『京都市・松尾大社』
京都市西京区の桂川の右岸、背後の松尾山を御神体とする式内社並み名神大社「松尾大社」の一の鳥居である。
松尾大社は奈良時代になる前に、秦氏が創建した神社と云われ、秦氏の氏神として崇敬された。
平安時代には上賀茂下鴨神社の東の鎮護に対して、都の西の鎮護とされたと云われる。
祭神は大山咋神(おおやまくいのかみ)、市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)と云われる中津島姫命(なかつしまひめのみこと) の2柱である。
中世になっては酒造りの神として、醸造家の崇敬を集め、現在も信仰が篤い神社である。
一の鳥居から参道が続き、2の鳥居を潜ると楼門があり、境内となる。
先ずは拝殿、そして中門、さらに瑞垣の中には室町時代に再建された重要文化財である両流造で松尾造りと云われる本殿が祀られている。
また境内には、醸造家に好まれる松尾山からの湧水「亀の井」と醸造家が奉納した酒樽が神輿庫に積み上げられている。
その他境内には客殿や、蓬莱の庭と名付けられた池泉回遊式の庭園もある。
松尾大社の南には摂社の一つである式内社名神大社の「月読(つきよみ)神社」が鎮座する。
天照大神の弟神である月読尊を主祭神とする。
鳥居を潜ると、神門、拝殿、本殿と並んでいる。
尚境内には、神功皇后ゆかりの月延石(つきのべいし)が祀られている。
神功皇后が応神天皇を出産する際にこの石で腹を撫でて安産したと伝えられ、パワースポットとしても良く知られている。