勤めている会社のワークライフバランス時間というか、サマータイムシフトが
ようやく9月末で終わる.都合3カ月間の実施だった.
始業時間が30分早められ、昼休みが15分削られ、退社時間が45分早まる
という仕組みからようやく解放される.
たかが30分と言うなかれ、朝の30分シフトはけっこうなストレスで心にも体にも
影響は大きかった.なにせ朝4時半に起床していたから….
これがオリンピック組織委員会会長:森喜朗の提案する2時間サマータイムを
考えるなら、ぞっとする.それほど体内時計や時間と体調の関係は深く、
基本的には時間のシフトは不可侵と思っている.
さて、今回はこの基準となる“標準時間”について記する.
“日本の標準時間は小金井市で決められている.”
この記事を日経で見て、目からうろこが落ちてしまった.以下に転載を.
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人の生活に欠かせない時刻はコンピュータやネットワーク機器にも重要な存在.
時刻がずれているとログオンを拒否されたりエラーが発生したりと
大きな問題になりかねない.
そこで本記事では、インターネットの「時刻」について解説する.
日本における時刻の基準となるのが「日本標準時(JST)」だ.
日本標準時は情報通信研究機構(NICT)が決めている.
東京都小金井市にあるNICT本部には、JSTを決めるための原子時計が18個存在している.
精度が高いとされる原子時計だが、温度や湿度、地球の磁場などの
影響で周期が微妙に変化してしまう.
NICTの原子時計は、シールドを施して温度や湿度を一定に保った部屋に
設置しているものの、影響を完全に排除することは不可能だ.
そこで、18個のセシウム時計を計測.安定した時計には高得点、
安定度が悪い時計には低い点といったように加重平均しながら
合成してNICT版の協定世界時(UTC)を決めている.これを9時間進めてJSTとしている.
なお、全世界の標準時の基準となるUTCはフランスの国際度量衡局が決める.
このUTCは、NICTの18個を含む世界中の機関が管理している原子時計から
データを集めて算出している.
算出したUTCは、国際度量衡局が月に1度のタイミングで発表している.
日本と同じように、各国は原子時計を持ち独自のUTCを算出して国内向けに配信している.
それらローカルのUTCと、国際度量衡局が発表したUTCを比較することで
世界中の時刻がなるべくずれないように調整する.
NICTではUTCとの誤差を10ナノ秒以内に抑えることを目標に加重平均の重み付けを
調整している.国や地域をまたいで時刻を調整する場合には人工衛星を使うのが一般的.
GPS衛星から送られてくる時刻情報と比較したり、商用の通信衛星を使って時刻情報を
双方で送り合ったりする.
NICTは、JSTを算出するだけでなく、日本国内へJSTを配信する業務を担当している.
NICTからJSTを配信する方法は(1)標準電波(JJY)、(2)テレホンJJY、
(3)NTP、(4)タイムビジネス向けの専用線や衛星の4種類がある.
標準電波とは、文字通りラジオのように電波を使って時刻を日本中に配信するサービス.
福島県のおおたかどや山と佐賀県・福岡県のはがね山の2カ所から、
長波を使ってJSTを配信している.
標準電波では、年月日と時刻、曜日などの情報を含む時刻コードを送っており、
市販の電波時計などが受信して時刻を自動修正している.
テレホンJJYは電話回線とモデムを使って時刻情報を送るサービス.
NTT東西の117番による時報サービスや放送局のほか、金融機関や
インターネットサービス事業者が利用している.これまでは、アナログの電話回線を
使っていたが、最近は光回線を使ったサービスも始まっている.
NICTは、JSTをNTPでも配信している.2006年からは一般のユーザー向けに
広くNTPサーバーを公開しており、パソコンなどのNTPクライアントの参照先として
指定することで、JSTを算出する原子時計と直結したNTPサーバー(Stratum 1)
から時刻を受け取れる.
もちろん企業内のNTPサーバーの参照先にすることもできる.NICTはNTP配信のために
専用機を開発しており、今では1日に20億件を超える膨大なリクエストを処理している.
NICTは、タイムスタンプなど時刻のビジネスを手掛ける事業者にもJSTを配信している.
具体的には、GPS衛星経由でNICTとの間の時差を比較してJSTを算出する.
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少しヲタクっぽい記事なのだけど (笑)、情報通信研究機構(NICT)の
もつ重要性がよく分る記事だと思う.
この機構が取り扱う標準時間をオリンピックの期間だけ2時間ずらすというのが、
森善朗の提案である.いかほどの準備と作業が控えるかを考えてほしい.
加えて、それによる国民の健康被害をきちんと想定しているかが大問題.
商業主義、拝金主義の政治家に扱ってほしくない事項だと思う.
しかしながら、この標準時間をずらす作業とは実のところ、数年に1回の頻度で
行われていることを記しておこう.“うるう秒”の修正なのだ.
これは又忘れた頃に記事にします(笑).
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