『横浜・永谷天満宮』
菅原道真公に関わる聖蹟の一つ、横浜市港南区、地下鉄上永谷駅の近くに鎮座する永谷(ながや)天満宮である。
道真公は大宰府に流されてから、自分の姿を鏡に写し、自身の像を三体彫り、その一体を子の敦茂に授けた。
敦茂はこの像を帯同し関東に下向し、永谷郷に住まいし、日々拝したと云われる。
室町時代の終わりごろ、この相模国八郷を領し、永谷郷に城を構えた上杉刑部太夫藤原乗国に夢のお告げがあり、天満宮の社殿を造営して天満宮が祀られたという経緯を辿る。
三体像のうち、一体は大宰府の安楽寺に、もう一体は河内の道明寺に安置されたと云われるが、現在はそれぞれの天満宮にて祀られている。
これらを称して、日本三躰天満宮と云われる。
永谷天満宮へは、横浜市市営地下鉄上永谷駅で下車し北西方向へ向かう。
直ぐに丘が見えてくるが、かつてはこの丘の手前山麓に天満宮が鎮座していたが、江戸時代に丘の向こう山麓に移転されている。
丘の右手に遊歩道が設けられている。
今は、躑躅の花がきれいに咲いていて、良い香りもしている。
程なく鳥居、そしてその横には別当寺であった天神山貞昌院の伽藍が並ぶ。
子の敦茂はこの寺院の前身である天性院の宿坊下之坊で住まいしたと云われている。
鳥居を潜り、リアルな神牛像を見て、正面の石段に向かう。
本殿にお参りし、その上の富士が望める天神山に登りかけるが、靄なのか黄砂なのか見通しが悪く、残念ながら中断した。
その後、神官がいらっしゃたので御朱印を頂き、駅へと戻ったのであった。