八幡大神即ち誉田別尊(ほんだわけのみこと)である。
本殿の左脇に天津児屋根神(あめのこやねのかみ)を祀る重文の春日社、右脇に天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)を祀る重文の神明宮が配されている。
他に、両社とも倉稲霊神(うがのみたまのかみ)を祀る松福稲荷神社(しょうふくいなりじんじゃ)、悶破稲荷神社(もんぱいなりじんじゃ)も祀られている。
更に十六柱を祀る合祀殿がある。
撫で大黒のレリーフも祀られている。
拝殿の左手前には重文で旧拝殿の「長所」が移築され保存されている。
境内の入り口に近いところに明治記念館がある。
明治14年竣工の八戸小学校の講堂が移築されたもので、県内の現存する洋風建築では最古のものとのことである。
明治天皇の行在所として用いられ、その後八戸市図書館として使用され、現在に至っている。
退出は西参道とする。
西参道は樹齢100年以上の老杉の林である。
西参道を出たところに老舗の和菓子店がある。
創業百年近くの「ME堂」と云う店で、「鶴子まんじゅう」で知られている。