映画「クライシス」 (DVD観賞)…面白く無い、でも為になる?
原題:Crisis
制作年:2021年 制作国:アメリカ 上映時間:118分
TSUTAYAの新作棚から、役者名で選んだDVD.なんとゲイリー・オールドマン
にアーミー・ハマーというではないか.著名な俳優ばかりでも日本公開は
無かったのかも?隠れた名作を期待して本年度206本目の鑑賞.
アメリカで社会問題となっている、依存性の高い処方箋鎮痛剤オピオイドの
まん延による危機を描いたサスペンススリラー.
合成鎮痛剤オピオイド「フェンタニル」の密輸を追う捜査官ジェイク、
行方不明になり亡くなった息子の死の真相を探る建築家クレア、
非依存性の鎮痛薬販売を計画する製薬会社と政府の癒着を知った
大学教授ブラウアー.
立場の異なる3人は、それぞれ必死の覚悟でオピオイドの実態に迫っていく.
大学教授ブラウアーを「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」
のゲイリー・オールドマン、捜査官ジェイクを「君の名前で僕を呼んで」の
アーミー・ハマー、建築家クレアを「アントマン」シリーズのエバンジェリン・リリー
が演じた.
監督・脚本は「キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け」のニコラス・ジャレッキー.
以上は《映画.COM》から転載.
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クスリ密輸を追う捜査官ジェイク:アーミー・ハマーを中心のストーリーと、
運び屋騒動で息子が行方不明になったクレア:エバンジェリン・リリーと、
非依存性の鎮痛薬オピオイドの委託試験で死に至る依存性を発見して
しまった大学教授ブラウアー:ゲイリー・オールドマンのストーリーが
まるで独立して進行していくので、ややこしいというかつまらない.
3人がほとんど絡むことなく話が進むので、主人公を誰か一人に絞る
脚本にして欲しかった感があってならない.
ゲイリーオールドマンは素晴らしい円熟演技を見せる.
マウスが依存性により次々死ぬ結果を持って、鎮痛薬販売を計画する
製薬会社に対峙するが、研究費打ち切りどころか大学からも追われようと
する窮地にはまってしまう.強い意志でこれらに立ち向かう.
アーミー・ハマーは捨て身のおとり捜査を試みる.多額の契約を吹きかけ、
クスリ製造現場に入ったり、組織のボス:マザーとの直接取引を試みる.
大量のクスリ現物を前に一網打尽しようと目論む.
建築家であるエバンジェリン・リリーは息子がクスリの過剰摂取で殺された
ことから、自ら調査して息子が関与した運び屋業務のスジから組織のボス
マザーが醜悪の根源と知り、命を狙う….
最後、ハマーが取り逃がしたマザーを見事にリリーが撃ち殺して.
二つの物語は繋がりをもつ.一方ゲイリー教授の方は製薬会社がFDAと
結託して合成鎮痛剤オピオイド「フェンタニル」を認可させてしまう.
大学は追われて職を失ってしまうが、捨てる神あれば、拾う神もあり、
別な大学で教職を得る.が、オピオイド「フェンタニル」は市場に広がって
しまう.
FDAとはアメリカ食品医療品局(Food and Drug Administration).
日本の厚生労働省にあたる公的機関.対コロナのワクチン認可で
最近名が上がっていた組織.会社で仕事していた時は医療機器の
認可作業等で随分お世話になった組織.こんな闇の作業の部分も
あるんだろうなぁ…と言う素朴な感想.官民癒着は世界共通だ.
本作で扱われたオピオイド「フェンタニル」は米で毎年10万人以上の
死者を出している医薬品.鎮痛剤として名前を変えて日本でも
処方販売されているらしい….鎮痛剤と依存性はもろ刃の刃、
知らぬ間に大変なクスリを飲まされているかも??
そんな社会派ドラマとしては観る価値有るかも.
エンタメ的にはいま一つの作品.
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