映画「クルエラ」
原題:Cruella
制作年:2021年 制作国:アメリカ 上映時間:134分
木曜の夜はもう週末気分、仕事を終えて自宅近所のシネコンに寄ったら、
もう新作が公開されていた.本年累積127本目はディズニーの新作.
ディズニーアニメ「101匹わんちゃん」に登場した悪役クルエラの誕生秘話を、
「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーン主演で実写映画化.
パンクムーブメント吹き荒れる70年代のロンドンに、デザイナーを志す少女
エステラがやってくる.情熱と野心に燃える彼女は、裁縫やデザイン画の制作
に打ち込み、デザイナーへの道を駆けあがるため切磋琢磨する.
そのままデザイナーへの道を進んでいくと思われたエステラだったが、
カリスマ的ファッションデザイナーのバロネスとの出会いが、エステラの
運命を大きく変えることとなる.
夢と希望にあふれた若きエステラが、なぜ狂気に満ちたクルエラとなったのか.
その秘密が明らかにされる.
エステラの運命を大きく変えるカリスマデザイナーのバロネス役を
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」「美女と野獣」のエマ・トンプソンが演じ、
「キングスマン」シリーズのマーク・ストロングらが共演.
「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」「ラースと、その彼女」のクレイグ・
ギレスピーがメガホンをとった.
2021年5月27日から劇場公開され、5月28日からDisney+でも配信
(追加料金が必要なプレミアアクセスで公開).
以上は《映画.COM》から転載.
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「101匹わんちゃん」でのクルエラの所業の悪さを良く覚えていない.
悪役って記憶に残らない? たしかアニメも実写版も見た気がするのだが.
本作も予告やパンフの謳い文句のディズニー史上最悪のヴィラン云々
は当てはまらない様な気がする.一介の若い女性の人生の格闘記.
エマ・ストーンとエマ・トンプソンの演技合戦の感有り.テンポもよく、
よく練られた脚本と懐かしい音楽達ち、あっという間の134分を
楽しんで観られた. ディズニー臭が少ない英国風の味付けも良い.
エステラの5歳時と12歳時の子役が可愛らしい.エマ・ストーン
の少女期を彷彿とさせる容姿と仕草だ.そして成人期のエステラを
演ずるエマ・ストーン、キュートで可愛い部分と執着心をもった
粘着質の両面を上手く演ずる.
白黒のインパクトあるヘアスタイルも、状況に応じてスタイリングが
変わっていて印象的.そしてなによりもそのファッションセンスが素晴らしい.
王道のエマ・トンプソン演じるバロネスのデザインは70年代の代表選手.
転じて、エステラいやクルエラのファッションセンスはそれらを凌駕する
パンク調、破壊力が十二分にある.
凄いのは、エステラはバロネスの部下でも働くゆえ、バロネスのモードと
クルエラのモードの二つを使い分ける.この才能の秘密は作品の後半で
明かされるが、さもありなんなのだ.
後にクルエラの召使い?となるダルメシアンとのなれそめもちゃんと描かれて
なるほどと納得のいきさつ.良く出来た脚本だ.
ファッション良し、音楽良し、そして両主演の演技良しで、久々に映画を
楽しんだ感がある.コロナ禍の中、塩漬けにされる作品群が多い中、
久々の傑作と思う.
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