『堺市中区・史跡土塔』
大阪府堺市中区土塔町にあり、国の史跡に指定されている「土塔(どとう)」である。
土塔は泉北高速鉄道の深井駅の東約1kmの所で、府道沿いにある。
現在は土塔町公園として整備されている。
門を入ると、正面に冒頭の土塔が広がっている。
土塔は、奈良時代の僧行基が建立したとされる大野寺の仏塔とされている。
現在の土塔は復元であるが、発掘調査では、土が盛り上げられ、その一辺は53.1m、高さは8.6m以上の以上の十三重の塔で、各層には瓦が葺かれてたとされている。
尚、展示されている復元模型によると、頂上には8角形のお堂があったとのことである。
周りを反時計回りに廻ってみる。
現在の西面、西北角、北面は瓦はなく、一面の草である。
東面、東南角、南面は当時のように一面の瓦葺きが再現されている。
瓦組を詳細に眺めたのが下部の写真である。
また、発掘調査にて周辺から土塔築造当時に葺かれていたとみられる文字瓦が多数出土しているとのことである。
尚、僧行基は現堺市の家原寺で生まれ、この大野寺を含む49院を建立したと云われている。
行基が布教活動を始めたころは迫害を受けたと云われているが、最後は認められ、聖武天皇から東大寺大仏の建立を託され、大僧正として当時の最高位に昇り詰めた僧である。