『さいたま市・中山神社』
埼玉県さいたま市見沼区中川に鎮座する中山神社の境内入り口の鳥居である。
紀元前の崇神天皇の時代に創建された中山神社は、武蔵国一之宮神社の氷川神社と、同じく一之宮の氷川女體神社とを直線で結んだ中間点にあるので、別名、中氷川神社とも呼ばれる。
そしてこれら3社が一体の氷川神社を形成していたと考えられている。
氷川神社の祭神は素戔嗚命(すさのおのみこと)、氷川女體神社の祭神はその妻の奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)、そして中山神社の祭神はその子の大己貴命(おおなむちのみこと)であるところからも、その関係を示している。
尚、鎮座地の中川の地名は、中氷川神社由来で、中氷川から氷が解けて中川になったと云われている。
中川神社へは、JR大宮駅から中川循環バスに乗り、中山神社バス停で下車するのが最寄りである。
バス停の向かい側から参道が続き、冒頭の鳥居に至る。
境内には左右に境内社が祀られている。
左に稲荷神社、右手に荒脛神社と八社である。
そして狛犬が祀られている。
境内の正面は拝本殿であるが、その左手前には神楽殿、右手前には御火塚が祀られている。
御火塚で執り行われる鎮火祭は、アカマツを積み上げ、夜通し焚き上げた炭火の上を素足で渡る祭で、炭を神前に供えるとともに、無病息災と火除を祈願するものであるが、現在は行われていないとのことである。
正面の拝本殿である。
本殿の背後には旧本殿が覆屋に護られて祀られている。
桃山様式の建築物で、さいたま市内では最も古い社殿であり、市の指定文化財となっている。