原題:STAR TREK INTO DARKNESS
製作年度:2013年 製作国:アメリカ 上映時間:132分
やはり、トレッキーとしてはもう1回観ておかなければね.
父へ介護パンツを届けた後に、おおたかの森シネコンで本年124本目の観賞.
前作に引き続きJ・J・エイブラムスが監督を務め、クリス・パインやザカリー・クイント、
ゾーイ・サルダナらも続投するSFアクション大作の続編.
謎の男によって混乱にさらされる地球の命運に加え、カーク船長率いる
USSエンタープライズ最大の危機を活写する.
冷酷な悪役を、イギリ ス人俳優ベネディクト・カンバーバッチが怪演.
西暦2259年、カーク(クリス・パイン)が指揮するUSSエンタープライズは、
未知の惑星の探索中に巨大な地殻変動に遭遇.彼は深刻なルール違反を
犯してまで原住民と副長スポック(ザカリー・クイント)を救おうと試みるが、
地球に戻ると船長を解任されてしまう.
ちょうど同じ頃、ロンドンの宇宙艦隊データ 基地が何者かによって破壊され…….
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あらためて、やはり質の高いエンターテイメントと感じた.
そのスピード感、テンポの良さ、CG含めたスペース表現の深さ、
J・J・エイブラムス監督の手腕にあらためて感服.
天下の敵役、カンバーパッチを誉める人は多いが、カーク(クリス・パイン)
はどうもケチョンケチョンに見下されている(笑).
カンバーパッチ演ずるジョン・ハリソンは主人公たちを圧倒する知性と身体能力を持ち、
その態度は常に冷静そのもの.そして、人間の愛情を利用して罠を仕掛けるという凶悪さを持つ.
転じて、カークは単細胞で、感情的、目先の行動に追われる.副長のスポックに冷静な判断を
任せ、自らは勝手に危険に身をさらす始末….カーク船長のキャラは今後もずっとこうなので、
これは致し方のないところ.
冷静沈着なジョン・ハリソンと熱血漢カークの共通点は、部下への想い.
身を挺して部下を守ろうとする、その行動にはお互い敵ですら共感を抱かざるを得ないほど.
こうした部分に、このキャラクターに魅力を与えていると思うのだが、
やはりカンバーパッチに分があるよう(笑).
ハンサムとは違うが、特徴的な知性あふれる顔付き、そこしれない眼力(めぢから).
強靱的な肉体を感じさせる体軀.こんな役者に敵役はもったいないなぁ.
とにもかくにも、本作品の成功はカンバーパッチ起用に尽きると思う.
CGは好く出来ていて、エンタープライズの質感やボリューム感、
はたまたD4クラスのマーカス提督乗艦の巨大さを好く表す.
が、セット部分のシーンが酷く情けない.
特にエンタープライズの機関部はまるでどこかの鉄工所風景(笑).
ワープコアの芯ずれをカーク船長が蹴っ飛ばして直すなんて…、
なんとかならない部分かと、至極残念なシーンだった.
TVシリーズでも、世代は違うがボェジャーの機関部なんて、もっとモダンで美しかった.
あんな低予算のTVシリーズでも観賞に堪えたのだから、
J・J・エイブラムス監督は勉強不足の感有り.
最後にカンバーパッチを叩きのめす?スポックやそれを助けるウフーラ、
機関長のスコッティ、Dr.マッコイ、スールー、チェコフ…とそれぞれの活躍シーンを
盛り込んだところは、やはりオリジナルへのリスペクト感のあらわれ.
トレッキー泣かせというところだろうか.
なんだか、もう1回観たくなっちゃったなぁ…(笑).
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