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2024-12-07

そこそこ近所の美術館に行ってきた

休日だが特にやることがない 暇である

生きるの向いてねぇな、と度々感じる

それでも充実した休日を過ごしているという見栄は張りたい

なので、散歩もかねて美術館に行くことにした 徒歩で

あー、でもクソ面倒。でも決めたからにはいかねば

普段動いてないか休日くらいは体を動かさないと早めに死んでしまう 

死んだらiDeCo無駄なっちまうだろうが

色々と葛藤しつつ、支度を整えて玄関の扉を開ける。勝った。

思ったより寒い

引き返したくなる。電車乗って行ってしまおうか。

そもそも徒歩でいったら美術館着くころにはクタクタだ 観賞できるのか?素直に電車に乗るべきでは?

うるせぇなぁ どうせベストコンディションで観たところで良くわかんねぇからいいんだよ 歩け

大体、キース・ヘリングって落書きみたいな奴だろ?カラフル棒人間みたいなのが組んずほぐれず48手みたいな奴だろ?

んなもん適当に眺めりゃいんだよ

脳内結論が出たので駅には向かわずひたすら歩く


 天気が良いので、日向を歩けば丁度良い

だが日陰に入ると手袋が欲しい 耐えつつ歩く

道中、世話になった眼科が取り壊されているのに気が付く

「眼圧高めだからなるべく定期的に来い」とか言ってたくせに。俺を置いて逝くな。まぁリフォームとかかもしれないが。

 途中、コンビニで一息つく。

本のコーナーになぜか、オリジナルアンパンマン絵本が置いてある。

初めて見たな パラパラめくってみる

アンパンマン砂漠で飢えている男に顔を食わせて助けていたが、お茶も一緒にあげて欲しい

絵本を棚に戻し、缶コーヒーを買って、飲む。コンビニを出て、さらに歩く。

 その後、特に面白いこともなく、無事に美術館にたどり着く。いやー疲れた

ここまで1万2000歩くらい歩いたらしい。でも思いのほか元気だ。まだやれる

「うわっ、寒っ!」美術館入り口ですれ違ったオッサンがつぶやいた。なるほど、中は暖房が効いている

なんか誰かと誰かの対談イベントがあるらしいが、定員に達したから観覧は無理らしい。そういわれると見たくなるものだな。

悔しがっても仕方がないので、チケットを買って進む

一部を除き、写真撮影OKらしい 遠慮なく撮ることにする

キース・ヘリング、若くして亡くなってたんだな そしてゲイだったのだな

結構年配だと思ってたのは、アンディ・ウォーホル混同してたんだろう。まぁアンディがいくつで死んだのかも知らんけど。

ビジュアルは誰かに似てるなぁと思って考えてみたら、バキ童さんだわ

俺が「○○さんは□□さんに似てるよね」って言ってみて賛同された記憶が無いので、おそらくそんなには似てないだろう。だが俺にとってはそう見えた。

あの人も数十年後には時代代表するアーティストになってるかもしれないな。何やってる人なのか知らんけど。

キースはサブウェイドローイングなるものを考案した?実践した?みたいな解説を読みつつ、「あーこれこれ、なんかどっかで見たヤツ」と思いながら歩を進める

ラディアント・ベイビーというのか。へぇ

あと、アート世界平和にできると信じて活動してたとか。いいヤツだなキー

アンディ・ウォーホルとの合作?コラボ作品?も出てきた 仲良しだったのか?ディズニーは嫌いだったんだろうか

熱心にメモを取りながら鑑賞している人、連れと感想を言い合いながら見ている人、お客さんも色々だった

終盤、「ここから撮影禁止です」と言われるエリアに入る。

キースの作品が表紙の「ぴあ」の雑誌とか、招き猫とか、サイン入りのジャンパーが展示されていた

一番、気に入ったのがこのエリアにあったので、撮影が出来ず残念だった。

犬の横にキースが自分名前カタカナで書いていて、その文字がなんかめちゃくちゃ可愛いやつ。

何で撮影ダメなんだよ、ケチぴあ許可しないからか?おのれ、ぴあ

仕方がないので、目に焼き付けたはずだが、もうあまり覚えてない。歳は取りたくないな

満足したので、美術館を後にする。寒い

今夜は何か温まるものを食べるため、スーパーに寄って帰ることにする。

何が言いたいのかと言うと、みんなもなるべく歩いて健康になろうぜ、と言う話。

2024-12-06

  被告人が門川市のホテルしか利用しないのは、 そこ以外で魅力的な女の子が出てきた事実存在してないからであって、具体的に調査すると、利用歴は、

                            キャスト名      利用時期                              場所

                             ももか      解明不可能  推定平成30年9月または、平成31年3月、4月      日向

                             みく       令和元年12月12日

                             みほ       令和2年8月

                                                                        宮崎市

     なお、県内には他にも地域があるし、そこに対応した、無店舗性風俗特殊営業はあるが、どうせホテルに来ないことを理由に、金があっても利用していないということ。

2024-12-04

なぜ謳歌爛漫は残陽と対をなすのか?

この文章を誰にでも分かりやす説明すると、

12月1日に名古屋にて開催された、

蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ 3rdLIVE スリーズブーケ公演におけるセットリスト楽曲に関する長ったらしい文章だよ。読まなくていいよ

noteに書きたいけどアカウントは無いし、インターネットチラシの裏に掃き捨てにきたよ。

蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ(以降 蓮と称する)についても説明しておくと、ラブライブ系列の1つとして、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ舞台に、ラブライブ優勝を目指して奮闘する彼女らが主役のコンテンツである活動記録(コミュ)、生配信バーチャルライブを束ねて追って、リアルタイムで楽しむコンテンツである。生配信ライブをするのは中の人ではなく、彼女らというのが特殊。初めて見た人の多くは、中身が漏れ出ていないVtuber配信のような感触を持つだろう。バーチャルライブについては、これこそVtuberライブに近いものがありそう。実際に歌って踊るしMCもする。(たまに声裏返ったり音外したりもする……)ファンの事は「蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さん」と呼ばれている。

長くてイライラするね!誰もそんな説明は聞いていない。ラブライブアイドルVtuberやってるようなもんだよ。どうせその方が通じるんだ。

さて、話を戻すと蓮のツアーライブ現在進行していて、12/1には名古屋に1ユニットスリーズブーケ」が来たというわけだ。名古屋での公演は昼と夜で計2回。セットリストはほぼ同一だったが、一部が入れ替えとなっており、それが「謳歌爛漫」と「残陽」だった。(ほんとはあと1組あるけど端折るよ)

今回のユニットスリーズブーケが歌うそれぞれの楽曲は人気が高いが、中でも上の2曲はそれぞれ違う方向を向いた魅力がある。

謳歌爛漫」は蓮の発足から間もない2023年4月フェスライブコンテンツ2回目のバーチャルライブ)に初披露された思い出深い楽曲である。爛漫の文字に相応しい雄大さがある曲調の中に、桜模様を過去未来の境目として綴った歌詞が良い。

入ってきたばかりの新入生と、後輩を持ったばかりの2年生が張り切って歌う感じが良い。尚、このコンテンツ登場人物が進級するため、この新入生は今2年生である。勿論、当時2年生の子現在3年生、来年3月には卒業する。卒業という別れも現実味を帯びた今、この曲は別の意味内包し始めている。

「残陽」はバーチャルライブでは披露されていない。2023年9月に出たCDに収録されており、1stライブからキャストが何度か披露している。この楽曲歌詞と振り故に、異常な人気がある。

夕暮れ時にハッキリ別れる日向と日陰、それを別の世界と置いた上で日向に憧れる者、日陰に居てほしいと願う者との2つの視点歌詞が綴られている。

「どうしよう、言えない」「どうしよう、行っちゃう」を繰り返している。(はよ直接言え)

そして振り付けだが、曲終盤にて抱き着く振りがあり、蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さんが毎回うるさい。だがこれもバーチャルライブでの披露という正解がない故、可能となる芸当である。(バーチャルライブ披露された曲はそれに準拠したダンス披露するのが大半である。)

残陽が夜公演のみの披露と判明した時には、蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さん(現地)はとんでもない腰の抜かし方をし、蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さん(ライブビューイング/配信)はとにかく落胆した。実物が見れなかったかである

ここまで読み進めた人の大半が思うように、謳歌爛漫 <<<< 残陽 かのように捉える人が大多数である

だが、そうこう書き進めている上で、気付いた点がある。やはり謳歌爛漫≒残陽であるが、更にいえば謳歌爛漫を正史とした場合に、残陽はそれに相当しない。

つの楽曲は、どちらも違う場面ながら、「今回のライブでは」別れの歌として機能している。それが風通しの良い感情か、蒸し暑く曇った感情かは違いがある。

2つの楽曲のうち、片方はキャラバーチャルライブ披露しており、片方はキャストのみがライブ披露している。リアルタイム性重視、ゲームキャラクターの主体性を売りにしているコンテンツにおいて、これはどう判断するべきか?

あくまで「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ所属 スリーズブーケ」のライブとして捉えた場合には、謳歌爛漫に軍配が上がる。

では、そこから離れた解釈表現を含む残陽に惹かれるのは何故か。これを考えると楽曲属人的側面(その限定性)、またナマモノとしての消費需要が密かに挟まっているからではないかと思われる。

楽曲を歌うキャラクター2人の関係性、これを師弟関係とおくか姉妹関係とおくか親友、またはそれ以上とするかは各自判断であるが、"親密"である点においては一致している。その限定的な関係性の2人で歌う事に希少さ、価値を感じているのかもしれない。実際に、残された披露回数は手で数えるほどもない。なにせ卒業したら、3年生は居なくなってしまう。

そして、もう一つの理由ナマモノとしての消費は言うまでもなく声優として眼差す上の消費を指す。バーチャルライブの延長として、活動記録の欠片として見る〜ような建前を持つくせして、実際には声優のイチャつきが見たい、というのが蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さんなのだ。アホらしい。この意味では、この曲の披露には破格の価値が付くと言えるだろう。

つの楽曲を分ける価値ナマモノ消費である、という身も蓋もない結論になってしまったのは大変残念だが、チラシの裏に書くには丁度いいものになった。大変に満足したのでこれで筆を置こうと思う。

残陽なんで夜だけなんだよクソ

2024-12-01

令和6年11月13日に釈放されるまでに我が国において存在した事実

  認識できる時間存在する限りで現状を述べる。

        4月5日    被疑者地方から帰省した日で、まさかこれから、5月以降に恐ろしいことが立て続けに起こるとはよもや思っていないような状態に置かされていた。

        5月23日、24日、26日、6月2日、6月14日  新部雄大に対しお前がやってはいけないことをやってしまった日。

        6月25日    被疑者が、東京拘置所の様子を見に行く様子。自転車で行って自転車で帰って来ている。少年ライトで照らしたり、雨でぬれた草の中を、北上している。

        7月17日   新部雄大が、堤防のところでてんかんを起こしている。

        7月31日   伊勢崎市で、高齢女性アパート前にて大声、うるさいといった高齢男性が刺される。

        8月1日    本件犯行

        8月2日   午前10時30分 三木健次、出勤。パネルがなくなっておりました。最後に見たのは、近藤警部補ということで出勤していたらなくなっていたということです。

        8月13日   延岡市長が被疑者に関する戸籍謄本を取り寄せており、既に逮捕をする準備が出来ていた。

        8月21日   虻川真也が、もうすぐ逆送ありますんで、といって林田課長に言っていた。

    令和6年8月23日  真夏の蒸し暑い日であったが、乙黒が玄関家庭訪問に来ていた。

        8月25日午前5時50分    西山太郎が出現し、一回部屋にはいれやの喧嘩の後に、ガラスを割ったということで、逮捕

             午前6時8分     志村警察署入り  ホワイトボードに予め住所が書いている。

        9月19日       李明が、東京拘置所移送された。

        11月13日午後1時40分   裁判は、弁護人の弁論も、検察官論告も聞いている暇もないくらいです。裁判官も検事も最終的に何を言うかが被告人も分かった

                       状態であがってきて、最後の方に出て来る結論けがみんな分かった状態で出ているので、被告人の方があの場所で暴れることはまず間違いなく

                        ありません。

        11月30日 確認   ソフト日向の昔のHPが直っている。

2024-11-20

乃木坂ってなんでいつまでも紅白出れるん

何のヒット曲もないじゃん

今年どころかこれまで1曲もヒット曲ないじゃん

なんで出れるん

坂道グループ日向坂と櫻坂が交互に出るみたいなのもわからん

絶対フルーツジッパーが出たほうがいいよな

2024-10-20

将来の夢があるから聞いて〜

あのね、薬物いっぱい買ってね、湖畔別荘買ってね

から日向ぼっこしかながらサンドイッチビール

夕は引けないギター弾き語りしながら大麻

夜はマイスリー舌裏でふわふわしながら大好きな本を読んですやすやねる

朝は人匙のシャブを鼻からスイっと、バターたっぷりハムチーズホットサンドを焼いて、デッキにおいた素敵な椅子に座って朝食

食後のコーヒーをぐいっと飲み干し、朝のランニング

シャワーを浴びて着替えたら家の掃除、夕食のスープの仕込み

午後は大麻すいながらネトフリ垂れ流してカウチごはん

夜はマイスリーサイレースで熟睡

そんな暮らしに飽きてきたらヘロイン投入

毎日量を増やして致死量がきたらヘロイン+フェンタニルで安らかに死ぬ

素敵な生活でしょ!クソみたいな社会ですり減って喜びを感じられなくなったクソ人生だけど、クローゼット首吊りよりこっちのが素敵だと思って。お金貯めようと思う!

でもどうやったら実現できるんだろ?

幾ら払ったらできる?ヤクザの人教えて!

2024-10-07

日向坂の凋落

日向坂の凋落は「本当にドスケベセックスしたいランキング」が有れば上位確実の丹生明里ちゃん上村ひなのちゃん写真集エロ排除した事が遠因だと本気で思ってる

2024-10-01

最後にうれしいことを思いついた。美禰子は与次郎に金を貸すと言った。けれども与次郎には渡さないと言った。じっさい与次郎金銭のうえにおいては、信用しにくい男かもしれない。しかしその意味で美禰子が渡さないのか、どうだか疑わしい。もしその意味でないとすると、自分にははなはだたのもしいことになる。ただ金を貸してくれるだけでも十分の好意である自分に会って手渡しにしたいというのは――三四郎はここまで己惚れてみたが、たちまち、 「やっぱり愚弄じゃないか」と考えだして、急に赤くなった。もし、ある人があって、その女はなんのために君を愚弄するのかと聞いたら、三四郎はおそらく答ええなかったろう。しいて考えてみろと言われたら、三四郎は愚弄そのものに興味をもっている女だからとまでは答えたかもしれない。自分の己惚れを罰するためとはまったく考ええなかったに違いない。――三四郎は美禰子のために己惚れしめられたんだと信じている。  翌日はさいわい教師が二人欠席して、昼からの授業が休みになった。下宿へ帰るのもめんどうだから、途中で一品料理の腹をこしらえて、美禰子の家へ行った。前を通ったことはなんべんでもある。けれどもはいるのははじめてである。瓦葺の門の柱に里見恭助という標札が出ている。三四郎はここを通るたびに、里見恭助という人はどんな男だろうと思う。まだ会ったことがない。門は締まっている。潜りからはいると玄関までの距離は存外短かい長方形御影石が飛び飛びに敷いてある。玄関は細いきれいな格子でたてきってある。ベルを押す。取次ぎの下女に、「美禰子さんはお宅ですか」と言った時、三四郎自分ながら気恥ずかしいような妙な心持ちがした。ひとの玄関で、妙齢の女の在否を尋ねたことはまだない。はなはだ尋ねにくい気がする。下女のほうは案外まじめであるしかもうやうやしい。いったん奥へはいって、また出て来て、丁寧にお辞儀をして、どうぞと言うからついて上がると応接間へ通した。重い窓掛けの掛かっている西洋である。少し暗い。  下女はまた、「しばらく、どうか……」と挨拶して出て行った。三四郎は静かな部屋の中に席を占めた。正面に壁を切り抜いた小さい暖炉がある。その上が横に長い鏡になっていて前に蝋燭立が二本ある。三四郎は左右の蝋燭立のまん中に自分の顔を写して見て、またすわった。  すると奥の方でバイオリンの音がした。それがどこからか、風が持って来て捨てて行ったように、すぐ消えてしまった。三四郎は惜しい気がする。厚く張った椅子の背によりかかって、もう少しやればいいがと思って耳を澄ましていたが、音はそれぎりでやんだ。約一分もたつうちに、三四郎バイオリンの事を忘れた。向こうにある鏡と蝋燭立をながめている。妙に西洋のにおいがする。それからカソリック連想がある。なぜカソリックだか三四郎にもわからない。その時バイオリンがまた鳴った。今度は高い音と低い音が二、三度急に続いて響いた。それでぱったり消えてしまった。三四郎はまったく西洋音楽を知らない。しかし今の音は、けっして、まとまったものの一部分をひいたとは受け取れない。ただ鳴らしただけである。その無作法にただ鳴らしたところが三四郎情緒によく合った。不意に天から二、三粒落ちて来た、でたらめの雹のようである。  三四郎がなかば感覚を失った目を鏡の中に移すと、鏡の中に美禰子がいつのまにか立っている。下女がたてたと思った戸があいている。戸のうしろにかけてある幕を片手で押し分けた美禰子の胸から上が明らかに写っている。美禰子は鏡の中で三四郎を見た。三四郎は鏡の中の美禰子を見た。美禰子はにこりと笑った。 「いらっしゃい」  女の声はうしろで聞こえた。三四郎は振り向かなければならなかった。女と男はじかに顔を見合わせた。その時女は廂の広い髪をちょっと前に動かして礼をした。礼をするにはおよばないくらいに親しい態度であった。男のほうはかえって椅子から腰を浮かして頭を下げた。女は知らぬふうをして、向こうへ回って、鏡を背に、三四郎の正面に腰をおろした。 「とうとういらしった」  同じような親しい調子である三四郎にはこの一言が非常にうれしく聞こえた。女は光る絹を着ている。さっきからだいぶ待たしたところをもってみると、応接間へ出るためにわざわざきれいなのに着換えたのかもしれない。それで端然とすわっている。目と口に笑を帯びて無言のまま三四郎を見守った姿に、男はむしろ甘い苦しみを感じた。じっとして見らるるに堪えない心の起こったのは、そのくせ女の腰をおろすやいなやである三四郎はすぐ口を開いた。ほとんど発作に近い。 「佐々木が」 「佐々木さんが、あなたの所へいらしったでしょう」と言って例の白い歯を現わした。女のうしろにはさきの蝋燭立がマントルピースの左右に並んでいる。金で細工をした妙な形の台である。これを蝋燭立と見たのは三四郎の臆断で、じつはなんだかわからない。この不可思議蝋燭立のうしろに明らかな鏡がある。光線は厚い窓掛けにさえぎられて、十分にはいらない。そのうえ天気は曇っている。三四郎はこのあいだに美禰子の白い歯を見た。 「佐々木が来ました」 「なんと言っていらっしゃいました」 「ぼくにあなたの所へ行けと言って来ました」 「そうでしょう。――それでいらしったの」とわざわざ聞いた。 「ええ」と言って少し躊躇した。あとから「まあ、そうです」と答えた。女はまったく歯を隠した。静かに席を立って、窓の所へ行って、外面をながめだした。 「曇りましたね。寒いでしょう、戸外は」 「いいえ、存外暖かい。風はまるでありません」 「そう」と言いながら席へ帰って来た。 「じつは佐々木が金を……」と三四郎から言いだした。 「わかってるの」と中途でとめた。三四郎も黙った。すると 「どうしておなくしになったの」と聞いた。 「馬券を買ったのです」  女は「まあ」と言った。まあと言ったわりに顔は驚いていない。かえって笑っている。すこしたって、「悪いかたね」とつけ加えた。三四郎は答えずにいた。 「馬券であてるのは、人の心をあてるよりむずかしいじゃありませんか。あなた索引のついている人の心さえあててみようとなさらないのん気なかただのに」 「ぼくが馬券を買ったんじゃありません」 「あら。だれが買ったの」 「佐々木が買ったのです」  女は急に笑いだした。三四郎おかしくなった。 「じゃ、あなたお金がお入用じゃなかったのね。ばかばかしい」 「いることはぼくがいるのです」 「ほんとうに?」 「ほんとうに」 「だってそれじゃおかしいわね」 「だから借りなくってもいいんです」 「なぜ。おいやなの?」 「いやじゃないが、お兄いさんに黙って、あなたから借りちゃ、好くないからです」 「どういうわけで? でも兄は承知しているんですもの」 「そうですか。じゃ借りてもいい。――しかし借りないでもいい。家へそう言ってやりさえすれば、一週間ぐらいすると来ますから」 「御迷惑なら、しいて……」  美禰子は急に冷淡になった。今までそばにいたものが一町ばかり遠のいた気がする。三四郎は借りておけばよかったと思った。けれども、もうしかたがない。蝋燭立を見てすましている。三四郎自分から進んで、ひとのきげんをとったことのない男である。女も遠ざかったぎり近づいて来ない。しばらくするとまた立ち上がった。窓から戸外をすかして見て、 「降りそうもありませんね」と言う。三四郎も同じ調子で、「降りそうもありません」と答えた。 「降らなければ、私ちょっと出て来ようかしら」と窓の所で立ったまま言う。三四郎は帰ってくれという意味解釈した。光る絹を着換えたのも自分のためではなかった。 「もう帰りましょう」と立ち上がった。美禰子は玄関まで送って来た。沓脱へ降りて、靴をはいていると、上から美禰子が、 「そこまでごいっしょに出ましょう。いいでしょう」と言った。三四郎は靴の紐を結びながら、「ええ、どうでも」と答えた。女はいつのまにか、和土の上へ下りた。下りながら三四郎の耳のそばへ口を持ってきて、「おこっていらっしゃるの」とささやいた。ところへ下女があわてながら、送りに出て来た。  二人は半町ほど無言のまま連れだって来た。そのあい三四郎はしじゅう美禰子の事を考えている。この女はわがままに育ったに違いない。それから家庭にいて、普通女性以上の自由を有して、万事意のごとくふるまうに違いない。こうして、だれの許諾も経ずに、自分といっしょに、往来を歩くのでもわかる。年寄りの親がなくって、若い兄が放任主義から、こうもできるのだろうが、これがいなかであったらさぞ困ることだろう。この女に三輪田のお光さんのような生活を送れと言ったら、どうする気かしらん。東京はいなかと違って、万事があけ放しだからこちらの女は、たいていこうなのかもわからないが、遠くから想像してみると、もう少しは旧式のようでもある。すると与次郎が美禰子をイブセン流と評したのもなるほどと思い当る。ただし俗礼にかかわらないところだけがイブセン流なのか、あるいは腹の底の思想までも、そうなのか。そこはわからない。  そのうち本郷の通りへ出た。いっしょに歩いている二人は、いっしょに歩いていながら、相手がどこへ行くのだか、まったく知らない。今までに横町を三つばかり曲がった。曲がるたびに、二人の足は申し合わせたように無言のまま同じ方角へ曲がった。本郷の通りを四丁目の角へ来る途中で、女が聞いた。 「どこへいらっしゃるの」 「あなたはどこへ行くんです」  二人はちょっと顔を見合わせた。三四郎はしごくまじめである。女はこらえきれずにまた白い歯をあらわした。 「いっしょにいらっしゃい」  二人は四丁目の角を切り通しの方へ折れた。三十間ほど行くと、右側に大きな西洋館がある。美禰子はその前にとまった。帯の間から薄い帳面と、印形を出して、 「お願い」と言った。 「なんですか」 「これでお金を取ってちょうだい」  三四郎は手を出して、帳面を受取った。まん中に小口当座預金通帳とあって、横に里見美禰子殿と書いてある。三四郎帳面と印形を持ったまま、女の顔を見て立った。 「三十円」と女が金高を言った。あたか毎日銀行へ金を取りに行きつけた者に対する口ぶりである。さいわい、三四郎は国にいる時分、こういう帳面を持ってたびたび豊津まで出かけたことがある。すぐ石段を上って、戸をあけて、銀行の中へはいった。帳面と印形を係りの者に渡して、必要金額を受け取って出てみると、美禰子は待っていない。もう切り通しの方へ二十間ばかり歩きだしている。三四郎は急いで追いついた。すぐ受け取ったものを渡そうとして、ポッケットへ手を入れると、美禰子が、 「丹青会の展覧会を御覧になって」と聞いた。 「まだ見ません」 「招待券を二枚もらったんですけれども、つい暇がなかったものからまだ行かずにいたんですが、行ってみましょうか」 「行ってもいいです」 「行きましょう。もうじき閉会になりますから。私、一ぺんは見ておかないと原口さんに済まないのです」 「原口さんが招待券をくれたんですか」 「ええ。あなた原口さんを御存じなの?」 「広田先生の所で一度会いました」 「おもしろいかたでしょう。馬鹿囃子稽古なさるんですって」 「このあいだは鼓をならいたいと言っていました。それから――」 「それから?」 「それからあなた肖像をかくとか言っていました。本当ですか」 「ええ、高等モデルなの」と言った。男はこれより以上に気の利いたことが言えない性質である。それで黙ってしまった。女はなんとか言ってもらいたかったらしい。  三四郎はまた隠袋へ手を入れた。銀行の通帳と印形を出して、女に渡した。金は帳面の間にはさんでおいたはずであるしかるに女が、 「お金は」と言った。見ると、間にはない。三四郎はまたポッケットを探った。中から手ずれのした札をつかみ出した。女は手を出さない。 「預かっておいてちょうだい」と言った。三四郎はいささか迷惑のような気がした。しかしこんな時に争うことを好まぬ男である。そのうえ往来だからなおさら遠慮をした。せっかく握った札をまたもとの所へ収めて、妙な女だと思った。  学生が多く通る。すれ違う時にきっと二人を見る。なかには遠くから目をつけて来る者もある。三四郎は池の端へ出るまでの道をすこぶる長く感じた。それでも電車に乗る気にはならない。二人とものそのそ歩いている。会場へ着いたのはほとんど三時近くである。妙な看板が出ている。丹青会という字も、字の周囲についている図案も、三四郎の目にはことごとく新しい。しか熊本では見ることのできない意味で新しいので、むしろ一種異様の感がある。中はなおさらである三四郎の目にはただ油絵水彩画区別が判然と映ずるくらいのものにすぎない。  それでも好悪はある。買ってもいいと思うのもある。しか巧拙はまったくわからない。したがって鑑別力のないものと、初手からあきらめた三四郎は、いっこう口をあかない。  美禰子がこれはどうですかと言うと、そうですなという。これはおもしろいじゃありませんかと言うと、おもしろそうですなという。まるで張り合いがない。話のできないばかか、こっちを相手にしない偉い男か、どっちかにみえる。ばかとすればてらわないところに愛嬌がある。偉いとすれば、相手にならないところが憎らしい。  長い間外国旅行して歩いた兄妹の絵がたくさんある。双方とも同じ姓で、しかも一つ所に並べてかけてある。美禰子はその一枚の前にとまった。

anond:20241001222935

ベニスでしょう」

 これは三四郎にもわかった。なんだかベニスらしい。ゴンドラにでも乗ってみたい心持ちがする。三四郎高等学校にいる時分ゴンドラという字を覚えた。それからこの字が好きになった。ゴンドラというと、女といっしょに乗らなければすまないような気がする。黙って青い水と、水と左右の高い家と、さかさに映る家の影と、影の中にちらちらする赤い片とをながめていた。すると、

「兄さんのほうがよほどうまいようですね」と美禰子が言った。三四郎にはこの意味が通じなかった。

「兄さんとは……」

「この絵は兄さんのほうでしょう」

「だれの?」

 美禰子は不思議そうな顔をして、三四郎を見た。

だって、あっちのほうが妹さんので、こっちのほうが兄さんのじゃありませんか」

 三四郎は一歩退いて、今通って来た道の片側を振り返って見た。同じように外国景色かいものが幾点となくかかっている。

「違うんですか」

「一人と思っていらしったの」

「ええ」と言って、ぼんやりしている。やがて二人が顔を見合わした。そうして一度に笑いだした。美禰子は、驚いたように、わざと大きな目をして、しかもいちだんと調子を落とした小声になって、

「ずいぶんね」と言いながら、一間ばかり、ずんずん先へ行ってしまった。三四郎は立ちどまったまま、もう一ぺんベニスの掘割りをながめだした。先へ抜けた女は、この時振り返った。三四郎自分の方を見ていない。女は先へ行く足をぴたりと留めた。向こうから三四郎の横顔を熟視していた。

里見さん」

 だしぬけにだれか大きな声で呼んだ者がある。

 美禰子も三四郎も等しく顔を向け直した。事務室と書いた入口を一間ばかり離れて、原口さんが立っている。原口さんのうしろに、少し重なり合って、野々宮さんが立っている。美禰子は呼ばれた原口よりは、原口より遠くの野々宮を見た。見るやいなや、二、三歩あともどりをして三四郎そばへ来た。人に目立たぬくらいに、自分の口を三四郎の耳へ近寄せた。そうして何かささやいた。三四郎には何を言ったのか、少しもわからない。聞き直そうとするうちに、美禰子は二人の方へ引き返していった。もう挨拶をしている。野々宮は三四郎に向かって、

「妙な連と来ましたね」と言った。三四郎が何か答えようとするうちに、美禰子が、

「似合うでしょう」と言った。野々宮さんはなんとも言わなかった。くるりとうしろを向いた。うしろには畳一枚ほどの大きな絵がある。その絵は肖像画である。そうしていちめんに黒い。着物帽子も背景から区別のできないほど光線を受けていないなかに、顔ばかり白い。顔はやせて、頬の肉が落ちている。

「模写ですね」と野々宮さんが原口さんに言った。原口は今しきりに美禰子に何か話している。――もう閉会である来観者もだいぶ減った。開会の初めには毎日事務所へ来ていたが、このごろはめったに顔を出さない。きょうはひさしぶりに、こっちへ用があって、野々宮さんを引っ張って来たところだ。うまく出っくわしたものだ。この会をしまうと、すぐ来年の準備にかからなければならないから、非常に忙しい。いつもは花の時分に開くのだが、来年は少し会員のつごうで早くするつもりだから、ちょうど会を二つ続けて開くと同じことになる。必死勉強をやらなければならない。それまでにぜひ美禰子の肖像をかきあげてしまうつもりである迷惑だろうが大晦日でもかかしてくれ。

「その代りここん所へかけるつもりです」

 原口さんはこの時はじめて、黒い絵の方を向いた。野々宮さんはそのあいだぽかんとして同じ絵をながめていた。

「どうです。ベラスケスは。もっとも模写ですがね。しかもあまり上できではない」と原口がはじめて説明する。野々宮さんはなんにも言う必要がなくなった。

「どなたがお写しになったの」と女が聞いた。

三井です。三井もっとうまいんですがね。この絵はあまり感服できない」と一、二歩さがって見た。「どうも、原画が技巧の極点に達した人のものから、うまくいかいね

 原口は首を曲げた。三四郎原口の首を曲げたところを見ていた。

「もう、みんな見たんですか」と画工が美禰子に聞いた。原口は美禰子にばかり話しかける。

「まだ」

「どうです。もうよして、いっしょに出ちゃ。精養軒でお茶でもあげます。なにわたしは用があるから、どうせちょっと行かなければならない。――会の事でね、マネジャー相談しておきたい事がある。懇意の男だから。――今ちょうどお茶にいい時分です。もう少しするとね、お茶にはおそし晩餐には早し、中途はんぱになる。どうです。いっしょにいらっしゃいな」

 美禰子は三四郎を見た。三四郎はどうでもいい顔をしている。野々宮は立ったまま関係しない。

「せっかく来たものから、みんな見てゆきましょう。ねえ、小川さん」

 三四郎はええと言った。

「じゃ、こうなさい。この奥の別室にね。深見さんの遺画があるから、それだけ見て、帰りに精養軒へいらっしゃい。先へ行って待っていますから

「ありがとう」

「深見さんの水彩は普通の水彩のつもりで見ちゃいけませんよ。どこまでも深見さんの水彩なんだから。実物を見る気にならないで、深見さんの気韻を見る気になっていると、なかなかおもしろいところが出てきます」と注意して、原口は野々宮と出て行った。美禰子は礼を言ってその後影を見送った。二人は振り返らなかった。

 女は歩をめぐらして、別室へはいった。男は一足あとから続いた。光線の乏しい暗い部屋である。細長い壁に一列にかかっている深見先生の遺画を見ると、なるほど原口さんの注意したごとくほとんど水彩ばかりである三四郎が著しく感じたのは、その水彩の色が、どれもこれも薄くて、数が少なくって、対照に乏しくって、日向へでも出さないと引き立たないと思うほど地味にかいてあるという事である。その代り筆がちっとも滞っていない。ほとんど一気呵成に仕上げた趣がある。絵の具の下に鉛筆輪郭が明らかに透いて見えるのでも、洒落な画風がわかる。人間などになると、細くて長くて、まるで殻竿のようである。ここにもベニスが一枚ある。

「これもベニスですね」と女が寄って来た。

「ええ」と言ったが、ベニスで急に思い出した。

「さっき何を言ったんですか」

 女は「さっき?」と聞き返した。

「さっき、ぼくが立って、あっちのベニスを見ている時です」

 女はまたまっ白な歯をあらわした。けれどもなんとも言わない。

「用でなければ聞かなくってもいいです」

「用じゃないのよ」

 三四郎はまだ変な顔をしている。曇った秋の日はもう四時を越した。部屋は薄暗くなってくる。観覧人はきわめて少ない。別室のうちには、ただ男女二人の影があるのみである。女は絵を離れて、三四郎真正面に立った。

「野々宮さん。ね、ね」

「野々宮さん……」

「わかったでしょう」

 美禰子の意味は、大波のくずれるごとく一度に三四郎の胸を浸した。

「野々宮さんを愚弄したのですか」

「なんで?」

 女の語気はまったく無邪気である三四郎は忽然として、あとを言う勇気がなくなった。無言のまま二、三歩動きだした。女はすがるようについて来た。

あなたを愚弄したんじゃないのよ」

 三四郎はまた立ちどまった。三四郎は背の高い男である。上から美禰子を見おろした。

「それでいいです」

「なぜ悪いの?」

「だからいいです」

 女は顔をそむけた。二人とも戸口の方へ歩いて来た。戸口を出る拍子に互いの肩が触れた。男は急に汽車で乗り合わした女を思い出した。美禰子の肉に触れたところが、夢にうずくような心持ちがした。

「ほんとうにいいの?」と美禰子が小さい声で聞いた。向こうから二、三人連の観覧者が来る。

「ともかく出ましょう」と三四郎が言った。下足を受け取って、出ると戸外は雨だ。

「精養軒へ行きますか」

 美禰子は答えなかった。雨のなかをぬれながら、博物館前の広い原のなかに立った。さいわい雨は今降りだしたばかりである。そのうえ激しくはない。女は雨のなかに立って、見回しながら、向こうの森をさした。

「あの木の陰へはいりましょう」

 少し待てばやみそうである。二人は大きな杉の下にはいった。雨を防ぐにはつごうのよくない木である。けれども二人とも動かない。ぬれても立っている。二人とも寒くなった。女が「小川さん」と言う。男は八の字を寄せて、空を見ていた顔を女の方へ向けた。

「悪くって? さっきのこと」

「いいです」

だって」と言いながら、寄って来た。「私、なぜだか、ああしたかったんですもの。野々宮さんに失礼するつもりじゃないんですけれども」

 女は瞳を定めて、三四郎を見た。三四郎はその瞳のなかに言葉よりも深き訴えを認めた。――必竟あなたのためにした事じゃありませんかと、二重瞼の奥で訴えている。三四郎は、もう一ぺん、

「だから、いいです」と答えた。

 雨はだんだん濃くなった。雫の落ちない場所わずしかない。二人はだんだん一つ所へかたまってきた。肩と肩とすれ合うくらいにして立ちすくんでいた。雨の音のなかで、美禰子が、

「さっきのお金をお使いなさい」と言った。

「借りましょう。要るだけ」と答えた。

「みんな、お使いなさい」と言った。

与次郎用事というのはこうである。――今夜の会自分たちの科の不振の事をしきりに慨嘆するから三四郎もいっしょに慨嘆しなくってはいけないんだそうだ。不振事実であるからほかの者も慨嘆するにきまっている。それから、おおぜいいっしょに挽回策を講ずることとなる。なにしろ適当日本人を一人大学に入れるのが急務だと言い出す。みんなが賛成する。当然だから賛成するのはむろんだ。次にだれがよかろうという相談に移る。その時広田先生の名を持ち出す。その時三四郎与次郎に口を添えて極力先生賞賛しろという話である。そうしないと、与次郎広田食客だということを知っている者が疑いを起こさないともかぎらない。自分は現に食客なんだから、どう思われてもかまわないが、万一煩い広田先生に及ぶようではすまんことになる。もっともほかに同志が三、四人はいから大丈夫だが、一人でも味方は多いほうが便利だから三四郎もなるべくしゃべるにしくはないとの意見である。さていよいよ衆議一決の暁は、総代を選んで学長の所へ行く、また総長の所へ行く。もっとも今夜中にそこまでは運ばないかもしれない。また運ぶ必要もない。そのへんは臨機応変である。……  与次郎はすこぶる能弁である。惜しいことにその能弁がつるつるしているので重みがない。あるところへゆくと冗談をまじめに講義しているかと疑われる。けれども本来性質のいい運動から三四郎もだいたいのうえにおいて賛成の意を表した。ただその方法が少しく細工に落ちておもしろくないと言った。その時与次郎は往来のまん中へ立ち留まった。二人はちょうど森川町神社鳥居の前にいる。 「細工に落ちるというが、ぼくのやる事は自然の手順が狂わないようにあらかじめ人力で装置するだけだ。自然にそむいた没分暁の事を企てるのとは質が違う。細工だってかまわん。細工が悪いのではない。悪い細工が悪いのだ」  三四郎はぐうの音も出なかった。なんだか文句があるようだけれども、口へ出てこない。与次郎の言いぐさのうちで、自分がまだ考えていなかった部分だけがはっきり頭へ映っている。三四郎はむしろそのほうに感服した。 「それもそうだ」とすこぶる曖昧な返事をして、また肩を並べて歩きだした。正門をはいると、急に目の前が広くなる。大きな建物が所々に黒く立っている。その屋根がはっきり尽きる所から明らかな空になる。星がおびただしく多い。 「美しい空だ」と三四郎が言った。与次郎も空を見ながら、一間ばかり歩いた。突然、 「おい、君」と三四郎を呼んだ。三四郎はまたさっきの話の続きかと思って「なんだ」と答えた。 「君、こういう空を見てどんな感じを起こす」  与次郎に似合わぬことを言った。無限とか永久かいう持ち合わせの答はいくらでもあるが、そんなことを言うと与次郎に笑われると思って三四郎は黙っていた。 「つまらんなあ我々は。あしたから、こんな運動をするのはもうやめにしようかしら。偉大なる暗闇を書いてもなんの役にも立ちそうにもない」 「なぜ急にそんな事を言いだしたのか」 「この空を見ると、そういう考えになる。――君、女にほれたことがあるか」  三四郎は即答ができなかった。 「女は恐ろしいものだよ」と与次郎が言った。 「恐ろしいものだ、ぼくも知っている」と三四郎も言った。すると与次郎が大きな声で笑いだした。静かな夜の中でたいへん高く聞こえる。 「知りもしないくせに。知りもしないくせに」  三四郎憮然としていた。 「あすもよい天気だ。運動会はしあわせだ。きれいな女がたくさん来る。ぜひ見にくるがいい」  暗い中を二人は学生集会所の前まで来た。中には電燈が輝いている。  木造廊下を回って、部屋へはいると、そうそう来た者は、もうかたまっている。そのかたまりが大きいのと小さいのと合わせて三つほどある。なかには無言で備え付けの雑誌新聞を見ながら、わざと列を離れているのもある。話は方々に聞こえる。話の数はかたまりの数より多いように思われる。しかしわあいにおちついて静かである煙草の煙のほうが猛烈に立ち上る。  そのうちだんだん寄って来る。黒い影が闇の中から吹きさらしの廊下の上へ、ぽつりと現われると、それが一人一人に明るくなって、部屋の中へはいって来る。時には五、六人続けて、明るくなることもある。が、やがて人数はほぼそろった。  与次郎は、さっきから煙草の煙の中を、しきりにあちこちと往来していた。行く所で何か小声に話している。三四郎は、そろそろ運動を始めたなと思ってながめていた。  しばらくすると幹事が大きな声で、みんなに席へ着けと言う。食卓はむろん前から用意ができていた。みんな、ごたごたに席へ着いた。順序もなにもない。食事は始まった。  三四郎熊本赤酒ばかり飲んでいた。赤酒というのは、所でできる下等な酒である熊本学生はみんな赤酒を飲む。それが当然と心得ている。たまたま飲食店へ上がれば牛肉である。その牛肉屋の牛が馬肉かもしれないという嫌疑がある。学生は皿に盛った肉を手づかみにして、座敷の壁へたたきつける。落ちれば牛肉で、ひっつけば馬肉だという。まるで呪みたような事をしていた。その三四郎にとって、こういう紳士的な学生親睦会は珍しい。喜んでナイフフォークを動かしていた。そのあいだにはビールをさかんに飲んだ。 「学生集会所の料理はまずいですね」と三四郎に隣にすわった男が話しかけた。この男は頭を坊主に刈って、金縁の眼鏡をかけたおとなしい学生であった。 「そうですな」と三四郎は生返事をした。相手与次郎なら、ぼくのようないなか者には非常にうまいと正直なところをいうはずであったが、その正直がかえって皮肉に聞こえると悪いと思ってやめにした。するとその男が、 「君はどこの高等学校ですか」と聞きだした。 「熊本です」 「熊本ですか。熊本にはぼくの従弟もいたが、ずいぶんひどい所だそうですね」 「野蛮な所です」  二人が話していると、向こうの方で、急に高い声がしだした。見ると与次郎が隣席の二、三人を相手に、しきりに何か弁じている。時々ダーターファブラと言う。なんの事だかわからない。しか与次郎相手は、この言葉を聞くたびに笑いだす。与次郎ますます得意になって、ダーターファブラ我々新時代青年は……とやっている。三四郎の筋向こうにすわっていた色の白い品のいい学生が、しばらくナイフの手を休めて、与次郎の連中をながめていたが、やがて笑いながら Il a le diable au corps(悪魔が乗り移っている)と冗談半分にフランス語を使った。向こうの連中にはまったく聞こえなかったとみえて、この時ビールのコップが四つばかり一度に高く上がった。得意そうに祝盃をあげている。 「あの人はたいへんにぎやかな人ですね」と三四郎の隣の金縁眼鏡をかけた学生が言った。 「ええ。よくしゃべります」 「ぼくはいつか、あの人に淀見軒でライスカレーをごちそうになった。まるで知らないのに、突然来て、君淀見軒へ行こうって、とうとう引っ張っていって……」  学生ハハハと笑った。三四郎は、淀見軒で与次郎からライスカレーをごちそうになったもの自分ばかりではないんだなと悟った。  やがてコーヒーが出る。一人が椅子を離れて立った。与次郎が激しく手をたたくと、ほかの者もたちまち調子を合わせた。  立った者は、新しい黒の制服を着て、鼻の下にもう髭をはやしている。背がすこぶる高い。立つには恰好のよい男である演説いたことを始めた。  我々が今夜ここへ寄って、懇親のために、一夕の歓をつくすのは、それ自身において愉快な事であるが、この懇親が単に社交上の意味ばかりでなく、それ以外に一種重要な影響を生じうると偶然ながら気がついたら自分は立ちたくなった。この会合ビールに始まってコーヒーに終っている。まったく普通会合であるしかしこのビールを飲んでコーヒーを飲んだ四十人近くの人間普通人間ではない。しかもそのビールを飲み始めてからコーヒーを飲み終るまでのあいだに、すでに自己運命の膨脹を自覚しえた。  政治自由を説いたのは昔の事である言論の自由を説いたのも過去の事である自由とは単にこれらの表面にあらわれやす事実のために専有されべき言葉ではない。我ら新時代青年は偉大なる心の自由を説かねばならぬ時運に際会したと信ずる。  我々は古き日本の圧迫に堪ええぬ青年である。同時に新しき西洋の圧迫にも堪ええぬ青年であるということを、世間に発表せねばいられぬ状況のもとに生きている。新しき西洋の圧迫は社会の上においても文芸の上においても、我ら新時代青年にとっては古き日本の圧迫と同じく、苦痛である。  我々は西洋文芸研究する者であるしか研究はどこまでも研究である。その文芸のもとに屈従するのとは根本的に相違がある。我々は西洋文芸にとらわれんがために、これを研究するのではない。とらわれたる心を解脱せしめんがために、これを研究しているのである。この方便に合せざる文芸はいかなる威圧のもとにしいらるるとも学ぶ事をあえてせざるの自信と決心とを有している。  我々はこの自信と決心とを有するの点において普通人間とは異なっている。文芸技術でもない、事務でもない。より多く人生根本義に触れた社会原動力である。我々はこの意味において文芸研究し、この意味において如上の自信と決心とを有し、この意味において今夕の会合一般以上の重大なる影響を想見するのである。  社会は激しく動きつつある。社会産物たる文芸もまた動きつつある。動く勢いに乗じて、我々の理想どおりに文芸を導くためには、零細なる個人を団結して、自己運命を充実し発展し膨脹しなくてはならぬ。今夕のビールコーヒーは、かかる隠れたる目的を、一歩前に進めた点において、普通ビールコーヒーよりも百倍以上の価ある尊きビールコーヒーである。  演説意味ざっとこんなものである演説が済んだ時、席にあった学生はことごとく喝采した。三四郎もっとも熱心なる喝采者の一人であった。すると与次郎が突然立った。 「ダーターファブラ、シェクスピヤの使った字数が何万字だの、イブセンの白髪の数が何千本だのと言ってたってしかたがない。もっともそんなばかげた講義を聞いたってとらわれる気づかいはないか大丈夫だが、大学に気の毒でいけない。どうしても新時代青年を満足させるような人間を引っ張って来なくっちゃ。西洋人じゃだめだ。第一幅がきかない。……」  満堂はまたことごとく喝采した。そうしてことごとく笑った。与次郎の隣にいた者が、 「ダーターファブラのために祝盃をあげよう」と言いだした。さっき演説をした学生がすぐに賛成した。あいにくビールがみな空である。よろしいと言って与次郎はすぐ台所の方へかけて行った。給仕が酒を持って出る。祝盃をあげるやいなや、 「もう一つ。今度は偉大なる暗闇のために」と言った者がある。与次郎の周囲にいた者は声を合して、アハハと笑った。与次郎は頭をかいている。  散会の時刻が来て、若い男がみな暗い夜の中に散った時に、三四郎与次郎に聞いた。 「ダーターファブラとはなんの事だ」 「ギリシア語だ」  与次郎はそれよりほかに答えなかった。三四郎もそれよりほかに聞かなかった。二人は美しい空をいただいて家に帰った。  あくる日は予想のごとく好天気である。今年は例年より気候がずっとゆるんでいる。ことさらきょうは暖かい三四郎は朝のうち湯に行った。閑人の少ない世の中だから、午前はすこぶるすいている。三四郎は板の間にかけてある三越呉服店看板を見た。きれいな女がかいてある。その女の顔がどこか美禰子に似ている。よく見ると目つきが違っている。歯並がわからない。美禰子の顔でもっと三四郎を驚かしたものは目つきと歯並である与次郎の説によると、あの女は反っ歯の気味だから、ああしじゅう歯が出るんだそうだが、三四郎にはけっしてそうは思えない。……  三四郎は湯につかってこんな事を考えていたので、からだのほうはあまりわずに出た。ゆうべから急に新時代青年という自覚が強くなったけれども、強いのは自覚だけで、からだのほうはもとのままである休みになるとほかの者よりずっと楽にしている。きょうは昼から大学陸上運動会を見に行く気である。  三四郎は元来あまり運動好きではない。国にいるとき兎狩りを二、三度したことがある。それから高等学校の端艇競漕の時に旗振りの役を勤めたことがある。その時青と赤と間違えて振ってたいへん苦情が出た。もっとも決勝の鉄砲を打つ係りの教授鉄砲を打ちそくなった。打つには打ったが音がしなかった。これが三四郎のあわてた原因である。それより以来三四郎運動会へ近づかなかった。しかしきょうは上京以来はじめての競技会だから、ぜひ行ってみるつもりである与次郎もぜひ行ってみろと勧めた。与次郎の言うところによると競技より女のほうが見にゆ価値があるのだそうだ。女のうちには野々宮さんの妹がいるだろう。野々宮さんの妹といっしょに美禰子もいるだろう。そこへ行って、こんちわとかなんとか挨拶をしてみたい。  昼過ぎになったから出かけた。会場の入口運動場の南のすみにある。大きな日の丸イギリス国旗が交差してある。日の丸は合点がいくが、イギリス国旗はなんのためだかからない。三四郎日英同盟のせいかとも考えた。けれども日英同盟大学陸上運動会とは、どういう関係があるか、とんと見当がつかなかった。  運動場は長方形の芝生である。秋が深いので芝の色がだいぶさめている。競技を見る所は西側にある。後に大きな築山をいっぱいに控えて、前は運動場の柵で仕切られた中へ、みんなを追い込むしかけになっている。狭いわりに見物人が多いのではなはだ窮屈である。さいわい日和がよいので寒くはない。しか外套を着ている者がだいぶある。その代り傘をさして来た女もある。  三四郎失望したのは婦人席が別になっていて、普通人間には近寄れないことであった。それからフロックコートや何か着た偉そうな男がたくさん集って、自分が存外幅のきかないようにみえたことであった。新時代青年をもってみずからおる三四郎は少し小さくなっていた。それでも人と人との間から婦人席の方を見渡すことは忘れなかった。横からからよく見えないが、ここはさすがにきれいである。ことごとく着飾っている。そのうえ遠距離から顔がみんな美しい。その代りだれが目立って美しいということもない。ただ総体総体として美しい。女が男を征服する色である。甲の女が乙の女に打ち勝つ色ではなかった。そこで三四郎はまた失望した。しかし注意したら、どこかにいるだろうと思って、よく見渡すと、はたして前列のいちばん柵に近い所に二人並んでいた。  三四郎は目のつけ所がようやくわかったので、まず一段落告げたような気で、安心していると、たちまち五、六人の男が目の前に飛んで出た。二百メートルの競走が済んだのである決勝点は美禰子とよし子がすわっている真正面で、しかも鼻の先だから、二人を見つめていた三四郎視線のうちにはぜひともこれらの壮漢がはいってくる。五、六人はやがて一二、三人にふえた。みんな呼吸をはずませているようにみえる。三四郎はこれらの学生の態度と自分の態度とを比べてみて、その相違に驚いた。どうして、ああ無分別にかける気になれたものだろうと思った。しか婦人連はことごとく熱心に見ている。そのうちでも美禰子とよし子はもっとも熱心らしい。三四郎自分無分別にかけてみたくなった。一番に到着した者が、紫の猿股をはい婦人席の方を向いて立っている。よく見ると昨夜の親睦会で演説をした学生に似ている。ああ背が高くては一番になるはずである。計測係りが黒板に二十五秒七四と書いた。書き終って、余りの白墨を向こうへなげて、こっちを向いたところを見ると野々宮さんであった。野々宮さんはいつになくまっ黒なフロックを着て、胸に係り員の徽章をつけて、だいぶ人品がいい。ハンケチを出して、洋服の袖を二、三度はたいたが、やがて黒板を離れて、芝生の上を横切って来た。ちょうど美禰子とよし子のすわっているまん前の所へ出た。低い柵の向こう側から首を婦人席の中へ延ばして、何か言っている。美禰子は立った。野々宮さんの所まで歩いてゆく。柵の向こうとこちらで話を始めたように見える。美禰子は急に振り返った。うれしそうな笑いにみちた顔である三四郎は遠くから一生懸命に二人を見守っていた。すると、よし子が立った。また柵のそばへ寄って行く。二人が三人になった。芝生の中では砲丸投げが始まった。

砲丸投げほど力のいるものはなかろう。力のいるわりにこれほどおもしろくないものもたんとない。ただ文字どおり砲丸を投げるのである。芸でもなんでもない。野々宮さんは柵の所で、ちょっとこの様子を見て笑っていた。けれども見物のじゃまになると悪いと思ったのであろう。柵を離れて芝生の中へ引き取った。二人の女も、もとの席へ復した。砲丸は時々投げられている。第一どのくらい遠くまでゆくんだか、ほとんど三四郎にはわからない。三四郎はばかばかしくなった。それでも我慢して立っていた。ようやくのことで片がついたとみえて、野々宮さんはまた黒板へ十一メートル三八と書いた。

 それからまた競走があって、長飛びがあって、その次には槌投げが始まった。三四郎はこの槌投げにいたって、とうとう辛抱がしきれなくなった。運動会めいめいかってに開くべきものである。人に見せべきものではない。あんものを熱心に見物する女はことごとく間違っているとまで思い込んで、会場を抜け出して、裏の築山の所まで来た。幕が張ってあって通れない。引き返して砂利の敷いてある所を少し来ると、会場から逃げた人がちらほら歩いている。盛装した婦人も見える。三四郎はまた右へ折れて、爪先上りを丘のてっぺんまで来た。道はてっぺんで尽きている。大きな石がある。三四郎はその上へ腰をかけて、高い崖の下にある池をながめた。下の運動会場でわあというおおぜいの声がする。

 三四郎はおよそ五分ばかり石へ腰をかけたままぼんやりしていた。やがてまた動く気になったので腰を上げて、立ちながら靴の踵を向け直すと、丘の上りぎわの、薄く色づいた紅葉の間に、さっきの女の影が見えた。並んで丘の裾を通る。

 三四郎は上から、二人を見おろしていた。二人は枝の隙から明らかな日向へ出て来た。黙っていると、前を通り抜けてしまう。三四郎は声をかけようかと考えた。距離があまり遠すぎる。急いで二、三歩芝の上を裾の方へ降りた。降り出すといいぐあいに女の一人がこっちを向いてくれた。三四郎はそれでとまった。じつはこちからまりごきげんをとりたくない。運動会が少し癪にさわっている。

あんな所に……」とよし子が言いだした。驚いて笑っている。この女はどんな陳腐ものを見ても珍しそうな目つきをするように思われる。その代り、いかな珍しいもの出会っても、やはり待ち受けていたような目つきで迎えるかと想像される。だからこの女に会うと重苦しいところが少しもなくって、しかもおちついた感じが起こる。三四郎は立ったまま、これはまったく、この大きな、常にぬれている、黒い眸のおかげだと考えた。

 美禰子も留まった。三四郎を見た。しかしその目はこの時にかぎって何物をも訴えていなかった。まるで高い木をながめるような目であった。三四郎は心のうちで、火の消えたランプを見る心持ちがした。もとの所に立ちすくんでいる。美禰子も動かない。

「なぜ競技を御覧にならないの」とよし子が下から聞いた。

「今まで見ていたんですが、つまらいからやめて来たのです」

 よし子は美禰子を顧みた。美禰子はやはり顔色を動かさない。三四郎は、

「それより、あなたたこそなぜ出て来たんです。たいへん熱心に見ていたじゃありませんか」と当てたような当てないようなことを大きな声で言った。美禰子はこの時はじめて、少し笑った。三四郎にはその笑いの意味がよくわからない。二歩ばかり女の方に近づいた。

「もう宅へ帰るんですか」

 女は二人とも答えなかった。三四郎はまた二歩ばかり女の方へ近づいた。

「どこかへ行くんですか」

「ええ、ちょっと」と美禰子が小さな声で言う。よく聞こえない。三四郎はとうとう女の前まで降りて来た。しかしどこへ行くとも追窮もしないで立っている。会場の方で喝采の声が聞こえる。

高飛びよ」とよし子が言う。「今度は何メートルになったでしょう」

 美禰子は軽く笑ったばかりである三四郎も黙っている。三四郎高飛びに口を出すのをいさぎよしとしないつもりである。すると美禰子が聞いた。

「この上には何かおもしろものがあって?」

 この上には石があって、崖があるばかりであるおもしろものがありようはずがない。

「なんにもないです」

「そう」と疑いを残したように言った。

「ちょいと上がってみましょうか」よし子が、快く言う。

あなた、まだここを御存じないの」と相手の女はおちついて出た。

「いいからいらっしゃいよ」

 よし子は先へ上る。二人はまたついて行った。よし子は足を芝生のはしまで出して、振り向きながら、

「絶壁ね」と大げさな言葉を使った。「サッフォーでも飛び込みそうな所じゃありませんか」

 美禰子と三四郎は声を出して笑った。そのくせ三四郎はサッフォーがどんな所から飛び込んだかよくわからなかった。

あなたも飛び込んでごらんなさい」と美禰子が言う。

「私? 飛び込みましょうか。でもあんまり水がきたないわね」と言いながら、こっちへ帰って来た。

 やがて女二人のあいだに用談が始まった。

あなた、いらしって」と美禰子が言う。

「ええ。あなたは」とよし子が言う。

「どうしましょう」

「どうでも。なんならわたしちょっと行ってくるから、ここに待っていらっしゃい」

「そうね」

 なかなか片づかない。三四郎が聞いてみると、よし子が病院看護婦のところへ、ついでだからちょっと礼に行ってくるんだと言う。美禰子はこの夏自分の親戚が入院していた時近づきになった看護婦を尋ねれば尋ねるのだが、これは必要でもなんでもないのだそうだ。

 よし子は、すなおに気の軽い女だからしまいに、すぐ帰って来ますと言い捨てて、早足に一人丘を降りて行った。止めるほどの必要もなし、いっしょに行くほどの事件でもないので、二人はしぜん後にのこるわけになった。二人の消極な態度からいえば、のこるというより、のこされたかたちにもなる。

 三四郎はまた石に腰をかけた。女は立っている。秋の日は鏡のように濁った池の上に落ちた。中に小さな島がある。島にはただ二本の木がはえている。青い松と薄い紅葉がぐあいよく枝をかわし合って、箱庭の趣がある。島を越して向こう側の突き当りがこんもりとどす黒く光っている。女は丘の上からその暗い木陰を指さした。

「あの木を知っていらしって」と言う。

「あれは椎」

 女は笑い出した。

「よく覚えていらっしゃること」

「あの時の看護婦ですか、あなたが今尋ねようと言ったのは」

「ええ」

「よし子さんの看護婦とは違うんですか」

「違います。これは椎――といった看護婦です」

 今度は三四郎が笑い出した。

「あすこですね。あなたがあの看護婦といっしょに団扇を持って立っていたのは」

 二人のいる所は高く池の中に突き出している。この丘とはまるで縁のない小山が一段低く、右側を走っている。大きな松と御殿一角と、運動会の幕の一部と、なだらかな芝生が見える。

「熱い日でしたね。病院あんまり暑いものから、とうとうこらえきれないで出てきたの。――あなたはまたなんであんな所にしゃがんでいらしったんです」

「熱いからです。あの日ははじめて野々宮さんに会って、それから、あすこへ来てぼんやりしていたのです。なんだか心細くなって」

「野々宮さんにお会いになってから、心細くおなりになったの」

「いいえ、そういうわけじゃない」と言いかけて、美禰子の顔を見たが、急に話頭を転じた。

「野々宮さんといえば、きょうはたいへん働いていますね」

「ええ、珍しくフロックコートをお着になって――ずいぶん御迷惑でしょう。朝から晩までですから

だってだいぶ得意のようじゃありませんか」

「だれが、野々宮さんが。――あなたもずいぶんね」

「なぜですか」

だってまさか運動会の計測係りになって得意になるようなかたでもないでしょう」

 三四郎はまた話頭を転じた。

「さっきあなたの所へ来て何か話していましたね」

「会場で?」

「ええ、運動会の柵の所で」と言ったが、三四郎はこの問を急に撤回したくなった。女は「ええ」と言ったまま男の顔をじっと見ている。少し下唇をそらして笑いかけている。三四郎はたまらなくなった。何か言ってまぎらそうとした時に、女は口を開いた。

あなたはまだこのあいだの絵はがきの返事をくださらないのね」

 三四郎はまごつきながら「あげます」と答えた。女はくれともなんとも言わない。

あなた原口さんという画工を御存じ?」と聞き直した。

「知りません」

「そう」

「どうかしましたか

「なに、その原口さんが、きょう見に来ていらしってね、みんなを写生しているから、私たちも用心しないと、ポンチにかかれるからって、野々宮さんがわざわざ注意してくだすったんです」

 美禰子はそばへ来て腰をかけた。三四郎自分いかにも愚物のような気がした。

「よし子さんはにいさんといっしょに帰らないんですか」

「いっしょに帰ろうったって帰れないわ。よし子さんは、きのうから私の家にいるんですもの

 三四郎はその時はじめて美禰子から野々宮のおっかさんが国へ帰ったということを聞いた。おっかさんが帰ると同時に、大久保を引き払って、野々宮さんは下宿をする、よし子は当分美禰子の家から学校へ通うことに、相談がきまったんだそうである

 三四郎はむしろ野々宮さんの気楽なのに驚いた。そうたやす下宿生活にもどるくらいなら、はじめから家を持たないほうがよかろう。第一鍋、釜、手桶などという世帯道具の始末はどうつけたろうと、よけいなことまで考えたが、口に出して言うほどのことでもないから、べつだんの批評は加えなかった。そのうえ、野々宮さんが一家の主人から、あともどりをして、ふたたび純書生と同様な生活状態に復するのは、とりもなおさず家族制から一歩遠のいたと同じことで、自分にとっては、目前の迷惑を少し長距離へ引き移したような好都合にもなる。その代りよし子が美禰子の家へ同居してしまった。この兄妹は絶えず往来していないと治まらないようにできあがっている。絶えず往来しているうちには野々宮さんと美禰子との関係も次第次第に移ってくる。すると野々宮さんがまたいつなんどき下宿生活永久にやめる時機がこないともかぎらない。

 三四郎は頭のなかに、こういう疑いある未来を、描きながら、美禰子と応対をしている。いっこうに気が乗らない。それを外部の態度だけでも普通のごとくつくろおうとすると苦痛になってくる。そこへうまいあいによし子が帰ってきてくれた。女同志のあいだには、もう一ぺん競技を見に行こうかという相談があったが、短くなりかけた秋の日がだいぶ回ったのと、回るにつれて、広い戸外の肌寒がようやく増してくるので、帰ることに話がきまる。

 三四郎も女連に別れて下宿へもどろうと思ったが、三人が話しながら、ずるずるべったりに歩き出したものから、きわだった挨拶をする機会がない。二人は自分を引っ張ってゆくようにみえる。自分もまた引っ張られてゆきたいような気がする。それで二人にくっついて池の端を図書館の横から、方角違いの赤門の方へ向いてきた。そのとき三四郎は、よし子に向かって、

「お兄いさんは下宿なすったそうですね」と聞いたら、よし子は、すぐ、

「ええ。とうとう。ひとを美禰子さんの所へ押しつけておいて。ひどいでしょう」と同意を求めるように言った。三四郎は何か返事をしようとした。そのまえに美禰子が口を開いた。

「宗八さんのようなかたは、我々の考えじゃわかりませんよ。ずっと高い所にいて、大きな事を考えていらっしゃるんだから」と大いに野々宮さんをほめだした。よし子は黙って聞いている。

 学問をする人がうるさい俗用を避けて、なるべく単純な生活にがまんするのは、みんな研究のためやむをえないんだからしかたがない。野々宮のような外国にまで聞こえるほどの仕事をする人が、普通学生同様な下宿はいっているのも必竟野々宮が偉いからのことで、下宿がきたなければきたないほど尊敬しなくってはならない。――美禰子の野々宮に対する賛辞のつづきは、ざっとこうである

 三四郎赤門の所で二人に別れた。追分の方へ足を向けながら考えだした。――なるほど美禰子の言ったとおりである自分と野々宮を比較してみるとだいぶ段が違う。自分田舎から出て大学はいったばかりである学問という学問もなければ、見識という見識もない。自分が、野々宮に対するほどな尊敬を美禰子から受けえないのは当然である。そういえばなんだか、あの女からかにされているようでもある。さっき、運動会はつまらいから、ここにいると、丘の上で答えた時に、美禰子はまじめな顔をして、この上には何かおもしろものがありますかと聞いた。あの時は気がつかなかったが、いま解釈してみると、故意自分を愚弄した言葉かもしれない。――三四郎は気がついて、きょうまで美禰子の自分に対する態度や言語を一々繰り返してみると、どれもこれもみんな悪い意味がつけられる。三四郎は往来のまん中でまっ赤になってうつむいた。ふと、顔を上げると向こうから与次郎とゆうべの会で演説をした学生が並んで来た。与次郎は首を縦に振ったぎり黙っている。学生帽子をとって礼をしながら、

「昨夜は。どうですか。とらわれちゃいけませんよ」と笑って行き過ぎた。

anond:20241001201601

ソニー損保CMに出てる日向坂の2人

もっと口開けて喋れよってイライラする

anond:20241001173019

別に子供居なくたって広い家に住みたい!窓がでかい家に住みたい!

地下には映画見れる部屋と、北側には居心地のいい図書室みたいな部屋、好きな時に計算できるようにリビング等の日常生活を行う部屋の壁はホワイトボードにして、畳の上で昼寝するの好きだから日向ぼっこできる畳の部屋が欲しい!とかで家買えばいいと思うんだけどそういうのないの?

自分はそういうのあるから独身でも家建てたけど

子供がいると勝手ライフイベントが来るかららくだけど、自分ライフイベント作るのも楽しい

大学行き直して、卒業式自分着物袴着いか着付け習おうとか

パーソナルトレーニングいって筋トレハマったかボディビル大会目指して出場してみるとか

仕事じゃなくて習い事でも趣味でも集大成を見せる場があればそれはライブイベントになっていく

2024-09-29

anond:20240928215137

何言ってんだよ、そんなん日向坂で一番ダントツのブスのアイツに決まってるじゃん今も現役なんかは知らんけど。あのブスがアイドルグループの中に存在することの心の葛藤劣等感を味わい尽くすためのセックスなんて考えただけで射精するよ。

2024-09-27

anond:20240926073259

男だが、そう言われるとまぁ、なんかオカシイ気はしてる。

モテない男の成れの果てのよーな奴が日向に出てくるたびに煙たがられるが、ハテブとかで偉そうに女性説教してる男たちは、はたして本当に、差別心や支配欲と無縁な聖人なのか?

2024-09-26

anond:20240926124410

アニメではヒナタの出番かなり増えてるんだよね(さすがにサクラほどではないがいのより遥かに多い)

日向家関連の設定も若干変わってる(原作では本当に落ちこぼれだったけどアニメだと妹に遠慮して実力隠してる設定)からアニメだけ見れば一応主人公の嫁候補としては普通にアリの範疇だと思う

原作は…ホラ…週刊連載はライブ感が大事だし…

今更NARUTOを初めて読んだんだけど

えっ、ヒナタとくっつくの???

<読む前に知ってた情報

ナルト少年が火影を目指す話

ナルトサスケサクラカカシはある程度分かる

・うっすらアニメを見たことがある気がする

・↑たぶん序盤だったせいか我愛羅ボスだと思ってた

・↑リーガイ(読む前は名前知らん)は親子だと思ってた(キャラクターの中身については全然知らん)

サスケサクラがくっつく(なんで知ったのかは忘れた、多分X)

BORUTO主人公ナルトの息子、あとは知らん)

最終話まで読んだ後の感想

えっ、ヒナタとくっつくの???(2回目)

サクラとくっつかなかったことじゃなくて、「ナルトヒナタとくっついたこと」にビックリした。いや、ヒナタってそういう立場キャラだったんか…

単純にヒナタがキャラとして目立ってなかった(いの以下くらいでは)のもあるし、ナルト気持ちはどこで変わったんだ?!と思ったし…

サイといのとかチョウジとカルイとかもだいぶ急感あったけど(シカマルとテマリはまあ…ギリ…でも恋愛になるのは分からん)、脇役だからというメタ理由でなんとでも納得できるけど、

ナルト主人公だよ?!くっつくならもっと作中でヒナタの活躍盛ってくれよ!正直ピンと来ねえよ!!!

読み始めた時点でBORUTOが始まってた(なんなら一部?は終わってた)から子どもがいるのは分かってたし、1話の顔岩ラクガキオマージュで締めたいから息子にしたかったのかなあみたいなのは分かる

分かるんだけど…えっ、い、いつ、いつの間にヒナタ??!!みたいな

ていうかネジがあっさり退場しちゃったのもあって、ヒナタ、おまえ数少ない出番それでいいんか…?て気持ちもある(結局日向家の問題は妹が宗家を継ぐことで解決!って話?)

最終話に至るまでナルトあんヒナタのこと意識してないのもあってすべて唐突感がすごい

リアルタイムでこれ読んでた人、振り落とされずによくBORUTOまでついてったな…

外伝とかで回収があるんスかね?

2024-09-20

フェス日向坂に結構引いた話

普段アイドルはそんなに見ない。ライブもほぼ行ったことがない。坂道グループ配信でいくつか見たことあるくらい。

そんな自分がこの前、ジャイガ(OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL)で日向坂を見た。

日向坂はたまにテレビで見て、可愛いな〜と思っていたので楽しみだった(デビュー当初しかほぼ知らないけど)。

「キュン」とか「ドレミ」とか一般人でも知っている曲を数曲歌ってくれて、かわいいな〜と思っていると、なぜだか曲間に客席まで全員で寄ってきた。ステージの端っこまで来て、一列に並んでこちらに手を振ってくる。しかも誰かが何かを話しているというわけではない。ひたすら笑顔で手を振っている。オタクたちは思い思いのタオルを掲げ、一生懸命名前を呼んでいる。

え、なにこの時間品評会

アイドルライブってこんな感じなんですか……?ファンは嬉しいのかもしれないけれど、人数が多いからか、正直かなり異様な光景に映った。

パフォーマンスは正直普通だった。可愛いけど、そんなに歌っていないし全力で踊っている感じもしないし、へぇ〜……という感じ。

四期生?新人の子たちのユニット?が頑張っていてそれはやや好きだった。

あと、「君はハニーデュー」という曲の歌詞に全力で引いた。

女性果物に例えた上で、「少し硬い果肉だけど」「瑞々しい若さいっぱい」て。

モニターにその歌詞アイドルたちが一緒に映し出されていることにかなり気まずさを覚えた。

フェスが終わった後ネット検索すると、「曲は良いのに歌詞が……」と残念がっているファンが多くて気の毒だったのと、ちょっとホッとした。いつもの(?)炎上商法なのかもしれない。

あとその曲のセンターの子は可愛かった。「見た目はごく普通」なのになんかグッと来る、みたいな歌詞にはフィットしているように思えた。

坂道グループはたまにテレビ動画で見ていて、日向坂には「正統派、全力明るいアイドル」というイメージ勝手に抱いていたので、なんか意外と普通で拍子抜けした。

でもきっと、あのフェスで誰かに一目惚れして、ズブズブはまっていく人もいるんだろうな。

アイドルフェスに出るのも、良い効果もあれば悪い効果もあるんだなと思った。

2024-09-12

タマ地裁民事部には医事部(第一部)があるから傷害被害を訴えるなら、そこを希望しようと思って」

当て逃げから提訴されるなんてトンデモない話よね。反訴禁止なら別訴しないとならないもんね」

反訴禁止のはずないんだけど。裁判官とかけっこうコレなのよ」

そのジェスチャー説明しまい。その担当最高裁事務総局派の判事補だった。そして、腰椎あばら骨折詐病と言ってくるのが、自賠責保険社のひき逃げ部隊とその弁護士である

増田は念のため医事部移送申立と裁判官忌避を、両方した。別訴の文書はほぼできていた。なのに、なんだか嫌な気がして、別訴は先延ばしにして一部和解に動き、ひとまずナノ程度の和解金を貰ったのである(米は買わねばならない)。

しかし、増田はあとでタマ地裁法廷割当表を見て、驚いた。

「どうして私の移送申立や忌避申立棄却タイミングで、第一部の担当表が白紙になってるんだろ…? それに、医事部でもなくなってる? 3ヶ月間も」

まり増田自意識過剰を構わずに言えば、局派は、

増田第一部に別訴したときのために、第一部を通常部にする。わが局派が自由に介入できるように。愚か者め、裁判所は我々の庭だ。ふふふ…増田自身第一部を選ぶのだから文句は言えまいよ。さあ蟻地獄に落ち給え」

という状態である。つまり賠償額1千万円切下げ工作の一環である

「どんだけシツコイのよ局派は?ひき逃げも局派の手の者がやったことかしら? 懸賞金目当てだかなんだか、裁判不正をやりたくてジリジリしてそうね」と思った増田

世間には局派(自民)と創価公明)と共産に同時に目をつけられている人物もいないとは限らないのである金融不動産業者は昔から名実ともに買収屋であり戦争屋だったのである郵便物はしばらく日向干しにしなければ部屋においてはいけない。

増田だんだんお尋ね者の気分になってきた。

2024-08-27

anond:20240827012946

男性だけど、定年になったときに妻が「やっと勤め上げたって感じだねー」とか言ったら、「おっ、せやなw」って返すと思うな。ふつーに。だって代わりに仕事してくれたわけじゃないとしても、陰に日向に支えてくれて一緒に走ってきたわけだから。帰りが遅いとき寝ずに待っててくれたりとかな。そりゃ、仕事ストレスで辛いのに振り回されたこととかあったとしても、それ(個別のこと)はそれ、これ(全体として)はこれだろ。

しろそこで、「いや、お前別に仕事してねーしw」みたいに返したら、相当感じ悪くない? この奥さん発言って、それと同じじゃねって思うけど。男女逆転したら、むしろ奥さんの感じ悪さが際立つんじゃね?

もちろん増田自身が認めるように、増田にも過失はあるだろう。でも、過失は過失で責めればいいけど、それでも越えちゃいけないラインてあるし、この発言は相当そのラインを越えた発言だと思うよ。

なのに、この奥さん発言正当化するのって、パートナーとしての対等性・対称性否定するのと同義だと思うんだよね。奥さんを聞き分けのない子供扱いしてるか、夫を人権のない存在とみなしてるか。多分後者なんだろうけど。個人的には、奥さんちょっとヤバ気な(ひと昔前の鬼女板ぽい)その手の思想カブれてて、現状は夫婦関係危機、つか手遅れ寸前じゃないかと思う。増田は、一度その辺詰めてみるべきだと思うんだよね。

 「なるほど、一緒に育てていると思わないというなら、今後一切子供に対しても、子供の世話をするあなたに対しても、私は口も出さなければ金もさない。

 それがよいということだね。もちろん、夫婦である間に築いた財産は半分に分与しよう。それはあなたの正当な権利から。それであなたは一人で子育てするといい。

 それでこそあなたは、名実共に『生物学上の父親の手を一切借りることなく一人で子育てをする母親』になれるわけだから、それがあなたの望みなのだね。」

……と、決して興奮せず、冷静に淡々と詰めてみたらどうだろう。そこまで言わねえだろうと思って甘えて、あるいは舐めているから、そんな後先考えない発言が出てくるのだと思うよ。

もしも、それで分からないようなら、あるいは売り言葉に買い言葉でも「それでいいわ」みたいなことを言ってせせら笑うようなら、双方の親、子供たちに向かって、奥さん発言自分の考えを説明して、「そういう次第なので、協議離婚することになりました。妻の意向により、慰謝料養育費は一切無しになります」となるしかないわな。まあ、いずれにせよオオゴトにはなるけど、増田が眠れないのは当然で、奥さん発言には実際それくらいの重みはあると思うし、いまここでオオゴトにしとかないと、あとではほんとにもう取り返しがつかないと思うよ。

2024-08-26

anond:20240825230811

日向坂の卒コンでもこれ起きて阿鼻叫喚だったの思い出した、同じ会場じゃねえか

2024-08-08

日向湾の地震

帰省の予定が吹っ飛んだ。

四国民は地震ビビりすぎ。

2024-08-07

日向坂46の卒業発表が雑

公式

日向坂46 12thシングル絶対的第六感」発売記念 forTUNE meets オンラインミートグリート(個別トーク会)開催決定!!

https://www.hinatazaka46.com/s/official/news/detail/R00305

12thシングル発売するンゴ!

それを記念してオンライン個別トーク会やるンゴ!

あ、4人はこのシングル最後の参加楽曲になるんでヨロシク!

 

ファン

ついにニューシングル来るんか。ならトーク会も既定路線やな。

4人も卒業!?!?!?!?

 

その後

4人:辞めますブログ更新

 

こういうのって普通、まず卒業公式リリース出したうえでシングルの告知するもんでしょ

シングルの告知と思って公式リリース見たやつビックリしただろうな

2024-08-02

anond:20240802002912

日向の面と日陰の面が同じだと思ってるのか、それとも人体が体表面で画された個体ではなく大気と一体化した気体だと思ってるのか、どっち?

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