「天王寺駅」、「関西空港駅」、「和歌山駅」を起終点とするJRの「阪和線」、「関西空港線」の各駅を途中下車で訪問して見る。
今回は「天王寺駅」から10駅目の堺市堺区にある「百舌鳥(もず)駅」である。
百舌鳥駅で下車し、北西方向へと進む。
この通りは「御陵通り」・「熊野街道」である。
その右手に仁徳陵の拝所、左手が大仙公園への入り口である。
公園入口には、仁徳天皇が鹿の口から百舌鳥を取り出した白い像が建っている。
ある時、野の中から鹿が現れたが倒れて死んでしまい、その耳から百舌鳥が飛び出したと云う由来に基づくものである。
公園の入り口を入ると、先ずは堺市博物館へと向かう遊歩道となっている。
そしてその両側に、武野紹鴎像、千利休像が建てられている。
その像の背後に、黄梅庵という茶室が建てられている。
奈良県橿原市今井町の豊田家住宅にあった江戸時代中期の茶室を移築したものとのことである。
茶室を過ぎると、博物館である。
博物館には、古代の古墳にまつわる展示やら、中世の鉄砲鍛冶にまつわる展示等がなされている。
尚、博物館の側面の池は「どら池」と云う。
どら池の北畔には、平和塔が建てられている。
また池の南側は大芝生広場となっている。
更に進むと堺市立中央図書館があり、半球儀を通して先ほどの平和塔が重なる。
南方向へと行く。
日本庭園の入り口である。
この庭園は、中根金作し設計による「築山林泉廻遊式庭園」で、堺市制100周年を記念して、平成元年3月に開園されたものである。
入り口を入ると広い池泉が広がる。
中国大陸と堺をつなぐ大海を表現しているとのことである。
池泉の左手には印月橋(いんげつきょう)、そして高い所にある傘亭、そして廬山がある。
右手は、大陸式の甘泉殿(かんせんでん)、緑が広がっている。
回遊は先ずは、南の高い部分へと向かう。
最も高い所は桃源台と云い、泉北丘陵を想定している。
そこから西側の遊歩道を下る。
清流は石津渓で、堺の古来からの川である石津川を模したものである。
また途中に青苔亭(せいたいてい)と杜若池(とじゃくち)があり、シーズンには花菖蒲が咲き誇る所である。
桔梗の元気な姿も見られる。
更に下ると傘亭へと到着、向かいの休憩舎が見える。
この建物は中世末期に納屋衆(のちに会合衆とも)呼ばれた堺の豪商たちが会合等に利用した集会所を想定して建てられたものである。
また、休憩舎の向こうに平和塔を望むことができる。
また、甘泉殿に近づくと庭園には不可欠な滝である飛竜滝がある。
園内をほぼ一周したので、この時点で百舌鳥駅のミニ探索を終了した。