映画「神と共に 第一章 罪と罰」 (DVD)…スケール、スピードある快作.
原題:Along with the Gods: The Two Worlds 製作年:2018年
製作国:韓国 上映時間:140分
韓流作品棚から選んだのは、隠れた名作?の一環.冒険ファンタジーの種類
だろうか.本年度累積43本目はコミック原作の実写化韓国作品.
——————————————————————
韓国の人気ウェブコミックを実写映画化し、世界的ヒットを記録したファンタジー
アクション2部作の第1章.人間は死ぬと49日間に7つの地獄の裁判を受け
なければならず、すべてを無罪で通った者だけが現世に生まれ変わることが
できる.
ある日、死を迎えた消防士ジャホンの前に、冥界からの使者で地獄の裁判の
弁護と護衛を務めるヘウォンメクとドクチュン、カンニムが現れる.
生前の善行が認められ、19年ぶりの貴人として転生を確実視されるジャホン
だったが、裁判が進むにつれて地獄鬼や怨霊が出現し、冥界が揺らぎはじめる.
冥界の使者カンニムを「お嬢さん」のハ・ジョンウ、ヘウォンメクを「アシュラ」の
チュ・ジフンが演じるほか、共演にも「猟奇的な彼女」のチャ・テヒョン、
「新しき世界」のイ・ジョンジェら豪華キャストが集結.
「ミスターGO!」のキム・ヨンファ監督がメガホンを取る.
以上は《映画.COM》から転載.
——————————————————————
救助活動中に命を落とした消防士ジャホンの:チャ・テヒョンの前に、彼を
弁護するという3人の使者が現れる.彼らが言うには、死者は閻魔大王に
よる七つの裁判を受けねばならず、その結果によって生まれ変わるのか
地獄に落ちるのか決まるのだという.善人であるジャホンは余裕で勝訴
出来ると思われていたのだが、そんな彼が何故か〈地獄鬼〉という怪物
に狙われる…と言う物語.
四十九日で行われる閻魔大王の大岡裁きを法廷劇にする…これはなかなか
フレッシュな発想、韓国コミックが原作だそう.おもしろい設定だし、VFX満載の
映像は、上出来でお金がかかっている印象.
それにしても、死後、極楽(天国)へ行くというストーリーではなく、地獄へ行き
裁判を受け、裁判を通過できたら、生まれ変わることができるというのは、
韓国独特の死後観なのだろうか? それとも原作コミックの創作??
ストーリーに関しても導入から非常に見やすく、何より主人公がイケてない男子で、
いい人過ぎるオーラ全開で始まる.19年ぶりの貴人(生前に善行を積んだ善人)
なので、七つの地獄での裁判(殺人・怠惰・ウソ・不義・裏切り・暴力・天倫)を
楽にパスできるかと思いきや、同僚を見殺しにした罪とか、親を亡くした子への
嘘の手紙とか…一見すると怠惰・ウソの罪かと思われ窮地に立つ事となる.
完全無欠な貴人なんて存在は生きていく上に不可能ではないかと思わせるが、
3人の使者の機転できる抜けることが出来る. ところが、最後の天倫地獄
(親不孝の罪を問う)で、大きく待ったがかかる.
昼夜を問わず働き、人を救ってきたのは何の理由かと問われ、正直に「金のためだ」
と答えてしまう.15年前に病気の母を殺して、弟とも無理心中しようとして履行できず、
その後15年間一度も母親の所に帰っていないという事実も露見する.
その過去の経緯については、母側にも秘密があり、うまく、親子の絆にからめて、
終盤の母と息子の絆が涙をそそる名シーンと繫がっていく.
いかにも儒教の教えが根強い東アジア国家的な展開で超ベタなのだけど、
登場キャラクターたちに涙まで流させてしまうのはやり過ぎであろう.
これはちょっと味付けが甘すぎると思った.
第二章が存在する.今回の主人公ジャホンの弟スホンは今回無念の死を遂げ、
怨霊と化してしまうのだが、3人の使者達が彼に最後の審判を受けさせるという
別仕立ての物語らしい.本作のラストにちょい顔出しするマ・ドンソクに期待して
しまうなぁ.あまり間を空けずに第二章も観賞する予定.
.